2 / 48
第2話
しおりを挟む
「シーラは魔法で、人を正気でなくす危険な剣を作り出した! ガルク国から追放する!!」
「……えっ?」
ゼロア様から話を聞いて、1ヶ月が経っている。
パーティ会場で国王の宣言を聞いて、私は驚いていた。
私が唖然としていると、国王の隣にいるレヴォク様が叫ぶ。
「当然俺との婚約も破棄する! シーラよ。貴様がそこまで愚かだとは思わなかった!!」
「待ってください。私の魔法で作った武器は、今まで何も問題なかったはずです!」
パーティ会場の中央で騒ぎになって、貴族の人達が私達を眺めている。
私は錬金魔法で剣を作ることができて、ルザード公爵家の剣は優れていると有名だった。
今まで多くの剣を作ったけど、私の剣で正気でなくした人がいるなんて1度も聞いたことがない。
使った人に原因があると考えてしまうけど、国王が叫ぶ。
「シーラが最近作った剣で問題が発生した。好奇心で魔剣を作り、人々が困る様を楽しもうとでも考えたのだろう」
「なんて奴だ……今までの功績から国外追放で済んだが、本来なら処刑されてもおかしくないことだ!」
国王の発言を聞いたレヴォク様が叫び、私が何を言っても聞こうとしない。
そして――ゼロア様の話を思い出して、私はレヴォクに尋ねる。
「まさか……レヴォク殿下はソフィー様を新しい婚約者にするために、私を排除するつもりなのですか?」
「なぁっっ!? シーラよ、何を言っている!?」
私が尋ねると、レヴォクは明らかに動揺していた。
レヴォクを信じていたのに、国王と協力して私を貶めたいようだ。
動揺しているレヴォクを眺めて、国王が私に話す。
「ソフィー様は優秀な魔法使いだ。レヴォクの新しい婚約者になっても何もおかしくはない……シーラが何を言っても、国外追放されることは決まっている!」
そう言って――陛下の護衛をしている人が、私の右手に鉄の輪を装着させてくる。
これは体内の魔力を乱すことで、魔法を使えなくする魔法道具だ。
「ガルク国から出て魔剣を作られたら困る。シーラに魔法は2度と使わせん!」
「魔法も使えず平民となったシーラは、これから生き延びることができないだろう。当然の末路だ!」
私の腕に取りつけた魔法道具は、かなり貴重だと聞いている。
本来は処刑する人が逃げないように着けて処刑後に回収する物だけど、国外に追い出す私に取りつけた。
処刑ではなく国外追放なのは私が公爵家の令嬢、それも今までは魔法で強力な剣を作っている功績だと思うけど――嫌な予感がする。
その後も私が何を言っても、聞き入れられることはなかった。
■◇■◇■◇■◇■
国外追放を言い渡された私は、馬車で港に向かっている。
家族が助けてくれることはなくて、私は国外追放を受け入れていた。
そして――港に向かうと聞いていたのに、何故か馬車は平原で止まる。
ここは魔物が生息している危険な場所なのに、私は馬車から降ろされてしまう。
一緒に降りた御者の兵士に、私は尋ねた。
「あの、港に向かうのではなかったのですか?」
「いいえ――陛下の命令で、この場で貴方を始末することとなっております」
兵士の人の発言を聞いて、私は身構えるけど……兵士の人は、腰に備えた剣を抜こうとしていない。
その姿に困惑していると、兵士の人が私の枷を外してくれた。
「この魔法道具は貴重なので、始末して回収するよう言われていました」
「……あの、それならどうして、私を始末せずに枷を外してくれたのですか?」
「私はゼロア様の部下でラオと言います……貴方を助けるよう、ゼロア様から命令を受けました」
どうやら国王に私を始末するよう命令されていた兵士ラオは、ゼロア様の部下らしい。
ゼロア様が私を助けてくれて――ラオはゼロア様からの伝言を、私に話そうとしていた。
「……えっ?」
