5 / 18
第5話 屋敷への帰宅
しおりを挟む
「旦那様、私は今幸せですわ」
本当は御者の人と乗りたかったんだが、流石に二人をあまり近づけたくもなかったからな……結局、俺とアイネ、リアと御者の男性という組み合わせだ。
来た道を戻るだけなのだが、思ったよりも大所帯になってしまったな。
二人ずつ乗せる馬が二頭、頭上を鷹のような鳥が数羽、馬の手綱を握っているため見えないが、アイネの側には彼女の愛猫も乗っているはずだ。
「別に、お前と乗りたくて選んだ訳じゃ無いからな。変な勘違いしないでくれよ」
「旦那様、とてもいじらしいですわ。そんなに恥ずかしがる必要などございませんのに」
人の話は全然聞いてないな……あまり話してるとリアからの視線が痛いんだが。
「それにしても旦那様? 随分と見ていないと思いますが、この景色は相変わらず壮観ですわね」
「地形なんてものはそう変わらないさ」
リュートの住む領地は、すぐ側に巨大な山が聳えている。
霊峰と言うわけでは無いが、神様の住居があるんじゃないか、なんて噂される山だ。
その高度もさることながら、領内の農産にとても貢献してくれている。
山頂から流れてくる水は澄んでいて、そのまま飲んでも美味しい。その上、子供の時から飲んでいると、病気にもならないなんて言われている。
そんな水が領地を横切っているんだ。
多少雨が降らなくても水に困ることは無いし、飲み水に困るようなことも無い。
そして何より、日本での記憶がある俺にとって嬉しいことが──
「リュート様。馬車は無くなってしまいましたが、契約の方は何とぞよろしくお願いしますね。我が領地でも噂に名高い、〝米〟とやらを楽しみにしている者が多いのです」
「ああ、アイネの件もあるからな。お互い良い契約を結べることを願ってるよ」
そう、米だ!
山の麓にある土はどれも、水捌けがほど良く、柔らかい。
山から流れる水を含む土は、酸素や微生物も多量に含まれていて、多くの肥料も要求しない。
正直、農産しろと言わんばかりの土地なわけだ。豊穣の神から、何かしらの加護を授かっているとしか思えない。
山から吹き下ろす風のためか、昼夜での温度差が激しく、畜産の方に向かないのが唯一の欠点と言える。
しかしそれについても、懸念と言うものがない。
「旦那様、直に着くと思うのですが、一つわがままを申し上げてもよろしいですの?」
「なんだ改まって」
「先ほどの些事のためか、肌とお召し物が汚れてしまいました。湯場をお借りしたく思う次第ですわ」
風呂か。まあ、急ぐ用事があるわけじゃ無いし、それくらいいいだろう。
「分かった。戻ったら準備するよ」
「ありがとうございます、旦那様!」
そんなに嬉しいのか? しかしあまりきつく抱きつくのはやめていただきたい……。
色々と柔らかいものがあたって気になってしまう。──なにより、リアが前を向いてくれなくなってしまう!
「リア! 気持ちは分からんが、とりあえず前を向いてくれ! 客を乗せてること忘れるんじゃ無い!」
「リュート様はいけずです! アイネ様とは仲良く話しているのに、私のことは分かってくれないんですね!」
頬を膨らませていても、なんとか正面を向いてくれたか。
むくれる姿は可愛くていいのだが、あのままでは視線も痛いし、危なくて仕方ない……。
まあ、懸念がないと言う理由は全身密着させてくるこのアイネにある訳だが……彼女の領地と言った方が正しいか。
彼女の領地は広い平地で、基本的に暖かく穏やかな気候に恵まれている。つまるところ、畜産に向いた土地だ。
その上でうちとの良好な関係のため、うちからの麦や野菜を餌にしてやれば、これもまた動物たちが健康に育つわけだ。
「さて、到着だな」
高い山脈に囲われた、なんとも言えない大きさの土地。
山から降りてくる川に、水を蓄えるダムのような場所。
至る所に設けられた水車と多くの田畑が特徴だ。
こうして外から見ると、本当に壮観で、それでいてのどかな景色。
ここが、リュートの住まう領地になる。
二頭の馬を厩舎に預け、三人を連れて、リュートの屋敷へと歩き出す。
「懐かしいですわ。領地の中までお邪魔するのはいつぶりでしょうか。──ふぅ。いつきても空気がとても気持ちいいですわね」
アイネのいう通り、この土地に吹く風は気持ちいい。
いわゆる霊峰から流れてくる風だからだろうか? 単純に自然豊かだからかもしれないな。
「さあ、屋敷まではもう少し歩く。とりあえず──」
「おやリュート君、もう帰ってきたんだねぇ?」
言葉を遮るようにかけられた声の主。見慣れた女性だな。
「ああ、アリアさん。今回は途中まで来てたアイネを迎えに行っただけだからね」
彼女は領民の中でも一目おける女性だ。仕事は早く、人としても優れている。
父とも仲が良く、小さい頃なんかはよか遊んでくれた記憶がある。
そして、なにより美人だ。
「そっか。……んー、しかしこれはまた、とんだ色男になったよねぇ、リュート君も」
なんか後ろの二人を見てないか……?
「リュート様は昔から素晴らしい男性ですよ、アリアさん」
「見る目がありますわね、貴女。私の旦那様はそれはもう、最高の旦那様ですわ!」
そして睨み合う二人……嬉しいことを言われたはずなのに、ため息が漏れてしまうのは何故なんだ!
「いやぁ、本当に、両手に華だこと!」
方や、小柄に似合わぬ適度に大きな胸に、愛らしい面持ちの青髪碧眼、ケモミミ美少女。
方や、細身の体にも関わらず全身に女性らしさを漂わせる、クールな面持ちの赤髪赤眼の美女。
ああ、間違いなく両手に華さ。
だが、アリアさんの生暖かいその視線にも感じられる、どこか残念な気持ちになってしまうのは何故なんだろうな。
「とりあえず屋敷の方に戻るよ。アリアさん、変な噂だけは流さないでくれよ」
「変な噂って何かねぇ?」
その悪戯を企む子供の微笑みは、わかっている人間にしか出せない表情なんだよ、アリアさん。
屋敷に向かう途中、何人かの領民に出会しては、二人のことについて何かしら呟かれて、精神をすり減らしていくこととなった。
本当は御者の人と乗りたかったんだが、流石に二人をあまり近づけたくもなかったからな……結局、俺とアイネ、リアと御者の男性という組み合わせだ。
来た道を戻るだけなのだが、思ったよりも大所帯になってしまったな。
二人ずつ乗せる馬が二頭、頭上を鷹のような鳥が数羽、馬の手綱を握っているため見えないが、アイネの側には彼女の愛猫も乗っているはずだ。
「別に、お前と乗りたくて選んだ訳じゃ無いからな。変な勘違いしないでくれよ」
「旦那様、とてもいじらしいですわ。そんなに恥ずかしがる必要などございませんのに」
人の話は全然聞いてないな……あまり話してるとリアからの視線が痛いんだが。
「それにしても旦那様? 随分と見ていないと思いますが、この景色は相変わらず壮観ですわね」
「地形なんてものはそう変わらないさ」
リュートの住む領地は、すぐ側に巨大な山が聳えている。
霊峰と言うわけでは無いが、神様の住居があるんじゃないか、なんて噂される山だ。
その高度もさることながら、領内の農産にとても貢献してくれている。
山頂から流れてくる水は澄んでいて、そのまま飲んでも美味しい。その上、子供の時から飲んでいると、病気にもならないなんて言われている。
そんな水が領地を横切っているんだ。
多少雨が降らなくても水に困ることは無いし、飲み水に困るようなことも無い。
そして何より、日本での記憶がある俺にとって嬉しいことが──
「リュート様。馬車は無くなってしまいましたが、契約の方は何とぞよろしくお願いしますね。我が領地でも噂に名高い、〝米〟とやらを楽しみにしている者が多いのです」
「ああ、アイネの件もあるからな。お互い良い契約を結べることを願ってるよ」
そう、米だ!
山の麓にある土はどれも、水捌けがほど良く、柔らかい。
山から流れる水を含む土は、酸素や微生物も多量に含まれていて、多くの肥料も要求しない。
正直、農産しろと言わんばかりの土地なわけだ。豊穣の神から、何かしらの加護を授かっているとしか思えない。
山から吹き下ろす風のためか、昼夜での温度差が激しく、畜産の方に向かないのが唯一の欠点と言える。
しかしそれについても、懸念と言うものがない。
「旦那様、直に着くと思うのですが、一つわがままを申し上げてもよろしいですの?」
「なんだ改まって」
「先ほどの些事のためか、肌とお召し物が汚れてしまいました。湯場をお借りしたく思う次第ですわ」
風呂か。まあ、急ぐ用事があるわけじゃ無いし、それくらいいいだろう。
「分かった。戻ったら準備するよ」
「ありがとうございます、旦那様!」
そんなに嬉しいのか? しかしあまりきつく抱きつくのはやめていただきたい……。
色々と柔らかいものがあたって気になってしまう。──なにより、リアが前を向いてくれなくなってしまう!
「リア! 気持ちは分からんが、とりあえず前を向いてくれ! 客を乗せてること忘れるんじゃ無い!」
「リュート様はいけずです! アイネ様とは仲良く話しているのに、私のことは分かってくれないんですね!」
頬を膨らませていても、なんとか正面を向いてくれたか。
むくれる姿は可愛くていいのだが、あのままでは視線も痛いし、危なくて仕方ない……。
まあ、懸念がないと言う理由は全身密着させてくるこのアイネにある訳だが……彼女の領地と言った方が正しいか。
彼女の領地は広い平地で、基本的に暖かく穏やかな気候に恵まれている。つまるところ、畜産に向いた土地だ。
その上でうちとの良好な関係のため、うちからの麦や野菜を餌にしてやれば、これもまた動物たちが健康に育つわけだ。
「さて、到着だな」
高い山脈に囲われた、なんとも言えない大きさの土地。
山から降りてくる川に、水を蓄えるダムのような場所。
至る所に設けられた水車と多くの田畑が特徴だ。
こうして外から見ると、本当に壮観で、それでいてのどかな景色。
ここが、リュートの住まう領地になる。
二頭の馬を厩舎に預け、三人を連れて、リュートの屋敷へと歩き出す。
「懐かしいですわ。領地の中までお邪魔するのはいつぶりでしょうか。──ふぅ。いつきても空気がとても気持ちいいですわね」
アイネのいう通り、この土地に吹く風は気持ちいい。
いわゆる霊峰から流れてくる風だからだろうか? 単純に自然豊かだからかもしれないな。
「さあ、屋敷まではもう少し歩く。とりあえず──」
「おやリュート君、もう帰ってきたんだねぇ?」
言葉を遮るようにかけられた声の主。見慣れた女性だな。
「ああ、アリアさん。今回は途中まで来てたアイネを迎えに行っただけだからね」
彼女は領民の中でも一目おける女性だ。仕事は早く、人としても優れている。
父とも仲が良く、小さい頃なんかはよか遊んでくれた記憶がある。
そして、なにより美人だ。
「そっか。……んー、しかしこれはまた、とんだ色男になったよねぇ、リュート君も」
なんか後ろの二人を見てないか……?
「リュート様は昔から素晴らしい男性ですよ、アリアさん」
「見る目がありますわね、貴女。私の旦那様はそれはもう、最高の旦那様ですわ!」
そして睨み合う二人……嬉しいことを言われたはずなのに、ため息が漏れてしまうのは何故なんだ!
「いやぁ、本当に、両手に華だこと!」
方や、小柄に似合わぬ適度に大きな胸に、愛らしい面持ちの青髪碧眼、ケモミミ美少女。
方や、細身の体にも関わらず全身に女性らしさを漂わせる、クールな面持ちの赤髪赤眼の美女。
ああ、間違いなく両手に華さ。
だが、アリアさんの生暖かいその視線にも感じられる、どこか残念な気持ちになってしまうのは何故なんだろうな。
「とりあえず屋敷の方に戻るよ。アリアさん、変な噂だけは流さないでくれよ」
「変な噂って何かねぇ?」
その悪戯を企む子供の微笑みは、わかっている人間にしか出せない表情なんだよ、アリアさん。
屋敷に向かう途中、何人かの領民に出会しては、二人のことについて何かしら呟かれて、精神をすり減らしていくこととなった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
クズ聖王家から逃れて、自由に生きるぞ!
