84 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
英雄
しおりを挟む
「「おおおおおおぉぉぉぉぉ!!!」」
兵士達の勝利の雄たけびが荒野に轟く。
それは最果ての街キッパゲルラの周囲に広がる荒野での出来事であり、それを叫んでいるのは色とりどりの鎧を身に纏った兵士達であった。
「やった・・・やりましたね、ユーリさん!私達の勝利ですよ!!」
「えぇ!ヘイニーさんが粘ってくれたお陰ですね!!」
雄叫びを上げる兵士達の真ん中で人の良さそうな紳士、ヘイニーが血と泥に塗れた姿でこぶしを握り締める。
彼はそれを何度も噛みしめるように力を籠めると、隣に立っていたユーリへと興奮のままに抱き着いていた。
「そんな私など、ただ必死だっただけで・・・全てユーリさん達、そして彼らの頑張りのお陰ですよ」
お互いに勝利を讃えるヘイニーとユーリ。
彼らは互いに相手の働きこそが勝利を決定づけたと口にするが、ヘイニーはさらに彼らの力こそが寛容だったとそちらへと視線を向ける。
そこにはユーリの家族であるエクスと、彼女を囲んで盛り上がっている聖剣騎士団の姿があった。
「あー・・・彼らの力ね。あははは、それは良かったですねー。うちのエクスも鍛えた甲斐がありますよ」
「?」
ヘイニーが彼らのお陰だと示した聖剣騎士団、それに力を与えたのもユーリであった。
そのためかユーリはそれに何とも言えない反応を示し、愛想笑いを浮かべては頭を掻いて誤魔化していた。
「ま、まぁ!結局はあれですよ、各人が各々出来る事をするのが大事というか・・・皆が皆、エクスみたいに戦える訳じゃないですし、逆に皆がエクスみたいになったら困るでしょう?」
「適材適所・・・そうですね、確かにユーリさんの仰る通りです」
調子に乗った騎士団員がセクハラ発言でもしてきたのか、彼らの軽く吹っ飛ばしているエクス。
そんな光景を目にしながら、ユーリはそれぞれにそれぞれの役割があるのだと語る。
ユーリはそれを何かを誤魔化すために口にしただけであったが、ヘイニーはそれに感じ入ったように何度も頷いているようだった。
「そういえばヘイニーさん。何か書状みたいなの拾いませんでしたか?こう、裏地がゴワゴワしてる奴なんですけど・・・」
「あぁ、それなりさっき拾いましたよ。えぇと、どこにしまったかな・・・」
話題を変えるために別の話を振ったユーリは、両手を前に差し出しては指を擦り合わせてその質感を表現している。
その行動が効果があったかは不明だが、先ほど拾ったばかりのそれの存在を思い出したヘイニーは、それを取り出そうと身体を弄り始めていた。
「あ、あったあった!はい、ユーリさん。これじゃありませんか?」
「あぁ、これですこれです!いやぁ、助かりました。これ、まだ使え―――」
ヘイニーはそれを何とか探り出し、ユーリへと差し出す。
それはユーリが聖剣騎士団やオーソン達に力を与えるのに使った、飛竜の皮で出来た書状であった。
ユーリはそれをヘイニーから受け取り、助かったと感謝を告げようとする。
その時、大地を揺るがすような轟音が響く。
「ウオオオオオオォォォォォン!!!」
そして続いて、その咆哮が轟いていた。
まるで世界を呪うような、邪龍の咆哮が。
「何だあれは・・・?あんなものが街に現れたら・・・た、大変ですユーリさん!!街が、街が!!」
突如、街に現れた巨大な怪物。
ようやくその街へと迫る軍に勝利し、街を守ったばかりだというのに起きたそんな事態に、ヘイニーは慌てふためきユーリへと縋りつく。
「あわわわわ!?な、何だよあれ!?やばいやばいやばい!!やばすぎるって!!」
しかし彼が縋ろうとしたユーリもまた、その怪物の出現に慌てふためいてしまっていた。
「マスター、さぁ手を」
そんなユーリに対して、真剣な表情のエクスが手を伸ばしてくる。
その意味は、一つしかない。
「エ、エクス?その・・・それは、どういう意味なのかな?なーんて」
自らに対して手を差し伸べるエクス、隣で縋るような視線を向けてくるヘイニー、そして彼女の背後から期待に目を輝かせている聖剣騎士団。
それらの期待を一身に受けるユーリはしかし、後頭部に手を当ててはすっとぼけて見せていた。
「勿論、あれと戦いに行くためです」
そんな誤魔化しが、エクスに通用する訳もない。
彼女は小揺るぎもせずにユーリに対してさらに手を伸ばすと、当然の事実を口にしていた。
「あ、やっぱりそうなります?え、えーっと・・・でも、それって俺必要かなーって、ね?思うんだけど・・・」
エクスが口にした言葉が余りにも予想通りで呆気に取られたユーリは、それでも何とかそれから逃れようと必死に目線を彷徨わせる。
「時間がありませんので・・・失礼いたします、マスター」
「ちょ!?ま、待って!まだ心の準備が・・・ああああああぁぁぁぁぁ!!!?」
