恋に落ちる主人と執事 -美しすぎる伯爵 少年編- 

小鷹りく

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少年編 第1章

7-執事の保健体育授業

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エリアスはレナードのそこを凝視した。


「それ…勃って…るの?」


「…はい、貴方の肌に触れすぎました…。」


彼はそっと隠すのに使っていたレナードの燕尾服を除けると、確認するようにまた見ている。


「バンペルノ様、あの、恥ずかしいので、このまま失礼してもよろしいですか?」


「え?どうして?」


「どうしてと言われましても、私は執事です。貴方にこの様な失態を見せたままでおりたくありません。」


「レナードってどうするの?…シャワーに行くの?僕のもちょっとだけ、同じになったみたいなんだけど…。」


「!!!」


彼が指したのは少し可愛らしく盛り上がった下着の下に現れた隆起だった。


「バンペルノ様」


いやらしい事を考えながら軟膏を塗る口実で肌を触っていたから彼を煽ってしまったんだろうと、自分のせいで美しいものが穢された気がしてレナードは自分に腹を立てた。


しかし同時に自分が彼を触る事で彼の身体を反応させたことに興奮も感じた。


「ねぇレナード、僕あんまりこういうの得意じゃなっくて…、自分でもやり方があまりわからないんだ。だからいつも辛くて…本当はどうするべきなの」


「バンペルノ様はいつも自分でしないんですか?」


「するって、何を?」


「マスターベーションです」


「……」


「精通はしてますよね?」


「せいつう??何かに精通しているってこと?」


こりゃダメだ。何も知らずに高等部まで来てしまったのか?!あり得ない。


そうか、処理の仕方から何から本当は私が教えなければならなかったのか?!


だから俺は中等部から執事になったのか!?でも父さんそんな事一言も……。


そう思いかけてレナードは思い出した。いつもストレートにものを言う父親が珍しく遠回しにしゃべっていた内容を。


『レナード、お前と同い年のバンペルノ様も今年から中等部へ入られる。色々な事を学ばれるが、下世話な話は学校ではするのでは無いぞ。

お前は早熟な身体付をしておるからもう自分でできるだろうが、バンペルノ様に分からないことがあれば、お前が教えて差し上げるのだ。良いな?学校の連中には余計な情報を吹き込ませてはならんぞ。」


その時は何を意味するかわからなかったけど、バンペルノ様はわからない事があると、すぐに何でも聞いてくるから、気にしてなかった。


頭をよぎる事はあったけれど自慰くらいは自分でしているものだとばっかり思い込んで、生理現象の事は教えていなかった。


こんな田舎の学校では性教育がタブー視される傾向が強く、女性の生理についても各家庭で親から教育されるものだった。


敏感で繊細な年齢の中で、特に貴族の嫡子である事も加わり、中等部で彼に性的な事を吹き込む輩は居なかった。そして私もその1人だ。


なんということだ、じゃぁ彼は今までどうしていたんだ?



「これって興奮するときになるよね? でも僕どうやって治めたらいいかわからなくて、いつも冷たいシャワーをかけてたんだ。そしたら治ったから……。

少し前に余りにも痛くて撫でていたら、白いのが出たんだけどなんだか怖くて。

恥ずかしくてレナードにも葉山にも聞けなかった……

今レナードが同じ状況だから、教えてくれる…?」


精通は済んでいる様だ。何と無垢な人だ。改めてその純粋さはやはり容姿と同じく天使なのではないかと思う。


「バンペルノ様、恥ずかしがることはありません。これはどの国のいずれの男子にも起こることで、白濁したものを出すことは射精と言います。一度でも出したことがあるのでしたら、精通は済んでいます。女性の初潮の様なものです。


男性の場合は身体に溜まった時や興奮した時に精子を出そうとするので、勃ち上がりますが、生理現象であって、病気などでも有りませんからご安心ください。


私が何も教えてこなかったのが悪いのです。」


無垢なままのエリアスがレナードの愛しさを更に募らせた。






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