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少年編 第1章
27.主人と執事の食事とお風呂
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愛しさを募らせた二人はそのまま抱き合っていたが、エリアスのお腹がぐぅっとなって、二人は久しぶりに声を出して笑った。
泣いたり笑ったりと今日は感情という感情が舞台のようにクルクルと巡り忙しい。
レナードは縛られていた腕と足の痛々しい傷跡に包帯を巻いて見えないように手当てした。
怖かっただろうにエリアスは気丈に振る舞い、レナードに心配を掛けぬように気遣った。
※※
エリアスとレナードはその夜、一緒に夕食を食べる事になった。
どうしてもエリアスが執事と二人で食事をするのだと言ったのと、包帯でぐるぐる巻きになっている所を見られないようにするためでもある。
エリアスの部屋の横は専用の応接室になっており、その横にはゲストルームがあった。
何年かぶりにそこで食事を一緒にすることになった。
エリアス曰く”屋敷内デート”。エリアスは自分のやりたい事にとても素直で、正直だ。
「ねぇレナード、夏休みにはバラファンドルの別荘に行こうよ、二人で!」
「気が早いですね、でも素敵かもしれません。私の仮免許ももうすぐ下りますしね。
二人でドライブしながらでも行けます。」
(イギリスの運転免許は15歳9ヶ月から可能だ。車で遠出なんて楽しみ!
しかもレナードと水入らずとなると、ワクワクする!)
あからさまにうきうきし出したエリアスが微笑ましい。
「で、この後は一緒にお風呂に入ろうね。」
「ブファッ!!」
レナードは口に入っていたものを前に出してしまった。
「何を言ってるんですか!?そんなことして、私が理性を保てるとでも思っているんですか?」
口の周りを吹きながらレナードは抗議した。
「別に保たなくてもいいじゃないか」
「どんな事をするかまだ知らないのに、ぬけぬけと」
「知ってるよ!僕だって…だって…レナードと彼女のを見たもん!」
紅くなりながらエリアスは反撃する。
「ご主人様、男性には女性と同じものがない事をご存知ですか?」
「―――?!」
そう、エリアスには経験値も足りなければ、まだ基礎知識も足りない。
女性経験もないし、男同士で何をするのかよく分かっていない。ノアがしようとした事も実はあまり分かっていない。
「まぁ今すぐに知らなくてもいいんですが…。焦らなくてもいいですし。今日はあんな事があったんです、お身体を大切になさって下さい」
レナードはさっき吹き出してしまった醜態を取り戻すかのように、落ち着き払って先輩を演じた。
エリアスは負けない。
「いいよ、まだ知らなくても。ちょっとずつ教えてくれるんでしょ?それに今日をあんな出来事があったから、出来るだけ一緒に居たい」
またむせそうになってレナードはこの人にはやはり勝てないと思うのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一緒に入ると聞かないので、レナードは仕方なく、一緒にお風呂に入る準備をする。
人の気も知らないで、大胆な事を次から次へと。
他の世話人たちに怪しまれないかこっちが冷や冷やしてしまう。
食事は下げさせて、2階への出入りはしないようにと世話人たちに連絡してある。
ゲストルームのお風呂は大きい。大人二人が余裕で入れるジャグジーつきのお風呂だ。
温度を確認すると、ソファで本を読んでいる主人に報告する。
「バンペルノ様、お湯が溜まりました。」
「うん、ありがとう。」
風呂場に行って服を脱がせるのはレナードの仕事だ。
一枚ずつ脱がせていくその行為は、いつもと変わらないのに、何故かエリアスはドキドキしていた。
(何だかいつもしてもらってたのに、へんな気分だ…。胸が苦しい…。)
脱がされていく自分の心臓の鼓動が、耳の奥でうるさく聞こえる。
何か分からぬ期待をしてしまう自分が恥ずかしかった。
レナードが手際よく全部を脱がせると、エリアスの股間が露になり、気恥ずかしくなった主人は先に入るねとバスタブに浸かった。
手首の傷が少し沁みるな…でもこの跡は消える…ノアの気持ちは受け入れられないけれど、好きという気持ちは分かるつもりだ。
泣いたり笑ったりと今日は感情という感情が舞台のようにクルクルと巡り忙しい。
レナードは縛られていた腕と足の痛々しい傷跡に包帯を巻いて見えないように手当てした。
怖かっただろうにエリアスは気丈に振る舞い、レナードに心配を掛けぬように気遣った。
※※
エリアスとレナードはその夜、一緒に夕食を食べる事になった。
どうしてもエリアスが執事と二人で食事をするのだと言ったのと、包帯でぐるぐる巻きになっている所を見られないようにするためでもある。
エリアスの部屋の横は専用の応接室になっており、その横にはゲストルームがあった。
何年かぶりにそこで食事を一緒にすることになった。
エリアス曰く”屋敷内デート”。エリアスは自分のやりたい事にとても素直で、正直だ。
「ねぇレナード、夏休みにはバラファンドルの別荘に行こうよ、二人で!」
「気が早いですね、でも素敵かもしれません。私の仮免許ももうすぐ下りますしね。
二人でドライブしながらでも行けます。」
(イギリスの運転免許は15歳9ヶ月から可能だ。車で遠出なんて楽しみ!
しかもレナードと水入らずとなると、ワクワクする!)
あからさまにうきうきし出したエリアスが微笑ましい。
「で、この後は一緒にお風呂に入ろうね。」
「ブファッ!!」
レナードは口に入っていたものを前に出してしまった。
「何を言ってるんですか!?そんなことして、私が理性を保てるとでも思っているんですか?」
口の周りを吹きながらレナードは抗議した。
「別に保たなくてもいいじゃないか」
「どんな事をするかまだ知らないのに、ぬけぬけと」
「知ってるよ!僕だって…だって…レナードと彼女のを見たもん!」
紅くなりながらエリアスは反撃する。
「ご主人様、男性には女性と同じものがない事をご存知ですか?」
「―――?!」
そう、エリアスには経験値も足りなければ、まだ基礎知識も足りない。
女性経験もないし、男同士で何をするのかよく分かっていない。ノアがしようとした事も実はあまり分かっていない。
「まぁ今すぐに知らなくてもいいんですが…。焦らなくてもいいですし。今日はあんな事があったんです、お身体を大切になさって下さい」
レナードはさっき吹き出してしまった醜態を取り戻すかのように、落ち着き払って先輩を演じた。
エリアスは負けない。
「いいよ、まだ知らなくても。ちょっとずつ教えてくれるんでしょ?それに今日をあんな出来事があったから、出来るだけ一緒に居たい」
またむせそうになってレナードはこの人にはやはり勝てないと思うのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
一緒に入ると聞かないので、レナードは仕方なく、一緒にお風呂に入る準備をする。
人の気も知らないで、大胆な事を次から次へと。
他の世話人たちに怪しまれないかこっちが冷や冷やしてしまう。
食事は下げさせて、2階への出入りはしないようにと世話人たちに連絡してある。
ゲストルームのお風呂は大きい。大人二人が余裕で入れるジャグジーつきのお風呂だ。
温度を確認すると、ソファで本を読んでいる主人に報告する。
「バンペルノ様、お湯が溜まりました。」
「うん、ありがとう。」
風呂場に行って服を脱がせるのはレナードの仕事だ。
一枚ずつ脱がせていくその行為は、いつもと変わらないのに、何故かエリアスはドキドキしていた。
(何だかいつもしてもらってたのに、へんな気分だ…。胸が苦しい…。)
脱がされていく自分の心臓の鼓動が、耳の奥でうるさく聞こえる。
何か分からぬ期待をしてしまう自分が恥ずかしかった。
レナードが手際よく全部を脱がせると、エリアスの股間が露になり、気恥ずかしくなった主人は先に入るねとバスタブに浸かった。
手首の傷が少し沁みるな…でもこの跡は消える…ノアの気持ちは受け入れられないけれど、好きという気持ちは分かるつもりだ。
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