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なんでもない日
(7)両手にいっぱいの牡丹一華を⑤
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まるで世間話でもするように軽く弾んだ調子で言い放たれた信じられない台詞に唖然となり、戸田は絶句したまま固まった。
「ええ、ですから。一字一句どこを切り取っても間違いが無い、まったくもってその通りの事実だと申し上げておるのです」
「ッ!!!?」
はくはく、と口を開閉させながら赤くなったり青くなったり。コロコロ変わる戸田の顔色を眺めながらも尾坂は薄ら笑いを崩さず目を細めた。
「少佐が本科入校のために幼年学校から離れた後、次の一年生が入ってくるまでの空白期間に私が一期上の先輩方から何をされたのかご存知無かったのでしょう? その言い方でしたら。それで私が一部でどのような扱いを受けてきたのか、最近になってようやく耳にした……と。そのように受け取ってよろしいでしょうか」
「せ、仙………」
「……別になんてことなど無いのであります。暴れたり泣き叫んだら痛くされるのは最初の一回で学習させて頂いたのでありますから、その後は大人しく身を委ねて気持ちの良くできるように集中していればすぐに終わらせていただけたのであります」
緊張のためか、それとも可愛い弟分に一期下の後輩達が行ったむごたらしい暴挙への怒りのためか。カタカタと小刻みに震え始める戸田の頬を指先でなぞり、詰襟のホックを音もなく器用に外して首筋を露出させる。
暑さゆえの生理的なものか、それとも肝が冷えるような思いをしているためか。玉のように吹き出す汗が首筋を伝って襦袢に染みを残そうとしているのを見掛け、誘われるがまま舌先を伸ばしてそのままねっとりと舐め上げる。
「あッ……おま、何を………っ」
「ん………痛くされるよりお互いに気持ちの良い思いをした方がよろしいでありましょう。ですので、当方はそのようにさせて頂いただけであります。それのどこに問題が?」
「うぁ………やめ………」
「求められたので応じただけ、命令されたのでそれに従っただけであります。軍人であるならば命令に従うのは当然のことでありましょう」
「バカっ、やめろ……こんな所、で………」
「それに」
ちゅ、と軽い水音を立てて首筋から唇を離し、熱い吐息を漏らした。
雌猫のようにしなやかな動きで両手を戸田の首に回してゆるりと抱き付き、中心に宿りつつある熱を感じて欲しいとばかりにぐっと腰を押し付ける。
「気持ちの良いことをして上官方を悦ばせて差し上げれば、見返りに私の欲しいものを頂けたので……正当な取引でありますよ」
「ッ!!?」
尾坂も自身の首元に手をかけ、プチプチと片手で器用にホックと釦を外していった。胸元で揺れる首から下げられた恩賜の銀時計がキラリと妖しい光を反射する。襦袢から覗く白い首筋に汗が伝った。
「っほ、欲しいものっ!? そんな、せッ、せ、セック………か、間諜の真似事までして………お前は何が欲しかったというのだ……!」
「私が欲しかったもの、でありますか…………?」
赤い唇にぞくっと嗜虐心をそそられ、戸田は思わずごくりと喉を鳴らす。うっすらと紅く色づいた暖かく柔らかそうな首筋に欲を煽られ、下腹部に熱が溜まっていくのを感じてビクッと腰を震わせた。いよいよ追い詰められ始めた戸田の動揺を見逃す尾坂ではない。トドメとばかりに身を捩らせてますます密着しながらそっと彼の耳元に唇を寄せて囁いた。
「───愛情」
低く、腹の底に響くような掠れた声。
まるで情事の後を思い出させるような甘い声だ。だが女のように甲高いわけではなく、五尺六寸の長身に見合った男の声。しかし、そんなことなど些事に思えるほどの凄烈な色香を孕んだ声だった。
「あい、じょう……」
「……実のところ、私は一度も自分から他人を床に誘ったことなど無いのでありますよ。たった一人を除いて……」
えっ、と声。意外だったのだろうか。自由奔放に振る舞い、夜遊びを繰り返す尾坂に本命らしい何者かがいたことが。しかし戸田はすぐにあることを思い出した。そう、かつて幼年学校に通っていた頃……自分の“稚児”として可愛がっていた尾坂が度々、自分越しに自分ではない“誰か”の姿を見ていたことを……
「お前、それ……まさか、幼年学校の時に俺が言った………」
「ええ、そうです。少佐にご指摘頂いた“誰か”であります」
……戸田は目の前にいる後輩の性的指向はあくまで一般的なそれであるとでも思っていたのだろうか。と考えながら、尾坂は静かに目を閉じた。
「その“誰か”の代わりだなんてことは言わないのであります。ただ……ほんの一瞬でも、誰かに必要とされていたかっただけでありますよ……私は…………」
「仙……」
「一時でも良い。私は誰かのぬくもりを得られ、何もかも忘れて哭き喘ぐだけの獣でいられる。そして相手は私で他ではぶつけることのできない欲を発散させることができる。どうでありますか。きちんと互いに利益がある話ではありませんか」
欲しいものがあるのなら、正当な契約の元で金銭と引き換えにして手に入れるのと同じように。自分はあくまで対等な立場で取引をしただけだと言い張った。そう言った方が後々都合が良いからだ。
たとえ実際には一方的に奪われ、踏みにじられ、後は塵のように棄てられるだけの関係だったとしても。
「それに………」
「そ、それに……?」
「上手く行けば、相手の弱味を握ることもできたでありますから……私の身を差し出すだけでお釣りまでやって来るのでありましたら、これを利用しない手などないでしょう?」
耳元に息がかかるほどの距離で話をしていると、密着している部分から戸田の生々しい熱が伝わってくる。
戸田の心臓が早鐘を打っているのが判った。それと……擦り付けている下腹部の辺りが煮えたぎるように熱い。戸田が自分で興奮しているのが判って目を細めた。
「……もう、やめろ」
かけられた声は震えていた。うっすらと目を開けてころんと首を傾げると、戸田の大きな手が自分の首に回されていた尾坂の手をそっと掴んで前に回してくる。
「?」
「そんなこと……自分の身体を安売りするような真似はもう止めるんだ………仙……お前のご両親から頂いた大切な身体だろ………」
「…………」
───ああ、まったく。
ここまで綺麗に判で押したような反応を返してくれたら、いっそ逆に笑ってしまう。
誰も彼もがそうだ。尾坂が自分の身体をぞんざいに扱っていることを知った後は、必ずそういう顔をする。怒りや悲しみ、それに蔑みなど。差異こそあれども、その根底にあるのは憐憫の感情だ。
そしてその顔をしながら、諭してくる。尾坂自身ではなく───尾坂の周りの人間を引き合いにしながら。
ご両親が悲しむに決まっている。お母様がきっと草葉の陰で泣いておられるよ。侯爵のお耳に入ればどのような恐ろしいことになるのやら。お前の養父の立場も考えろ。などという戯れ言を……
(それしか言えないのか瓦鶏どもめ)
舌打ちをしそうになったのを堪えて、まるで仰っていることが判りませんとばかりの無知で無能な愚図を演じてころんと微笑んだ。
誰一人として尾坂のことなど見ていないと、どうして気付かないのだろう。心配している振りをして、可哀想だと見下して自分の鬱憤を張らしているとなぜ判らない。
誰も、尾坂自身のことなんて気にも止めてくれなかった。苦しいのに、辛いのに。助けてという声すら上げることを許してくれなかったのに。
────ただ一人を除いて。
「お前だって、いつか結婚して所帯を持つことになるだろう! そのとき……お前の嫁さんになった女性にいらぬ苦労をかけることにもなるぞ……!」
今度こそ、吹き出しそうになったのをギリギリ堪えて腹に力を込める。
(なるほど、そう来たか)
戸田はいまだに尾坂が女性を抱ける身体を保っているとでも思っているのだろうか。いいや、きっとそうだろう。相手をとっかえひっかえしながら派手に女遊びをしているだなんて、一を聞いて百どころか千に直されたような噂が東京にまで届いているというのなら納得だ。
「……そも、私は独身主義者でありますゆえ、所帯を持つつもりはございません。それに貴方だってまだ独身ではありませんか」
「うっ……痛いところを………」
地味ながら痛烈な一言で陰気に攻撃してみる。少しは堪えたようだが、決定打とはいかなかったようだ。すぐに体勢を立て直して、戸田はぐっと眉間に皺を寄せた。
「俺自身が忙しくて時間が取れないだけで、縁談自体は来ているよ。一年以内を目処にして相手を決める」
「そうでありますか。おめでとうございます」
「って、今はそんな話じゃない! ともかく、もうこんな色情狂のような真似は止めるんだ」
「なぜでありますか」
そこまで言われても、尾坂は薄ら笑いを崩さない。それに苛立ちを覚えつつ、戸田は説得を続け……
「なぜも何もない! 言っただろ。俺は、お前がこれ以上貶められるのが耐えられないだけだ! だから……」
「ふっ……く……………ふふっ……はは……」
突如、尾坂が肩を震わせ始めたのを見て戸田は動きを止める。
「ひひっ……あは………ふ、ははっ……」
「……仙?」
恐る恐る……といった風に戸田が声をかける。急におかしな声を上げ出した後輩に驚いて、心配したからだ。しかし……
「はははっ………ふは………は、ははははははははっ!!!」
瞬間───もう耐えられないとばかりに尾坂が天を仰いで爆笑し始めた。それはそれはもう、可笑しくて可笑しくてたまらない、とばかりに。
「ははははっ!!! あはっ……あはははははっ!!!」
「仙!? おい、どうした?しっかりしろ……」
「おかしなことを仰るではありませんか、少佐!!─────私をいの一番に屈服させて男に抱かれる快楽を教えてくださったのは貴方でありますのに!!!」
その一言で───空気が凍り付いた。
「ええ、ですから。一字一句どこを切り取っても間違いが無い、まったくもってその通りの事実だと申し上げておるのです」
「ッ!!!?」
はくはく、と口を開閉させながら赤くなったり青くなったり。コロコロ変わる戸田の顔色を眺めながらも尾坂は薄ら笑いを崩さず目を細めた。
「少佐が本科入校のために幼年学校から離れた後、次の一年生が入ってくるまでの空白期間に私が一期上の先輩方から何をされたのかご存知無かったのでしょう? その言い方でしたら。それで私が一部でどのような扱いを受けてきたのか、最近になってようやく耳にした……と。そのように受け取ってよろしいでしょうか」
「せ、仙………」
「……別になんてことなど無いのであります。暴れたり泣き叫んだら痛くされるのは最初の一回で学習させて頂いたのでありますから、その後は大人しく身を委ねて気持ちの良くできるように集中していればすぐに終わらせていただけたのであります」
緊張のためか、それとも可愛い弟分に一期下の後輩達が行ったむごたらしい暴挙への怒りのためか。カタカタと小刻みに震え始める戸田の頬を指先でなぞり、詰襟のホックを音もなく器用に外して首筋を露出させる。
暑さゆえの生理的なものか、それとも肝が冷えるような思いをしているためか。玉のように吹き出す汗が首筋を伝って襦袢に染みを残そうとしているのを見掛け、誘われるがまま舌先を伸ばしてそのままねっとりと舐め上げる。
「あッ……おま、何を………っ」
「ん………痛くされるよりお互いに気持ちの良い思いをした方がよろしいでありましょう。ですので、当方はそのようにさせて頂いただけであります。それのどこに問題が?」
「うぁ………やめ………」
「求められたので応じただけ、命令されたのでそれに従っただけであります。軍人であるならば命令に従うのは当然のことでありましょう」
「バカっ、やめろ……こんな所、で………」
「それに」
ちゅ、と軽い水音を立てて首筋から唇を離し、熱い吐息を漏らした。
雌猫のようにしなやかな動きで両手を戸田の首に回してゆるりと抱き付き、中心に宿りつつある熱を感じて欲しいとばかりにぐっと腰を押し付ける。
「気持ちの良いことをして上官方を悦ばせて差し上げれば、見返りに私の欲しいものを頂けたので……正当な取引でありますよ」
「ッ!!?」
尾坂も自身の首元に手をかけ、プチプチと片手で器用にホックと釦を外していった。胸元で揺れる首から下げられた恩賜の銀時計がキラリと妖しい光を反射する。襦袢から覗く白い首筋に汗が伝った。
「っほ、欲しいものっ!? そんな、せッ、せ、セック………か、間諜の真似事までして………お前は何が欲しかったというのだ……!」
「私が欲しかったもの、でありますか…………?」
赤い唇にぞくっと嗜虐心をそそられ、戸田は思わずごくりと喉を鳴らす。うっすらと紅く色づいた暖かく柔らかそうな首筋に欲を煽られ、下腹部に熱が溜まっていくのを感じてビクッと腰を震わせた。いよいよ追い詰められ始めた戸田の動揺を見逃す尾坂ではない。トドメとばかりに身を捩らせてますます密着しながらそっと彼の耳元に唇を寄せて囁いた。
「───愛情」
低く、腹の底に響くような掠れた声。
まるで情事の後を思い出させるような甘い声だ。だが女のように甲高いわけではなく、五尺六寸の長身に見合った男の声。しかし、そんなことなど些事に思えるほどの凄烈な色香を孕んだ声だった。
「あい、じょう……」
「……実のところ、私は一度も自分から他人を床に誘ったことなど無いのでありますよ。たった一人を除いて……」
えっ、と声。意外だったのだろうか。自由奔放に振る舞い、夜遊びを繰り返す尾坂に本命らしい何者かがいたことが。しかし戸田はすぐにあることを思い出した。そう、かつて幼年学校に通っていた頃……自分の“稚児”として可愛がっていた尾坂が度々、自分越しに自分ではない“誰か”の姿を見ていたことを……
「お前、それ……まさか、幼年学校の時に俺が言った………」
「ええ、そうです。少佐にご指摘頂いた“誰か”であります」
……戸田は目の前にいる後輩の性的指向はあくまで一般的なそれであるとでも思っていたのだろうか。と考えながら、尾坂は静かに目を閉じた。
「その“誰か”の代わりだなんてことは言わないのであります。ただ……ほんの一瞬でも、誰かに必要とされていたかっただけでありますよ……私は…………」
「仙……」
「一時でも良い。私は誰かのぬくもりを得られ、何もかも忘れて哭き喘ぐだけの獣でいられる。そして相手は私で他ではぶつけることのできない欲を発散させることができる。どうでありますか。きちんと互いに利益がある話ではありませんか」
欲しいものがあるのなら、正当な契約の元で金銭と引き換えにして手に入れるのと同じように。自分はあくまで対等な立場で取引をしただけだと言い張った。そう言った方が後々都合が良いからだ。
たとえ実際には一方的に奪われ、踏みにじられ、後は塵のように棄てられるだけの関係だったとしても。
「それに………」
「そ、それに……?」
「上手く行けば、相手の弱味を握ることもできたでありますから……私の身を差し出すだけでお釣りまでやって来るのでありましたら、これを利用しない手などないでしょう?」
耳元に息がかかるほどの距離で話をしていると、密着している部分から戸田の生々しい熱が伝わってくる。
戸田の心臓が早鐘を打っているのが判った。それと……擦り付けている下腹部の辺りが煮えたぎるように熱い。戸田が自分で興奮しているのが判って目を細めた。
「……もう、やめろ」
かけられた声は震えていた。うっすらと目を開けてころんと首を傾げると、戸田の大きな手が自分の首に回されていた尾坂の手をそっと掴んで前に回してくる。
「?」
「そんなこと……自分の身体を安売りするような真似はもう止めるんだ………仙……お前のご両親から頂いた大切な身体だろ………」
「…………」
───ああ、まったく。
ここまで綺麗に判で押したような反応を返してくれたら、いっそ逆に笑ってしまう。
誰も彼もがそうだ。尾坂が自分の身体をぞんざいに扱っていることを知った後は、必ずそういう顔をする。怒りや悲しみ、それに蔑みなど。差異こそあれども、その根底にあるのは憐憫の感情だ。
そしてその顔をしながら、諭してくる。尾坂自身ではなく───尾坂の周りの人間を引き合いにしながら。
ご両親が悲しむに決まっている。お母様がきっと草葉の陰で泣いておられるよ。侯爵のお耳に入ればどのような恐ろしいことになるのやら。お前の養父の立場も考えろ。などという戯れ言を……
(それしか言えないのか瓦鶏どもめ)
舌打ちをしそうになったのを堪えて、まるで仰っていることが判りませんとばかりの無知で無能な愚図を演じてころんと微笑んだ。
誰一人として尾坂のことなど見ていないと、どうして気付かないのだろう。心配している振りをして、可哀想だと見下して自分の鬱憤を張らしているとなぜ判らない。
誰も、尾坂自身のことなんて気にも止めてくれなかった。苦しいのに、辛いのに。助けてという声すら上げることを許してくれなかったのに。
────ただ一人を除いて。
「お前だって、いつか結婚して所帯を持つことになるだろう! そのとき……お前の嫁さんになった女性にいらぬ苦労をかけることにもなるぞ……!」
今度こそ、吹き出しそうになったのをギリギリ堪えて腹に力を込める。
(なるほど、そう来たか)
戸田はいまだに尾坂が女性を抱ける身体を保っているとでも思っているのだろうか。いいや、きっとそうだろう。相手をとっかえひっかえしながら派手に女遊びをしているだなんて、一を聞いて百どころか千に直されたような噂が東京にまで届いているというのなら納得だ。
「……そも、私は独身主義者でありますゆえ、所帯を持つつもりはございません。それに貴方だってまだ独身ではありませんか」
「うっ……痛いところを………」
地味ながら痛烈な一言で陰気に攻撃してみる。少しは堪えたようだが、決定打とはいかなかったようだ。すぐに体勢を立て直して、戸田はぐっと眉間に皺を寄せた。
「俺自身が忙しくて時間が取れないだけで、縁談自体は来ているよ。一年以内を目処にして相手を決める」
「そうでありますか。おめでとうございます」
「って、今はそんな話じゃない! ともかく、もうこんな色情狂のような真似は止めるんだ」
「なぜでありますか」
そこまで言われても、尾坂は薄ら笑いを崩さない。それに苛立ちを覚えつつ、戸田は説得を続け……
「なぜも何もない! 言っただろ。俺は、お前がこれ以上貶められるのが耐えられないだけだ! だから……」
「ふっ……く……………ふふっ……はは……」
突如、尾坂が肩を震わせ始めたのを見て戸田は動きを止める。
「ひひっ……あは………ふ、ははっ……」
「……仙?」
恐る恐る……といった風に戸田が声をかける。急におかしな声を上げ出した後輩に驚いて、心配したからだ。しかし……
「はははっ………ふは………は、ははははははははっ!!!」
瞬間───もう耐えられないとばかりに尾坂が天を仰いで爆笑し始めた。それはそれはもう、可笑しくて可笑しくてたまらない、とばかりに。
「ははははっ!!! あはっ……あはははははっ!!!」
「仙!? おい、どうした?しっかりしろ……」
「おかしなことを仰るではありませんか、少佐!!─────私をいの一番に屈服させて男に抱かれる快楽を教えてくださったのは貴方でありますのに!!!」
その一言で───空気が凍り付いた。
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