136 / 210
第二章 王国動乱
動乱の気配
しおりを挟む
「た、大変でございます!!大変でございます、旦那様!!」
王都クイーンズガーデンに響いたその騒がしい声は、その中でも一番大きな邸宅、つまりオブライエン家の邸宅へと吸い込まれていった。
「・・・何だ?」
巨大な邸宅の扉を何枚も立て続けに、タックルするような勢いで押し開いてきたその執事は、ようやく見つけた主人の姿に足を止めようとして、その場に転がり込む。
そんな彼の姿を見下ろしながら、ジークは冷たくそう尋ねていた。
「そ、それが・・・ルーカス殿下が、ルーカス殿下が反旗を翻しました!!陛下の王位を狙い、軍を率いてこの王都へと進軍して来ているとの報でございます!!」
余りの勢いで転がり込んでしまったためか、その尖った鼻に引っ掛けた眼鏡が砕け、ガラスがその顔に突き刺さっては血が流れてしまっている。
しかし彼はそんな事など構っていられないと立ち上がると、声を張り上げて先ほど入ったばかりのニュースをジークと、その場の者達へと報告していた。
「ルーカス殿下が反旗を・・・?そんなまさかっ!?」
その場にいたのはこの館の主人であるジーク、そして彼の腹心であるマービン、さらに彼の息子であるマーカスであった。
そしてその中で、その知らせに驚き思わず立ち上がってしまったのはマーカス唯一人であった。
「・・・思ったよりも早かったな」
「えぇ、やはり予想通り弟君の方でしたな」
慌てふためき椅子から立ち上がったマーカスを尻目に、ジークとマービンの二人は椅子にどっかりと腰を下ろしたまま、静かにそう呟いている。
そんな二人の様子に、マーカスと執事の二人は目を丸くしては戸惑っているようだった。
「ち、父上!?殿下が反旗を翻し、この王都が攻められようとしているのですよ!?何故、そうも落ち着いていられるのです!?っ!こうしてはいられない、陛下にこの事を―――」
深く座った椅子から動こうともしない二人にマーカスは痺れを切らすと、この場から飛び出していく。
「待て、マーカス。陛下への報告ならば私が行こう」
「そ、それは・・・ならば、急いでください父上!!一刻も早く、この事を陛下に伝えなければ!!」
幼くして即位したジョンに代わって即位したリリーナに、ジークに与えられた役職は摂政から宰相へと変わっていた。
その父親を差し置いて、自分がこんな重要事態をリリーナへと報告するのは筋が通らないとマーカスは納得すると、今度はジークに早く報告へ向かうよう急かしていた。
「慌てる必要はない。この事態を、私が予想していなかったとでも?」
「そ、そうなのですか父上?」
マーカスがこんなにも血相を変えているのは、それが彼が愛する女性リリーナの身の安全に関わる問題だからだろう。
そんな息子の様子を探るように視線を向けているジークは、自らがこの事態を既に予測していたと告げていた。
「あぁ予想していた、当然な。先王ジョン陛下は暴政を敷いておられた、それを諫められなかったのは摂政である我が身の不徳が致すところではあったが・・・そうした政情であれば、彼を王位から除こうとする者が現れるのは当然の事であろう?そしてそうした者達が、あの兄弟の下に集まる事もな。元々、王位を狙っている事を隠そうともしない兄弟だ、王を除こうとしている者達からすればいい旗頭であろうよ」
どうしてそれが予想出来たのかと語るジークの表情はつまらなそうで、それを誇ろうとする気配はない。
そんな父親の姿に、今は慌てるような時じゃないと悟ったマーカスはゆっくりと席へと戻っていた。
「そこに今回のリリーナ陛下の即位となれば、彼らは持て余した力の使いどころを考えるだろう。ここに王位に就くには正当性の弱い王がおり、自分達にはそれを倒すだけの力が集まっていると。反旗を翻すのは、時間の問題とは思わんか?」
「・・・思います」
終わった説明に、マーカスは頷くことしか出来ない。
「で、では!陛下は安全だという事ですね、父上!?この王都は落ちることはないと!」
ジークが口にした淡々とした説明は、彼が確かにこの反旗を予想していた事を示している。
それはつまり彼はしっかりとこの反旗に備えており、この王都に危険が迫る事がないのだとマーカスは解釈し、喜びの声を上げていた。
「いや、そうでもない」
「・・・え?」
愛する女性に危険が迫る事はない、それを知って安堵していたマーカスに、ジークの素っ気ない声が響く。
その声は、彼の安堵が早とちりに過ぎない事を知らせていた。
「言っただろう、思ったよりも早かったと。備えは十分ではない」