梨香
ファンタジー
貧しい修道女見習いのサーシャは、実は聖王(クズ)の王女だったみたい。私は、何故かサーシャの中で眠っていたんだけど、クズの兄王子に犯されそうになったサーシャは半分凍った湖に転落して、天に登っちゃった。
凍える湖で覚醒した私は、そこでこの世界の|女神様《クレマンティア》に頼み事をされる。
つまり、サーシャ《聖女》の子孫を残して欲しいそうだ。冗談じゃないよ! 腹が立つけど、このままでは隣国の色欲王に嫁がされてしまう。こうなったら、何かチートな能力を貰って、クズ聖王家から逃れて、自由に生きよう! 子どもは……後々考えたら良いよね?
MAN in MAID 〜メイド服を着た男〜
三石成
ファンタジー
ゴブリンに支配された世界で、唯一人間が住むことのできる土地にある、聖エリーゼ王国。
ユレイトという土地を治める領主エヴァンは、人道的な優れた統治力で知られる。
エヴァンは遠征から帰ってきたその日、領主邸の庭園にいる見知らぬメイドの存在に気づく。その者は、どう見ても男であった。
個性的な登場人物に囲まれながら、エヴァンはユレイトをより良い領地にするため、ある一つのアイディアを形にしていく。

運命の剣
カブトム誌
ファンタジー
剣と魔法の世界で、名門家の若き剣士アリオスは、家族の期待と名声に押し潰されそうになりながらも、真の力を求めて孤独な戦いに挑む。しかし、心の中にある「一人で全てを背負う」という思い込みが彼を試練に追い込む。自分の弱さを克服するため、アリオスは命がけの冒険に出るが、そこで出会った仲間たちとの絆が彼の人生を大きく変える。
過去の恐れを乗り越え、仲間と共に闇の力に立ち向かうアリオスの成長の物語。挫折と成長、そして仲間との絆が織りなす感動的なファンタジー。最後に待ち受けるのは、真の強さとは何かを知ったアリオスが切り開く新たな未来だ。
人見知り転生させられて魔法薬作りはじめました…
雪見だいふく
ファンタジー
私は大学からの帰り道に突然意識を失ってしまったらしい。
目覚めると
「異世界に行って楽しんできて!」と言われ訳も分からないまま強制的に転生させられる。
ちょっと待って下さい。私重度の人見知りですよ?あだ名失神姫だったんですよ??そんな奴には無理です!!
しかし神様は人でなし…もう戻れないそうです…私これからどうなるんでしょう?
頑張って生きていこうと思ったのに…色んなことに巻き込まれるんですが…新手の呪いかなにかですか?
これは3歩進んで4歩下がりたい主人公が騒動に巻き込まれ、時には自ら首を突っ込んでいく3歩進んで2歩下がる物語。
♪♪
注意!最初は主人公に対して憤りを感じられるかもしれませんが、主人公がそうなってしまっている理由も、投稿で明らかになっていきますので、是非ご覧下さいませ。
♪♪
小説初投稿です。
この小説を見つけて下さり、本当にありがとうございます。
至らないところだらけですが、楽しんで頂けると嬉しいです。
完結目指して頑張って参ります
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
*****************************
***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。***
*****************************
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜
櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。
パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。
車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。
ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!!
相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム!
けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!!
パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

ハナノカオリ
桜庭かなめ
恋愛
女子高に進学した坂井遥香は入学式当日、校舎の中で迷っているところをクラスメイトの原田絢に助けられ一目惚れをする。ただ、絢は「王子様」と称されるほどの人気者であり、彼女に恋をする生徒は数知れず。
そんな絢とまずはどうにか接したいと思った遥香は、絢に入学式の日に助けてくれたお礼のクッキーを渡す。絢が人気者であるため、遥香は2人きりの場で絢との交流を深めていく。そして、遥香は絢からの誘いで初めてのデートをすることに。
しかし、デートの直前、遥香の元に絢が「悪魔」であると告発する手紙と見知らぬ女の子の写真が届く。
絢が「悪魔」と称されてしまう理由は何なのか。写真の女の子とは誰か。そして、遥香の想いは成就するのか。
女子高に通う女の子達を中心に繰り広げられる青春ガールズラブストーリーシリーズ! 泣いたり。笑ったり。そして、恋をしたり。彼女達の物語をお楽しみください。
※全話公開しました(2020.12.21)
※Fragranceは本編で、Short Fragranceは短編です。Short Fragranceについては読まなくても本編を読むのに支障を来さないようにしています。
※Fragrance 8-タビノカオリ-は『ルピナス』という作品の主要キャラクターが登場しております。
※お気に入り登録や感想お待ちしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる