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第15話

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 誓約書とペンは魔法道具で、サインを終えた後はお互いが所持する。
 廃妃を公表されて、理由は「アリザが愚かな側妃だから」ということになりそうだ。

 発言を記録する魔石をルグドの目の前で砕いたけど、誓約書があるから問題ない。
 城から出て行こうとした時、ルグドが私を止めようとした。

「まっ、待ってくれ! 本当にアリザは側妃から平民になる気でいるのか!?」
「はい。愚かな側妃と言われ続けている現状より遥かにいいでしょう」
「その噂を広めたことは悪かった! シェムの家が恐ろしくて、一番穏便と思っただけなんだ!」

 ここで私が城から出て行けば、二度と会えないかもしれない。
 それを理解しているからルグドは説得してくるけど、私の考えは変わらなかった。

「私を廃妃にするよう言われて、ルグド様はシェム様に従ったのでしょう」
「そ、それは……」
「私を説得するより、シェム様を王妃らしくした方がいいですよ」

 前にも言ったけど、私はもう一度ルグドに告げる。
 今まで助けられていたことがおかしくて、正妃のシェムは変わりそうにない。
 それは私もわかっているけど、シェムが王妃らしくなるしかなさそうだ。

 呆然とするルグドを見た後、私は城から出ていく。
 我慢することをやめた私は廃妃となって、これからは自由に生きていこう。
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