完璧な悪役になってみせる

ミカン

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転生編

第七話

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ルターとお友達になったことが、ダンジョンに忍び込んだ一番の収穫だね!

【あぁ、久しぶりの外だ。】

「そうだね。でもルター、一緒にいるには少し大きいかな?」

【そうだな。では、どの姿がいいかな?】

「んー!じゃあ悪役の友達っぽい形がいいな。」

【悪役か?じゃあ、このままが一番いいような気がするな。】

「うーん、でもな。じゃあ、猫がいいな!」

【猫か…?随分方向性が変わったな。】

「うん、猫好きなんだ。。」

昔、翔にいちゃんに連れて行ってもらった場所によくいた黒猫を思い出していた。翔にいちゃんも猫が好きでよくその子に会っていたから。

【黒猫か?】

「え?僕の考えていることわかるの?」

【あぁ。わかるさ。】

なんだか恥ずかしいな。悪役目指しているのバレバレだ!それに僕がゆうだったことも! 

「全部バレてるの?」

【まぁな。】

恥ずかしくて、体があつくなってきた。

「帰ろうか!」 

ルターは可愛い黒猫に変身したから、一緒に僕の部屋に瞬間移動した。





「おぼっちゃま、猫ですか?」

「うん。庭にいたの。」

「そうですか。」

まだ、僕が屋敷の外に行っていることは知られてないから庭に忍び込んだ猫ということにした。


「おぼっちゃま、公爵様がお呼びですよ。」

「わかった。」

何か用があるのかな?お父様に呼ばれるのは初めてだった。




「ヴァレリウスです。」

「入れ。」

「はい。」

お父様のお部屋に入ると目の前にはお父様と僕よりも小さい男の子がいた。

「この子は、これからお前の弟だ。」

「………分かりました。」

小さい男の子はお父様の後ろに隠れて恥ずかしそうにしていた。

「では、失礼します。」

弟ということは、次期当主であろうか?僕は闇属性だから、当主になれることもない。多分弟といっても関わることはないんだろう。



「あの…!」

「…?」

部屋から出たら、先程の小さい男の子に呼び止められていた。

「よろしくお願いします!!イルです!」

ニコニコしながら嬉しそうに話しかけてきた。

「…イル。よろしくね。」

流石に挨拶されているから返さないとね。あまり関わることはないと思うけどね。

もう消えかけている小説の記憶を探せば、ヴァレリウスには優秀な弟がいた。
弟は火属性の魔法を使えたはずだ。遠縁の子だか養子としてこの家にきた。兄弟仲はあまりよくなく、ヴァレリウスはなんでもできるイルに嫉妬してた。という設定だった気がする。

目の前のイルを見ると、紫の髪に紫の瞳、お父様にそっくりだった。僕は別に当主にもなりたくないし、嫉妬もしない。ただ小さいイルは可愛いなとは思う。程よい距離感でいきたいな。




「おにーさま!!」

「…イル。」

【毎日大変だな。】

ルターが頭の中で話しかけてくる。

あれから毎日イルは僕の地下の部屋に訪ねてきた。これじゃあダンジョンに行けないよ。

「おにーさま!今日は外で遊びましょう。」

「…うん。」

【悪役は弟に優しいんだな。】

【からかわないでよ!これじゃあ関わらないなんて無理だよ!】

ルターとテレパシーで喧嘩をした。















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