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第19話

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 セインから話を聞いた翌日、魔法学園で問題が発生する。
 授業中に教室中に白い霧が発生して、窓や外に出る扉が開かなくなっていた。

 この霧が無害だと私は知っているけど、教室中がパニックに陥る。
 唐突に何も見えなくなる視界は、思っていた以上に恐怖だった。
 そんな中で――教室に、ヴァンの叫び声が聞こえる。

「サフィラ! 大丈夫か!!」

 そう言いながら私に迫り、杖を替えようとしていた。
 今までヴァンが心配したことなんて1度もなかったから、私は演技に呆れるしかない。

 元婚約者として、ヴァンはサフィラを助けるために動いた。
 その行動に感動したサフィラは、国王にヴァンを許して欲しいと懇願する。

 ――恐らくそうなることが、ヴァンとエイダの計画だ。
 実際は洗脳の魔法道具を使い、私を従えて言わせようとしている。

「今のヴァンは、時間の余裕がないから焦っています」

 私は小声で呟きながら、セインから受け取った魔法道具を使う。
 それによって――私は、ヴァンとエイダの計画を潰すことができていた。
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