しかしエクスは、そんな彼を待ってはくれない。
ユーリの手を無理やり掴んだエクスは、キッパゲルラの街に佇む邪龍の位置を探るように目を細めると、そのまま姿勢を低くして力を蓄える。
そしてそのまま物凄い勢いで飛び出していった彼女に、ユーリもまた悲鳴を上げながら一緒に連れて行かれていたのだった。
「ユーリさんエクスさん、頼みます。どうか街を、キッパゲルラを・・・」
エクスが飛び立った後の猛烈な風圧に吹かれながら、ヘイニーは彼らの健闘を祈る。
そんなヘイニーの下に、彼と共に戦った貴族達が近づいてきていた。
「我らも彼らと共に戦いましょう!!」
「そうですぞ、ヘイニー様!今の我らの勢いに掛かれば、あんな化け物などものの相手ではございますまい!!」
彼らは口々に、我らもユーリ達と一緒に戦うべきだと口にする。
それは言葉だけを取れば、さも立派で献身的なものに聞こえた。
しかし彼らの瞳は勝利に酔っており、その言葉も勢いに任せたものでしかなく、ともすれば暴力を振るいたいだけの醜い欲望の姿が見え隠れしていた。
「英雄には英雄の、人には人の戦いというものがあります。あのような化け物と戦うのは、英雄の仕事。我々の仕事ではありません」
ヘイニーはそんな彼らの言葉に首を横に振ると、諭すような口調で語りかける。
その言葉は優しいものであったが、どこか逆らえないような響きが、言うならば支配者としての威厳のようなものが含まれていた。
「あんな怪物が街に現れたのです、避難民が街から溢れてくるでしょう。その誘導と保護こそが我々の仕事ではありませんか?さぁ、急ぎましょう!我々に出来る事をするのです!!」
「「お、おぉ!!」」
ヘイニーの迫力に言葉を失う貴族達は、彼が口にした命令にそのこぶしを掲げる。
そして慌てた様子でそれぞれの部隊へと戻っていく貴族達の姿に、ヘイニーは胸を撫で下ろしていた。
「・・・ユーリさん、これでいいんですよね?」
ユーリ達が向かった街の方へと視線を向けたヘイニーは、一人そう呟く。
その強く握ったこぶしは、もう震えてはいなかった。
兵士達の勝利の雄たけびが荒野に轟く。
それは最果ての街キッパゲルラの周囲に広がる荒野での出来事であり、それを叫んでいるのは色とりどりの鎧を身に纏った兵士達であった。
「やった・・・やりましたね、ユーリさん!私達の勝利ですよ!!」
「えぇ!ヘイニーさんが粘ってくれたお陰ですね!!」
雄叫びを上げる兵士達の真ん中で人の良さそうな紳士、ヘイニーが血と泥に塗れた姿でこぶしを握り締める。
彼はそれを何度も噛みしめるように力を籠めると、隣に立っていたユーリへと興奮のままに抱き着いていた。
「そんな私など、ただ必死だっただけで・・・全てユーリさん達、そして彼らの頑張りのお陰ですよ」
お互いに勝利を讃えるヘイニーとユーリ。
彼らは互いに相手の働きこそが勝利を決定づけたと口にするが、ヘイニーはさらに彼らの力こそが寛容だったとそちらへと視線を向ける。
そこにはユーリの家族であるエクスと、彼女を囲んで盛り上がっている聖剣騎士団の姿があった。
「あー・・・彼らの力ね。あははは、それは良かったですねー。うちのエクスも鍛えた甲斐がありますよ」
「?」
ヘイニーが彼らのお陰だと示した聖剣騎士団、それに力を与えたのもユーリであった。
そのためかユーリはそれに何とも言えない反応を示し、愛想笑いを浮かべては頭を掻いて誤魔化していた。
「ま、まぁ!結局はあれですよ、各人が各々出来る事をするのが大事というか・・・皆が皆、エクスみたいに戦える訳じゃないですし、逆に皆がエクスみたいになったら困るでしょう?」
「適材適所・・・そうですね、確かにユーリさんの仰る通りです」
調子に乗った騎士団員がセクハラ発言でもしてきたのか、彼らの軽く吹っ飛ばしているエクス。
そんな光景を目にしながら、ユーリはそれぞれにそれぞれの役割があるのだと語る。
ユーリはそれを何かを誤魔化すために口にしただけであったが、ヘイニーはそれに感じ入ったように何度も頷いているようだった。
「そういえばヘイニーさん。何か書状みたいなの拾いませんでしたか?こう、裏地がゴワゴワしてる奴なんですけど・・・」
「あぁ、それなりさっき拾いましたよ。えぇと、どこにしまったかな・・・」
話題を変えるために別の話を振ったユーリは、両手を前に差し出しては指を擦り合わせてその質感を表現している。
その行動が効果があったかは不明だが、先ほど拾ったばかりのそれの存在を思い出したヘイニーは、それを取り出そうと身体を弄り始めていた。
「あ、あったあった!はい、ユーリさん。これじゃありませんか?」
「あぁ、これですこれです!いやぁ、助かりました。これ、まだ使え―――」
ヘイニーはそれを何とか探り出し、ユーリへと差し出す。
それはユーリが聖剣騎士団やオーソン達に力を与えるのに使った、飛竜の皮で出来た書状であった。
ユーリはそれをヘイニーから受け取り、助かったと感謝を告げようとする。
その時、大地を揺るがすような轟音が響く。
「ウオオオオオオォォォォォン!!!」
そして続いて、その咆哮が轟いていた。
まるで世界を呪うような、邪龍の咆哮が。
「何だあれは・・・?あんなものが街に現れたら・・・た、大変ですユーリさん!!街が、街が!!」
突如、街に現れた巨大な怪物。
ようやくその街へと迫る軍に勝利し、街を守ったばかりだというのに起きたそんな事態に、ヘイニーは慌てふためきユーリへと縋りつく。
「あわわわわ!?な、何だよあれ!?やばいやばいやばい!!やばすぎるって!!」
しかし彼が縋ろうとしたユーリもまた、その怪物の出現に慌てふためいてしまっていた。
「マスター、さぁ手を」
そんなユーリに対して、真剣な表情のエクスが手を伸ばしてくる。
その意味は、一つしかない。
「エ、エクス?その・・・それは、どういう意味なのかな?なーんて」
自らに対して手を差し伸べるエクス、隣で縋るような視線を向けてくるヘイニー、そして彼女の背後から期待に目を輝かせている聖剣騎士団。
それらの期待を一身に受けるユーリはしかし、後頭部に手を当ててはすっとぼけて見せていた。
「勿論、あれと戦いに行くためです」
そんな誤魔化しが、エクスに通用する訳もない。
彼女は小揺るぎもせずにユーリに対してさらに手を伸ばすと、当然の事実を口にしていた。
「あ、やっぱりそうなります?え、えーっと・・・でも、それって俺必要かなーって、ね?思うんだけど・・・」
エクスが口にした言葉が余りにも予想通りで呆気に取られたユーリは、それでも何とかそれから逃れようと必死に目線を彷徨わせる。
「時間がありませんので・・・失礼いたします、マスター」
「ちょ!?ま、待って!まだ心の準備が・・・ああああああぁぁぁぁぁ!!!?」
しかしエクスは、そんな彼を待ってはくれない。
ユーリの手を無理やり掴んだエクスは、キッパゲルラの街に佇む邪龍の位置を探るように目を細めると、そのまま姿勢を低くして力を蓄える。
そしてそのまま物凄い勢いで飛び出していった彼女に、ユーリもまた悲鳴を上げながら一緒に連れて行かれていたのだった。
「ユーリさんエクスさん、頼みます。どうか街を、キッパゲルラを・・・」
エクスが飛び立った後の猛烈な風圧に吹かれながら、ヘイニーは彼らの健闘を祈る。
そんなヘイニーの下に、彼と共に戦った貴族達が近づいてきていた。
「我らも彼らと共に戦いましょう!!」
「そうですぞ、ヘイニー様!今の我らの勢いに掛かれば、あんな化け物などものの相手ではございますまい!!」
彼らは口々に、我らもユーリ達と一緒に戦うべきだと口にする。
それは言葉だけを取れば、さも立派で献身的なものに聞こえた。
しかし彼らの瞳は勝利に酔っており、その言葉も勢いに任せたものでしかなく、ともすれば暴力を振るいたいだけの醜い欲望の姿が見え隠れしていた。
「英雄には英雄の、人には人の戦いというものがあります。あのような化け物と戦うのは、英雄の仕事。我々の仕事ではありません」
ヘイニーはそんな彼らの言葉に首を横に振ると、諭すような口調で語りかける。
その言葉は優しいものであったが、どこか逆らえないような響きが、言うならば支配者としての威厳のようなものが含まれていた。
「あんな怪物が街に現れたのです、避難民が街から溢れてくるでしょう。その誘導と保護こそが我々の仕事ではありませんか?さぁ、急ぎましょう!我々に出来る事をするのです!!」
「「お、おぉ!!」」
ヘイニーの迫力に言葉を失う貴族達は、彼が口にした命令にそのこぶしを掲げる。
そして慌てた様子でそれぞれの部隊へと戻っていく貴族達の姿に、ヘイニーは胸を撫で下ろしていた。
「・・・ユーリさん、これでいいんですよね?」
ユーリ達が向かった街の方へと視線を向けたヘイニーは、一人そう呟く。
その強く握ったこぶしは、もう震えてはいなかった。
12
あなたにおすすめの小説
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります
しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。
納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。
ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。
そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。
竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる