15 / 66
第15話
しおりを挟む
誓約書とペンは魔法道具で、サインを終えた後はお互いが所持する。
廃妃を公表されて、理由は「アリザが愚かな側妃だから」ということになりそうだ。
発言を記録する魔石をルグドの目の前で砕いたけど、誓約書があるから問題ない。
城から出て行こうとした時、ルグドが私を止めようとした。
「まっ、待ってくれ! 本当にアリザは側妃から平民になる気でいるのか!?」
「はい。愚かな側妃と言われ続けている現状より遥かにいいでしょう」
「その噂を広めたことは悪かった! シェムの家が恐ろしくて、一番穏便と思っただけなんだ!」
ここで私が城から出て行けば、二度と会えないかもしれない。
それを理解しているからルグドは説得してくるけど、私の考えは変わらなかった。
「私を廃妃にするよう言われて、ルグド様はシェム様に従ったのでしょう」
「そ、それは……」
「私を説得するより、シェム様を王妃らしくした方がいいですよ」
前にも言ったけど、私はもう一度ルグドに告げる。
今まで助けられていたことがおかしくて、正妃のシェムは変わりそうにない。
それは私もわかっているけど、シェムが王妃らしくなるしかなさそうだ。
呆然とするルグドを見た後、私は城から出ていく。
我慢することをやめた私は廃妃となって、これからは自由に生きていこう。
廃妃を公表されて、理由は「アリザが愚かな側妃だから」ということになりそうだ。
発言を記録する魔石をルグドの目の前で砕いたけど、誓約書があるから問題ない。
城から出て行こうとした時、ルグドが私を止めようとした。
「まっ、待ってくれ! 本当にアリザは側妃から平民になる気でいるのか!?」
「はい。愚かな側妃と言われ続けている現状より遥かにいいでしょう」
「その噂を広めたことは悪かった! シェムの家が恐ろしくて、一番穏便と思っただけなんだ!」
ここで私が城から出て行けば、二度と会えないかもしれない。
それを理解しているからルグドは説得してくるけど、私の考えは変わらなかった。
「私を廃妃にするよう言われて、ルグド様はシェム様に従ったのでしょう」
「そ、それは……」
「私を説得するより、シェム様を王妃らしくした方がいいですよ」
前にも言ったけど、私はもう一度ルグドに告げる。
今まで助けられていたことがおかしくて、正妃のシェムは変わりそうにない。
それは私もわかっているけど、シェムが王妃らしくなるしかなさそうだ。
呆然とするルグドを見た後、私は城から出ていく。
我慢することをやめた私は廃妃となって、これからは自由に生きていこう。
118
お気に入りに追加
3,379
あなたにおすすめの小説
どうぞ、(誰にも真似できない)その愛を貫いてくださいませ(笑)
mios
恋愛
公爵令嬢の婚約者を捨て、男爵令嬢と大恋愛の末に結婚した第一王子。公爵家の後ろ盾がなくなって、王太子の地位を降ろされた第一王子。
念願の子に恵まれて、産まれた直後に齎された幼い王子様の訃報。
国中が悲しみに包まれた時、侯爵家に一報が。
今から婚約者に会いに行きます。〜私は運命の相手ではないから
毛蟹葵葉
恋愛
婚約者が王立学園の卒業を間近に控えていたある日。
ポーリーンのところに、婚約者の恋人だと名乗る女性がやってきた。
彼女は別れろ。と、一方的に迫り。
最後には暴言を吐いた。
「ああ、本当に嫌だわ。こんな田舎。肥溜めの臭いがするみたい。……貴女からも漂ってるわよ」
洗練された都会に住む自分の方がトリスタンにふさわしい。と、言わんばかりに彼女は微笑んだ。
「ねえ、卒業パーティーには来ないでね。恥をかくのは貴女よ。婚約破棄されてもまだ間に合うでしょう?早く相手を見つけたら?」
彼女が去ると、ポーリーンはある事を考えた。
ちゃんと、別れ話をしようと。
ポーリーンはこっそりと屋敷から抜け出して、婚約者のところへと向かった。
【完結済】自由に生きたいあなたの愛を期待するのはもうやめました
鳴宮野々花@軍神騎士団長1月15日発売
恋愛
伯爵令嬢クラウディア・マクラウドは長年の婚約者であるダミアン・ウィルコックス伯爵令息のことを大切に想っていた。結婚したら彼と二人で愛のある家庭を築きたいと夢見ていた。
