代わりはいると言われた私は出て行くと、代わりはいなかったようです

第３５話

　ギルドマスターは私を心配して、マルクスを護衛につけたいと提案する。
　困惑していると、マルクスが私に話す。

「エミリーは冒険者ギルドに貢献してくれている。狙われていると知れば、俺が護衛するのは当然のことだ」

「マルクスの実力なら問題ないだろう。エミリーはそれでいいか？」

「は、はいっ！」

　今までポーションを作っていただけでも、冒険者ギルドから凄く感謝されていた。
　それによってマルクスが護衛として傍にいてくれるから、ポーションを作り続けてよかったと思うしかない。

「エミリーのことを他の者に教えれば、その者から情報が漏れる可能性がある……俺だけになるが、心配しないで欲しい」

　心配するマルクスだけど、私に不安はなかった。
　マルクスの強さは知っているから、私は本心を伝える。

「はい。マルクスがいてくれるのなら、大丈夫に決まっています」

「そうか……俺の力を信じてくれて、ありがとう」

　お礼を言われるけど、私の方がお礼を言いたい。
　マルクスが傍にいてくれるのなら安心で、私は一緒にいられることが嬉しかった。