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第62話

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キアラ視点

 馬車はエトラス国に向かっていて、エミリーと再会する日が近づいている。
 私は気になることがあって、イアンに尋ねた。

「あの、イアン様はエミリーを捕らえるのではなく、排除するつもりなのですか?」

「はい……私の魔物を操る力は、魔物が減ると困りますからね」

 リーフドが捕らえるのなら、貴族達がポーションを使うようになるだけで構わなかったらしい。
 捕らえるより排除することの方が簡単だから、イアンは排除することにしたようだ。

「あの……私とイアン様だけで、エミリーを消すことができるのですか?」

 排除したい理由はわかったけど、問題はその方法だ。
 私とイアンだけだから馬車で襲撃したリーフド達以下の戦力で、勝算があるとは思えない。

「キアラの力なら可能です。だからこそ、私はキアラを探したのですよ」

 そう言われて、私はイアンからこれからの行動を聞く。

 この時の私は、ザライン国を滅ぼした原因がイアンだと知らない。
 そして――イアンの方法で全てを失うことも、私は知らなかった。
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