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第68話
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私はジェノス様の話を聞いて、王都に向かうことに決めていた。
元からそのつもりだったけど……カオスの行動を知ると、早急に倒さなければならない。
「ジェノスとクロは、それでいいかしら?」
「はい。相手が元賢者でモンスターと同化していても、私が必ず守ってみせます」
ジェノスがそう言ってくれて、クロもやる気に満ちた声を出している。
そして――ジェノス様が、これからの行動を話してくれた。
「これから王都に向かう最中、冒険者ギルドのある街に寄ります」
この国に冒険者ギルドは森から近い場所と、王都から近い場所の2つしかない。
「そこで俺が戦えそうな冒険者達を集めて小隊を作りますが……雑魚の足止め程度だと考えてください」
カオスの元から去った後、ジェノス様は王都で情報収集していたらしい。
城の人達はカオスに従う者か、魂のない操り人形だけのようだ。
そしてカオスは自らの力を与えることで、城の部下はとてつもなく強くなっている。
更に国王や王子達を操ることで、王都に住む国民に命令を出していた。
「十分です。ジェノス様、ありがとうございます」
「お礼を言うのは俺の方ですよ……リカルド、どうした?」
お互いお礼を言うと、ジェノス様がリカルドに話しかける。
少し不満げな様子なのが気になった様子で、私が眺めると理由を話してくれた。
「……フィーレ様とジェノス様は、仲がよさそうですね」
リカルドがそんなことを言い出して、私は驚いてしまう。
ジェノス様は、私以上に驚き――呆れている様子だった。
元からそのつもりだったけど……カオスの行動を知ると、早急に倒さなければならない。
「ジェノスとクロは、それでいいかしら?」
「はい。相手が元賢者でモンスターと同化していても、私が必ず守ってみせます」
ジェノスがそう言ってくれて、クロもやる気に満ちた声を出している。
そして――ジェノス様が、これからの行動を話してくれた。
「これから王都に向かう最中、冒険者ギルドのある街に寄ります」
この国に冒険者ギルドは森から近い場所と、王都から近い場所の2つしかない。
「そこで俺が戦えそうな冒険者達を集めて小隊を作りますが……雑魚の足止め程度だと考えてください」
カオスの元から去った後、ジェノス様は王都で情報収集していたらしい。
城の人達はカオスに従う者か、魂のない操り人形だけのようだ。
そしてカオスは自らの力を与えることで、城の部下はとてつもなく強くなっている。
更に国王や王子達を操ることで、王都に住む国民に命令を出していた。
「十分です。ジェノス様、ありがとうございます」
「お礼を言うのは俺の方ですよ……リカルド、どうした?」
お互いお礼を言うと、ジェノス様がリカルドに話しかける。
少し不満げな様子なのが気になった様子で、私が眺めると理由を話してくれた。
「……フィーレ様とジェノス様は、仲がよさそうですね」
リカルドがそんなことを言い出して、私は驚いてしまう。
ジェノス様は、私以上に驚き――呆れている様子だった。
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