私との婚約を破棄して問題ばかり起こす妹と婚約するみたいなので、私は家から出ていきます

第３９話

　私は部屋で１人になって、今までとこれからのことを考えてしまう。

「これからシタート家は、洗脳魔法を使うマドルオを雇う可能性が高い……ですか」

　マドルオは禁魔法を使うようで、それならルーミスを別人のようにすることができるらしい。

　本当にリエッタの推測通りになった場合、シタート家は犯罪者を雇ったことになる。
　それ以外に方法がないとランドンは考えたようだけど、流石にやり過ぎのような気がした。

「それなら、ルーミスは誰にも迷惑をかけませんけど……リエッタは、マドルオを捕える好機でもあると言っていました」

　マドルオの洗脳魔法は、かなりの貴族が悪用しているようだ。
　ルーミスを別人に変えるしかないという判断は理解できるけど、禁止されている魔法を使ったのは許せないことだ。

　これからの行動について考え、私は呟く。

「今後のことを考えて、グレイ様と話をしておきましょう」

　リエッタの提案を今まで保留にしていたのは、グレイの気持ちが重要だと思ったからだ。

　私は本当にルーミスが洗脳魔法で操られているのなら、マドルオを捕えるべきだと思っている。

　同じ屋敷に住んでいるから、私はグレイの部屋まで向かっていた。