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少年編 第1章

47-ポロ観戦 2

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「父さん、どうしてバンペルノ様がこちらに?」


低い木枠で囲われているそれぞれのブースの垣根は低い。私は垣根越しに父に小声で話し掛けた。


「ライリー様に考えがあるようだ。それにしてもオズモンド公爵の執事になるとは大胆な考えだな…ここまでするとは思っていなかったぞ…」


「父さん、口出し無用です。バンペルノ様には私との接触を避けてくださいとお伝えください。私に関する事も彼から言及するのは出来るだけ控えて頂きたい。お願いします。彼を守りたい。」


「しかし、それではお前…」


「私はどうなっても良いのです。覚悟をしてここに居るのです。私が忠誠を誓うのはバンペルノ様のみ。それは変わっておりません。」


「わかった…。だが無茶をするんじゃないぞ。ライリー様とノア様も考えがお有りだと聞いたから、一人で抱えるな。」


そう言って父はこっちに来ようと席を立った周囲から熱烈な視線を浴びているその人に耳打ちをしに行った。今直ぐにでも人目につかぬように彼を隠したいが今は叶わぬ事だ。


一通り父から話を聞いてこちらをチラリと見ると、切なそうな目をしてそのまま椅子に座りなおした。顔を私から背けて、フィールドを見つめている。片肘を突いて親指を噛むのは彼が悔しい時にするしぐさだ。どうやら父からの伝言に嫌々ながらも理解を示してくれた様だ、よかった。
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