ゼロア様から話を聞いて、1ヶ月が経っている。
パーティ会場で国王の宣言を聞いて、私は驚いていた。
私が唖然としていると、国王の隣にいるレヴォク様が叫ぶ。
「当然俺との婚約も破棄する! シーラよ。貴様がそこまで愚かだとは思わなかった!!」
「待ってください。私の魔法で作った武器は、今まで何も問題なかったはずです!」
パーティ会場の中央で騒ぎになって、貴族の人達が私達を眺めている。
私は錬金魔法で剣を作ることができて、ルザード公爵家の剣は優れていると有名だった。
今まで多くの剣を作ったけど、私の剣で正気でなくした人がいるなんて1度も聞いたことがない。
使った人に原因があると考えてしまうけど、国王が叫ぶ。
「シーラが最近作った剣で問題が発生した。好奇心で魔剣を作り、人々が困る様を楽しもうとでも考えたのだろう」
「なんて奴だ……今までの功績から国外追放で済んだが、本来なら処刑されてもおかしくないことだ!」
国王の発言を聞いたレヴォク様が叫び、私が何を言っても聞こうとしない。
そして――ゼロア様の話を思い出して、私はレヴォクに尋ねる。
「まさか……レヴォク殿下はソフィー様を新しい婚約者にするために、私を排除するつもりなのですか?」
「なぁっっ!? シーラよ、何を言っている!?」
私が尋ねると、レヴォクは明らかに動揺していた。
レヴォクを信じていたのに、国王と協力して私を貶めたいようだ。
動揺しているレヴォクを眺めて、国王が私に話す。
「ソフィー様は優秀な魔法使いだ。レヴォクの新しい婚約者になっても何もおかしくはない……シーラが何を言っても、国外追放されることは決まっている!」
そう言って――陛下の護衛をしている人が、私の右手に鉄の輪を装着させてくる。
これは体内の魔力を乱すことで、魔法を使えなくする魔法道具だ。
「ガルク国から出て魔剣を作られたら困る。シーラに魔法は2度と使わせん!」
「魔法も使えず平民となったシーラは、これから生き延びることができないだろう。当然の末路だ!」
私の腕に取りつけた魔法道具は、かなり貴重だと聞いている。
本来は処刑する人が逃げないように着けて処刑後に回収する物だけど、国外に追い出す私に取りつけた。
処刑ではなく国外追放なのは私が公爵家の令嬢、それも今までは魔法で強力な剣を作っている功績だと思うけど――嫌な予感がする。
その後も私が何を言っても、聞き入れられることはなかった。
■◇■◇■◇■◇■
国外追放を言い渡された私は、馬車で港に向かっている。
家族が助けてくれることはなくて、私は国外追放を受け入れていた。
そして――港に向かうと聞いていたのに、何故か馬車は平原で止まる。
ここは魔物が生息している危険な場所なのに、私は馬車から降ろされてしまう。
一緒に降りた御者の兵士に、私は尋ねた。
「あの、港に向かうのではなかったのですか?」
「いいえ――陛下の命令で、この場で貴方を始末することとなっております」
兵士の人の発言を聞いて、私は身構えるけど……兵士の人は、腰に備えた剣を抜こうとしていない。
その姿に困惑していると、兵士の人が私の枷を外してくれた。
「この魔法道具は貴重なので、始末して回収するよう言われていました」
「……あの、それならどうして、私を始末せずに枷を外してくれたのですか?」
「私はゼロア様の部下でラオと言います……貴方を助けるよう、ゼロア様から命令を受けました」
どうやら国王に私を始末するよう命令されていた兵士ラオは、ゼロア様の部下らしい。
ゼロア様が私を助けてくれて――ラオはゼロア様からの伝言を、私に話そうとしていた。
14
お気に入りに追加
1,743
あなたにおすすめの小説
俺はお前ではなく、彼女を一生涯愛し護り続けると決めたんだ! そう仰られた元婚約者様へ。貴方が愛する人が、夜会で大問題を起こしたようですよ?
