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第10話
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ルグド視点
第二王子の俺は、優秀な兄より劣っていた。
父の国王は、サーノラ伯爵家のアリザを俺の婚約者にする。
サーノラ伯爵家の領主は魔法使いとして優秀で、その妻も同じように魔法使いとして功績をあげていた。
強力な魔法使いは王家に必要だと言われて、俺は伯爵令嬢如きと婚約することになってしまう。
魔法学園に入る前に婚約が決まり、俺はアリザと一緒に魔法を学ぶ。
アリザの魔法は俺よりも遥かに強くて……俺は優秀なのに、更に優秀な兄の第一王子に見下されたことを思い返す。
――俺はこのままだと、魔法学園では婚約者以下の王子だと思われてしまうだろう。
伯爵令嬢のアリザ以下と思われることは、耐えがたい屈辱だ。
そんなことを考えると焦り、俺は部屋でアリザに命令した。
「王子であるこの俺より、婚約者のお前の方が優秀などあってはならない。魔法学園では力を抑えろ!」
俺は、自分より優秀なアリザが嫌だった。
命令を聞いて困惑しているアリザに対して、俺は脅すことにした。
「俺の命令が聞けないというのなら、婚約を破棄しても構わないのだぞ?」
立場的に別れると言えば、アリザは拒めないと確信している。
確信していたからこそ――その後アリザが別れると決めた時、俺は驚愕していた。
第二王子の俺は、優秀な兄より劣っていた。
父の国王は、サーノラ伯爵家のアリザを俺の婚約者にする。
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