「えぇ、そうですね。あちらがどれほどの兵を動員しているかは分かりませんが・・・王位を請求しようというのです、生半可な数ではございますまい。我がオブライエン家の兵はオスティアへの抑え、これ以上引き抜く訳にもいきませんからな。そうなると他家に協力を要請するしかありませんが・・・はてさて、どれくらい集まるものか」
父親の言葉にショックを受け固まっているマーカスの前で、ジークは相手の動きが予想以上に早く備えが十分ではない事を告白する。
それには彼の腹心であるマービンが口にした通り、オブライエン家の兵は断交状態にあるオスティア王国の抑えであり、そう易々とは動かす訳にはいかないという事情も関係していた。
「そ、そんな・・・」
父親であるジークがそんな弱音を口にする事など、マーカスは聞いた事もなかった。
そのためこの状況がかなり悪いのだと彼は理解し、その顔を真っ青に染める。
「マーカス、お前にはユークレール卿の所に行ってもらいたい。彼に協力を請うのだ」
「ヘイニー・ユークレール様の下にですか?しかし彼の領地では、最近お家騒動があったばかりと聞きます。更にそれと重なって邪龍騒乱などといったことがあったとか・・・余り頼りにはならないのではないですか?」
今だに椅子に深く座ったまま動かないジークは、マーカスにヘイニーの下を訪ね協力を請うように命令する。
そんなジークの命令に、マーカスは不思議そうな表情を浮かべていた。
確かにユークレール家は我がオブライエン家と並ぶほどの名門だ、しかし彼の家は最近激しい争いがあったばかりで、今回の戦争に兵を出すような余裕はない筈であるのだ。
「構わん、急げ」
戸惑うマーカスを睨み付け、命令を下すジークの声は重い。
「は、はい!!直ちに行って参ります!!」
その有無を言わせぬ口調に、マーカスは慌てて踵を打ち鳴らすとそのままこの部屋を飛び出していく。
王都で滞在する際に使う邸宅をかつての財政難の折に売り払ってしまったユークレール家、その現当主であるヘイニーの滞在先はジークにも知らされていない。
しかしリリーナに仕え、ヘイニーの娘であるオリビアと付き合いがある彼は、本来知る由もないヘイニーの滞在先を知っていたのだった。
「・・・確かに彼らならば、頼りになるでしょう。いや彼女ならば、ですか」
「マービン、報告は読ませてもらった。確かにあれは使えるようだ。しかし、それでもまだ足らぬな・・・」
ジークがヘイニーに協力を請えといった理由、マーカスには理解出来なかったその理由をマービンには理解出来ていた。
彼は知っていたのだ、ヘイニーの下にいる彼女を味方にすることが出来れば、それは誰よりも頼りになると。
「少しの間留守にする。後の事は任せたぞ、マービン」
「ははっ」
ヘイニーが保有する戦力、それを当てにするジークはしかし、それだけではまだ足りないと視線をどこかへと向ける。
そうして急に立ち上がったジークは、外套を羽織るとそれを翻しながらどこかへと向かう。
その主人の姿を、マービンと執事は頭を下げて見送っていた。
「・・・久々の再会でございますね、ジーク様」
頭を下げたまま、マービンはそう呟く。
主人が退室するや否や忙しそうに片づけを始めた執事は、その声を耳にすることはなかった。
王都クイーンズガーデンに響いたその騒がしい声は、その中でも一番大きな邸宅、つまりオブライエン家の邸宅へと吸い込まれていった。
「・・・何だ?」
巨大な邸宅の扉を何枚も立て続けに、タックルするような勢いで押し開いてきたその執事は、ようやく見つけた主人の姿に足を止めようとして、その場に転がり込む。
そんな彼の姿を見下ろしながら、ジークは冷たくそう尋ねていた。
「そ、それが・・・ルーカス殿下が、ルーカス殿下が反旗を翻しました!!陛下の王位を狙い、軍を率いてこの王都へと進軍して来ているとの報でございます!!」
余りの勢いで転がり込んでしまったためか、その尖った鼻に引っ掛けた眼鏡が砕け、ガラスがその顔に突き刺さっては血が流れてしまっている。
しかし彼はそんな事など構っていられないと立ち上がると、声を張り上げて先ほど入ったばかりのニュースをジークと、その場の者達へと報告していた。
「ルーカス殿下が反旗を・・・?そんなまさかっ!?」
その場にいたのはこの館の主人であるジーク、そして彼の腹心であるマービン、さらに彼の息子であるマーカスであった。
そしてその中で、その知らせに驚き思わず立ち上がってしまったのはマーカス唯一人であった。
「・・・思ったよりも早かったな」
「えぇ、やはり予想通り弟君の方でしたな」
慌てふためき椅子から立ち上がったマーカスを尻目に、ジークとマービンの二人は椅子にどっかりと腰を下ろしたまま、静かにそう呟いている。
そんな二人の様子に、マーカスと執事の二人は目を丸くしては戸惑っているようだった。
「ち、父上!?殿下が反旗を翻し、この王都が攻められようとしているのですよ!?何故、そうも落ち着いていられるのです!?っ!こうしてはいられない、陛下にこの事を―――」
深く座った椅子から動こうともしない二人にマーカスは痺れを切らすと、この場から飛び出していく。
「待て、マーカス。陛下への報告ならば私が行こう」
「そ、それは・・・ならば、急いでください父上!!一刻も早く、この事を陛下に伝えなければ!!」
幼くして即位したジョンに代わって即位したリリーナに、ジークに与えられた役職は摂政から宰相へと変わっていた。
その父親を差し置いて、自分がこんな重要事態をリリーナへと報告するのは筋が通らないとマーカスは納得すると、今度はジークに早く報告へ向かうよう急かしていた。
「慌てる必要はない。この事態を、私が予想していなかったとでも?」
「そ、そうなのですか父上?」
マーカスがこんなにも血相を変えているのは、それが彼が愛する女性リリーナの身の安全に関わる問題だからだろう。
そんな息子の様子を探るように視線を向けているジークは、自らがこの事態を既に予測していたと告げていた。
「あぁ予想していた、当然な。先王ジョン陛下は暴政を敷いておられた、それを諫められなかったのは摂政である我が身の不徳が致すところではあったが・・・そうした政情であれば、彼を王位から除こうとする者が現れるのは当然の事であろう?そしてそうした者達が、あの兄弟の下に集まる事もな。元々、王位を狙っている事を隠そうともしない兄弟だ、王を除こうとしている者達からすればいい旗頭であろうよ」
どうしてそれが予想出来たのかと語るジークの表情はつまらなそうで、それを誇ろうとする気配はない。
そんな父親の姿に、今は慌てるような時じゃないと悟ったマーカスはゆっくりと席へと戻っていた。
「そこに今回のリリーナ陛下の即位となれば、彼らは持て余した力の使いどころを考えるだろう。ここに王位に就くには正当性の弱い王がおり、自分達にはそれを倒すだけの力が集まっていると。反旗を翻すのは、時間の問題とは思わんか?」
「・・・思います」
終わった説明に、マーカスは頷くことしか出来ない。
「で、では!陛下は安全だという事ですね、父上!?この王都は落ちることはないと!」
ジークが口にした淡々とした説明は、彼が確かにこの反旗を予想していた事を示している。
それはつまり彼はしっかりとこの反旗に備えており、この王都に危険が迫る事がないのだとマーカスは解釈し、喜びの声を上げていた。
「いや、そうでもない」
「・・・え?」
愛する女性に危険が迫る事はない、それを知って安堵していたマーカスに、ジークの素っ気ない声が響く。
その声は、彼の安堵が早とちりに過ぎない事を知らせていた。
「言っただろう、思ったよりも早かったと。備えは十分ではない」
「えぇ、そうですね。あちらがどれほどの兵を動員しているかは分かりませんが・・・王位を請求しようというのです、生半可な数ではございますまい。我がオブライエン家の兵はオスティアへの抑え、これ以上引き抜く訳にもいきませんからな。そうなると他家に協力を要請するしかありませんが・・・はてさて、どれくらい集まるものか」
父親の言葉にショックを受け固まっているマーカスの前で、ジークは相手の動きが予想以上に早く備えが十分ではない事を告白する。
それには彼の腹心であるマービンが口にした通り、オブライエン家の兵は断交状態にあるオスティア王国の抑えであり、そう易々とは動かす訳にはいかないという事情も関係していた。
「そ、そんな・・・」
父親であるジークがそんな弱音を口にする事など、マーカスは聞いた事もなかった。
そのためこの状況がかなり悪いのだと彼は理解し、その顔を真っ青に染める。
「マーカス、お前にはユークレール卿の所に行ってもらいたい。彼に協力を請うのだ」
「ヘイニー・ユークレール様の下にですか?しかし彼の領地では、最近お家騒動があったばかりと聞きます。更にそれと重なって邪龍騒乱などといったことがあったとか・・・余り頼りにはならないのではないですか?」
今だに椅子に深く座ったまま動かないジークは、マーカスにヘイニーの下を訪ね協力を請うように命令する。
そんなジークの命令に、マーカスは不思議そうな表情を浮かべていた。
確かにユークレール家は我がオブライエン家と並ぶほどの名門だ、しかし彼の家は最近激しい争いがあったばかりで、今回の戦争に兵を出すような余裕はない筈であるのだ。
「構わん、急げ」
戸惑うマーカスを睨み付け、命令を下すジークの声は重い。
「は、はい!!直ちに行って参ります!!」
その有無を言わせぬ口調に、マーカスは慌てて踵を打ち鳴らすとそのままこの部屋を飛び出していく。
王都で滞在する際に使う邸宅をかつての財政難の折に売り払ってしまったユークレール家、その現当主であるヘイニーの滞在先はジークにも知らされていない。
しかしリリーナに仕え、ヘイニーの娘であるオリビアと付き合いがある彼は、本来知る由もないヘイニーの滞在先を知っていたのだった。
「・・・確かに彼らならば、頼りになるでしょう。いや彼女ならば、ですか」
「マービン、報告は読ませてもらった。確かにあれは使えるようだ。しかし、それでもまだ足らぬな・・・」
ジークがヘイニーに協力を請えといった理由、マーカスには理解出来なかったその理由をマービンには理解出来ていた。
彼は知っていたのだ、ヘイニーの下にいる彼女を味方にすることが出来れば、それは誰よりも頼りになると。
「少しの間留守にする。後の事は任せたぞ、マービン」
「ははっ」
ヘイニーが保有する戦力、それを当てにするジークはしかし、それだけではまだ足りないと視線をどこかへと向ける。
そうして急に立ち上がったジークは、外套を羽織るとそれを翻しながらどこかへと向かう。
その主人の姿を、マービンと執事は頭を下げて見送っていた。
「・・・久々の再会でございますね、ジーク様」
頭を下げたまま、マービンはそう呟く。
主人が退室するや否や忙しそうに片づけを始めた執事は、その声を耳にすることはなかった。
0
お気に入りに追加
2,395
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
その無能、実は世界最強の魔法使い 〜無能と蔑まれ、貴族家から追い出されたが、ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜
蒼乃白兎
ファンタジー
15歳になると、人々は女神様からギフトを授かる。
しかし、アルマはギフトを何も授かることは出来ず、実家の伯爵家から無能と蔑まれ、追い出されてしまう。
だが実はアルマはギフトを授からなかった訳では無かった。
アルマは既にギフト《転生者》を所持していたのだ──。
実家から追い出された直後にギフト《転生者》が発動し、アルマは前世の能力を取り戻す。
その能力はあまりにも大きく、アルマは一瞬にして世界最強の魔法使いになってしまった。
なにせアルマはギフト《転生者》の能力を最大限に発揮するために、一度目の人生を全て魔法の探究に捧げていたのだから。
無能と蔑まれた男の大逆転が今、始まる。
アルマは前世で極めた魔法を利用し、実家を超える大貴族へと成り上がっていくのだった。
良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました
ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。
そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった……
失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。
その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。
※小説家になろうにも投稿しています。
宮廷錬成師の私は妹に成果を奪われた挙句、『給与泥棒』と罵られ王宮を追放されました ~後になって私の才能に気付いたってもう遅い!
日之影ソラ
ファンタジー
【16日0時に一話以外削除予定しました】
※小説家になろうにて最新話まで更新中です。
錬成師の家系に生まれた長女アリア・ローレンス。彼女は愛人との間に生まれた子供で、家や周囲の人間からは良くない扱いを受けていた。
それでも錬成師の才能があった彼女は、成果を示せばいずれ認めてもらえるかもしれないという期待の胸に、日々努力を重ねた。しかし、成果を上げても妹に奪われてしまう。成果を横取りする妹にめげず精進を重ね、念願だった宮廷錬成師になって一年が経過する。
宮廷付きになっても扱いは変わらず、成果も相変わらず妹に横取りされる毎日。ついには陛下から『給与泥棒』と罵られ、宮廷を追い出されてしまった。
途方に暮れるアリアだったが、小さい頃からよく素材集めで足を運んだ森で、同じく錬成師を志すユレンという青年と再会する。
「行く当てがないなら、俺の国に来ないか?」
実は隣国の第三王子で、病弱な妹のために錬成術を学んでいたユレン。アリアの事情を知る彼は、密かに彼女のことを心配していた。そんな彼からの要望を受け入れたアリアは、隣国で錬成師としての再スタートを目指す。
これは才能以上に努力家な一人の女の子が、新たな場所で幸せを掴む物語。
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる