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少年編 第1章

25.執事の告白

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レナードはエリアスの告白を聞いて恍惚としていた。

もうこれ以上望むものはない。彼が欲しいのは私のキス。

その言葉を思い出すだけで後何年も生きていくことが出来るだろう。

だが今度はレナードが告白する番だ。


「覚えていますか、最初の性のレクチャーの日を。」


エリアスは恥ずかしそうにこくりと頷く。


「貴方の事を思わない日はなかったある日、貴方の着替えに勃起した私は、自分を冷静にさせる為に距離を取ったのです。しかしそれは貴方に寂しい思いをさせる事になっていた。貴方は私が近頃冷たいと、そう悩んでおられましたね。


 自分を制するために貴方に寂しい思いをさせるのは本望ではなかった。だから普通に振舞おうと思いました。


 でもあの日、貴方の肌に薬を塗るのを口実に、貴方の体に触れたら最後、もう離したくはありませんでした。貴方の肌に触れれば触れるほど、貴方の事が欲しくて堪らなくなりました。


 私の指に貴方が興奮を覚えてくれて、そして射精の仕方を知らないと、教えてくれましたね。

 
 なんと可愛らしい人だと思いました。無垢で純粋で穢れを知らない貴方に、そのまま無垢でいて欲しくもあり、でも知らずには通れない道。同じ年です、湧き上がる性欲の強さも分かります。


 実践して教えるなんてことさら嬉しくてなりませんでした。貴方のものが立ち上がっているのを見るだけでうっとりしました。それを触ってイカせる事が出来たなんて、私には夢かと思うような出来事です。


 天使のような貴方の体に触れたその日、私はアダムとイブが林檎の実を食べたのと同じように、楽園から追放されてしまいました。貴方をただ傍で見ているだけではもう満足できない体になってしまったのです。

 貴方の心も体も全てが欲しい。

 
 貴方の事を愛しているのです。


 でも貴方には普通の生活を送れる貴族として生きて欲しい。

 ご両親から隔離され、血の繋がった人がいないこの屋敷の中で、

 貴方は今も孤独を抱えている。

 貴方には女性と恋愛をし結婚し子供を生み幸せに暮らして欲しい、そう考えています。

 そうする為には、私の恋心など、邪魔でしかありません。

 でも私には貴方を思わずにいることが出来ない。

 貴方の事を四六時中考えているのです。

 欲望はとまりません。一度貴方に触れているから尚更。

 はけ口が必要でした。貴方の代わりになるはけ口が…。

 軽蔑されようとも、話すとお約束したので話します。

 貴方が見ていたとき、SEXしていたのはこの屋敷の女中です。

 貴方を見るたびに頭を擡げてくる欲情をどうにか処理するには、自慰だけではもう足りませんでした。

 彼女は恋人では有りません。ただの性欲を処理する人です。

 汚らわしく聞こえるかもしれませんが、合意の上です。

 ただ、これを貴方に知って欲しくなかった。

 貴方は純粋な方だ。愛する行為は愛する人とするもの。

 そして貴方はそれを疑う事を知らない。清廉潔白な天使。

 だから正直にいえませんでした。

 恋人でない女性を貴方だと思ってSEXしているなどと…。

 軽蔑したでしょう?でもこれが事実なのです。

 私は貴方に欲情する余り、他の女を使ってその欲情を処理するような、浅ましい男なのです。そしてそのせいで貴方を危険な目に合わせる事になってしまった。持ち場を離れ、貴方を孤独にさせたから…。」


そこまで話すとレナードは、左目から一筋涙を流した。


葛藤する心、好きになってはいけない人を好きになった罪。その人を苦しめる事になる愛。


せめてその人が幸せになれるようにと、レナードなりのやり方でエリアスを想っていたつもりが、愛する人を傷つけてしまうなんて…。


 
 


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感想 1

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