愛せないと言われたから、私も愛することをやめました

天宮有

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第13話

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ヴァン視点

 俺は国王から、悪事を捏造していたと言われてしまう。
 従えていた奴等が裏切り、俺に命令されたことを話したようだ。

「ここまで証人がいる。俺との約束を忘れたとは言わせないぞ!」

「ぐっっ……確かに俺はサフィラを貶めましたが、それはエイダより劣っている証明にはなりません!」

 最悪なのは、この場で勘当を言い渡されることだ。
 エイダの方が優秀だと叫ぶと、国王は激怒する。

「サフィラ様は真実を暴くだけの力があり、ルレック公爵家の令嬢だ。平民のエイダより劣っているわけがないだろう!」

「うっっ……ですが――」

「――ハッキリ言ってやろう。俺はサフィラ様との婚約を破棄した時点で、貴様を勘当する予定だった!」

「なっっ――!?」

 国王の宣言を聞き、俺は動揺するしかない。
 エイダがサフィラより優秀と証明することはできず、今回の件を勘当の理由にしたいようだ。

「今回の件は貴様を勘当する理由となる。数日後にはこの城から出て行ってもらうぞ!」

「……わかり、ました」

 国王が即座に追い出さなかったのは、平民になる前に準備をさせようと考えたからだ。
 俺は諦めて納得したフリをするが、まだ諦めてはいない。

 このままでは俺は、数日後に平民となってしまう。
 それは絶対に嫌だから、俺はサフィラを支配しようと決意していた。
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