別れたいようなので、別れることにします

第４４話

　数日が経ち、カインが屋敷までやって来る。
　まだ行動してこないはずと言われたけど、それでも私は警戒を怠らなかった。

　部屋で対面すると、カインが私に話す。

「ルグドに雇われていた者を買収することに成功して、詳しい計画を知ることができた」

　カインがそう言って、計画について話す。
　ルグドとシェムは、本気で私を消すつもりのようだ。

　それでも――計画の日時や場所も知ることができたから、何も問題ない。
　私は安堵して、カインにお礼を伝える。

「カイン様、ありがとうございます」

「婚約者として、当然のことをしただけだ。ルグドとシェムは、俺を侮っている……今まで、表立って行動しなかったのは正解だった」

　不正が発覚したのも、噂が広まり魔法学園側を行動させたから。
　全てカインの行動によるものと知らないからこそ、ルグド達はカインを警戒していないようだ。

「ルグド達の予定通り動くだろうから、俺が協力を求めた人達、更に雇った人達を使って返り討ちにしよう。アリザは何も気にしなくて大丈夫だ」

「わかりました」

　サーノラ伯爵家の令嬢を狙うのだから、ルグド達は相当な戦力を雇っている。
　それでもカインがいてくれるから、何も問題ないと私は確信することができていた。