愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有

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第17話

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ルグド視点

 城から出て行くアリザを、止めることができなかった。

 誰もいなくなった後も立ち尽くしてしまい、俺は呟く。

「我慢することをやめた時点で、廃妃と俺が言った瞬間に行動する気だったのか……」

 魔石や誓約書の魔法道具を持っていた時点で、何を言っても無意味だった。
 発言と行動から察した後、廊下を歩きながら今後について考える。

「シェムを王妃らしくした方がいい。か……そんなことはわかっている」

 教育係を辞めさせた時点で、シェムは何も変わることはないだろう。
 自分が一番偉いと考え、俺のことが好きなようだが言うことを聞く気はなかった。
 それでも……アリザを廃妃にしたと知れば、もしかしたら変わろうと考えてくれるかもしれない。

「廃妃にしたと、この誓約書を見せればシェムでも信じるだろう。アリザはいなくなってしまったが、それを利用するしかない!」

 愚かな側妃を消したのはシェムの功績と伝え、王妃として優秀と褒めて伸ばす。
 方針を決めた俺は今日の出来事をシェムに報告して、これから失望することとなる。
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