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第8話

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 私を婚約者に戻したかったルグドは、教室にやってきたカインの発言に驚愕していた。

 教室内でも騒ぎになっているのは、私が婚約破棄から再び婚約した時間が短いからかもしれない。
 そしてルグドはカインの発言が信じられないようで、取り乱しながら叫ぶ。

「アリザがお前の婚約者だと!? そんなわけないだろ!!」

「手続きは終わっていますから、そちらで確認してください。俺と婚約しているアリザ様に、もう無関係となったルグド殿下が命令することは許せません」

「お、おかしいだろう!? アリザは前からカインのことが好きだったに違いない!!」

 どうやらルグドは、私が浮気していたことにしたいようだ。

 ルグドが婚約者の時、カインとはあまり関わっていない。
 私がそう話そうとしたけど、カインがルグドに話す。

「婚約は親同士で決めたことです。魔法の実力が高いサーノラ伯爵家のアリザ様が婚約破棄されたのですから、婚約したいと考えるのは当然でしょう」

「そ、それは――」

「アリザ様は、学園に入学する前から魔法の実力があることを俺は知っています。それなのに学園に入学したら成績が下がる――ルグド殿下のせいだと、俺は考えていました」

「なぁっっ!?」

 図星を突かれて、ルグドは何も言えなくなっていた。
 相手が王子だから敬語で話しているけど、カインはルグドを敬っているとは思えない。
 動揺しているルグドを眺めながら、カインは話を続けた。

「先ほども言いましたが、もうルグド殿下とアリザ様は無関係。侮辱することも許せません」

「わ、わかった……クソッッ!」

 相手が公爵家の令息だから、王子という立場でもルグドは納得したようだ。
 それでも私を敵視している辺り、ルグドは何かを企んでいるのかもしれない。
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