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三・五週「海軍のお正月」
(13)ワードルームは大尉以上から
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「──なあ。聞いてくれよ、睦さんや」
十二月二十五日の夜。
夕食後の和やかな時間が流れている。自分が予定を立てたので何が出るのかは判っていたが、それでもメシの時間は狭い艦内での稀少な癒し。
それと並んで就寝前であるこの時間は、独楽鼠のように駆け回る末端の将兵にとって、ゆったりと落ち着ける貴重な一時だ。
その貴重な時間を士官室で満喫している最中、睦郎に話しかける声があった。
誰かと思えば機関長の鶴田だ。珍しく睦郎の近くに赤岡がいないので話しかけてきたのだろうか。それとも、持ってきた話題に乗ってくれる奴がいなかったので睦郎の方に来たのだろうか。
まあどっちでも良いだろう。話しかけられたのならば、しっかり乗ってやるだけだ。
咥えていた煙草を指先で摘まみながら、睦郎は話を聞く姿勢に入る。
「はいはい、おれに何か用ですやろか」
「ちょっと聞いてくれよぅ、睦郎さんや。昨日な、うちの若いのがラウンドの近くでよぉ」
「ラウンドの近くで?」
ラウンド、というのは海軍隠語で呉にある料亭「徳田」を指す言葉だ。なぜこうも海軍士官は自分達が利用するレスにまで隠語を付けたがるのだろう。
「昨日の夜、ラウンドの近くでな。陸サンとこの軍服着込んだドえらい美人に出会ったって騒いでいたんだよ」
「はい?」
陸軍の軍服を着込んだえらい美人──その言葉が、妙に引っ掛かった。
まるで、その記号を既に知っているかのような既視感。喉の奥に小骨が刺さったような違和感を覚えて、睦郎は鶴田の言葉を咀嚼しながら首を傾げる。
「ドえらい美人……って、どんな美人どすか?」
「どんなって……又聞きだが勘弁してくれよ。川島芳子ばりの男装の麗人だったって話だ」
「はあ、男装の麗人」
川島芳子、というのは五年ほど前に断髪をして男装したことから一躍時の人となった女性のことだ。
日本人の養子ではあるが、生家は清朝ゆかりの高貴な身の上。もしも男ならば、皇帝にさえなっていたかもしれない、と言えばピンと来るか。
「話は最後まで聞くもんだぜ、睦さんや。それだけの美人だってのに……なんてこったい、正体は男だったんだよ」
「そりゃ当たり前やと思いますよ。あの陸軍が身内に女の子を入れるとは思えませんて」
この時代、女性が髪を切って短髪になるというのは、現代では想像も付かないほど大変なことだった。なにせ当時は女性は奥ゆかしく、男性の後ろで大人しく控える良妻賢母であれという価値観がまかり通っていた時代だ。
確かに職業婦人などという存在もあることにはあったが、いまだそれは黎明期。職業婦人とは、結婚したら仕事を止めて家庭に入る前提である儚く短い泡沫の夢のようなものだった。
そんな中で男性と同じように髪を切ったりスポーツを楽しむなど、本人は良くても世間は許しはしないだろう。異性だけではなく、時には同性からでさえも激しい糾弾を受けるのだ。奇異と偏見の目は、簡単には拭い去れない。
「まあ、聞きなさいって。その陸サン、男の割には唇が赤くて色っぽかったんで、ウッカリ女と間違えちまったんだとよ。喉仏があるのが見えて、それでようやく男だって気付いてな。気の毒なことだが、今日はえらく落ち込んでいたよ」
「あー、なるほどなぁ。蝶やと思って鼻の下伸ばして近付いたら、正体は蛾やったってやつやな」
スパー……と肺に入れていた煙が天井に吸い込まれていくのをじっと観察しながら、睦郎は思ったことを口にしてみる。
下心満載で近付いた相手が、衆合地獄の獄卒もビックリな毒蛇だったなんて。末代まで笑い者にされそうなネタだろう。どうせ黙っていても、次の日には尾鰭どころか背鰭も腹鰭も豪華に付けて狭い海軍社会を泳ぎ回っているのだ。それならいっそ、自分から言いふらしてしまった方が傷は浅いもので済む。
「酷い話だよなぁ……そもそもなんで陸軍が海軍の縄張りにでしゃばって来てるんだって話だよ」
「おれに聞かれても困りますえ」
「しかしまあ、珍しいモノだったから見たかったと言えば見たかったなぁ」
「え、何がですの?」
「聞いて驚くなよ。なんとその陸サン──瞳の色が灰色だったんだとよ」
灰色の、瞳──
鶴田の口から飛び出してきたその言葉を認識し、飲み込むまで数秒かかった。
その瞬間、睦郎の脳裏に浮かんだのは昨夜の出来事。
──瀧本零士によろしくお伝え願うであります
ふとした瞬間、その言葉が耳元で甦る。
掠れていて低いのに、妙な色香を含んだ声。なるほど。あれは、普段からよく喉を使う人間の声だ。職業柄、声が耳に残って当然。
──なんて。素直にそうとは思えないほど、蠱惑的な声だった。
あの声の持ち主であった陸軍の男の、赤い唇と……灰色の瞳が、脳内を過る。
「珍しいよなぁ、灰色の瞳なんて。滅多にお目にかかれねぇモンなんだし、ちょっと見に行けば良かったって思って……睦さん?」
「……おれ、出会いましたよ」
「えっ」
予想外の一言だったのだろうか。鶴田の中で睦郎がどんな反応を見せたのかについては知らないが、少なくとも鶴田の中では予定外だったらしい。
しかし、睦郎は気にせず淡々と呟いた。
「その陸サンに出会いましたよ。昨日」
「えっ?」
「確かに灰色の瞳でしたわぁ……急に消えたんで、それ以上のことは判りませんが」
ただ一つ、気になる点があるとすれば……あの陸軍の男が去り際に囁いた、あの言葉。
瀧本零士によろしく。これはいったい、どういう意味だろう。
男が口にしていた人名にそこはかとない既視感を覚え、少し記憶を浚えばすぐに該当する者は見付かった。
そう。つい最近になって、睦郎とほぼ同時期に「古鷹」へ異動となった兵科の士官。砲術科で分隊長をやってる瀧本大尉のことだった。
(どーゆーことやろ)
男は、瀧本と知り合いだったのだろうか。だが、なぜ男は睦郎に向かってあんな台詞を吐いた。知り合いだったにしても、あのような目立つ行動などせずに手紙か何かで連絡を取れば良いだけの話なのに。
考えれば考えるほど謎を呼ぶ。瀧本大尉がいればまだ解決の目処は立っただろうが、あいにく瀧本は本日上陸日となっている。巡検が終わるや否や、大慌てで内火艇に乗り込んで行ったので、謎が解き明かされることは当分なさそうだ。
「ほ、ほほ……本当かい、睦さん」
「嘘は吐きまへんで」
「じゃ、じゃあ本当の事なんだな! どんな奴だった? やっぱり美人だったか!?」
「どんなって……」
しばし思考の海へと浸る。鶴田への答えを見付けるために、脳内で記憶された陸軍の男の姿をじっくり観察していたからだ。
一回深く考えてみようとして、だがすぐに止めた。どう考えても面倒くさそうな事案だ。知らぬ存ぜぬで貫いた方が懸命だろう。
「うーん……堪忍してつかぁさい、機関長。やっこさん、帽子を目深に被っとったせいで美人かどうかまでは判らんかったんどす」
見も蓋も無くピシャッと締め切った。まったく、取り付く島も無い。
「なあー、睦さーん」
「知りません」
どうやら睦郎はこれ以上の会話を拒否しているようだった。
そんな睦郎の様子をムッとしたような表情で見やり、やがて口を開いた鶴田が思ったことをポツンとを盛らす。
「……なあ、睦さんや」
「はい、なんです」
「あんた、赤岡さんがいないと素っ気なくなるんだな」
「えっ」
今度は睦郎が驚く番だった。その様は正しく「豆鉄砲を食らった鳩」だろうか。予想外の指摘に驚き、固まっている。
睦郎はこのようにきょとんとした表情をすると、童顔であるため実年齢よりずっと若く見えた。この幼さは下手をしたら二十代でも通るのでは無いだろうか。
「いえいえ、おれはいつも通りですよ」
「あー、うん。自覚無しか」
睦郎としては、本当に覚えの無いことだったのだ。別に何も特別な意識を置いたりしていない。赤岡といる時と同じように、自然体でいたつもり──だったのに。
「ま、早めに自覚した方が賢明って奴だぜ睦さんや。歳上のお節介で忠告しといてやるさぁ」
「おれにはなんのことかさっぱり……まあ、考えときます」
「ははは! そりゃ良い……ところで、さっきから気になっていたんだがな。赤岡さんはどうしたんだ? この時間帯なら大抵ここにいると思ったんだが……」
そうだ。見回してみたら、そう言えば赤岡の姿が士官室に見えない。
今日は上陸日では無かったはず。では、赤岡はいったいどこに行ったのだろうか。
十二月二十五日の夜。
夕食後の和やかな時間が流れている。自分が予定を立てたので何が出るのかは判っていたが、それでもメシの時間は狭い艦内での稀少な癒し。
それと並んで就寝前であるこの時間は、独楽鼠のように駆け回る末端の将兵にとって、ゆったりと落ち着ける貴重な一時だ。
その貴重な時間を士官室で満喫している最中、睦郎に話しかける声があった。
誰かと思えば機関長の鶴田だ。珍しく睦郎の近くに赤岡がいないので話しかけてきたのだろうか。それとも、持ってきた話題に乗ってくれる奴がいなかったので睦郎の方に来たのだろうか。
まあどっちでも良いだろう。話しかけられたのならば、しっかり乗ってやるだけだ。
咥えていた煙草を指先で摘まみながら、睦郎は話を聞く姿勢に入る。
「はいはい、おれに何か用ですやろか」
「ちょっと聞いてくれよぅ、睦郎さんや。昨日な、うちの若いのがラウンドの近くでよぉ」
「ラウンドの近くで?」
ラウンド、というのは海軍隠語で呉にある料亭「徳田」を指す言葉だ。なぜこうも海軍士官は自分達が利用するレスにまで隠語を付けたがるのだろう。
「昨日の夜、ラウンドの近くでな。陸サンとこの軍服着込んだドえらい美人に出会ったって騒いでいたんだよ」
「はい?」
陸軍の軍服を着込んだえらい美人──その言葉が、妙に引っ掛かった。
まるで、その記号を既に知っているかのような既視感。喉の奥に小骨が刺さったような違和感を覚えて、睦郎は鶴田の言葉を咀嚼しながら首を傾げる。
「ドえらい美人……って、どんな美人どすか?」
「どんなって……又聞きだが勘弁してくれよ。川島芳子ばりの男装の麗人だったって話だ」
「はあ、男装の麗人」
川島芳子、というのは五年ほど前に断髪をして男装したことから一躍時の人となった女性のことだ。
日本人の養子ではあるが、生家は清朝ゆかりの高貴な身の上。もしも男ならば、皇帝にさえなっていたかもしれない、と言えばピンと来るか。
「話は最後まで聞くもんだぜ、睦さんや。それだけの美人だってのに……なんてこったい、正体は男だったんだよ」
「そりゃ当たり前やと思いますよ。あの陸軍が身内に女の子を入れるとは思えませんて」
この時代、女性が髪を切って短髪になるというのは、現代では想像も付かないほど大変なことだった。なにせ当時は女性は奥ゆかしく、男性の後ろで大人しく控える良妻賢母であれという価値観がまかり通っていた時代だ。
確かに職業婦人などという存在もあることにはあったが、いまだそれは黎明期。職業婦人とは、結婚したら仕事を止めて家庭に入る前提である儚く短い泡沫の夢のようなものだった。
そんな中で男性と同じように髪を切ったりスポーツを楽しむなど、本人は良くても世間は許しはしないだろう。異性だけではなく、時には同性からでさえも激しい糾弾を受けるのだ。奇異と偏見の目は、簡単には拭い去れない。
「まあ、聞きなさいって。その陸サン、男の割には唇が赤くて色っぽかったんで、ウッカリ女と間違えちまったんだとよ。喉仏があるのが見えて、それでようやく男だって気付いてな。気の毒なことだが、今日はえらく落ち込んでいたよ」
「あー、なるほどなぁ。蝶やと思って鼻の下伸ばして近付いたら、正体は蛾やったってやつやな」
スパー……と肺に入れていた煙が天井に吸い込まれていくのをじっと観察しながら、睦郎は思ったことを口にしてみる。
下心満載で近付いた相手が、衆合地獄の獄卒もビックリな毒蛇だったなんて。末代まで笑い者にされそうなネタだろう。どうせ黙っていても、次の日には尾鰭どころか背鰭も腹鰭も豪華に付けて狭い海軍社会を泳ぎ回っているのだ。それならいっそ、自分から言いふらしてしまった方が傷は浅いもので済む。
「酷い話だよなぁ……そもそもなんで陸軍が海軍の縄張りにでしゃばって来てるんだって話だよ」
「おれに聞かれても困りますえ」
「しかしまあ、珍しいモノだったから見たかったと言えば見たかったなぁ」
「え、何がですの?」
「聞いて驚くなよ。なんとその陸サン──瞳の色が灰色だったんだとよ」
灰色の、瞳──
鶴田の口から飛び出してきたその言葉を認識し、飲み込むまで数秒かかった。
その瞬間、睦郎の脳裏に浮かんだのは昨夜の出来事。
──瀧本零士によろしくお伝え願うであります
ふとした瞬間、その言葉が耳元で甦る。
掠れていて低いのに、妙な色香を含んだ声。なるほど。あれは、普段からよく喉を使う人間の声だ。職業柄、声が耳に残って当然。
──なんて。素直にそうとは思えないほど、蠱惑的な声だった。
あの声の持ち主であった陸軍の男の、赤い唇と……灰色の瞳が、脳内を過る。
「珍しいよなぁ、灰色の瞳なんて。滅多にお目にかかれねぇモンなんだし、ちょっと見に行けば良かったって思って……睦さん?」
「……おれ、出会いましたよ」
「えっ」
予想外の一言だったのだろうか。鶴田の中で睦郎がどんな反応を見せたのかについては知らないが、少なくとも鶴田の中では予定外だったらしい。
しかし、睦郎は気にせず淡々と呟いた。
「その陸サンに出会いましたよ。昨日」
「えっ?」
「確かに灰色の瞳でしたわぁ……急に消えたんで、それ以上のことは判りませんが」
ただ一つ、気になる点があるとすれば……あの陸軍の男が去り際に囁いた、あの言葉。
瀧本零士によろしく。これはいったい、どういう意味だろう。
男が口にしていた人名にそこはかとない既視感を覚え、少し記憶を浚えばすぐに該当する者は見付かった。
そう。つい最近になって、睦郎とほぼ同時期に「古鷹」へ異動となった兵科の士官。砲術科で分隊長をやってる瀧本大尉のことだった。
(どーゆーことやろ)
男は、瀧本と知り合いだったのだろうか。だが、なぜ男は睦郎に向かってあんな台詞を吐いた。知り合いだったにしても、あのような目立つ行動などせずに手紙か何かで連絡を取れば良いだけの話なのに。
考えれば考えるほど謎を呼ぶ。瀧本大尉がいればまだ解決の目処は立っただろうが、あいにく瀧本は本日上陸日となっている。巡検が終わるや否や、大慌てで内火艇に乗り込んで行ったので、謎が解き明かされることは当分なさそうだ。
「ほ、ほほ……本当かい、睦さん」
「嘘は吐きまへんで」
「じゃ、じゃあ本当の事なんだな! どんな奴だった? やっぱり美人だったか!?」
「どんなって……」
しばし思考の海へと浸る。鶴田への答えを見付けるために、脳内で記憶された陸軍の男の姿をじっくり観察していたからだ。
一回深く考えてみようとして、だがすぐに止めた。どう考えても面倒くさそうな事案だ。知らぬ存ぜぬで貫いた方が懸命だろう。
「うーん……堪忍してつかぁさい、機関長。やっこさん、帽子を目深に被っとったせいで美人かどうかまでは判らんかったんどす」
見も蓋も無くピシャッと締め切った。まったく、取り付く島も無い。
「なあー、睦さーん」
「知りません」
どうやら睦郎はこれ以上の会話を拒否しているようだった。
そんな睦郎の様子をムッとしたような表情で見やり、やがて口を開いた鶴田が思ったことをポツンとを盛らす。
「……なあ、睦さんや」
「はい、なんです」
「あんた、赤岡さんがいないと素っ気なくなるんだな」
「えっ」
今度は睦郎が驚く番だった。その様は正しく「豆鉄砲を食らった鳩」だろうか。予想外の指摘に驚き、固まっている。
睦郎はこのようにきょとんとした表情をすると、童顔であるため実年齢よりずっと若く見えた。この幼さは下手をしたら二十代でも通るのでは無いだろうか。
「いえいえ、おれはいつも通りですよ」
「あー、うん。自覚無しか」
睦郎としては、本当に覚えの無いことだったのだ。別に何も特別な意識を置いたりしていない。赤岡といる時と同じように、自然体でいたつもり──だったのに。
「ま、早めに自覚した方が賢明って奴だぜ睦さんや。歳上のお節介で忠告しといてやるさぁ」
「おれにはなんのことかさっぱり……まあ、考えときます」
「ははは! そりゃ良い……ところで、さっきから気になっていたんだがな。赤岡さんはどうしたんだ? この時間帯なら大抵ここにいると思ったんだが……」
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