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第19話

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 私はザライン国の現状を聞くけど、自業自得だと思うしかない。
 マルクスは私を眺めて、心配して話す。

「元とはいえ家族だ、エミリーが気にする可能性を考えて俺は言わなかった」

「そうでしたか。私はザライン国やアリード家がどうなっても、もう気にしません」

 ザライン国は大変で、聖女キアラがいるアリード家も大変のはず。
 私の発言を聞いて、ギルドマスターが話を続けた。

「アリード家か……奴等は最近、エミリーのことを捜索しているようだ」

「それが一番、現状を打破する方法ですものね」

「エミリーがここにいることを知っているのはこの場の者達、そして俺が信頼している職員3人だけだ。知られることはないだろう」

 ギルドマスターの発言に、私は頷く。
 あれから私は、昔の自分と決別するために髪型と髪の色を変えている。
 外見の情報で知られることもないだろうし、大丈夫のはずだ。

「それでも、狙われる可能性はあるだろ……エミリーは、ここで住むべきだ」

 マルクスがギルドマスターに提案して、私も賛同する。

「そ、そうですね。その方がいいと思います」

 数ヶ月貢献していたから、そろそろ提案したいと思っていたことだ。
 冒険者ギルドの部屋に泊まれるのなら、マルクスと会う機会が更に増える。

 マルクスの方から提案してくれて、その理由が私を守るためだ。
 それが嬉しくて――私は、冒険者ギルドに住むことを決めていた。
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