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第14話

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ヴァン視点

 俺は陛下から、数日間には平民だと言われていた。
 あの場で俺が拒めば、即座に追い出されていたかもしれない。
 国王に数日後と言われた時点で、納得するしかなかった。

 俺はエイダと部屋に戻り、不安に押し潰されそうになる。
 そんな俺を眺めて、エイダは冷静に話した。

「まだ数日あります――予定通り、サフィラ様を従えましょう」

「それで、父上は納得すると思うか?」

「サフィラ様が許すと言えば、納得するしかないでしょう」

 そしてサフィラがエイダを慕うことで、予定通りとなる。
 エイダの発言を聞き、俺は冷静になれた。
 このままだと平民だが、ルレック公爵家が味方となれば変わるだろう。
 
「むしろ好機と考えましょう。ヴァン殿下が勘当されるのは、元婚約者として止めたいと思わせる理由となります」 

 エイダの計画通りになれば、俺は王子でいられるはずだ。
 準備はできているから、授業中にトラブルが発生する。
 その混乱に乗じて、サフィラの杖を魔法道具と替えればいい。

「エイダの言うとおりだ。サフィラを従えて許すと言わせれば、父上も俺を追い出すことをやめるだろう!」

 もうサフィラを従えるしか、俺にできる方法はない。
 それなのに……杖の魔法道具を調達したことを、サフィラは把握していたようだ。
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