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フーバのゲート
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~フーバ城~
・エリシャ
「そうだよ、グランデの厄災は終わった。
帝国の兵器にゃど使わにゃくても勝てるよ。」
回復した兵士達に囲まれて話をしている。
兵士達は先程まで絶望の淵に居た。
しかし目の前に希望の光がやって来た。
・兵士長
「しかし、あの数をどうやって倒したのです?
グランデにはそれ程の兵力があるのですか?」
・エリシャ
「いや、私と浩二で倒した。
浩二は凄いんだよ!」
エリシャにとっての英雄浩二。
本当は彼の自慢をしたくて堪らない。
出来れば包み隠さず話したいのだ。
・エリシャ
「ん~、でも魔将軍は私が倒した。
一人で倒したんだよ。」
無理無理自分の事を話す。
本当は浩二の事を言いたい。
エリシャは何となく泣きたくなった。
・「エリシャ、ご苦労さん。」
そんな時、浩二が帰って来た。
・エリシャ
「浩二ぃぃ!」
思わず抱き着いてしまったエリシャ。
居た堪れない気持ちと戦っていたのだ。
そんなエリシャの様子に驚く。
そんな浩二は丸投げした事を思い出した。
やはり無理をさせていたかな?
・「無理を言って悪かった。
でもエリシャのお陰で何とかなりそうだ。」
俺には計画がある。
帝国勇者を懲らしめる為の計画。
題して、「上げて落とす作戦」
・「すまないが、これからも力を貸してくれ。」
エリシャは浩二に抱き着きながら頷く。
・「ありがとう。」
俺はエリシャの頭を撫でた。
労いの気持ちを込めて。
周りの兵士さん達に拍手されたのは謎だった。
そして次の行動に移す。
・「誰か王様のが居る場所を知らないか?」
・兵士長
「それなら自分が知っています。」
重症だった筈の兵士長が答える。
よく知ってるね?
・兵士長
「例え動けなくても、王が危険ならば這ってでも駆けつけねばなりません。それが兵士の役目であります。」
兵士の鏡ともいえる発言。
兵士長が輝いて見えるよ。
・兵士長
「ではこちらへ。」
兵士長に連れられて王の元へ。
現在、王は過労で寝込んでいた。
だが意識はしっかりしている様だ。
・フーバ王
「そなたらは、、、?」
弱々しい声で聞いてくる。
・「エルデンの勇者浩二。
そしてこちらはグランデの勇者エリシャ。
お初にお目にかかります。」
とりあえず挨拶から。
失礼の無いようにしないとね。
一応、交渉相手になる訳だし。
・フーバ王
「そうか、、、だが申し訳ない。
見た通り我が国もこの有り様。
其方らの国に支援する事は出来ない。」
どうやら救援要請だと思っているみたいだ。
そう言えばグランデは要請した事があった。
フーバ王が勘違いするのも頷ける。
・「とりあえず、失礼します。」
不意打ち気味にリバーサーを噴射。
奇妙な黄緑の霧が吹きかけられる。
普通なら兵士長が必死に止めるだろう。
だが兵士長はこの霧を知っている。
奇跡の霧だ。
・兵士長
「浩二殿も使えるのですね!」
あ、しまった。
そう言えばエリシャの手柄にしておいたんだ。
まあいいか、リンネには見られてるし。
口止めだけしておこう。
・「色々と計画があるのでこの事は内密に。」
兵士長は笑顔で親指を立てる。
とっても眩しい笑顔ですね!
・フーバ王
「ぶ!無礼者!何だこれは?
私に何をした!」
めちゃめちゃ元気になったフーバ王。
ベットから飛び降りて怒っている。
・「いきなりですみません。
でも、元気になったんじゃないですか?」
そう言われて自分を確かめるフーバ王。
・フーバ王
「あれ?ホントだ。体が軽いぞ?」
不思議そうに飛び跳ねる王様。
これはこれで貴重なシーンの気がする。
・リンネ
「やはりここにいらしたのですね。」
リンネが部屋に入って来た。
そしてサリウスも続く。
・フーバ王
「リンネ?それにサリウスまで。
サリウスよ、怪我はどうしたのだ?」
・サリウス
「どうやら浩二殿に助けられた様子。
リンネがそう教えてくれました。」
・兵士長
「負傷していた全ての兵士も完治しました。
全ては勇者エリシャ殿のお陰であります。」
・フーバ王
「一体、、、何が起こっている?」
混乱するのも解ります。
と言う事で少し整理する時間を与えましょう。
・「とりあえず現状を把握してくれ。
要件はリンネに話してある。
ゆっくりと理解してくれればいい。
俺達はゲートの様子を見てくる。」
そう言って部屋を出る。
・エリシャ
「これからどうするの?」
・「とりあえず話し合い次第かな。
どちらにしても厄災は止めるつもりだよ。」
俺とエリシャはゲートに向かう。
城から出る前に門番に詳細を聞いた。
やはり国境付近だという。
おまけに怖い噂も存在していた。
いつも通りですな。
俺達は国境付近まで移動した。
・「ふむ、ゲートは普通にあるね。
違う点と言えばゲートの枠が豪華な感じ?
何でこんなに豪華な装飾が施されてるの?」
・エリシャ
「あ、、、このゲート。
魔将軍が出てきたゲートに似てる。
枠がすっごい豪華だったからすぐ解る。」
何とも解りやすい事で。
魔族にとっては只の収穫だからな。
魔将軍とやらの遊び心が現れてるんだろう。
・「て事は次がフーバ最後の厄災か。
これ以上は絞り取る事が出来ない。
そう判断したのだろう。」
成る程ね、厄災の回数がランダムなのは国の疲弊具合で採取回数を変えていたからか。
崩壊寸前まで絞り取って終わらせる。
計画的な犯行だったのね。
・エリシャ
「そう言えば兵士達が言ってた。
厄災前ににゃると帝国兵が来てたって。
帝国兵が来る目的は疲弊具合の確認だった?
武器のメンテにゃンスじゃにゃかったのか。」
メンテナンスね。
訪問するには都合が良い。
結構考えられてる節もある。
システム的には事業者向きだな。
魔族か、本当に人間に似ているな。
現代日本でも同じ様なシステムだしな。
税金とかね。
現代の場合は公共事業とかでバックはあるけど。
政治家の給料とか退職金とか考えるとねぇ。
ここまで酷くはないから良しとするか?
でも葬式で1億とか考えられるかね?
サラリーマンの年収知ってる?
平均じゃなくてヒラが実際に貰ってる金額。
そう考えるとあんまり変わらないのか?
っと、話がずれた、、、。
・「とりあえず今回の厄災を止めれば終わりか。
魔将軍の時の厄災がどんなか教えて貰って良い?」
俺は経験者のエリシャに質問する。
・エリシャ
「そうだね、魔物は大勢来たかな。
でも浩二が助けてくれた時くらいかにゃ?
そんなに大差はにゃかったと思う。
途中から武器の性能チェックしてたからにゃ。
正直あんまり覚えてにゃいかも。
そんにゃに脅威じゃにゃかったよ。」
武器がチート過ぎるせいです。
・エリシャ
「魔将軍は大きかったね。
ドラグーンランスで沈んだけど。
おにゃかに穴を開けてやったよ。」
ドヤ顔で語るエリシャ。
そうか、とっても頼りになります。
さてと、どうするかな。
帝国はここに俺達が居る事を知らない。
ならば普通に攻めてくると考えれば良いか。
魔族の大群を見せて魔道兵器の発射を確認後、魔将軍が適当に暴れて退散。
まぁこんなシナリオだろう。
となると、、、
・「今回もグランデの時みたいにやろう。
俺は裏方、エリシャが主役。
サリウスにも手伝って貰うか。」
・エリシャ
「反対する気はにゃいんだけど。
私的には浩二がもっと敬られてほしいにゃ。
何で隠すのかわからにゃい。」
・「ああ、ちょっと考えがあってね。
帝国勇者には借りがある。
大きな借りがな、、、
リンネと話してて思い出したよ。
あの時の絶望、屈辱、無力感。
全て纏めて返してやりたいんだ。」
思い出すだけで湧いてくる殺意。
俺を虐め続けたあいつ。
父さんを、母さんを殺したあいつ。
自分の都合の良い様に逃げたあいつ。
憎くない訳ない。
ユルスコトナドデキナイ、、、
・エリシャ
「こ、、、浩二?」
初めて見る浩二の激しい怒り。
今までずっと優しかった浩二。
その人が目に見える程に怒っている。
怒るという次元ではない気がする。
エリシャは浩二に恐怖した。
・「すまないが今は俺の存在を隠してほしい。
出来るだけで良い、協力してくれ。」
俺はエリシャに頭を下げる。
全てはあの計画の為。
もう一度あの時の屈辱を思い出すんだ。
完全に思い出したとき。
必ずあいつに借りを返してやる。
エリシャは頷くしかなかった。
~フーバ城~
ゲートの確認を終えた俺達。
現在はフーバ城に居ます。
ここに居るのはリンネ、サリウス、エリシャ。
そしてフーバ王だけだ。
・フーバ王
「この度は何とお礼を言えば良いのか。
本当に助かった、心から感謝する。」
フーバ王が俺達に頭を下げる。
この人もエルデン王みたいな感じ?
・フーバ王
「して、この書状の内容は本当なのか?」
・「すまない、書状の内容は知らないんだ。」
機密事項って言われてたしね。
・フーバ王
「書状に記されているのは以下の事だ。
帝国の陰謀。
魔族と帝国の関係性。
それに伴い協力体制を引く。
打倒帝国の為に手を貸してほしい。
簡単に言えばそんな所だ。
後は物資の救援を送ると書いてあった。
ありがたい事だ。」
おお~流石はロドルフ。
ちゃんと流れを読んでるね。
食料などの救援物資を頼みに行くつもりだったから、その手間が省けたのはありがたい。
・エリシャ
「グランデはその提案に乗ると思う。
浩二のお陰で救われたしね。
フーバはどうするかにゃ?」
・フーバ
「うむ、協力する。
と言いたいが、この国の有り様だ。
復興に力を入れたいと言うのが正直な所だ。」
国民ファーストって感じだね。
俺的には好きだなぁ~。
・「こちら側についてくれるならそれで良い。
復興支援もするように伝えておくよ。」
・フーバ
「何から何まですまない。」
・「決めるのはエルデン王だ。
正式に決まったらロドルフに礼を言ってくれ。」
これで3国の協力体制が確立した感じかな。
あとはロドルフに任せよう。
政治の事はさっぱりだからな。
あとは、、、
・「もう一つ報告がある。
ゲートを見て来たんだが、どうやら今回の厄災が最後みたいだぞ。魔将軍がやってくると思う。」
・リンネ
「解るのですか?」
・エリシャ
「ゲートを見ればすぐに分かるよ。
魔将軍が現れるゲートはやたらと豪華。
グランデの時もそうだったしね。」
・リンネ
「そうなんだ、じゃあこの厄災を乗り越えればこの国は救われるんだね。」
リンネの顔に笑みが浮かぶ。
リンネの笑顔か、、、
そう言えば初めて見たかもしれないな。
・サリウス
「魔将軍、いったいどれ程強いんだ?
エリシャ殿はどの様に倒したのだ?」
あ、それを聞いてしまいますか?
普通は聞くか。
でもエリシャに聞くと、、、
・エリシャ
「一撃で沈めてやった!」
ドヤ顔で答えるエリシャ。
うん、参考になりませんな。
・サリウス
「一撃で?そんな事が可能なのか?
エリシャ殿はどれ程のLVなんだろうか。」
・エリシャ
「LVは49で魔法力は480だよ。
『始まりの魔獣』に負けてから上げてにゃいし。」
その事実に驚愕する。
と言うかつじつまが合わない。
・サリウス
「どういう事だ?
僕のLVは63、そして魔法力は510だ。
それなら僕でも魔将軍を倒せるのか?」
話がややこしくなった、、、
・「無理だろうな。
エリシャには特別な力がある。
参考までに教えておくよ。
グランデの巫女の魔法力は750。
範囲化するとかで攻撃力は変化するらしいが。
彼女の攻撃力は360だった。
無防備で食らった時の数値だけどね。
俺が倒した魔族のHPは約3600
リームの魔法10発で沈む計算になる。
勿論そんな単純な話ではないがね。」
魔法が当たるカ所にもよる。
相手がガードすればダメージも減るはずだ。
リームの魔法は無防備で食らったし。
・リンネ
「攻撃力は何となく解りますが、HPとは?
それに攻撃力は数値で解る物なのですか?」
あ、、、HPの概念がないのか。
・エリシャ
「APの間違いだぞ?浩二!」
ちょっと黙ってなさい。
これ以上引っ搔き回さないで。
・リンネ
「AP?、、、あ、思い出した。
浩二さんが最初に発表された数値の事だ。
確かあの時は100と言われてましたね。」
しっかり覚えられてた。
凄い記憶力ですね。
・「ん~、その辺も含めて説明するか。
それよりも、なあサリウス。
一つだけ聞かせてくれ。
帝国勇者を殴りたいか?」
サリウスは俺の発言にビクッと反応する。
脳裏に焼き付いた光景が思い出される。
腕を切られた、脚を切られた。
腕を折られた、脚も折られた。
正直言うと恐ろしい。
恐ろしくて仕方がない。
サリウスの体は震え出してしまう。
無意識に涙も溢れてくる。
・リンネ
「サリウス、もう無理はしなくて良いの。
あなたは十分すぎる程戦ったわ。
もう休めばいいのよ。」
リンネはサリウスを優しく抱きしめる。
そうだ、あいつはリンネを泣かせた。
僕の一番大切な人を傷つけたんだ。
理由なんてそれだけで十分だ。
サリウスの顔つきが変わる。
・サリウス
「僕は、、、もう負けない。」
いいね、カッコいいぜサリウス。
想像を絶する地獄を味わった筈だ。
なのにまた立ち上がるなんてね。
これが勇者って奴か。
俺には真似できないだろうな。
・「君の気持ちは伝わったよ。
厄災までに強くしてやる。
やれるか?」
・サリウス
「やるよ!」
サリウスの覚悟を目の当たりにした。
それじゃやってみますか。
出来る筈だ。
俺のスキルなら、、、
豊穣の国フーバの勇者サリウス。
本当ならあのまま厄災後に死んでいた。
最大の屈辱を見せつけられて、、、
今、サリウスの運命が変わろうとしていた。
・エリシャ
「そうだよ、グランデの厄災は終わった。
帝国の兵器にゃど使わにゃくても勝てるよ。」
回復した兵士達に囲まれて話をしている。
兵士達は先程まで絶望の淵に居た。
しかし目の前に希望の光がやって来た。
・兵士長
「しかし、あの数をどうやって倒したのです?
グランデにはそれ程の兵力があるのですか?」
・エリシャ
「いや、私と浩二で倒した。
浩二は凄いんだよ!」
エリシャにとっての英雄浩二。
本当は彼の自慢をしたくて堪らない。
出来れば包み隠さず話したいのだ。
・エリシャ
「ん~、でも魔将軍は私が倒した。
一人で倒したんだよ。」
無理無理自分の事を話す。
本当は浩二の事を言いたい。
エリシャは何となく泣きたくなった。
・「エリシャ、ご苦労さん。」
そんな時、浩二が帰って来た。
・エリシャ
「浩二ぃぃ!」
思わず抱き着いてしまったエリシャ。
居た堪れない気持ちと戦っていたのだ。
そんなエリシャの様子に驚く。
そんな浩二は丸投げした事を思い出した。
やはり無理をさせていたかな?
・「無理を言って悪かった。
でもエリシャのお陰で何とかなりそうだ。」
俺には計画がある。
帝国勇者を懲らしめる為の計画。
題して、「上げて落とす作戦」
・「すまないが、これからも力を貸してくれ。」
エリシャは浩二に抱き着きながら頷く。
・「ありがとう。」
俺はエリシャの頭を撫でた。
労いの気持ちを込めて。
周りの兵士さん達に拍手されたのは謎だった。
そして次の行動に移す。
・「誰か王様のが居る場所を知らないか?」
・兵士長
「それなら自分が知っています。」
重症だった筈の兵士長が答える。
よく知ってるね?
・兵士長
「例え動けなくても、王が危険ならば這ってでも駆けつけねばなりません。それが兵士の役目であります。」
兵士の鏡ともいえる発言。
兵士長が輝いて見えるよ。
・兵士長
「ではこちらへ。」
兵士長に連れられて王の元へ。
現在、王は過労で寝込んでいた。
だが意識はしっかりしている様だ。
・フーバ王
「そなたらは、、、?」
弱々しい声で聞いてくる。
・「エルデンの勇者浩二。
そしてこちらはグランデの勇者エリシャ。
お初にお目にかかります。」
とりあえず挨拶から。
失礼の無いようにしないとね。
一応、交渉相手になる訳だし。
・フーバ王
「そうか、、、だが申し訳ない。
見た通り我が国もこの有り様。
其方らの国に支援する事は出来ない。」
どうやら救援要請だと思っているみたいだ。
そう言えばグランデは要請した事があった。
フーバ王が勘違いするのも頷ける。
・「とりあえず、失礼します。」
不意打ち気味にリバーサーを噴射。
奇妙な黄緑の霧が吹きかけられる。
普通なら兵士長が必死に止めるだろう。
だが兵士長はこの霧を知っている。
奇跡の霧だ。
・兵士長
「浩二殿も使えるのですね!」
あ、しまった。
そう言えばエリシャの手柄にしておいたんだ。
まあいいか、リンネには見られてるし。
口止めだけしておこう。
・「色々と計画があるのでこの事は内密に。」
兵士長は笑顔で親指を立てる。
とっても眩しい笑顔ですね!
・フーバ王
「ぶ!無礼者!何だこれは?
私に何をした!」
めちゃめちゃ元気になったフーバ王。
ベットから飛び降りて怒っている。
・「いきなりですみません。
でも、元気になったんじゃないですか?」
そう言われて自分を確かめるフーバ王。
・フーバ王
「あれ?ホントだ。体が軽いぞ?」
不思議そうに飛び跳ねる王様。
これはこれで貴重なシーンの気がする。
・リンネ
「やはりここにいらしたのですね。」
リンネが部屋に入って来た。
そしてサリウスも続く。
・フーバ王
「リンネ?それにサリウスまで。
サリウスよ、怪我はどうしたのだ?」
・サリウス
「どうやら浩二殿に助けられた様子。
リンネがそう教えてくれました。」
・兵士長
「負傷していた全ての兵士も完治しました。
全ては勇者エリシャ殿のお陰であります。」
・フーバ王
「一体、、、何が起こっている?」
混乱するのも解ります。
と言う事で少し整理する時間を与えましょう。
・「とりあえず現状を把握してくれ。
要件はリンネに話してある。
ゆっくりと理解してくれればいい。
俺達はゲートの様子を見てくる。」
そう言って部屋を出る。
・エリシャ
「これからどうするの?」
・「とりあえず話し合い次第かな。
どちらにしても厄災は止めるつもりだよ。」
俺とエリシャはゲートに向かう。
城から出る前に門番に詳細を聞いた。
やはり国境付近だという。
おまけに怖い噂も存在していた。
いつも通りですな。
俺達は国境付近まで移動した。
・「ふむ、ゲートは普通にあるね。
違う点と言えばゲートの枠が豪華な感じ?
何でこんなに豪華な装飾が施されてるの?」
・エリシャ
「あ、、、このゲート。
魔将軍が出てきたゲートに似てる。
枠がすっごい豪華だったからすぐ解る。」
何とも解りやすい事で。
魔族にとっては只の収穫だからな。
魔将軍とやらの遊び心が現れてるんだろう。
・「て事は次がフーバ最後の厄災か。
これ以上は絞り取る事が出来ない。
そう判断したのだろう。」
成る程ね、厄災の回数がランダムなのは国の疲弊具合で採取回数を変えていたからか。
崩壊寸前まで絞り取って終わらせる。
計画的な犯行だったのね。
・エリシャ
「そう言えば兵士達が言ってた。
厄災前ににゃると帝国兵が来てたって。
帝国兵が来る目的は疲弊具合の確認だった?
武器のメンテにゃンスじゃにゃかったのか。」
メンテナンスね。
訪問するには都合が良い。
結構考えられてる節もある。
システム的には事業者向きだな。
魔族か、本当に人間に似ているな。
現代日本でも同じ様なシステムだしな。
税金とかね。
現代の場合は公共事業とかでバックはあるけど。
政治家の給料とか退職金とか考えるとねぇ。
ここまで酷くはないから良しとするか?
でも葬式で1億とか考えられるかね?
サラリーマンの年収知ってる?
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そう考えるとあんまり変わらないのか?
っと、話がずれた、、、。
・「とりあえず今回の厄災を止めれば終わりか。
魔将軍の時の厄災がどんなか教えて貰って良い?」
俺は経験者のエリシャに質問する。
・エリシャ
「そうだね、魔物は大勢来たかな。
でも浩二が助けてくれた時くらいかにゃ?
そんなに大差はにゃかったと思う。
途中から武器の性能チェックしてたからにゃ。
正直あんまり覚えてにゃいかも。
そんにゃに脅威じゃにゃかったよ。」
武器がチート過ぎるせいです。
・エリシャ
「魔将軍は大きかったね。
ドラグーンランスで沈んだけど。
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ドヤ顔で語るエリシャ。
そうか、とっても頼りになります。
さてと、どうするかな。
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まぁこんなシナリオだろう。
となると、、、
・「今回もグランデの時みたいにやろう。
俺は裏方、エリシャが主役。
サリウスにも手伝って貰うか。」
・エリシャ
「反対する気はにゃいんだけど。
私的には浩二がもっと敬られてほしいにゃ。
何で隠すのかわからにゃい。」
・「ああ、ちょっと考えがあってね。
帝国勇者には借りがある。
大きな借りがな、、、
リンネと話してて思い出したよ。
あの時の絶望、屈辱、無力感。
全て纏めて返してやりたいんだ。」
思い出すだけで湧いてくる殺意。
俺を虐め続けたあいつ。
父さんを、母さんを殺したあいつ。
自分の都合の良い様に逃げたあいつ。
憎くない訳ない。
ユルスコトナドデキナイ、、、
・エリシャ
「こ、、、浩二?」
初めて見る浩二の激しい怒り。
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その人が目に見える程に怒っている。
怒るという次元ではない気がする。
エリシャは浩二に恐怖した。
・「すまないが今は俺の存在を隠してほしい。
出来るだけで良い、協力してくれ。」
俺はエリシャに頭を下げる。
全てはあの計画の為。
もう一度あの時の屈辱を思い出すんだ。
完全に思い出したとき。
必ずあいつに借りを返してやる。
エリシャは頷くしかなかった。
~フーバ城~
ゲートの確認を終えた俺達。
現在はフーバ城に居ます。
ここに居るのはリンネ、サリウス、エリシャ。
そしてフーバ王だけだ。
・フーバ王
「この度は何とお礼を言えば良いのか。
本当に助かった、心から感謝する。」
フーバ王が俺達に頭を下げる。
この人もエルデン王みたいな感じ?
・フーバ王
「して、この書状の内容は本当なのか?」
・「すまない、書状の内容は知らないんだ。」
機密事項って言われてたしね。
・フーバ王
「書状に記されているのは以下の事だ。
帝国の陰謀。
魔族と帝国の関係性。
それに伴い協力体制を引く。
打倒帝国の為に手を貸してほしい。
簡単に言えばそんな所だ。
後は物資の救援を送ると書いてあった。
ありがたい事だ。」
おお~流石はロドルフ。
ちゃんと流れを読んでるね。
食料などの救援物資を頼みに行くつもりだったから、その手間が省けたのはありがたい。
・エリシャ
「グランデはその提案に乗ると思う。
浩二のお陰で救われたしね。
フーバはどうするかにゃ?」
・フーバ
「うむ、協力する。
と言いたいが、この国の有り様だ。
復興に力を入れたいと言うのが正直な所だ。」
国民ファーストって感じだね。
俺的には好きだなぁ~。
・「こちら側についてくれるならそれで良い。
復興支援もするように伝えておくよ。」
・フーバ
「何から何まですまない。」
・「決めるのはエルデン王だ。
正式に決まったらロドルフに礼を言ってくれ。」
これで3国の協力体制が確立した感じかな。
あとはロドルフに任せよう。
政治の事はさっぱりだからな。
あとは、、、
・「もう一つ報告がある。
ゲートを見て来たんだが、どうやら今回の厄災が最後みたいだぞ。魔将軍がやってくると思う。」
・リンネ
「解るのですか?」
・エリシャ
「ゲートを見ればすぐに分かるよ。
魔将軍が現れるゲートはやたらと豪華。
グランデの時もそうだったしね。」
・リンネ
「そうなんだ、じゃあこの厄災を乗り越えればこの国は救われるんだね。」
リンネの顔に笑みが浮かぶ。
リンネの笑顔か、、、
そう言えば初めて見たかもしれないな。
・サリウス
「魔将軍、いったいどれ程強いんだ?
エリシャ殿はどの様に倒したのだ?」
あ、それを聞いてしまいますか?
普通は聞くか。
でもエリシャに聞くと、、、
・エリシャ
「一撃で沈めてやった!」
ドヤ顔で答えるエリシャ。
うん、参考になりませんな。
・サリウス
「一撃で?そんな事が可能なのか?
エリシャ殿はどれ程のLVなんだろうか。」
・エリシャ
「LVは49で魔法力は480だよ。
『始まりの魔獣』に負けてから上げてにゃいし。」
その事実に驚愕する。
と言うかつじつまが合わない。
・サリウス
「どういう事だ?
僕のLVは63、そして魔法力は510だ。
それなら僕でも魔将軍を倒せるのか?」
話がややこしくなった、、、
・「無理だろうな。
エリシャには特別な力がある。
参考までに教えておくよ。
グランデの巫女の魔法力は750。
範囲化するとかで攻撃力は変化するらしいが。
彼女の攻撃力は360だった。
無防備で食らった時の数値だけどね。
俺が倒した魔族のHPは約3600
リームの魔法10発で沈む計算になる。
勿論そんな単純な話ではないがね。」
魔法が当たるカ所にもよる。
相手がガードすればダメージも減るはずだ。
リームの魔法は無防備で食らったし。
・リンネ
「攻撃力は何となく解りますが、HPとは?
それに攻撃力は数値で解る物なのですか?」
あ、、、HPの概念がないのか。
・エリシャ
「APの間違いだぞ?浩二!」
ちょっと黙ってなさい。
これ以上引っ搔き回さないで。
・リンネ
「AP?、、、あ、思い出した。
浩二さんが最初に発表された数値の事だ。
確かあの時は100と言われてましたね。」
しっかり覚えられてた。
凄い記憶力ですね。
・「ん~、その辺も含めて説明するか。
それよりも、なあサリウス。
一つだけ聞かせてくれ。
帝国勇者を殴りたいか?」
サリウスは俺の発言にビクッと反応する。
脳裏に焼き付いた光景が思い出される。
腕を切られた、脚を切られた。
腕を折られた、脚も折られた。
正直言うと恐ろしい。
恐ろしくて仕方がない。
サリウスの体は震え出してしまう。
無意識に涙も溢れてくる。
・リンネ
「サリウス、もう無理はしなくて良いの。
あなたは十分すぎる程戦ったわ。
もう休めばいいのよ。」
リンネはサリウスを優しく抱きしめる。
そうだ、あいつはリンネを泣かせた。
僕の一番大切な人を傷つけたんだ。
理由なんてそれだけで十分だ。
サリウスの顔つきが変わる。
・サリウス
「僕は、、、もう負けない。」
いいね、カッコいいぜサリウス。
想像を絶する地獄を味わった筈だ。
なのにまた立ち上がるなんてね。
これが勇者って奴か。
俺には真似できないだろうな。
・「君の気持ちは伝わったよ。
厄災までに強くしてやる。
やれるか?」
・サリウス
「やるよ!」
サリウスの覚悟を目の当たりにした。
それじゃやってみますか。
出来る筈だ。
俺のスキルなら、、、
豊穣の国フーバの勇者サリウス。
本当ならあのまま厄災後に死んでいた。
最大の屈辱を見せつけられて、、、
今、サリウスの運命が変わろうとしていた。
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そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界サバイバルセットでダンジョン無双。精霊樹復活に貢献します。
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地球にダンジョンが出来て10年。
その当時は、世界中が混乱したけれど、今ではすでに日常となっていたりする。
ダンジョンに巣くう魔物は、ダンジョン外にでる事はなく、浅い階層であれば、魔物を倒すと、魔石を手に入れる事が出来、その魔石は再生可能エネルギーとして利用できる事が解ると、各国は、こぞってダンジョン探索を行うようになった。
ダンジョンでは魔石だけでなく、傷や病気を癒す貴重なアイテム等をドロップしたり、また、稀に宝箱と呼ばれる箱から、後発的に付与できる様々な魔法やスキルを覚える事が出来る魔法書やスキルオーブと呼ばれる物等も手に入ったりする。
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運転免許のように、学校や教習所ができ、人気の職業の一つになっていたりするのだ。
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※ハーレムの女の子が合流するまで、マジメで自己肯定感の低い主人公の一人称はちょい暗めです。
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※タイトルの画像は「東雲いづる」先生に描いていただきました。
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