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第5話
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ルグド視点
宰相との話を終えて、俺はシェムの部屋に向かっていた。
教育係からシェムはやる気がないと聞き、厳しく教えることはできないようだ。
公爵家の令嬢で、シェムしか娘がいないから家族に溺愛されている。
正妃となることも権力で決まったようなもので、宰相ノースからも進言されていた。
シェムはアリザと比べると、遥かに劣っている。
魔法の実力も低く失言も多いが、俺かアリザが傍にいて補助をしていた。
アリザが魔法で意思を飛ばしたから俺はシェムの対処方法がわかっただけで、今後どうすればいいのかわからない。
シェムを王妃らしくした方がいい――アリザの発言を思い返し、俺はとにかくシェムに会っておきたくなっていた。
そして部屋の中に入ると、シェムは昨日の出来事について俺に尋ねる。
「ルグド様はどうして、昨日は私の発言を何度も遮ったのですか?」
「それは……話そうとしていた男が、シェムに好意を持っている気がしたからだ」
実際はアリザの助言がなくて、シェムの発言を正すことができないからだ。
そんなことは言えないし、今までアリザに助けてもらったと話しても信じるわけがない。
俺の発言は嘘だが納得したようで、シェムは頷いて言う。
「そういうことでしたか。私はアリザとは違いますから、他の男性に好意を持ちません」
「……それは、アリザが他の男性に好意を持っているということか?」
「昨日のパーティの言動から間違いないでしょう。アリザは楽しそうに男の人達と話していましたし、噂通り城の外で浮気をしているのかもしれませんね」
それに関しては俺が捏造した噂だが、シェムは信じ切っているようだ。
アリザを嫌悪して、真実を話しても納得しないと確信する。
そしてシェムは、俺を心配していた。
「昨日のルグド様は、今までと違いあまり上手く話せていなかった気がします。何かありましたか?」
「ぐっっ……アリザが傍にいないから、不安になっただけだ」
「そうですね。愚かな側妃と呼ばれているのですから、傍にいて心配をかけないで欲しいものです」
昨日は上手く話せていないとシェムに言われてしまい、俺は苛立ちを堪える。
シェムでもわかるのなら、パーティ会場にいた者達は全員同じことを考えそうだ。
アリザが我慢しなくなったのは昨日からなのに、今の時点で後悔してしまう。
現状に苛立った俺は、廃妃にするとアリザを脅した方がいいと考えるようになっていた。
宰相との話を終えて、俺はシェムの部屋に向かっていた。
教育係からシェムはやる気がないと聞き、厳しく教えることはできないようだ。
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アリザが魔法で意思を飛ばしたから俺はシェムの対処方法がわかっただけで、今後どうすればいいのかわからない。
シェムを王妃らしくした方がいい――アリザの発言を思い返し、俺はとにかくシェムに会っておきたくなっていた。
そして部屋の中に入ると、シェムは昨日の出来事について俺に尋ねる。
「ルグド様はどうして、昨日は私の発言を何度も遮ったのですか?」
「それは……話そうとしていた男が、シェムに好意を持っている気がしたからだ」
実際はアリザの助言がなくて、シェムの発言を正すことができないからだ。
そんなことは言えないし、今までアリザに助けてもらったと話しても信じるわけがない。
俺の発言は嘘だが納得したようで、シェムは頷いて言う。
「そういうことでしたか。私はアリザとは違いますから、他の男性に好意を持ちません」
「……それは、アリザが他の男性に好意を持っているということか?」
「昨日のパーティの言動から間違いないでしょう。アリザは楽しそうに男の人達と話していましたし、噂通り城の外で浮気をしているのかもしれませんね」
それに関しては俺が捏造した噂だが、シェムは信じ切っているようだ。
アリザを嫌悪して、真実を話しても納得しないと確信する。
そしてシェムは、俺を心配していた。
「昨日のルグド様は、今までと違いあまり上手く話せていなかった気がします。何かありましたか?」
「ぐっっ……アリザが傍にいないから、不安になっただけだ」
「そうですね。愚かな側妃と呼ばれているのですから、傍にいて心配をかけないで欲しいものです」
昨日は上手く話せていないとシェムに言われてしまい、俺は苛立ちを堪える。
シェムでもわかるのなら、パーティ会場にいた者達は全員同じことを考えそうだ。
アリザが我慢しなくなったのは昨日からなのに、今の時点で後悔してしまう。
現状に苛立った俺は、廃妃にするとアリザを脅した方がいいと考えるようになっていた。
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