ところが新婚初夜、ダミアンは言った。
「俺たちはまるっきり愛のない政略結婚をしたわけだ。まぁ仕方ない。あとは割り切って互いに自由に生きようじゃないか。」
そう言って愛人らとともに自由に過ごしはじめたダミアン。激しくショックを受けるクラウディアだったが、それでもひたむきにダミアンに尽くし、少しずつでも自分に振り向いて欲しいと願っていた。
しかしそんなクラウディアの思いをことごとく裏切り、鼻で笑うダミアン。
心が折れそうなクラウディアはそんな時、王国騎士団の騎士となった友人アーネスト・グレアム侯爵令息と再会する。
初恋の相手であるクラウディアの不幸せそうな様子を見て、どうにかダミアンから奪ってでも自分の手で幸せにしたいと考えるアーネスト。
そんなアーネストと次第に親密になり自分から心が離れていくクラウディアの様子を見て、急に焦り始めたダミアンは─────
(※※夫が酷い男なので序盤の数話は暗い話ですが、アーネストが出てきてからはわりとラブコメ風です。)(※※この物語の世界は作者独自の設定です。)
【完結】高嶺の花がいなくなった日。
紺
恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。
清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。
婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。
※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。
──いいえ。わたしがあなたとの婚約を破棄したいのは、あなたに愛する人がいるからではありません。
ふまさ
恋愛
伯爵令息のパットは、婚約者であるオーレリアからの突然の別れ話に、困惑していた。
「確かにぼくには、きみの他に愛する人がいる。でもその人は平民で、ぼくはその人と結婚はできない。だから、きみと──こんな言い方は卑怯かもしれないが、きみの家にお金を援助することと引き換えに、きみはそれを受け入れたうえで、ぼくと婚約してくれたんじゃなかったのか?!」
正面に座るオーレリアは、膝のうえに置いたこぶしを強く握った。
「……あなたの言う通りです。元より貴族の結婚など、政略的なものの方が多い。そんな中、没落寸前の我がヴェッター伯爵家に援助してくれたうえ、あなたのような優しいお方が我が家に婿養子としてきてくれるなど、まるで夢のようなお話でした」
「──なら、どうして? ぼくがきみを一番に愛せないから? けれどきみは、それでもいいと言ってくれたよね?」
オーレリアは答えないどころか、顔すらあげてくれない。
けれどその場にいる、両家の親たちは、その理由を理解していた。
──そう。
何もわかっていないのは、パットだけだった。
彼が愛した王女はもういない
黒猫子猫(猫子猫)
恋愛
シュリは子供の頃からずっと、年上のカイゼルに片想いをしてきた。彼はいつも優しく、まるで宝物のように大切にしてくれた。ただ、シュリの想いには応えてくれず、「もう少し大きくなったらな」と、はぐらかした。月日は流れ、シュリは大人になった。ようやく彼と結ばれる身体になれたと喜んだのも束の間、騎士になっていた彼は護衛を務めていた王女に恋をしていた。シュリは胸を痛めたが、彼の幸せを優先しようと、何も言わずに去る事に決めた。
どちらも叶わない恋をした――はずだった。
※関連作がありますが、これのみで読めます。
※全11話です。
痛みは教えてくれない
河原巽
恋愛
王立警護団に勤めるエレノアは四ヶ月前に異動してきたマグラに冷たく当たられている。顔を合わせれば舌打ちされたり、「邪魔」だと罵られたり。嫌われていることを自覚しているが、好きな職場での仲間とは仲良くしたかった。そんなある日の出来事。
マグラ視点の「触れても伝わらない」というお話も公開中です。
別サイトにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる