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第二章 王国動乱

口は災いの元

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 空を覆っていた月が途切れ、満天の星空と真ん丸のお月様がそこから姿を現した。
 その眩しい月光に反射し、ギラリと抜き放った刃が鈍い光を放つ。
 ここはカンパーベック砦の西門付近、迫る敵兵の姿に砦の兵士達がどう対応すればいいのかと騒いでいる所から少し離れた場所だった。

「敵は捕らえ、拷問でもして少しでも情報を聞き出すべき・・・なるほど確かに筋は通っている。しかしな私は思うのだ、こうした潜入工作に従事する者は決死の覚悟を決めておる故、決して情報は漏らさぬと」
「は、はぁ・・・」

 その場所では一人の人間が捕らえられており、今にも拷問されようとされている所だった。

「であれば、貴様のような者などは捕らえ次第即刻処刑し、逃亡のリスクをなくすことこそが最善だと私は思う訳だ。この私の考え、貴様はどう思う?」

 いやどうやら、それは今にも処刑されようとしている所のようだ。

「え、えーっとですね・・・俺が知ってることなら全部話すんで、その処刑とかはちょーっと待ってもらっていいですかね?」

 その空気を敏感に察し、捕らえられ今にも処刑されそうになっている人物、ユーリ・ハリントンは激しく冷や汗を垂らしながら必死に命乞いをする。

「戯言を!!どうせ口から出まかせを囀るだけであろう!!えぇい、そのような世迷いごと聞くに堪えんわ!!即刻処断してくれる!!」
「ひぃぃ!?違うんですぅ!!本当に全部喋りますからぁ!!命だけはぁ、命だけはどうかご勘弁をぉ!!」

 全部喋ると口にした、ユーリの言葉に偽りはない。
 元々今回の計画はボロアに無理やり押し付けられた無理難題をどうにかするために立てたものであり、失敗して当然というものであった。
 しかもユーリからすれば、シャロンやデズモンドような一部の人間を除けば懲罰部隊の人間に思い入れもなく、彼らが仮に壊滅したとしてもそれほど気にはならなかった。
 そうした事情もありユーリが口にした言葉は完全な真実であったが、彼を疑っている兵士からすればそれが逆に嘘くさく聞こえ、余計に処刑を速めてしまう結果となっていた。

「っ!?何だ貴様ら、うわぁ!?」

 降り注ぐ月光に煌めく白刃、それが高く掲げられ降り降ろされようとするその時、すぐ近くの城壁の上から何やら騒ぎの気配が響いてきていた。

「何事だ!?」
「もしかしてシャロンさん達が助けに?ほ、ほら!向こうで騒ぎが起こったみたいですよ?一旦そっちを見に行った方がいいんじゃないですか!?」

 騒動の方へと顔を向け、降り降ろそうとしていた刃を止める兵士。
 疑問に固まった彼と違い、ユーリにはその騒動に心当たりがあった。
 それを仲間が救出に来た物音だと確信した彼は、時間稼ぎをするために兵士にそちらを見てくるようにと唆す。

「いや、まずは貴様を処刑する!騒動を見に行くのはそれからでも遅くはなかろう!!」
「えぇ、冷静!?ごもっともです、ごもっともですけどぉ!ここはそれを曲げてどうにか・・・」
「問答無用!!」

 ユーリが企てた時間稼ぎを一刀両断した兵士は、ユーリの首をも一刀両断しようと刃を振り上げる。
 そして彼はそれを掛け声と共に、鋭く振り下ろしていた。

「ひぃぃ!?」

 死の予感に、きつく目を瞑る。

「・・・?」

 しかしいつまで待っても、それは訪れない

「どうにか、間に合ったようね」

 そしてユーリに聞く、その救世主の声を。

「ぐぬぬ・・・な、何だこれは?うおっ!?」

 目を開ければそこには、ユーリの首へと振り下ろそうとしていた刃が何やら金具のようなものに引っ掛けられ、絡め取られていく姿が映っていた。

「・・・もう大丈夫だ」

 その金具が繋がっている縄の下から飛来するように飛び込んできた巨漢の男は、釣り上げた兵士の剣を空中でキャッチすると、その峰で彼の事を殴り飛ばしていた。
 その巨漢の男、デズモンドはユーリのすぐ傍へと音もなく着地すると、すぐさまその縄を解いてみせる。

「デズモンド、凄いじゃないか!!そんな事も出来るなんて・・・とにかく助かったよ、ありがとう!!」

 囚われの身から解放されたユーリはすぐにその救い主の下へと駆け寄ると、軽く跳ねるようにしてその偉業を讃えていた。

「・・・これ、使ったの初めてだ。出来て良かった」
「・・・へ?は、初めて?」

 傍に寄って来るユーリに僅かに緩んだ表情を見せたデズモンドは、手にした鍵縄を軽く掲げながらそんなことを口にする。
 その衝撃の事実に、ユーリは口をポカンと開けたまま固まってしまっていた。

「あら、どうしたのユーリちゃん?固まっちゃって」
「あ、あはは・・・何でもないです」
「そう?なら、さっさとここを離れるわよ!」

 デズモンドと一緒にユーリの下へとやって来ていたシャロンが、周りの兵士達を薙ぎ倒しながら固まってしまっている彼に対して不思議そうに声を掛けてくる。
 そんな彼に対し、ユーリは乾いた笑みを返すのがやっとであった。

「何だ?何の騒ぎだ?」
「おい、あれ見てみろよ。不味くないか、あれ?」

 西門へと迫る敵兵、その対応に追われている砦の兵士達はそれ以外に構っている余裕はなく、その片隅で処刑されようとしていたユーリの事は捨て置かれていた。
 しかしそれもシャロン達が乗り込んできて、ユーリを処刑しようとしていた兵士達が打ち倒されたとなれば事情が変わってくる。
 いつの間にか彼らの周囲にはざわざわと騒ぐ兵士達の輪が出来ており、それはとてもではないが彼らの逃亡を許すような空気ではなかった。

「不味いわね・・・」
「ど、どうするんですか!?」
「うーん、そうねぇ・・・あっ!」

 周りを取り囲む兵士達の輪は、時が経つにつれその分厚さを増していく。
 それに眉を顰めて悩む仕草を見せたシャロンは、やがて取り囲む兵士達の中にある人物の姿を見つけると喜びの声を上げていた。

「貴方、エディちゃんが言ってた人でしょ?えーっと、何だったかしら?そう!『お前の胸の秘密は知っている』だったかしら?」

 シャロンはその兵士、ピンク色の髪を兜の隙間から垂らし、星形のピアスをぶら下げている兵士に向かって指を突き付けながら、そう意気揚々と口にしていた。

「・・・『お前の尻の秘密を知っている』だ。特徴も違う」
「あら、そうだったかしら?」

 エディが口にしたのは「お前の尻の秘密を知っている」というキーワードであり、その兵士の特徴は赤い髪でハート形のピアスをしているというものだった。
 それをぼそりと指摘するデズモンドに、シャロンはとぼけた表情で唇の指を当てていた。

「な、何故その秘密を・・・俺の乳首がとてもではないが人に見せられない情けないものだって秘密を知っているんだぁ!?くぅぅ、そんな秘密を握られたら言う事を聞くしかないじゃないか!さぁ、さっさと要求を言いな!!」

 しかし予想に反して、その兵士は胸を両手でクロスするように押さえると、とんでもない秘密がそこにあるのだと明かしてしまっていた。

「あら、結果オーライね。じゃあ、お願い出来るかしら?ごにょごにょ・・・」
「ん?そんな事でいいのか?よーしお前ら、俺達も外の敵の迎撃に向かうぞ!!んん?どうしたお前達、今日はずいぶん素直に言うこと聞くじゃないか?いいぞいいぞ!!」

 何だかよく分からないが結果的にうまくいったと喜ぶシャロンは、早速とばかりにその兵士に耳打ちする。
 シャロンから指示を耳打ちされた兵士はそれを安請け合いすると、周囲の兵士達を扇動して外へと促している。
 彼らがその指示にやたらと素直に従っているのは、その兵士の秘密を知ってしまったため余り彼に近寄って欲しくないという理由があったからだろう。

「さ、これで全部うまくいったわね!あたし達も先を急ぐわよ!」
「は、はい!」

 先ほどの兵士に扇動されすっかり兵士達の姿がなくなった中庭に、シャロンの満足そうな声が響く。
 いよいよ最後の段階に入った計画に、それを進めようとシャロンは先を急ぐ。
 若干事態についていけていない様子を見せながらも、ユーリもその後に続いていた。

「・・・あぁ、そうだな」

 一人、デズモンドだけがその成り行きに若干の納得がいっていないようで、不満げに唇をへの字に曲げたまま、頻りに首を捻っては彼らの後をついていくのだった。

◇◆◇◆◇◆

「さて、と・・・あっしはあっしの仕事を果たすと致しやすか」

 シャロン達が城壁をよじ登っていくのを見送ったエディは、気持ちを切り替えるように手の平を払うとそう一人呟いていた。

「姉さん方がうまくやったのか、砦に残っていた兵もあらかた出てきやしたか。そうなると退路を何とか断っておきたいところでやすが、そんな危険な役目誰も・・・おっと、あれは」

 砦の中で起きた出来事をエディには知る由もないが、彼のアドバイスが結果的に功を奏し、カンパーベック砦からは残った兵士達が次々と吐き出されていた。
 彼らの最終的な目的である砦の占拠を考えれば、その兵士を何としても砦には戻したくない。
 そう考え、彼らの退路を何とか断てないかと思考を巡らすエディは、その視界にある者達の姿を捉えていた。

「そちらの兄さん方、どうされたんで?」
「ん?あぁ、エディか。いやな、俺達もあんたの儲け話に釣られて来たもんなんだが・・・流石にこんな戦いに巻き込まれちゃ命が幾らあっても足りないと思ってな、どうしたもんかと」
「あぁ、それでしたらこういうのは如何でしょうか―――」

 それは、以前彼らの事を馬鹿にして笑っていたあの囚人達であった。

「本当か!?本当にそうすりゃ、財宝は俺達のもんになるんだな!?」
「えぇ、間違いございやせん」

 ここにやって来た囚人達は元々、エディが持ち掛けた儲け話に乗った者達であった。
 そんな彼をさらに騙す事など、エディからすれば容易いことであった。

「・・・あっしに言えた義理じゃございやせんが、口は災いの元ってね」

 砦の兵士達の退路という死地に目の前の囚人達を送りながら、エディは穏やかに微笑む。
 そしてそれを見送った彼はそれから背を向けると一人、そう呟いていた。
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