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クルイマスの謎

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~ナナの屋敷~

・「、、、うぅぅ。」

俺は目を覚ました。
凄く見覚えのある場所だ。

・「完敗だった、、、」

昨晩の事を思い出す。
ミミさん、凄かったな。

・「ぐぉ、、、身体がめちゃめちゃ痛い。」

起き上がろうとしたが起き上がれない。
相当のダメージを負っているみたいだ。
暫くはじっとしてるしか無いか。
仕方がないので昨晩の戦いを頭の中で振り返る。
ミミさんの回避術、ナナ師匠とは少し違ってたな。

コンコン。

扉をたたく音がする。
返事をしようとしたが声が出ない。
するとリムさんが入って来た。

・リム
「失礼します。」

俺がまだ寝ていると思っているのだろう。
静かに俺の様子を伺っている。

・リム
「起きていらしたのですね。
もう少しゆっくりとしていて下さい。」

声の出せない俺はリムさんに頷いて答える。

・リム
「では、よろしくお願いします。」

・???
「はい。」

リムさんの呼びかけで、もう一人部屋に入って来た。
この声はクラスだ。

・クラス
「ひどい怪我、すぐに治してあげるからね。」

クラスは直ぐに回復魔法を使用する。
あれほど痛かった体がスーッと楽になる。

・リム
「クラスお嬢様、これ程の腕前とは。
流石でございます。」

リムが感心している。
それもそうだろう、瀕死の状態だった俺がみるみる回復していくのだから。

・クラス
「この『癒しの杖』のお陰です。」

そう言ってリムさんに杖を見せるクラス。
そんなやり取りをしつつ回復魔法は続けられた。
数分後、俺は完全復活を遂げた。

・「ありがとう、クラス。
今日はあのまま動けないかと思ったよ。」

嬉しそうに飛び跳ねる俺。
全然動けなかったのに、クラスは凄いなぁ。

・クラス
「ニュート、ちょっとここに座りなさい。」

どうしたの?ちょっと怖いよ、クラス?
俺は言われるままに座る。

・クラス
「どれほどの怪我だったか理解してますか?
本当に危険な状態だったのですよ?
リムさんも凄く心配していました。
もちろん私も、、、」

ちょっと涙目のクラスに怒られる。
相当心配をかけてしまったらしい。
怪我の具合が相当ひどかったらしく、何故このような傷を負ったか説明を求められたが「自爆で瀕死になりました」とは言えなかった。
俺は何とかごまかそうと奮闘する。
そのまま小一時間説教は続く。

そんな時、様子を見に来たナナ師匠。
師匠は嬉しそうに昨晩の戦闘を話した。
お陰で全てがバレてしまう。

無茶な戦闘を強要したという事で師匠も怒られた。
俺の隣に正座させられてクラスの説教を食らう。
この時ばかりはリムさんも師匠を説教していた。
2人の説教は昼近くまで続く事となった。

そして昼頃にやっと解放された。
説教を終えたクラスは自分の屋敷に帰っていった。
今日は用事があるらしい。
リムさんはクラスを送っていくと言って部屋を出た。
部屋に残されたのは俺と師匠だけ。

・ナナ
「クラスお嬢ちゃんとリム、怖かったな。」

・「はい、、、」

・ナナ
「今後は気を付けようか。」

・「はい、、、」

凹み気味の二人は昼食のために食堂へ向かう。
足取りは重い。

・ナナ
「そう言えば聞いたか?
またライオットが色々やったらしいぞ。
何だったかな?『クルイマス』?
元五貴族と組んで国民に服を提供したらしい。
貧民街の孤児にも配ってるとか言ってたな。
ちょっと見せて貰ったが凄かったぞ。
見た目は貴族用が凄かったが、それよりも孤児に配る服にはかなりの性能が隠してあった。
今年の凍死者は減るだろうな。」

『クルイマス』?ライ兄は一体何をしたんだ?
すっごい気になる、、、

・ナナ
「お前は元々貧民街の出身だろ?
今日は特訓を無しにしてやる。
様子でも見に行ってみたらどうだ?
今、街中が凄い事になってるから。」

・「良いのですか?
ありがとうございます。」

師匠のありがたい提案により貧民街に向かう事にした。
とは言っても既に俺の家は無いだろう。
肉屋のドーンさんに逢ってこようかな。

昼食を済ませた俺は急いで貧民街に向かう。
町では光る服を着た住民ばかりだった。
光る服?聞いた事もないんだけど。
時々、七色に輝く服も見かけた。
あれって貴族だよな?
貴族が下街に居るのも珍しい。
そんな非日常な光景を目にしながら貧民街の門に着く。

・「懐かしいな、最初はここで絡まれたんだっけ。
そこをドンク師匠に助けられたのが始まりだった。」

・門兵1
「なかなか良いもの持ってるな坊主。
珍しい籠手だ、なんか見覚えのある装備だな。
ん?て言うか、こいつあの時のガキ?」

マジか、また出た、、、
俺も覚えてるよ剣の人。

・門兵2
「あの時はたまたま変な奴が来て奪えなかったが。
今回はそうはいかねぇ。
また痛い思いしたくなきゃその武器を渡しな。
ほれ、さっさとしねぇと奪い取るぞ?
あれから俺達がどんな目に遭ったか、、、
お前だけは絶対に許さねえ。」

槍に人も絶好調だな。
自業自得だと思うんだが、、、
懲りない奴らだな。

しかし、相変わらずの二人がここの警備なのか。
軍部は人手不足なのか?
人員を変えた方が良いと思うんだけど。

・門兵1
「さっさと渡せ!」

今回は随分と急いでるな。
前回は時間をかけたからドンク師匠に見つかってる。
教訓を生かしているって所か。
て言うかちゃんと反省してくれ。

・門兵2
「おい、さっさとやっちまうぞ。」

四の五の言わずに襲い掛かってくる門兵2人。
右から剣士、左から槍士。
同時に攻撃してくる。

・「おそっ!」

昨晩はミミさんにコテンパンにされた。
ちょっと自信喪失気味だったんだけど、この2人のお陰で自分がどれだけ成長したか実感する事が出来た。
ある意味感謝だなぁ~。

2人の攻撃を最小限で躱し、カウンターを入れる。
ついでに『魔装術』で武器破壊もしておいた。

・門兵1
「ぐは、、、」

門兵1は一撃で気絶する。
想像を絶する弱さだった、、、
正規の兵士はLV30以上が最低条件だったはずだ。
こんなに弱いのか?
あれか、寄生してLVだけ上げた感じ?
確か、貴族の息子が体裁を保つ為にやっている行為だ。
上手くLVを上げるのだが、中身がスカスカなので実質の能力値で言えばLV10程度位で弱いままらしい。
それとも親のコネで入っただけか?
他に行くところが無いのはそういう事か?
門兵2は辛うじて意識を保っている。

・「門兵さん、言っておくよ。
この調子で悪い事を続けるなら俺にも考えがある。」

そう言って以前セントさんから貰った紋章を見せる。

・門兵2
「それは何だ?」

・「カーティス家の紋章だ。
君達は五貴族の客人に矛を向けた事になる。
その先は言わなくても解るよね?」

門兵2は青ざめる、、、
たとえ貴族出身とは言え五貴族には敵わない。

・「今後はしっかりと仕事を熟して欲しい。
そうすれば今回の事も黙っておこう。
ただ、また同じような事をしていると耳にしたら。
解るよね?」

信じられない速度で首を縦に振る門兵2。
これで大丈夫かな?
この2人のお陰で強くなってると実感できたから。
一度くらいは許してあげよう、そう思ったんだ。

・「忘れずにそちらの門兵さんにも伝えておいてね。」

未だに気絶している門兵1。
門兵2は何度も首を縦に振って答えていた。


~貧民街~

・「久しぶりだなぁ~。」

俺は貧民街を歩く。
心なしか殺伐としていない気がする。
俺が居たときはみんな殺気立っていたんだけど。
そんな印象を受けつつドーンの肉屋を目指す。

・「ここ、、、だよな?」

そこに肉屋は無かった。
目の前には貧民街とは思えない様な立派な建物がある。
看板にはこう書いてあった。

『ロイヤルファミリー・ドーンの武器屋』

・「どういう事?」

俺がボケーっと眺めていると店から数人が出てきた。
ドーンさんだ。
それにやたらと綺麗な服装の人たち。
あれって貴族?

・ドーン
「じゃあ、明日からは倉庫の仕上げを頼む。
それが終わり次第、販売の方もスタートしよう。
武器の製造はボチボチ初めておく。」

ドーンは貴族たちと話している。
暫くして貴族たちは立ち去って行った。
俺はあっけにとられていた。

・ドーン
「ふぅ~、もう少しだなぁ~」

深呼吸をしながら背筋を伸ばし始めるドーンさん。
そして俺に気が付いた。

・ドーン
「あれ?お前、ニュートか?」

・「っは!こ、こんにちは。」

声を掛けられて正気に戻る。

・ドーン
「久しぶりだな、こんな所でどうした?」

・「どうしたもこうしたも無いですよ。
お肉屋さんはどうしたんですか?」

俺はドーンさんに突っ込んだ。
そんな俺をドーンさんは店に案内してくれる。
色々と話したい事があるらしい。
俺も色々聞きたい事だらけです。

店の中に移動するとお茶を出してくれた。

・ドーン
「色々聞きたい事もあるだろう。
まずは何でも聞いてくれ。」

俺は気になった事を聞いてみた。

まず、肉屋が武器屋になってる事。
元々冒険者だったドーンさん。
俺の父さんが死んで、俺達の事を見守るために近くで店を始めたらしい。
最初は武器屋を経営しようとしたが、貧民街で武器屋をやっても商売にならないという事で肉屋をやっていたと教えてくれた。
実は武器屋になる事が夢だったらしい。
ある冒険者のお陰で夢が叶ったと喜んでいた。

そして先程話していた貴族達。
貧民街に貴族が来る事なんて考えられない。
その答えも教えてくれた。
貧民街から成功者を出したと言う肩書が欲し貴族がここに大きな武器屋を建てたらしい。
なんと元五貴族が動いているとか。
話を聞いていると、どうやら前に色々鑑定してくれた「ロイヤル爺さん」だった。
その辺りの話は難しかったからあまり覚えていない。

ただ、街中で流行っている光る服の謎は解けた。
国民全てに無償で配ったらしい。
そんな事が出来るなんて、、、

ドーンさんが内緒で教えてくれた。
元々は孤児に服を提供する計画だったらしい。
でもそれだと犯罪が増える懸念があった。
だから全国民に配ったのだとか。
孤児の服は光らない様に配慮してある。
大人たちから狙われない様にする為。
ただし隠れた性能は孤児の服の方が良い。
特に防寒、防御性能、がズバ抜けているとか。
今年は凍死する奴が減ると嬉しそうに話していた。
毎年酷かったからな、、、

ついでに貧民街が殺伐としていない事も聞いてみる。
最近では朝と夜に食事が提供されているらしい。
更に学校?とか言う学びの施設を建てる計画があるとか。
人々がお腹を空かせていない為、盗みが減った。
そして炊き出しの仕事を大人達がやる為、犯罪が減った。
最近の貧民街はかなり治安が良くなって来ていると言う。
元貧民街出身者の俺からすれば信じられない。

・ドーン
「貧民街もすげぇ変わっただろう?
ロイヤル様が言うには、「これからはここが商売の中心となる。「貧民街」と言う名も変えねばならん。」とか言ってたぜ。
しかしな、驚く事にこれをやった奴は五貴族でもなんでもねぇ、一人の冒険者って言うんだからビックリだよな。」

・「一人の冒険者?、、、、まさか。」

・ドーン
「ライオットって言ったかな。
ありがたいね、そいつのお陰で夢も実現できたし。」

やっぱりライ兄だ!
すげぇ、貧民街までも変えてくれたんだ。
本当にとんでもない人だ。

その後、ドーンさんと久しぶりに話をした。
イトや母さんの事もしっかりと伝えておいた。
今はカーティス家の一員として生活している事。
俺自身は『拳聖ナナ』の下で修行している事。
更にギルドのドンク師匠の元で鍛冶をしている事。
どれだけ話しても足りないくらいだった。

その後、ドーンさんと鍛冶の話で盛り上がった。
気が付けば夜になっていた。
夜飯を一緒に済ませ、俺は屋敷へ帰る事にした。

俺がずっと過ごしてきた貧民街。
ここに住む者は大半が人生を恨んで生きていた。
俺もその一人だった。
話によれば俺が生まれる数百年も前からあった貧民街。
それが、今変わろうとしている。
たった一人の冒険者によって、、、

そう考えた時、思わず体が震えた。
俺の目指すべき冒険者像。
あの人を追っていればきっと見付かるはずだ。
遥か彼方にある背中。
必ず、追いついて見せる。

それとナナ師匠、、、
クルイマス、じゃなくてクリスマスでした。
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