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第51話
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私の発言を聞き、ルグドは唖然としていた。
――愚かな元側妃として、貴方の苦しんでいる姿を見に来た。
その発言を思い返したのか、ルグドは激昂して叫ぶ。
「はぁぁっっ!? ふざけたことを言うな! お前は城から出られると思っているのか!?」
「すぐに出て行きますから問題ありません。私を捜索しているみたいなので、戻る気はないと言いたくなっただけです」
そう言い、私は玉座の間を後にしようとする。
言いたいことを言えたから、もう二度と会うこともない。
それはルグドにもわかったようで、頭を下げて謝罪する。
「待て! 今までのことは全て謝罪する! 俺が悪かった!!」
「ルグドは現状を、愚かな側妃の私のせいにしているみたいですね」
「仕方なかったんだ! それもこの場で謝罪しているだろう!?」
今までのことは全て謝罪するという部分に、私が城から出た後のことも含まれているようだ。
何度も私に向かって頭を下げる姿を眺めて、これでルグドを忘れることができそうと確信する。
最後に本心を告げて、城から出て行こうとしていた。
「それでも嫌に決まっています――さようなら」
引き留めるルグドの発言を無視し、私は城から出て行くことにした。
――愚かな元側妃として、貴方の苦しんでいる姿を見に来た。
その発言を思い返したのか、ルグドは激昂して叫ぶ。
「はぁぁっっ!? ふざけたことを言うな! お前は城から出られると思っているのか!?」
「すぐに出て行きますから問題ありません。私を捜索しているみたいなので、戻る気はないと言いたくなっただけです」
そう言い、私は玉座の間を後にしようとする。
言いたいことを言えたから、もう二度と会うこともない。
それはルグドにもわかったようで、頭を下げて謝罪する。
「待て! 今までのことは全て謝罪する! 俺が悪かった!!」
「ルグドは現状を、愚かな側妃の私のせいにしているみたいですね」
「仕方なかったんだ! それもこの場で謝罪しているだろう!?」
今までのことは全て謝罪するという部分に、私が城から出た後のことも含まれているようだ。
何度も私に向かって頭を下げる姿を眺めて、これでルグドを忘れることができそうと確信する。
最後に本心を告げて、城から出て行こうとしていた。
「それでも嫌に決まっています――さようなら」
引き留めるルグドの発言を無視し、私は城から出て行くことにした。
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