88 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
聖剣エクスカリバー
しおりを挟む
「申し訳ありません、マスター。このままでは、私は敗北します」
爆発音のような激しい衝撃が轟き、邪龍が地面へと沈む。
その様子に遠く喝采が沸き上がるのを背中に聞きながら、エクスはそう口にしていた。
「えっ!?わわわっ!!?」
時計塔から降りる途中でそれを聞いたユーリは、動揺の余り梯子の最後を踏み外し、盛大に転びそうになってしまう。
「ふぅ~、危なかったぁ・・・いや、嘘だろ?楽勝に見えるんだけど・・・」
何とかそれを立て直したユーリは、安堵の息を吐き出しながら胸を押さえている。
そしてようやく落ち着いた様子の彼は、信じられないという表情でエクスに尋ねる。
彼の視点からすれば、エクスは一方的にあの邪龍を圧倒しており、とてもではないが彼女が言うようなことになるとは思えないのであった。
「いえ、一見押しているように見えるだけです。こちらの攻撃はあちらに一切通じていませんので、このままではジリ貧かと」
「えっ、そうなの?じゃ、じゃあどうすればいいんだ?だって攻撃が通じないんだろう?それじゃ勝ちようがないじゃん!」
傍から見れば一方的な攻防は、当事者から見ても一方的な攻防であるようだった。
ただしそれは、邪龍側が一方的に有利という形で。
「心配は無用です、マスター。あの者を傷つけられる武器、私はそれに心当たりがありますので」
「何だよ、それを先に言えよー!全く心配させてー、このこのー!盛り上げ上手かー?」
エクスの言葉に焦り慌てるユーリに対して、彼女は落ち着き払った態度のまま心配無用と宣言する。
彼女はちゃんと邪龍を傷つけられる武器にも心当たりがあると口にし、それを聞いたユーリは安心した様子で、心配させるなよとエクスの肩を叩いていた。
「で、その武器ってのはどこにあるんだ?あぁ、分かった!ユークレール家の家宝とかだろ?そういう話は聞いた事はないけど四大貴族って言われるぐらいだもんな、それぐらいあってもおかしくないよな!じゃあ取りに行かないと―――」
改めて、エクスにその武器がどこにあるのだと尋ねるユーリは、彼女の返答を待つまでもなくその在処に検討をつけていた。
この街の領主であるヘイニーは、四大貴族とも称される名門貴族の生まれだ。
そのような名家には、当然代々受け継げられてきた家宝の武器の一つや二つあるだろう。
そう考え、ユーリは彼の館である「放蕩者の家」へと急ごうとする。
「ここです!マスター、その武器はここにございます!」
そんな彼の背後で、エクスが自らの胸に手を添えては自信満々にそう口にしていた。
「えっ、どゆこと?」
「私、聖剣エクスカリバーがあの邪龍を倒すための武器という事です!」
「んー?ちょっと意味が分かんないんだけど・・・謎々か何かか?だってお前言ってたじゃん、自分じゃあの邪龍を傷つけられないって」
自分ではあの邪龍を傷つけられないと話したエクスが、自分こそがあの邪龍を倒すための武器なのだと口にする。
その意味の分からない発言に、ユーリは頭にはてなマークを浮かべては首を捻っていた。
「確かに、今の私ではあの邪龍は傷つけることは出来ません。しかし聖剣エクスカリバーへと戻った私ならば、容易くあれを切り裂くことが出来るでしょう」
ユーリの疑問に、エクスは簡潔に答える。
つまり人の姿である自分では太刀打ち出来ないが、聖剣となった自分であればあんな邪龍など相手にもならないと彼女は言っているのだ。
「あ、なるほどそういう事ね。何だよ、そんな事が出来るならもっと早く言えよ。あ、丁度いい所に帰ってきたな。おーい、こっちこっちー!!」
エクスが言わんとしている事をようやく理解したユーリは、それなら合点がいったと手を叩いている。
彼はそうして近づいてくる足音に振り返ると、その主に合図するように手を振っていた。
「あ、おとーさんだ!おとーさーん!おとーさんに任された仕事、ちゃんとやってきたよー!」
「わ、私も頑張ったよ!だから・・・えへへ、褒めて欲しいな!」
その足音の主、ネロとプティは手を振るユーリの姿に気付くと、笑顔を浮かべながら駆けよってくる。
そしてそのまま彼へと飛びついた二人は、その胸へと頬を擦り合わせると、褒めて褒めてとおねだりをしてきていた。
「はははっ!よしよし、よく頑張ったな二人とも。偉いぞ!それで帰ってきて早速で悪いんだが、二人に頼みたい事があるんだ」
「えー?もー、人使いが荒いなぁおとーさんは。へへへっ、でも仕方ないからやって上げてもいいよ?」
「おとーさんが困ってるなら、私頑張る!だから任せて、おとーさん!」
二人の頭を一頻り撫でたユーリは、その肩へと手をやりながら頼みごとを持ち掛ける。
それにネロは鼻を擦りながら満更でもない表情で返し、プティは気合十分といった様子で両手を握り締めて見せていた。
「そうかそうか!じゃあ二人のどちらかに―――」
「駄目です。マスター以外、私は認めません」
二人の様子にニコニコと微笑みながら、ユーリはそのどちらかに聖剣エクスカリバーを使って邪龍と戦うという仕事を任せようとする。
しかしそんな彼を、背後から響いた冷たい声が制していた。
「えっ?な、何で?」
ユーリが振り返るとそこには、努めて冷静な表情をした、しかし明らかに不満たっぷりというジトっとした目を向けてくるエクスの姿があった。
「私が、マスター以外に使われたくないからです」
ユーリの疑問にエクスは再び胸へと手を添えると、そうきっぱりと口にする。
「えぇ・・・この状況で、そんな我侭言うのありなの?」
この街を、ともすれば国や世界すらも滅ぼしかねない邪龍が誕生したという緊急事態。
そんな状況で、完全に個人的な我侭を口にするエクスに、ユーリはドン引きした様子で尋ねている。
「ありです、私は聖剣エクスカリバーですから。使い手を選んでも許されるのです」
その問いに対して、エクスは答える。
私は聖剣エクスカリバーだから、許されるのだと。
その笑顔は美しく、彼女が特別な存在であることをはっきりと示していた
「さぁ、マスター。私をお使いください」
エクスは真っ直ぐ、ユーリへと手を伸ばす。
その背後では、彼女によって打ち倒されていた邪龍が復活の咆哮を上げていた。
爆発音のような激しい衝撃が轟き、邪龍が地面へと沈む。
その様子に遠く喝采が沸き上がるのを背中に聞きながら、エクスはそう口にしていた。
「えっ!?わわわっ!!?」
時計塔から降りる途中でそれを聞いたユーリは、動揺の余り梯子の最後を踏み外し、盛大に転びそうになってしまう。
「ふぅ~、危なかったぁ・・・いや、嘘だろ?楽勝に見えるんだけど・・・」
何とかそれを立て直したユーリは、安堵の息を吐き出しながら胸を押さえている。
そしてようやく落ち着いた様子の彼は、信じられないという表情でエクスに尋ねる。
彼の視点からすれば、エクスは一方的にあの邪龍を圧倒しており、とてもではないが彼女が言うようなことになるとは思えないのであった。
「いえ、一見押しているように見えるだけです。こちらの攻撃はあちらに一切通じていませんので、このままではジリ貧かと」
「えっ、そうなの?じゃ、じゃあどうすればいいんだ?だって攻撃が通じないんだろう?それじゃ勝ちようがないじゃん!」
傍から見れば一方的な攻防は、当事者から見ても一方的な攻防であるようだった。
ただしそれは、邪龍側が一方的に有利という形で。
「心配は無用です、マスター。あの者を傷つけられる武器、私はそれに心当たりがありますので」
「何だよ、それを先に言えよー!全く心配させてー、このこのー!盛り上げ上手かー?」
エクスの言葉に焦り慌てるユーリに対して、彼女は落ち着き払った態度のまま心配無用と宣言する。
彼女はちゃんと邪龍を傷つけられる武器にも心当たりがあると口にし、それを聞いたユーリは安心した様子で、心配させるなよとエクスの肩を叩いていた。
「で、その武器ってのはどこにあるんだ?あぁ、分かった!ユークレール家の家宝とかだろ?そういう話は聞いた事はないけど四大貴族って言われるぐらいだもんな、それぐらいあってもおかしくないよな!じゃあ取りに行かないと―――」
改めて、エクスにその武器がどこにあるのだと尋ねるユーリは、彼女の返答を待つまでもなくその在処に検討をつけていた。
この街の領主であるヘイニーは、四大貴族とも称される名門貴族の生まれだ。
そのような名家には、当然代々受け継げられてきた家宝の武器の一つや二つあるだろう。
そう考え、ユーリは彼の館である「放蕩者の家」へと急ごうとする。
「ここです!マスター、その武器はここにございます!」
そんな彼の背後で、エクスが自らの胸に手を添えては自信満々にそう口にしていた。
「えっ、どゆこと?」
「私、聖剣エクスカリバーがあの邪龍を倒すための武器という事です!」
「んー?ちょっと意味が分かんないんだけど・・・謎々か何かか?だってお前言ってたじゃん、自分じゃあの邪龍を傷つけられないって」
自分ではあの邪龍を傷つけられないと話したエクスが、自分こそがあの邪龍を倒すための武器なのだと口にする。
その意味の分からない発言に、ユーリは頭にはてなマークを浮かべては首を捻っていた。
「確かに、今の私ではあの邪龍は傷つけることは出来ません。しかし聖剣エクスカリバーへと戻った私ならば、容易くあれを切り裂くことが出来るでしょう」
ユーリの疑問に、エクスは簡潔に答える。
つまり人の姿である自分では太刀打ち出来ないが、聖剣となった自分であればあんな邪龍など相手にもならないと彼女は言っているのだ。
「あ、なるほどそういう事ね。何だよ、そんな事が出来るならもっと早く言えよ。あ、丁度いい所に帰ってきたな。おーい、こっちこっちー!!」
エクスが言わんとしている事をようやく理解したユーリは、それなら合点がいったと手を叩いている。
彼はそうして近づいてくる足音に振り返ると、その主に合図するように手を振っていた。
「あ、おとーさんだ!おとーさーん!おとーさんに任された仕事、ちゃんとやってきたよー!」
「わ、私も頑張ったよ!だから・・・えへへ、褒めて欲しいな!」
その足音の主、ネロとプティは手を振るユーリの姿に気付くと、笑顔を浮かべながら駆けよってくる。
そしてそのまま彼へと飛びついた二人は、その胸へと頬を擦り合わせると、褒めて褒めてとおねだりをしてきていた。
「はははっ!よしよし、よく頑張ったな二人とも。偉いぞ!それで帰ってきて早速で悪いんだが、二人に頼みたい事があるんだ」
「えー?もー、人使いが荒いなぁおとーさんは。へへへっ、でも仕方ないからやって上げてもいいよ?」
「おとーさんが困ってるなら、私頑張る!だから任せて、おとーさん!」
二人の頭を一頻り撫でたユーリは、その肩へと手をやりながら頼みごとを持ち掛ける。
それにネロは鼻を擦りながら満更でもない表情で返し、プティは気合十分といった様子で両手を握り締めて見せていた。
「そうかそうか!じゃあ二人のどちらかに―――」
