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第34話

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マリウス視点

 フィーレがこの城からいなくなって約3年が経過して、俺は焦っていた。
 部屋で1人になり、現状を思い返し焦りが口から出てしまう。
 
「俺が次期国王になるどころの話ではない……このままでは、ローノック国が滅ぶぞ!?」

 ここ最近、モンスターが急激に強くなっている。
 魔法協会が調査すべき事態で、協会が関与していないことを疑問に思う国民や冒険者が出てくるだろう。

 そして――もうこの国に価値はないと見限り、去って行く者が増えていた。
 対策を立ててもモンスターが強く、一時期平和だったこともあって防衛力が低い。

 更に国を守るべき聖女がアビリコで、何の役にも立たなかった。
 それでも聖女として国を巡り、俺も護衛として同行している。

 アビリコは聖女として行動しても、前の聖女フィーレが凄すぎて役に立たないと評価を受けている。
 聖女アビリコと聖女の護衛である俺は、肉体的にも精神的にも追い詰められていた。
 
「フィーレさえいれば全て解決して……俺は平和な国の王になれたというのに……」

 まだ立て直すことができるとすれば、それはフィーレを見つけだすしかない。
 そう考えて必死になるが、未だにフィーレを発見することができていなかった。

 フィーレが自らを封印したのを止めなかったことを、俺は後悔し続けている。
 部屋で頭を抱えているとノックの音が聞こえ、休む間もなく大広間に呼び出されていた。

「これから父上と話し合いか……最近、更に多くなっているな」

 城に戻ってきたら休憩する間もなく、大広間で話し合いとなる。
 今後の対策を考えようにも、もうフィーレを見つける以外方法はないだろう。

 更に被害が増えているから……俺は自分の国の最期を考えてしまい、恐怖するようになっていた。
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