32 / 66
第32話
しおりを挟む
ルグド視点
宰相ノースの報告を聞き、俺は急いでシェムの元へ向かう。
そして、王妃のシェムが隣国の王妃を平手打ちしたと知り、唖然とするしかなかった。
俺が別行動している間に、とんでもないことが起きている。
急いでシェムの元へ向かうと――そこには、取り押さえられているシェムの姿があった。
シェムの言い分では、発言から明らかに見下されていたらしい。
そして思わず手が出たようだが、叩く直前に冷静になって思い留まろうとする。
それでも隣国の王妃は止まった手が当たったようにみせて、大げさに床に倒れたようだ。
俺に向かってシェムが説明すると、傍にいた他国の王妃が話す。
「シェム様がなんと言おうと、叩いたのは間違いありません。今回は大勢の人達がシェム様の行動を目にしております」
「挑発されて思わず手が出そうになっただけ! 私は叩いていません!!」
発言的に、隣国の王妃はシェムがお茶会で暴力を振るったと耳にしたのかもしれない。
挑発して慰謝料をもらおうとしたのかもしれないが、どうしてそんなことをするのか理由がわからなかった。
困惑していると、隣にやってきた宰相ノースが小声で言う。
「……今まではアリザ様がいたから、シェム様は守られていました」
発言を聞いた俺は、アリザが必要だったと再確認することとなる。
宰相ノースの報告を聞き、俺は急いでシェムの元へ向かう。
そして、王妃のシェムが隣国の王妃を平手打ちしたと知り、唖然とするしかなかった。
俺が別行動している間に、とんでもないことが起きている。
急いでシェムの元へ向かうと――そこには、取り押さえられているシェムの姿があった。
シェムの言い分では、発言から明らかに見下されていたらしい。
そして思わず手が出たようだが、叩く直前に冷静になって思い留まろうとする。
それでも隣国の王妃は止まった手が当たったようにみせて、大げさに床に倒れたようだ。
俺に向かってシェムが説明すると、傍にいた他国の王妃が話す。
「シェム様がなんと言おうと、叩いたのは間違いありません。今回は大勢の人達がシェム様の行動を目にしております」
「挑発されて思わず手が出そうになっただけ! 私は叩いていません!!」
発言的に、隣国の王妃はシェムがお茶会で暴力を振るったと耳にしたのかもしれない。
挑発して慰謝料をもらおうとしたのかもしれないが、どうしてそんなことをするのか理由がわからなかった。
困惑していると、隣にやってきた宰相ノースが小声で言う。
「……今まではアリザ様がいたから、シェム様は守られていました」
発言を聞いた俺は、アリザが必要だったと再確認することとなる。
131
お気に入りに追加
3,404
あなたにおすすめの小説

手放したくない理由
ねむたん
恋愛
公爵令嬢エリスと王太子アドリアンの婚約は、互いに「務め」として受け入れたものだった。貴族として、国のために結ばれる。
しかし、王太子が何かと幼馴染のレイナを優先し、社交界でも「王太子妃にふさわしいのは彼女では?」と囁かれる中、エリスは淡々と「それならば、私は不要では?」と考える。そして、自ら婚約解消を申し出る。
話し合いの場で、王妃が「辛い思いをさせてしまってごめんなさいね」と声をかけるが、エリスは本当にまったく辛くなかったため、きょとんとする。その様子を見た周囲は困惑し、
「……王太子への愛は芽生えていなかったのですか?」
と問うが、エリスは「愛?」と首を傾げる。
同時に、婚約解消に動揺したアドリアンにも、側近たちが「殿下はレイナ嬢に恋をしていたのでは?」と問いかける。しかし、彼もまた「恋……?」と首を傾げる。
大人たちは、その光景を見て、教育の偏りを大いに後悔することになる。

【完結】真面目だけが取り柄の地味で従順な女はもうやめますね
祈璃
恋愛
「結婚相手としては、ああいうのがいいんだよ。真面目だけが取り柄の、地味で従順な女が」
婚約者のエイデンが自分の陰口を言っているのを偶然聞いてしまったサンドラ。
ショックを受けたサンドラが中庭で泣いていると、そこに公爵令嬢であるマチルダが偶然やってくる。
その後、マチルダの助けと従兄弟のユーリスの後押しを受けたサンドラは、新しい自分へと生まれ変わることを決意した。
「あなたの結婚相手に相応しくなくなってごめんなさいね。申し訳ないから、あなたの望み通り婚約は解消してあげるわ」
*****
全18話。
過剰なざまぁはありません。

俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?

【完結】裏切ったあなたを許さない
紫崎 藍華
恋愛
ジョナスはスザンナの婚約者だ。
そのジョナスがスザンナの妹のセレナとの婚約を望んでいると親から告げられた。
それは決定事項であるため婚約は解消され、それだけなく二人の邪魔になるからと領地から追放すると告げられた。
そこにセレナの意向が働いていることは間違いなく、スザンナはセレナに人生を翻弄されるのだった。

【完結】で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?
Debby
恋愛
キャナリィ・ウィスタリア侯爵令嬢とクラレット・メイズ伯爵令嬢は困惑していた。
最近何故か良く目にする平民の生徒──エボニーがいる。
とても可愛らしい女子生徒であるが視界の隅をウロウロしていたりジッと見られたりするため嫌でも目に入る。立場的に視線を集めることも多いため、わざわざ声をかけることでも無いと放置していた。
クラレットから自分に任せて欲しいと言われたことも理由のひとつだ。
しかし一度だけ声をかけたことを皮切りに身に覚えの無い噂が学園内を駆け巡る。
次期フロスティ公爵夫人として日頃から所作にも気を付けているキャナリィはそのような噂を信じられてしまうなんてと反省するが、それはキャナリィが婚約者であるフロスティ公爵令息のジェードと仲の良いエボニーに嫉妬しての所業だと言われ──
「私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
そう問うたキャナリィは
「それはこちらの台詞だ。どうしてエボニーを執拗に苛めるのだ」
逆にジェードに問い返されたのだった。
★★★★★★
覗いて下さりありがとうございます。
女性向けHOTランキングで最高20位までいくことができました。(本編)
沢山の方に読んでいただけて嬉しかったので、続き?を書きました(*^^*)
★花言葉は「恋の勝利」
本編より過去→未来
ジェードとクラレットのお話
★ジェード様の憂鬱【読み切り】
ジェードの暗躍?(エボニーのお相手)のお話


どうか、お幸せになって下さいね。伯爵令嬢はみんなが裏で動いているのに最後まで気づかない。
しげむろ ゆうき
恋愛
キリオス伯爵家の娘であるハンナは一年前に母を病死で亡くした。そんな悲しみにくれるなか、ある日、父のエドモンドが愛人ドナと隠し子フィナを勝手に連れて来てしまったのだ。
二人はすぐに屋敷を我が物顔で歩き出す。そんな二人にハンナは日々困らされていたが、味方である使用人達のおかげで上手くやっていけていた。
しかし、ある日ハンナは学園の帰りに事故に遭い……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる