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少年編 第1章
24.主人の告白
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レナードは車にエリアスを乗せると、運転手に急いでくれと頼み、自分は助手席に座った。
後ろにいるエリアスは車窓から外を眺めて憂いの色を浮かべて腕を組んでいる。
悲しい顔をしている…だが、最後までされていないのは不幸中の幸いだった。
置いてあった拘束錠と紐を見たときは、ぞっとしてノアを殺してしまおうかと一瞬心に悪魔が生まれた。
自分の愚かな行為で主人を苦しめているのは分かっていたが、ここまでノアが彼に執着しているとは思ってもいなかった。主人の美しさがどんな人間も狂わせる程人間離れしている事を改めて認識し、少し自分の考えが甘すぎたと反省するレナードだった。
ノアはいつも屈託なくエリアスとライリーと話しており、それは中等部からの仲であったし、ライリーがノアに思いを寄せており、ノアもライリーを想っていると見えたのに、ライリーへの愛着さえ、主人の美貌の前では褪せてしまうようだ。
私の甘い考えが彼をこんな危険な目に合わせる羽目になろうとは…。
もう執事の資格は貴方に触れたあの日から失ってしまったのかもしれない。
そう悲観してレナードはバンペルノ家に到着する間自分を責め続けた。
到着するとすぐにエリアスを彼の部屋に連れて行った。拘束跡が見えるとみんなが心配するので、夕食は今日は部屋で取ることにした。それもレナードが取りにいくから、部屋には近づくなと世話人たちに伝えた。
エリアスは家に着いてからも無言でベッドに座り、レナードはベッド脇に立っていた。
憂に満ちた顔も美しいが、その悲壮感にレナードは胸を痛める。
「バンペルノ様…。今日ノア様にされた事、教えて頂けませんか?ゆっくりでかまいません。今日話すのが嫌なら、明日でもあさってでもかまいません。その代わり、その間私を執事としておいてください。何も知らずに辞める事になるのはどうしても嫌です。お願いです。」
執事をやめるという事はもうエリアスに会えなくなるということだ。
それだけはどうしても避けたい。何を失っても彼の傍にいる事だけは譲れない。レナードは必死だ。
エリアスはレナードにもう僕の執事じゃないと叫んでしまったものの、本当に彼に辞めて欲しいわけじゃなかった。ただ怒りをぶつけてしまっただけだった。
エリアスはノアにキスされ、それに反応してしまった自分を嫌悪した。自分の性器を弄ばれ、危うく恐ろしい目に合うところだった事も怖くて仕方ない。そして何より、それをレナードに見せつけようなどと、嫉妬に駆られて何をするかわからなかった自分も許せなかった。
(恥ずかしいけど僕が話せば、レナードも全部話してくれると言った。話してしまおう、何もかも。レナードに会えなくなるのは嫌だ。レナードに今までのように傍に居て欲しい。それは変わらない)
エリアスは重たい口を開いた。
「ノアのところに言ったのは…相談する為だったんだ。僕が…君と恋人のSEXを見てしまって…。君は僕が見てしまった事も知っていて…。僕は何を話せばいいか分からなかった。だからノアに相談したんだ」
レナードは彼の言葉を聞き漏らすまいと、じっと主人を見つめている。
「ノアの家で話したら、僕は君の事が好きで、それはキスをしたい好きだって、ノアに言われたんだ。でも分からなかったんだ。僕たちは兄弟みたいなものだから。兄弟の愛情なんじゃないかって。
でも、レナードと女の人とのSEXを見たとき、僕は君の事ばかり見ていたんだよ。
それで嫉妬しているのかなと考えた。僕には女性経験がないから。
男として嫉妬しているのかなって。でもそれも少し違ってた。
僕は…、僕はその女性に嫉妬していたんだ。
君とあんなに激しく愛し合っている彼女が羨ましかったんだ。
気付いたんだよ、僕、ノアにキスされて…。
気持ちよかったけど、ノアがくれるキスは僕が欲しいものじゃないって。
あそこも舐められて、ノアの口で射精してしまったけれど、レナードにしてもらったときのような、幸せな感覚じゃないんだ。ただ、身体が反応しただけだった。
それからノアは恐ろしい事を言い出したんだ。
変な棒を僕のお尻に入れるんだって。僕の足を縛って、すごく怖かったんだ。
心の中で何度も叫んだよ、レナード助けてって、助けてレナード!って。
でもやってきたのはライリーだった。君じゃなかった。僕は悲しくて仕方なかった。
それから君が来た。君が来たときに判ったんだ。
僕が欲しいのはノアのキスじゃなかったって。
僕が欲しいのはレナードのキスだって。」
彼の言葉がレナードの心に突き刺さる。
レナードは立ったまま涙を流した。
ずっと幼い頃から思い続けた美しい青年は、美しく強い意志と高潔な心を持ち、そして自分のキスが欲しいといった。
兄弟のキスではなく、友情のキスではなく、私のキスを。
嬉しくて堪らない…。戸惑いながら自分の気持ちを吐露してくれた彼が愛しい。
私の天使、私の全て、私の愛しい愛しい主人。ああもう今死んでもいい。
レナードはエリアスを見つめて立ち尽くしていた。
後ろにいるエリアスは車窓から外を眺めて憂いの色を浮かべて腕を組んでいる。
悲しい顔をしている…だが、最後までされていないのは不幸中の幸いだった。
置いてあった拘束錠と紐を見たときは、ぞっとしてノアを殺してしまおうかと一瞬心に悪魔が生まれた。
自分の愚かな行為で主人を苦しめているのは分かっていたが、ここまでノアが彼に執着しているとは思ってもいなかった。主人の美しさがどんな人間も狂わせる程人間離れしている事を改めて認識し、少し自分の考えが甘すぎたと反省するレナードだった。
ノアはいつも屈託なくエリアスとライリーと話しており、それは中等部からの仲であったし、ライリーがノアに思いを寄せており、ノアもライリーを想っていると見えたのに、ライリーへの愛着さえ、主人の美貌の前では褪せてしまうようだ。
私の甘い考えが彼をこんな危険な目に合わせる羽目になろうとは…。
もう執事の資格は貴方に触れたあの日から失ってしまったのかもしれない。
そう悲観してレナードはバンペルノ家に到着する間自分を責め続けた。
到着するとすぐにエリアスを彼の部屋に連れて行った。拘束跡が見えるとみんなが心配するので、夕食は今日は部屋で取ることにした。それもレナードが取りにいくから、部屋には近づくなと世話人たちに伝えた。
エリアスは家に着いてからも無言でベッドに座り、レナードはベッド脇に立っていた。
憂に満ちた顔も美しいが、その悲壮感にレナードは胸を痛める。
「バンペルノ様…。今日ノア様にされた事、教えて頂けませんか?ゆっくりでかまいません。今日話すのが嫌なら、明日でもあさってでもかまいません。その代わり、その間私を執事としておいてください。何も知らずに辞める事になるのはどうしても嫌です。お願いです。」
執事をやめるという事はもうエリアスに会えなくなるということだ。
それだけはどうしても避けたい。何を失っても彼の傍にいる事だけは譲れない。レナードは必死だ。
エリアスはレナードにもう僕の執事じゃないと叫んでしまったものの、本当に彼に辞めて欲しいわけじゃなかった。ただ怒りをぶつけてしまっただけだった。
エリアスはノアにキスされ、それに反応してしまった自分を嫌悪した。自分の性器を弄ばれ、危うく恐ろしい目に合うところだった事も怖くて仕方ない。そして何より、それをレナードに見せつけようなどと、嫉妬に駆られて何をするかわからなかった自分も許せなかった。
(恥ずかしいけど僕が話せば、レナードも全部話してくれると言った。話してしまおう、何もかも。レナードに会えなくなるのは嫌だ。レナードに今までのように傍に居て欲しい。それは変わらない)
エリアスは重たい口を開いた。
「ノアのところに言ったのは…相談する為だったんだ。僕が…君と恋人のSEXを見てしまって…。君は僕が見てしまった事も知っていて…。僕は何を話せばいいか分からなかった。だからノアに相談したんだ」
レナードは彼の言葉を聞き漏らすまいと、じっと主人を見つめている。
「ノアの家で話したら、僕は君の事が好きで、それはキスをしたい好きだって、ノアに言われたんだ。でも分からなかったんだ。僕たちは兄弟みたいなものだから。兄弟の愛情なんじゃないかって。
でも、レナードと女の人とのSEXを見たとき、僕は君の事ばかり見ていたんだよ。
それで嫉妬しているのかなと考えた。僕には女性経験がないから。
男として嫉妬しているのかなって。でもそれも少し違ってた。
僕は…、僕はその女性に嫉妬していたんだ。
君とあんなに激しく愛し合っている彼女が羨ましかったんだ。
気付いたんだよ、僕、ノアにキスされて…。
気持ちよかったけど、ノアがくれるキスは僕が欲しいものじゃないって。
あそこも舐められて、ノアの口で射精してしまったけれど、レナードにしてもらったときのような、幸せな感覚じゃないんだ。ただ、身体が反応しただけだった。
それからノアは恐ろしい事を言い出したんだ。
変な棒を僕のお尻に入れるんだって。僕の足を縛って、すごく怖かったんだ。
心の中で何度も叫んだよ、レナード助けてって、助けてレナード!って。
でもやってきたのはライリーだった。君じゃなかった。僕は悲しくて仕方なかった。
それから君が来た。君が来たときに判ったんだ。
僕が欲しいのはノアのキスじゃなかったって。
僕が欲しいのはレナードのキスだって。」
彼の言葉がレナードの心に突き刺さる。
レナードは立ったまま涙を流した。
ずっと幼い頃から思い続けた美しい青年は、美しく強い意志と高潔な心を持ち、そして自分のキスが欲しいといった。
兄弟のキスではなく、友情のキスではなく、私のキスを。
嬉しくて堪らない…。戸惑いながら自分の気持ちを吐露してくれた彼が愛しい。
私の天使、私の全て、私の愛しい愛しい主人。ああもう今死んでもいい。
レナードはエリアスを見つめて立ち尽くしていた。
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