柚木ゆず
恋愛
※9月20日、本編完結いたしました。明日21日より番外編として、ジェラール親子とマリエット親子の、最後のざまぁに関するお話を投稿させていただきます。
お前の家ティレア家は、財の力で爵位を得た新興貴族だ! そんな歴史も品もない家に生まれた女が、名家に生まれた俺に相応しいはずがない! 俺はどうして気付かなかったんだ――。
婚約中に心変わりをされたクレランズ伯爵家のジェラール様は、沢山の暴言を口にしたあと、一方的に婚約の解消を宣言しました。
そうしてジェラール様はわたしのもとを去り、曰く『お前と違って貴族然とした女性』であり『気品溢れる女性』な方と新たに婚約を結ばれたのですが――
ジェラール様。貴方の婚約者であるマリエット様が、侯爵家主催の夜会で大問題を起こしてしまったみたいですよ?
【完結】これからはあなたに何も望みません
春風由実
恋愛
理由も分からず母親から厭われてきたリーチェ。
でももうそれはリーチェにとって過去のことだった。
結婚して三年が過ぎ。
このまま母親のことを忘れ生きていくのだと思っていた矢先に、生家から手紙が届く。
リーチェは過去と向き合い、お別れをすることにした。
※完結まで作成済み。11/22完結。
※完結後におまけが数話あります。
※沢山のご感想ありがとうございます。完結しましたのでゆっくりですがお返事しますね。
婚約者は私が大嫌いなんだそうです。じゃあ婚約解消しましょうって言ったら拒否されました。なぜだ!
リオール
恋愛
伯爵令嬢ミリアには、幼い頃に決められた婚約者が居た。
その名もアルバート。侯爵家が子息である。
だがこのアルバート、会えばいつも嫌味に悪口、果てには暴力ととんでもないモラハラDV男だった!
私は彼が大嫌い。彼も私が大嫌い。
なら当然婚約は解消ですよね。
そう思って、解消しましょうと言ったのだけど。
「それは絶対嫌だ」
って何でですのーん!!
これは勘違いから始まる溺愛ストーリー
※短いです
※ヒーローは最初下衆です。そんなのと溺愛ラブになるなんてとんでもない!という方はレッツUターン!
※まあヤンデレなんでしょうね
※ヒロインは弱いと思わせて強いです。真面目なのにギャグ体質
※細かい事を気にしてはいけないお話です
【完結】要らないと言っていたのに今更好きだったなんて言うんですか?
星野真弓
恋愛
十五歳で第一王子のフロイデンと婚約した公爵令嬢のイルメラは、彼のためなら何でもするつもりで生活して来た。
だが三年が経った今では冷たい態度ばかり取るフロイデンに対する恋心はほとんど冷めてしまっていた。
そんなある日、フロイデンが「イルメラなんて要らない」と男友達と話しているところを目撃してしまい、彼女の中に残っていた恋心は消え失せ、とっとと別れることに決める。
しかし、どういうわけかフロイデンは慌てた様子で引き留め始めて――
どう見ても貴方はもう一人の幼馴染が好きなので別れてください
ルイス
恋愛
レレイとアルカは伯爵令嬢であり幼馴染だった。同じく伯爵令息のクローヴィスも幼馴染だ。
やがてレレイとクローヴィスが婚約し幸せを手に入れるはずだったが……
クローヴィスは理想の婚約者に憧れを抱いており、何かともう一人の幼馴染のアルカと、婚約者になったはずのレレイを比べるのだった。
さらにはアルカの方を優先していくなど、明らかにおかしな事態になっていく。
どう見てもクローヴィスはアルカの方が好きになっている……そう感じたレレイは、彼との婚約解消を申し出た。
婚約解消は無事に果たされ悲しみを持ちながらもレレイは前へ進んでいくことを決心した。
その後、国一番の美男子で性格、剣術も最高とされる公爵令息に求婚されることになり……彼女は別の幸せの一歩を刻んでいく。
しかし、クローヴィスが急にレレイを溺愛してくるのだった。アルカとの仲も上手く行かなかったようで、真実の愛とか言っているけれど……怪しさ満点だ。ひたすらに女々しいクローヴィス……レレイは冷たい視線を送るのだった。
「あなたとはもう終わったんですよ? いつまでも、キスが出来ると思っていませんか?」
伯爵様、わたくし2番目で結構です
cyaru
恋愛
ペル伯爵家のアリアには面倒な家族がいる。
何においても妹のミリアを一番に考える毒親の両親。
ミリアに婚約者のキールを寝取られて一旦は婚約が解消になり、ミリアがキールの婚約者になった。
しかし、ミリアの策略でキールと再婚約する事になってしまった。
毒のある家族を捨てる足掛かりになればいいとアリアは再婚約を承諾する。
ミリアの本心を知って、怒るキール。自身の招いた失敗だからアリアとの関係を再構築するために尽力しろと友人に諭されるが何処に行っても嘲笑され、何をやっても上手く行かず地に落ちた評判と信用はなかなか元に戻らない。
そして結婚となったアリアとキール。初夜キールは娼婦を呼び寄せアリアに告げた。
「お前の家族のせいで俺の評判はがた落ちだ!正妻になれたなどと思うなよ!」
「承知致しました。そのお言葉、努々お忘れなきよう」
アリアは「ごゆっくり」と微笑むと部屋を出て行った。
翌朝、朝食の場にアリアの姿がない事に驚いたキール。探し回れば使用人の仮眠室で寛いでいた。
「夫人でもないのに夫人の部屋は使えませんし、屋敷にいる意味がないので」
そう言うとトランク1つで出て行こうとするアリアをキールは引き留めた。
その時はこれ以上自分の評判を落としたくない。それだけだったキール。
家庭内別居となった2人だが、アリアは昼間ほとんど屋敷にいない事に「不貞をしているのでは?」とキールは疑い、アリアのあとをつけた。
※アリアですがミリア以上に腹黒いと感じるかも知れません。アリアのLOVE極薄。
※キールですが改心してからはアリアへの愛が急上昇します。暑苦しい愛ですけども初日はミリアへの愛が溢れています(えっ?)
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。舞台は異世界の創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。現実世界の話ではありません。登場人物、場所全て架空です。リアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
婚約者の隣にいるのは初恋の人でした
四つ葉菫
恋愛
ジャスミン・ティルッコネンは第二王子である婚約者から婚約破棄を言い渡された。なんでも第二王子の想い人であるレヒーナ・エンゲルスをジャスミンが虐めたためらしい。そんな覚えは一切ないものの、元から持てぬ愛情と、婚約者の見限った冷たい眼差しに諦念して、婚約破棄の同意書にサインする。
その途端、王子の隣にいたはずのレヒーナ・エンゲルスが同意書を手にして高笑いを始めた。
楚々とした彼女の姿しか見てこなかったジャスミンと第二王子はぎょっとするが……。
前半のヒロイン視点はちょっと暗めですが、後半のヒーロー視点は明るめにしてあります。
ヒロインは十六歳。
ヒーローは十五歳設定。
ゆるーい設定です。細かいところはあまり突っ込まないでください。
【完結】今も昔も、あなただけを愛してる。
刺身
恋愛
「僕はメアリーを愛している。僕としてはキミを愛する余地はない」
アレン・スレド伯爵令息はいくらか申し訳なさそうに、けれどキッパリとそう言った。
寵愛を理由に婚約について考え直すように告げられたナディア・キースは、それを受けてゆっくりと微笑む。
「その必要はございません」とーー。
傍若無人なメアリーとは対照的な性格のナディアは、第二夫人として嫁いだ後も粛々と日々を送る。
そんな関係性は、日を追う毎に次第に変化を見せ始めーー……。
ホットランキング39位!!😱
人気完結にも一瞬20位くらいにいた気がする。幻覚か……?
お気に入りもいいねもエールもめっちゃ励みになります!
皆様に読んで頂いたおかげです!
ありがとうございます……っ!!😭💦💦
読んで頂きありがとうございます!
短編が苦手過ぎて、短く。短く。と念じながら書いておりましたがどんなもんかちょっとわかりません。。。滝汗←
もしよろしければご感想など頂けたら泣いて喜び反省に活かそうと思います……っ!
誤用や誤字報告などもして下さり恐縮です!!勉強になります!!
読んで下さりありがとうございました!!
次作はギャグ要素有りの明るめ短編を目指してみようかと思います。。。
(すみません、長編もちゃんと覚えてます←💦💦)
気が向いたらまたお付き合い頂けますと泣いて喜びます🙇♀️💦💦
この度はありがとうございました🙏
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる