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軍師の愚行
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・グランデ軍の軍師
「一体何が起こった?」
・兵士
「解りません、魔物に光が注がれています。」
理解できない事が起こっている。
一体何が起きている?
あの光はなんだ?
軍師は恐怖に支配されていた。
・軍師
「ええい、放て!魔導砲を放て!
魔物に何もさせるな!」
・兵士
「魔物が減っていくように見えます。
勇者の攻撃なのでは?」
・軍師
「貴様、私に指図するのか?
貴様の身分は何だ?階級は?
私の命令が聞けぬと言うのか!」
・兵士
「しかしこの角度では勇者に当たります。」
・軍師
「黙れ!貴様は此処から去れ。
後で極刑に処す!
いいから黙って指示に従え!」
軍師は既に狂っていた。
もう周りの事は何も見えていない。
ただただ厄災が恐ろしくて仕方が無かった。
・軍師
「命令だ!目標、魔物の軍勢。
魔導砲、発射!
勇者もろとも撃ち抜けぇ!」
軍師の命令に逆らえるものなど居ない。
この国には王様が居る。
しかしそれは形だけのモノだった。
この国の象徴、只の飾り物。
実質、軍師の家系がトップに君臨していた。
それがこの国の在り方でありルールだ。
誰も逆らえる者は居ない。
・砲撃兵
「は、、発射ぁぁぁ!」
バンガード帝国から借り受けた魔道兵器。
遂に魔物に向けて発射された。
勇者エリシャもろとも吹き飛ばす為に。
~エリシャサイド~
目の前では常識外の事が起こっていた。
無数の魔物が目の前で消滅した。
・エリシャ
「神、、、様?」
エリシャはそう呟いていた。
魔物たちの最後を見つめるしかなかった。
そんな時、浩二の声が聞こえる。
・「そこから逃げろ!
魔道兵器が放たれた。」
一瞬、何を言われたか理解できなかった。
だって、魔物は既に居ない。
エリシャは振り向いた。
・エリシャ
「そんにゃ、、、、」
バンガード自慢の魔道兵器が火を噴く。
皮肉にも光の矢の様な砲撃だった。
その光は見事にエリシャに直撃する。
5機の魔道兵器から放たれた5つの光の砲撃はエリシャを包み込み、魔物の居た場所に着弾する。
激しい爆発が起きた。
その光景を全ての兵士が目撃していた。
勿論リームもその一人だった。
・リーム
「エリシャ!エリシャぁぁぁぁ!」
無我夢中で駆け出していた。
兵士達も引っ張られるように走り出す。
我々を救ってくれた勇者。
それに向けられて放たれた砲撃。
混乱と怒りの中、彼らは勇者を探した。
~浩二サイド~
魔道兵器が放たれた瞬間、俺は飛び出した。
ここからなら飛んで行けばすぐにつく。
無事でいてくれ、、、
・「くそ、想定外だ。
あの状態から撃って来るなんて思わなかった。
頼む、15000ダメージ以内であってくれ。」
俺は後悔していた。
制限解除していればAPをもっと上げられた。
ゲームの感覚で制限を付けていたんだ。
・「エリシャ、無事でいてくれ。」
俺はエリシャの元に急いだ。
そして数十秒で到着する。
そこにはエリシャが倒れていた。
・「エリシャ、エリシャ!無事か?」
俺はエリシャに問い掛ける。
下手に動かさない方が良いか?
リバーサーで間に合うか?
・エリシャ
「う、、、、、ん。
あれ?浩二?私は、、、」
少し混乱気味のエリシャ。
良かった、無事の様だ。
・「すぐに回復させる。
APは残ってるか?」
少しでも残っていれば自動で減ることは無い。
話が出来るという事はもう安心だ。
・エリシャ
「えっと、残り14900あるよ。」
はい?
桁間違えてない?
俺はもう一度聞いた。
・エリシャ
「AP14900で間違いにゃいみたい。
私、魔道兵器に攻撃されたよね?
死んだと思ってた。」
攻撃力たった100?
帝国はそんな攻撃で厄災を追い返したのか?
自信満々でこの弱い兵器を貸し出しているのか?
100ダメージの兵器5機で何が出来る?
連射速度が凄まじいのか?
なんだ、この違和感。
・エリシャ
「浩二?大丈夫?」
エリシャの問いかけで我に返る。
・「おっと、俺がここに居たら不味いな。
すぐに兵士達が到着する。
しっかりと勇者として応えてあげなさい。
俺は一足先に戻ってるから。」
俺は急いでその場から離れた。
飛んでいくと不味いだろうから走っていく。
エリシャはそんな浩二の背中を見つめていた。
暫くして、、、
・リーム
「エリシャ!エリシャぁぁぁ!」
リームが抱き着いて来た。
エリシャはしっかりと受け止める。
・エリシャ
「もう、大丈夫だよ。」
優しく抱きしめるエリシャ。
2人は一緒に泣き続けた。
グランデの兵士達はその光景を見守っていた。
感動的な光景だったと言う。
そして、、、
・エリシャ
「厄災は勇者エリシャが打ち払った。
みにゃ、勝どきをあげよ!」
エリシャが剣を抜き天に掲げる。
兵士達は空に向かって叫ぶ。
力の限り叫び続けた。
エミリアの元に戻った俺は丘の上から眺めている。エミリアがそっと手を繋いで来た。
・エミリア
「良かったね。」
・「ああ、そうだな。」
厄災はまだ続く。
魔将軍が出るまで続けられる。
だが、今日くらいはそんな事を忘れて大騒ぎすればいい、それ程の勝利だったのだから。
兵士達の勝どきは遠くまで響き渡った。
~グランデ城~
厄災を退けたその日の夜。
城ではパーティーが開催されていた。
俺が戦いに参加したとは公にされていない。
知っているのはリームとエリシャだけ。
と言う訳で本来なら参加する資格などない。
だが英雄エリシャの願いで城に招待された。
本当は行きたくなかったがエリシャに伝えたい事があったから行く事にした。
でも嫌な予感って当たるよね。
ばったり軍師に遭遇した。
何でこんなに嬉しそうなのかは謎だが。
・軍師
「誰かと思えば無力な救援者ではないか。
ちゃんと戦いは観ていたか?」
上機嫌で話す軍師。
心配しなくても観てましたよ。
・軍師
「バンガードの魔道兵器は素晴らしい。
一撃で魔物を消滅させたぞ!」
はい?何言ってるのこの人?
酒でも飲み過ぎたのかね?
・軍師
「光の砲撃、、、いや光魔法だな。
流石は帝国の軍事力だ。
あの兵器が10機もあれば世界を取れるぞ。」
相当酔っぱらってらっしゃる。
こういう輩は適当に相手して退散しますか。
・「おめでとうございます。
素晴らしい戦いでしたね。」
・軍師
「そうだろうそうだろう。
困った時はいつでも言いたまえ。
我が魔道兵器で魔物どもを蹴散らしてやる。」
お前のじゃないだろっと突っ込みたかけたがグッと堪えた。軍師はフラフラしながら歩いて行った。
あのおっさん大丈夫かね?
完全に飲み過ぎだぞ。
・エミリア
「全部浩二のお陰なのに!
何で言っちゃダメなの?」
エミリアが激怒している。
怒った顔も可愛いよ。
等と言ってる場合じゃないな。
・「注目されるのは嫌いなんだよ。
別に良いじゃない誰も傷ついてないんだから。」
・エミリア
「むぅ~~~」
俺の言葉にムスッとするエミリア。
やっぱり可愛いな。
そんなやり取りをしていた時だった。
・司会者
「我が国の英雄、エリシャ様の登場です。」
そんな声が聞こえた。
城のダンスホール中央奥の階段から素敵なドレスを身にまとったリームとエリシャが現れる。
・「綺麗だ、、、、」
無意識に声が漏れる。
エミリアにつねられた、、、
・エリシャ
「みんにゃのお陰で厄災を退ける事に成功した。
本当にありがとう。」
真相は闇の中だ。
リームとエリシャには俺の存在を黙ってて欲しいとお願いした。だって能力の事がバレたら面倒な事になりそうだし、帝国の奴らとかに狙われそうだもん。
俺は静かに暮らしたい。
いつからか「死にたい」と思わなくなった。
元の世界で両親が死に、全てを失った。
思考を停止させるまで毎日思っていた。
・「エミリアのお陰かな?」
・エミリア
「ん?なに?何か言った?」
・「いや、何でもないよ。
エリシャ達、嬉しそうだな。」
とっさに誤魔化しておいた。
笑顔のエリシャとリーム。
様々な人の挨拶に応えていた。
パーティーは続く。
~グランデ城2Fバルコニー~
俺は夜の風に当たっていた。
勿論エミリアも一緒に居る。
小国で力のない国の俺達だ。
話しかけてくる人物など居ない。
そう思っていたんだけどね。
・看護兵
「浩二様の回復魔法は神レベルです。」
絶賛してくれる看護兵のお姉さん。
その話を聞いたお姉さんの仲間達。
思わぬ形でハーレム状態です。
エミリアが怒りそうな展開だが、彼女は只今上機嫌だ。それは看護兵の一人が放った一言。
・看護兵
「素晴らしい殿方ですね。
うらやましいです。」
この一撃でエミリアは撃沈した。
いやいや否定しなくて良いのかい?
したくても出来なのかな?
看護兵のお姉さんた達からは、こちらが話す暇がない程の怒涛のトークが炸裂している。
・エリシャ
「ここに居たのか、浩二。」
エリシャがやっと現れた。
少し疲れた顔のリームと共に。
勇者の登場で看護兵達は去っていく。
話せる場を提供してくれたらしい。
なんて気のきく人たち何でしょう。
・リーム
「疲れた、、、」
そんなリームをエミリアが労っている。
・エリシャ
「浩二、、、本当にありがとう。」
エリシャは手を差し出してきた。
握手の様だ。
俺は快く応じる事にした。
手を握った瞬間。
・エリシャ
「隙あり!」
一気に手を引かれて抱き着かれた。
そしてそのまま唇を奪われた、、、
やだ、とっても男らしい。
・エミリア
「あ、、、、」
・リーム
「え?」
そんな光景を見た2人が固まる。
周りでそれを見た人たちは拍手を送る。
結構長めの口づけ。
俺は驚きで動けないでいた。
、、、、驚きだけだったのかは不明です。
・エリシャ
「感謝の印です。」
離れたエリシャはそう言った。
何故か敬語になるエリシャ。
モジモジしてる姿が可愛い。
・エリシャ
「私の元居た世界では、命の恩人に対しこうして感謝の気持ちを伝えるの。ビックリした?いきなりでごめんね。」
何とも言い難い素振りで話すエリシャ。
とっても素敵な風習ですね!
・エミリア
「そ、そっか、それなら仕方ないね。」
半笑いのエミリアさん。
目の奥が笑ってませんよ?
・リーム
「ぬ、、、抜け駆けは卑怯よ。」
何やらブツブツ言ってるリームさん。
素敵な夜になりました。
そう思ってたんだけどね
そんな空気を破壊する人物がやってくる。
「一体何が起こった?」
・兵士
「解りません、魔物に光が注がれています。」
理解できない事が起こっている。
一体何が起きている?
あの光はなんだ?
軍師は恐怖に支配されていた。
・軍師
「ええい、放て!魔導砲を放て!
魔物に何もさせるな!」
・兵士
「魔物が減っていくように見えます。
勇者の攻撃なのでは?」
・軍師
「貴様、私に指図するのか?
貴様の身分は何だ?階級は?
私の命令が聞けぬと言うのか!」
・兵士
「しかしこの角度では勇者に当たります。」
・軍師
「黙れ!貴様は此処から去れ。
後で極刑に処す!
いいから黙って指示に従え!」
軍師は既に狂っていた。
もう周りの事は何も見えていない。
ただただ厄災が恐ろしくて仕方が無かった。
・軍師
「命令だ!目標、魔物の軍勢。
魔導砲、発射!
勇者もろとも撃ち抜けぇ!」
軍師の命令に逆らえるものなど居ない。
この国には王様が居る。
しかしそれは形だけのモノだった。
この国の象徴、只の飾り物。
実質、軍師の家系がトップに君臨していた。
それがこの国の在り方でありルールだ。
誰も逆らえる者は居ない。
・砲撃兵
「は、、発射ぁぁぁ!」
バンガード帝国から借り受けた魔道兵器。
遂に魔物に向けて発射された。
勇者エリシャもろとも吹き飛ばす為に。
~エリシャサイド~
目の前では常識外の事が起こっていた。
無数の魔物が目の前で消滅した。
・エリシャ
「神、、、様?」
エリシャはそう呟いていた。
魔物たちの最後を見つめるしかなかった。
そんな時、浩二の声が聞こえる。
・「そこから逃げろ!
魔道兵器が放たれた。」
一瞬、何を言われたか理解できなかった。
だって、魔物は既に居ない。
エリシャは振り向いた。
・エリシャ
「そんにゃ、、、、」
バンガード自慢の魔道兵器が火を噴く。
皮肉にも光の矢の様な砲撃だった。
その光は見事にエリシャに直撃する。
5機の魔道兵器から放たれた5つの光の砲撃はエリシャを包み込み、魔物の居た場所に着弾する。
激しい爆発が起きた。
その光景を全ての兵士が目撃していた。
勿論リームもその一人だった。
・リーム
「エリシャ!エリシャぁぁぁぁ!」
無我夢中で駆け出していた。
兵士達も引っ張られるように走り出す。
我々を救ってくれた勇者。
それに向けられて放たれた砲撃。
混乱と怒りの中、彼らは勇者を探した。
~浩二サイド~
魔道兵器が放たれた瞬間、俺は飛び出した。
ここからなら飛んで行けばすぐにつく。
無事でいてくれ、、、
・「くそ、想定外だ。
あの状態から撃って来るなんて思わなかった。
頼む、15000ダメージ以内であってくれ。」
俺は後悔していた。
制限解除していればAPをもっと上げられた。
ゲームの感覚で制限を付けていたんだ。
・「エリシャ、無事でいてくれ。」
俺はエリシャの元に急いだ。
そして数十秒で到着する。
そこにはエリシャが倒れていた。
・「エリシャ、エリシャ!無事か?」
俺はエリシャに問い掛ける。
下手に動かさない方が良いか?
リバーサーで間に合うか?
・エリシャ
「う、、、、、ん。
あれ?浩二?私は、、、」
少し混乱気味のエリシャ。
良かった、無事の様だ。
・「すぐに回復させる。
APは残ってるか?」
少しでも残っていれば自動で減ることは無い。
話が出来るという事はもう安心だ。
・エリシャ
「えっと、残り14900あるよ。」
はい?
桁間違えてない?
俺はもう一度聞いた。
・エリシャ
「AP14900で間違いにゃいみたい。
私、魔道兵器に攻撃されたよね?
死んだと思ってた。」
攻撃力たった100?
帝国はそんな攻撃で厄災を追い返したのか?
自信満々でこの弱い兵器を貸し出しているのか?
100ダメージの兵器5機で何が出来る?
連射速度が凄まじいのか?
なんだ、この違和感。
・エリシャ
「浩二?大丈夫?」
エリシャの問いかけで我に返る。
・「おっと、俺がここに居たら不味いな。
すぐに兵士達が到着する。
しっかりと勇者として応えてあげなさい。
俺は一足先に戻ってるから。」
俺は急いでその場から離れた。
飛んでいくと不味いだろうから走っていく。
エリシャはそんな浩二の背中を見つめていた。
暫くして、、、
・リーム
「エリシャ!エリシャぁぁぁ!」
リームが抱き着いて来た。
エリシャはしっかりと受け止める。
・エリシャ
「もう、大丈夫だよ。」
優しく抱きしめるエリシャ。
2人は一緒に泣き続けた。
グランデの兵士達はその光景を見守っていた。
感動的な光景だったと言う。
そして、、、
・エリシャ
「厄災は勇者エリシャが打ち払った。
みにゃ、勝どきをあげよ!」
エリシャが剣を抜き天に掲げる。
兵士達は空に向かって叫ぶ。
力の限り叫び続けた。
エミリアの元に戻った俺は丘の上から眺めている。エミリアがそっと手を繋いで来た。
・エミリア
「良かったね。」
・「ああ、そうだな。」
厄災はまだ続く。
魔将軍が出るまで続けられる。
だが、今日くらいはそんな事を忘れて大騒ぎすればいい、それ程の勝利だったのだから。
兵士達の勝どきは遠くまで響き渡った。
~グランデ城~
厄災を退けたその日の夜。
城ではパーティーが開催されていた。
俺が戦いに参加したとは公にされていない。
知っているのはリームとエリシャだけ。
と言う訳で本来なら参加する資格などない。
だが英雄エリシャの願いで城に招待された。
本当は行きたくなかったがエリシャに伝えたい事があったから行く事にした。
でも嫌な予感って当たるよね。
ばったり軍師に遭遇した。
何でこんなに嬉しそうなのかは謎だが。
・軍師
「誰かと思えば無力な救援者ではないか。
ちゃんと戦いは観ていたか?」
上機嫌で話す軍師。
心配しなくても観てましたよ。
・軍師
「バンガードの魔道兵器は素晴らしい。
一撃で魔物を消滅させたぞ!」
はい?何言ってるのこの人?
酒でも飲み過ぎたのかね?
・軍師
「光の砲撃、、、いや光魔法だな。
流石は帝国の軍事力だ。
あの兵器が10機もあれば世界を取れるぞ。」
相当酔っぱらってらっしゃる。
こういう輩は適当に相手して退散しますか。
・「おめでとうございます。
素晴らしい戦いでしたね。」
・軍師
「そうだろうそうだろう。
困った時はいつでも言いたまえ。
我が魔道兵器で魔物どもを蹴散らしてやる。」
お前のじゃないだろっと突っ込みたかけたがグッと堪えた。軍師はフラフラしながら歩いて行った。
あのおっさん大丈夫かね?
完全に飲み過ぎだぞ。
・エミリア
「全部浩二のお陰なのに!
何で言っちゃダメなの?」
エミリアが激怒している。
怒った顔も可愛いよ。
等と言ってる場合じゃないな。
・「注目されるのは嫌いなんだよ。
別に良いじゃない誰も傷ついてないんだから。」
・エミリア
「むぅ~~~」
俺の言葉にムスッとするエミリア。
やっぱり可愛いな。
そんなやり取りをしていた時だった。
・司会者
「我が国の英雄、エリシャ様の登場です。」
そんな声が聞こえた。
城のダンスホール中央奥の階段から素敵なドレスを身にまとったリームとエリシャが現れる。
・「綺麗だ、、、、」
無意識に声が漏れる。
エミリアにつねられた、、、
・エリシャ
「みんにゃのお陰で厄災を退ける事に成功した。
本当にありがとう。」
真相は闇の中だ。
リームとエリシャには俺の存在を黙ってて欲しいとお願いした。だって能力の事がバレたら面倒な事になりそうだし、帝国の奴らとかに狙われそうだもん。
俺は静かに暮らしたい。
いつからか「死にたい」と思わなくなった。
元の世界で両親が死に、全てを失った。
思考を停止させるまで毎日思っていた。
・「エミリアのお陰かな?」
・エミリア
「ん?なに?何か言った?」
・「いや、何でもないよ。
エリシャ達、嬉しそうだな。」
とっさに誤魔化しておいた。
笑顔のエリシャとリーム。
様々な人の挨拶に応えていた。
パーティーは続く。
~グランデ城2Fバルコニー~
俺は夜の風に当たっていた。
勿論エミリアも一緒に居る。
小国で力のない国の俺達だ。
話しかけてくる人物など居ない。
そう思っていたんだけどね。
・看護兵
「浩二様の回復魔法は神レベルです。」
絶賛してくれる看護兵のお姉さん。
その話を聞いたお姉さんの仲間達。
思わぬ形でハーレム状態です。
エミリアが怒りそうな展開だが、彼女は只今上機嫌だ。それは看護兵の一人が放った一言。
・看護兵
「素晴らしい殿方ですね。
うらやましいです。」
この一撃でエミリアは撃沈した。
いやいや否定しなくて良いのかい?
したくても出来なのかな?
看護兵のお姉さんた達からは、こちらが話す暇がない程の怒涛のトークが炸裂している。
・エリシャ
「ここに居たのか、浩二。」
エリシャがやっと現れた。
少し疲れた顔のリームと共に。
勇者の登場で看護兵達は去っていく。
話せる場を提供してくれたらしい。
なんて気のきく人たち何でしょう。
・リーム
「疲れた、、、」
そんなリームをエミリアが労っている。
・エリシャ
「浩二、、、本当にありがとう。」
エリシャは手を差し出してきた。
握手の様だ。
俺は快く応じる事にした。
手を握った瞬間。
・エリシャ
「隙あり!」
一気に手を引かれて抱き着かれた。
そしてそのまま唇を奪われた、、、
やだ、とっても男らしい。
・エミリア
「あ、、、、」
・リーム
「え?」
そんな光景を見た2人が固まる。
周りでそれを見た人たちは拍手を送る。
結構長めの口づけ。
俺は驚きで動けないでいた。
、、、、驚きだけだったのかは不明です。
・エリシャ
「感謝の印です。」
離れたエリシャはそう言った。
何故か敬語になるエリシャ。
モジモジしてる姿が可愛い。
・エリシャ
「私の元居た世界では、命の恩人に対しこうして感謝の気持ちを伝えるの。ビックリした?いきなりでごめんね。」
何とも言い難い素振りで話すエリシャ。
とっても素敵な風習ですね!
・エミリア
「そ、そっか、それなら仕方ないね。」
半笑いのエミリアさん。
目の奥が笑ってませんよ?
・リーム
「ぬ、、、抜け駆けは卑怯よ。」
何やらブツブツ言ってるリームさん。
素敵な夜になりました。
そう思ってたんだけどね
そんな空気を破壊する人物がやってくる。
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はぐれメタボ
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第1部《漆黒の少女》
楠木 優香は神様によって異世界に送られる事になった。
理由は『最近流行ってるから』
数々のチートを手にした優香は、ユウと名を変えて、薬師兼冒険者として異世界で生きる事を決める。
優しくて単純な少女の異世界冒険譚。
第2部 《精霊の紋章》
ユウの冒険の裏で、田舎の少年エリオは多くの仲間と共に、世界の命運を掛けた戦いに身を投じて行く事になる。
それは、英雄に憧れた少年の英雄譚。
第3部 《交錯する戦場》
各国が手を結び結成された人類連合と邪神を奉じる魔王に率いられた魔族軍による戦争が始まった。
人間と魔族、様々な意思と策謀が交錯する群像劇。
第4部 《新たなる神話》
戦争が終結し、邪神の討伐を残すのみとなった。
連合からの依頼を受けたユウは、援軍を率いて勇者の後を追い邪神の神殿を目指す。
それは、この世界で最も新しい神話。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
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