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第52話

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 目的を果たした私は、ルグド王を無視して城から出ていた。

 警備や兵士達はやる気というより実力がないから、私が玉座の間に侵入したことも気付いていないはず。
 城の内部を把握していたから問題なく王都を出ることができて――合流場所で馬車が見えて、カインが待っていた。
 これからロガムラ国へ戻れば、私がどこにいるのかわからないままだ。

 馬車の中に入ると動き出して、対面しているカインが話す。

「アリザ、無事でなによりだ」
「はい。平民から側妃に戻りたいと思われているのが嫌でしたから、直接言えてよかったです」

 心配していたようで、カインは戻って来た私を眺めて安堵している。
 そんなカインと一緒にいたいと思い、本心を話す。

「今回の行動は私の我儘ですけど、付き合ってくれてありがとうございます」
「私としても、アリザに故郷を案内してもらえて嬉しかった。ムーディス国には、もう来ることもないだろう」

 私がいれば助かったかもしれないけど、戻る気はない。
 もうムーディス国と関わらなくていいと思っていたけど、ルグド達は諦めていないようだ。
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