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第13話
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宰相ノースが城にいれば、ルグドは私に廃妃にすると言わなかったはずだ。
止める人がいない状況で、正妃のシェムに頼まれている。
そうなるとルグドは廃妃にすると言いたくなったようだけど、私が受け入れたことに焦っていた。
「待て! 今のは冗談のようなものだ!」
「廃妃と言って冗談は通らないでしょう、発言も魔法で記録しています」
「はぁぁぁっっ!?」
ルグドが叫び、私は服の中から宝石のように見える魔石を取り出す。
魔法で発言を魔石に記録することで、魔力を流すことで音が聞こえるようになる。
これは廃妃にすると言われた場合に備えて、商会から貰ったものだ。
冗談と言ったルグドに対して、私は記録した発言を聞かせることにした。
『――アリザよ! お前を廃妃にしてやる!」
『そうですか。わかりました』
こんな発言を、冗談で言ったことにできるわけがない。
ルグドはシェムに廃妃にすると言ってそうだから、捏造と言い張ることはできないはずだ。
「うっっ……本当に、発言を記録するとは……」
恐らく宰相から忠告されたのに、私が発言を魔法で記録するのは考えすぎとルグドは思っていたようだ。
私の行動にルグドが動揺しているけど、発言の記録よりも明確な証拠が欲しい。
そう考えた私は2枚の紙を取り出し、ルグドに見せて説明する。
「ルグド様、この誓約書の魔法道具にサインをしてください。断れば記録した貴方の発言を広めます」
そう言って、私は商会に用意してもらった誓約書とペンの魔法道具をルグドに渡す。
拒めば魔石を商会に渡して発言を広めてもらうことで、廃妃にするしかない状況にするだけだ。
どちらでも構わなくて、ルグドは全身を震わせている。
廃妃にすると言ったことを後悔していそうだけど、全てが手遅れだ。
止める人がいない状況で、正妃のシェムに頼まれている。
そうなるとルグドは廃妃にすると言いたくなったようだけど、私が受け入れたことに焦っていた。
「待て! 今のは冗談のようなものだ!」
「廃妃と言って冗談は通らないでしょう、発言も魔法で記録しています」
「はぁぁぁっっ!?」
ルグドが叫び、私は服の中から宝石のように見える魔石を取り出す。
魔法で発言を魔石に記録することで、魔力を流すことで音が聞こえるようになる。
これは廃妃にすると言われた場合に備えて、商会から貰ったものだ。
冗談と言ったルグドに対して、私は記録した発言を聞かせることにした。
『――アリザよ! お前を廃妃にしてやる!」
『そうですか。わかりました』
こんな発言を、冗談で言ったことにできるわけがない。
ルグドはシェムに廃妃にすると言ってそうだから、捏造と言い張ることはできないはずだ。
「うっっ……本当に、発言を記録するとは……」
恐らく宰相から忠告されたのに、私が発言を魔法で記録するのは考えすぎとルグドは思っていたようだ。
私の行動にルグドが動揺しているけど、発言の記録よりも明確な証拠が欲しい。
そう考えた私は2枚の紙を取り出し、ルグドに見せて説明する。
「ルグド様、この誓約書の魔法道具にサインをしてください。断れば記録した貴方の発言を広めます」
そう言って、私は商会に用意してもらった誓約書とペンの魔法道具をルグドに渡す。
拒めば魔石を商会に渡して発言を広めてもらうことで、廃妃にするしかない状況にするだけだ。
どちらでも構わなくて、ルグドは全身を震わせている。
廃妃にすると言ったことを後悔していそうだけど、全てが手遅れだ。
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