「駄目です。マスター以外、私は認めません」
二人の様子にニコニコと微笑みながら、ユーリはそのどちらかに聖剣エクスカリバーを使って邪龍と戦うという仕事を任せようとする。
しかしそんな彼を、背後から響いた冷たい声が制していた。
「えっ?な、何で?」
ユーリが振り返るとそこには、努めて冷静な表情をした、しかし明らかに不満たっぷりというジトっとした目を向けてくるエクスの姿があった。
「私が、マスター以外に使われたくないからです」
ユーリの疑問にエクスは再び胸へと手を添えると、そうきっぱりと口にする。
「えぇ・・・この状況で、そんな我侭言うのありなの?」
この街を、ともすれば国や世界すらも滅ぼしかねない邪龍が誕生したという緊急事態。
そんな状況で、完全に個人的な我侭を口にするエクスに、ユーリはドン引きした様子で尋ねている。
「ありです、私は聖剣エクスカリバーですから。使い手を選んでも許されるのです」
その問いに対して、エクスは答える。
私は聖剣エクスカリバーだから、許されるのだと。
その笑顔は美しく、彼女が特別な存在であることをはっきりと示していた
「さぁ、マスター。私をお使いください」
エクスは真っ直ぐ、ユーリへと手を伸ばす。
その背後では、彼女によって打ち倒されていた邪龍が復活の咆哮を上げていた。
9
お気に入りに追加
2,413
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

その無能、実は世界最強の魔法使い 〜無能と蔑まれ、貴族家から追い出されたが、ギフト《転生者》が覚醒して前世の能力が蘇った〜
蒼乃白兎
ファンタジー
15歳になると、人々は女神様からギフトを授かる。
しかし、アルマはギフトを何も授かることは出来ず、実家の伯爵家から無能と蔑まれ、追い出されてしまう。
だが実はアルマはギフトを授からなかった訳では無かった。
アルマは既にギフト《転生者》を所持していたのだ──。
実家から追い出された直後にギフト《転生者》が発動し、アルマは前世の能力を取り戻す。
その能力はあまりにも大きく、アルマは一瞬にして世界最強の魔法使いになってしまった。
なにせアルマはギフト《転生者》の能力を最大限に発揮するために、一度目の人生を全て魔法の探究に捧げていたのだから。
無能と蔑まれた男の大逆転が今、始まる。
アルマは前世で極めた魔法を利用し、実家を超える大貴族へと成り上がっていくのだった。

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

パーティーの役立たずとして追放された魔力タンク、世界でただ一人の自動人形『ドール』使いになる
日之影ソラ
ファンタジー
「ラスト、今日でお前はクビだ」
冒険者パーティで魔力タンク兼雑用係をしていたラストは、ある日突然リーダーから追放を宣告されてしまった。追放の理由は戦闘で役に立たないから。戦闘中に『コネクト』スキルで仲間と繋がり、仲間たちに自信の魔力を分け与えていたのだが……。それしかやっていないことを責められ、戦える人間のほうがマシだと仲間たちから言い放たれてしまう。
一人になり途方にくれるラストだったが、そこへ行方不明だった冒険者の祖父から送り物が届いた。贈り物と一緒に入れられた手紙には一言。
「ラストよ。彼女たちはお前の力になってくれる。ドール使いとなり、使い熟してみせよ」
そう記され、大きな木箱の中に入っていたのは綺麗な少女だった。
これは無能と言われた一人の冒険者が、自動人形(ドール)と共に成り上がる物語。
7/25男性向けHOTランキング1位

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。
幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』
電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。
龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。
そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。
盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。
当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。
今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。
ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。
ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ
「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」
全員の目と口が弧を描いたのが見えた。
一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。
作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌()
15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる