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少年編 第1章
朝
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目を覚ました場所が自分の部屋だった事に酷く安堵した。
そして横にレナードが眠っている事で、自分は本当にもう大丈夫なのだと知る。
朝日が眩しく部屋を照らし、レナードの眼球が眩しさに動いている。
「レナ……」
エリアスはそっとレナードの髪をかきわけて名前を呼んだ。
その手を目を覚ましたレナードが掴まえる。
「エリアス……大丈夫ですか」
瞼をゆっくり開きながら優しく訊くレナードの瞳は陽光を反射していつもより明るく光る。じっとを見られると、昨晩の醜態が蘇ってきてエリアスは焦った。
「う、うん。もう大丈夫。き、き、昨日はありがとう……」
消え入る様な声で顔を真っ赤にしてエリアスは礼を言った。
「いえ、あなたが無事で良かった。それに介抱出来たのは役得でした」
なりふり構わず何度もイカせてと叫んでいた事を思い出すと布団を被って隠れてしまいたい。しかしレナードが居てくれたから無事に戻れたのだ。
「レナード、本当に来てくれてありがとう」
俯きがちにもう一度礼を言う。
「ノアとライリーにも感謝しなければなりませんね」
「うん……レナード」
「はい、エリアス」
「無茶なことしないでよ」
一人で休学して公爵の家に単身乗り込んでまで守ろうとするなんて、向こう見ずにも程があるとエリアスは怒った。
「すいません、公爵は欲しいものはどんな手を使っても手に入れる人でしたから。あなたが毒牙に掛かると思うと居ても立っても居られなくて。皆に協力してもらうのも始めは躊躇ったんですが癖のある人物でしたから一人では無理だと判断して、ライリーとノアに助太刀してもらいました。正解でしたね。ポロ観戦の時点でライリーにはバレましたし」
あの時にライリーには分かったのか、と思うと自分の無知さにいよいよ嫌気が差す。その心を悟ったようにレナードはエリアスの頭を撫でた。
「あなたはそのままで良いんです。本当に何もされなくて良かった……」
レナードの行動の意図が分かるのはいつも後になってからだ。だけど今までの何もかもが、全てが自分のためであることに改めて気づく。
「レナード……僕……」
「なんですか、エリアス」
優しくレナードが聞き返す。
「僕、レナードが好きだよ」
レナードは目をうるませてエリアスを抱きしめた。
そして横にレナードが眠っている事で、自分は本当にもう大丈夫なのだと知る。
朝日が眩しく部屋を照らし、レナードの眼球が眩しさに動いている。
「レナ……」
エリアスはそっとレナードの髪をかきわけて名前を呼んだ。
その手を目を覚ましたレナードが掴まえる。
「エリアス……大丈夫ですか」
瞼をゆっくり開きながら優しく訊くレナードの瞳は陽光を反射していつもより明るく光る。じっとを見られると、昨晩の醜態が蘇ってきてエリアスは焦った。
「う、うん。もう大丈夫。き、き、昨日はありがとう……」
消え入る様な声で顔を真っ赤にしてエリアスは礼を言った。
「いえ、あなたが無事で良かった。それに介抱出来たのは役得でした」
なりふり構わず何度もイカせてと叫んでいた事を思い出すと布団を被って隠れてしまいたい。しかしレナードが居てくれたから無事に戻れたのだ。
「レナード、本当に来てくれてありがとう」
俯きがちにもう一度礼を言う。
「ノアとライリーにも感謝しなければなりませんね」
「うん……レナード」
「はい、エリアス」
「無茶なことしないでよ」
一人で休学して公爵の家に単身乗り込んでまで守ろうとするなんて、向こう見ずにも程があるとエリアスは怒った。
「すいません、公爵は欲しいものはどんな手を使っても手に入れる人でしたから。あなたが毒牙に掛かると思うと居ても立っても居られなくて。皆に協力してもらうのも始めは躊躇ったんですが癖のある人物でしたから一人では無理だと判断して、ライリーとノアに助太刀してもらいました。正解でしたね。ポロ観戦の時点でライリーにはバレましたし」
あの時にライリーには分かったのか、と思うと自分の無知さにいよいよ嫌気が差す。その心を悟ったようにレナードはエリアスの頭を撫でた。
「あなたはそのままで良いんです。本当に何もされなくて良かった……」
レナードの行動の意図が分かるのはいつも後になってからだ。だけど今までの何もかもが、全てが自分のためであることに改めて気づく。
「レナード……僕……」
「なんですか、エリアス」
優しくレナードが聞き返す。
「僕、レナードが好きだよ」
レナードは目をうるませてエリアスを抱きしめた。
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