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第七話
しおりを挟む「人と話すのは久しい……。話を」
銀髪のその人は伏し目がちにそう言った。
怒られると思っていたユキトはそうではないのだと分かり、肩の力を抜いてその人に向き合った。
人間じゃない様に輝いて見えるその人を見てユキトは心臓が波打つのを隠そうとした。
「あなたは一人?」
「ああ、ワシの他には誰もおらん」
そう聞くとユキトは辺りを見回した。家らしきものは何処にも見当たらない。もしかして山の麓に家があるのだろうか。
「寒くないの……ですか?」
「寒くはない。お前は寒いのか」
ううん、とユキトは首を横に振った。
それを聞いたその人はそうかと嬉しそうに柔らかく目を細めた。
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