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第4話
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ルグド視点
愚かな側妃――それは、俺が広めていたアリザの悪評だ。
魔法使いとして優秀なアリザの実力を知っているのは、城内では俺と宰相ノースだけになる。
側妃となってから様々なことを学び、教育係から完璧とまで言われるほどアリザは努力していた。
そしてアリザは、広範囲で意思を送り合う魔法を使えるようになる。
俺は他の者には知られずアリザに助言してもらうことで、国王として成果を出すことができていた。
魔法で意思をアリザが俺に送り、王妃のシェムが失言をしないように気をつけることでムーディス国の評判はよくなっていく。
それでも……平民の側妃が、正妃のシェムより優秀と思われることだけは避けたかった。
アリザが我慢の限界がきたと言い城を出た後、俺は玉座の間にいる宰相ノースと話す。
「ノースよ。アリザはなぜ、急に変わってしまったんだ?」
「今まで我慢していたと仰っていました。愚かな側妃と言い広めることを、陛下はアリザ様に伝えていなかったのですか?」
「ああ。平民から側妃になったのだから、嫉妬で悪評が広まるのは普通だろう」
今まで上手くいっていたのに、アリザが噂通り愚かな側妃と呼ばれてもおかしくない行動をとるようになってしまう。
その言動に苛立って廃妃にすると脅したかったのに、それは宰相ノースから止められていた。
「やはり廃妃にすると脅せばよかった。平民に戻りたくないに決まっているから、脅せばアリザは反省して元に戻るだろう」
「それだけはいけません! アリザ様の行動から、ルグド様が廃妃にするという発言を待っている可能性が高いと思われます!」
今まで冷静だった宰相ノースが、俺の発言を聞き取り乱す。
「そうだろうか? なぜアリザは、俺の発言を待っている?」
「側妃を自分で辞めるよりも、ルグド陛下の発言を聞いて行動した方が周囲が納得するからでしょう」
「アリザは魔法で発言を記録できたか。もし俺が廃妃にすると言ってしまえば、その発言を証拠にする可能性はあるな」
そうなったとしても……愚かな側妃として行動したのがアリザを廃妃する理由だから、何も問題ないはず。
俺の考えを察したのか、宰相ノースが話を続ける。
「平民となった後のアリザ様は、本来の実力を発揮するでしょう。そうなれば、真実が国民達に知られてしまう恐れがあります」
「なるほど……それなら、アリザを廃妃と脅さない方がよさそうだ」
宰相ノースの発言を聞いて納得するが、考えすぎな気もしていた。
平民から側妃となってから、また平民に戻りたくはないはず。
脅せば問題ないだろうと俺は思ってしまい――この違いが、最悪の事態を招くこととなる。
愚かな側妃――それは、俺が広めていたアリザの悪評だ。
魔法使いとして優秀なアリザの実力を知っているのは、城内では俺と宰相ノースだけになる。
側妃となってから様々なことを学び、教育係から完璧とまで言われるほどアリザは努力していた。
そしてアリザは、広範囲で意思を送り合う魔法を使えるようになる。
俺は他の者には知られずアリザに助言してもらうことで、国王として成果を出すことができていた。
魔法で意思をアリザが俺に送り、王妃のシェムが失言をしないように気をつけることでムーディス国の評判はよくなっていく。
それでも……平民の側妃が、正妃のシェムより優秀と思われることだけは避けたかった。
アリザが我慢の限界がきたと言い城を出た後、俺は玉座の間にいる宰相ノースと話す。
「ノースよ。アリザはなぜ、急に変わってしまったんだ?」
「今まで我慢していたと仰っていました。愚かな側妃と言い広めることを、陛下はアリザ様に伝えていなかったのですか?」
「ああ。平民から側妃になったのだから、嫉妬で悪評が広まるのは普通だろう」
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「やはり廃妃にすると脅せばよかった。平民に戻りたくないに決まっているから、脅せばアリザは反省して元に戻るだろう」
「それだけはいけません! アリザ様の行動から、ルグド様が廃妃にするという発言を待っている可能性が高いと思われます!」
今まで冷静だった宰相ノースが、俺の発言を聞き取り乱す。
「そうだろうか? なぜアリザは、俺の発言を待っている?」
「側妃を自分で辞めるよりも、ルグド陛下の発言を聞いて行動した方が周囲が納得するからでしょう」
「アリザは魔法で発言を記録できたか。もし俺が廃妃にすると言ってしまえば、その発言を証拠にする可能性はあるな」
そうなったとしても……愚かな側妃として行動したのがアリザを廃妃する理由だから、何も問題ないはず。
俺の考えを察したのか、宰相ノースが話を続ける。
「平民となった後のアリザ様は、本来の実力を発揮するでしょう。そうなれば、真実が国民達に知られてしまう恐れがあります」
「なるほど……それなら、アリザを廃妃と脅さない方がよさそうだ」
宰相ノースの発言を聞いて納得するが、考えすぎな気もしていた。
平民から側妃となってから、また平民に戻りたくはないはず。
脅せば問題ないだろうと俺は思ってしまい――この違いが、最悪の事態を招くこととなる。
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