73 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
見知らぬ力
しおりを挟む
「うわあああああぁぁぁぁぁぁ!!?」
自らを狙って迫りくる敵の騎士の姿に、ヘイニーは両手で顔を覆い悲鳴を上げる。
「あ、あれ・・・どこも痛くない?ど、どうしてだ?」
恐怖の余り目をきつく瞑り、蹲ってしまっていたヘイニーはしかし、いつまで待ってもやって来ることのない痛みに、恐る恐るその目を開ける。
「えっ?」
そこには敵の騎士を打ち倒し、呆けたようにその場に立ち尽くしている聖剣騎士団の騎士の姿があった。
「まさか、返り討ちにしたのか?そんな馬鹿な・・・お、おい大丈夫なのか!?何があったのだ!?」
幾ら押しに押しているとはいえ、前線を一人で突破し敵の総大将にまで迫る騎士というのは、相当な腕利きであっただろう。
それをエクスに鍛えられたとはいえ、弱小で鳴らした自らの騎士が打ち倒せる訳がない。
そう考え、ヘイニーは何があったのかと呆けている騎士に尋ねていた。
「そ、それが・・・自分にもよく分からないのです。ただ突然、力が湧いてきて・・・」
「突然力が湧いてきただと?そんなお伽噺のような事が、実際に起きる訳が―――」
ヘイニーにその肩を揺すられ、ようやく放心状態から立ち直った騎士はしかし、要領の得ない言葉を返すだけ。
彼が口にしたのは突然力が湧いて来たという、今時物語の中でも使われないような出来事であった。
「な、何だ力が勝手に・・・うおおおぉぉぉ!!!」
その時響き渡ったその声は、ヘイニーが救援に兵を向かわせた左翼の方からであった。
そしてその声を上げたのは、先ほど兵と共にそこに向かわせたあの騎士である。
彼は何やら呟くと雄叫びを上げ、周囲の敵兵を蹴散らしていく。
その凄まじい勢いに、左翼の戦況は瞬く間に立て直されていくようだった。
「力が、力が湧いてくるぞ!」
「お、俺もだ!これはきっと・・・」
「あぁ、エクス様の御加護に違いない!!」
「「聖剣騎士団、万歳ー!!!」」
次に上がったその声は、予め分散させて各前線で指揮を取るように申しつけてあった聖剣騎士団の騎士達からであった。
そしてそれは壊滅寸前であった右翼から上がり、彼らは団長であるエクスへの感謝の言葉を叫ぶと、正面の敵を薙ぎ払っていく。
その余りの勢いは、すっかり逃げ出してしまおうとしていた右翼の貴族達が、今度は勝ち馬に乗ろうと引き返してくるほどであった。
「え、えぇ・・・まさか、本当なのか?」
目の前の騎士の話を到底信じられないと否定したヘイニーも、その行動を目にすれば信じざるを得ない。
理由は分からないが、確かに彼の配下である聖剣騎士団の騎士達が覚醒を遂げている事は確かなようだった。
「本当です、本当なんです!とにかく不思議な力が湧いてきて・・・とにかく凄いんですって!!」
「あ、あぁ・・・分かったから、お前も戦いに戻り・・・お、おい!前、前!」
ヘイニーの目の前の騎士は、彼がその現象を信じざるを得なくなっても変わらず、自らの身に起きた不思議な現象について熱弁を振るっている。
それにうんざりといった様子のヘイニーが、彼を前線へと戻そうとしている。
しかし彼はその最中、自分とそして目の前の騎士へと迫る投げ槍の姿を捉えていたのだった。
「おっと、危ないじゃないですか!!それでですね、いいですかヘイニー様!貴方は全然分かっていないのです!私の身に起きた出来事が如何に凄いかを!!そもそも・・・」
その投げ槍を騎士は軽々と受け止めると、子供にでも投げ返すような手つきで軽く投げ返していた。
その投げ槍の威力は凄まじく、まるで敵軍の中に一本の線でも引いたかのように彼らを薙ぎ倒していく。
しかし彼はそんな事などお構いなしといった様子で、再び自らの身に起きた現象について熱弁を振るい始めていた。
「は、ははは・・・一体何が起こっているんだ、これは?」
その余りの光景に、もはや訳が分からないとヘイニーは乾いた笑いを漏らす。
そんな彼の様子を気にも留めず、騎士は彼に熱弁を振るい続けていた。
◆◇◆◇◆◇
「何、だと・・・!?」
勝利を確信し、残酷に細められていたマルコムの目が驚愕に見開かれる。
その先には、確かに突き刺した筈の剣先がオーソンの皮一枚抉るだけで止まってしまっていたのだった。
「貴様、何をした!?」
その理解出来ない状況に警戒の声を上げるマルコムは、素早く飛び退くと一旦オーソンと距離を取る。
彼らの様子に、この場から脱出しようとしていたマルコムの仲間の騎士も、その足を止め様子を窺っているようだ。
「いや、俺にも分からねぇんだが・・・お前が何かしたんじゃないのか?」
マルコムの疑問に、オーソンは自分にも分からないのだと首を捻っている。
彼はマルコムに刺し貫かれた筈の箇所を手で擦ると、そこに本当に血がついてない事に驚いていた。
「戯言を!!どうせ事前に強化ポーションでも飲んでいたのだろう!?あれの効果は短い、構う事はないぞ!」
「あ、あぁ!」
オーソンの態度をこちらを煙に巻くためのものだと解釈したマルコムは、それが強化ポーションの一種の効果だと考え、それならば大した問題ではないと言い放つ。
その声に彼の仲間は、いったん中断したこの場からの離脱を再開する。
「やらせるかよ!!」
「それは、こっちの台詞だ!」
当然、オーソンはそれを見逃さない。
しかしこの場から離脱しようとした騎士へと追いすがったオーソンに、マルコムが立ち塞がる。
今度は彼も、騙し討ちのためではなく本気で仲間をここから逃がす気のようだった。
「えーい、『止まりなさーい』!!」
睨み合う二人に、どこか場違いな間の抜けた声がその場に響く。
それはこの場から逃げ出そうとしている騎士を何とか阻止しようと、自分が履いていた靴を投げつけているレジーのものであった。
「くっ、外れたか・・・あ、あれ?どういう事?」
レジーが投げつけた靴は見当違いの方向に飛んでいき、路地の壁にぶつかってそこに転がり落ちる。
それに悔しそうに唇を噛んでいたレジーは、意外な光景を目にしていた。
「おい、どうした!?何故、そこで立ち止まる!?」
彼女が靴を投げつけて止めようとして騎士が、何故かその場に立ち止まっているのだ。
まるで、彼女が口にした命令に従うように。
「えっと、もしかして。『こっちに来なさい』なーんて・・・う、嘘でしょ!?」
自分の行動が齎した結果に驚くレジーは、冗談交じりにそれを口にする。
すると彼女が口にした通り、その騎士はこちらへとゆっくりと歩いてきていた。
彼の戸惑うような表情に、それが彼の意志ではない事は明白であった。
「何だ魅了の力か!?精神操作系の魔法か!?何故、ギルド職員がそんな力を持っている!?」
レジーが発揮する謎の力に、マルコムは理解出来ないと頭を抱えて叫ぶ。
彼の目の前では、彼女がその力を使って彼の仲間を気絶させてしまっていた。
「へへへ、おいレジー。あんたにそんな力があるなんて、俺でも知らなかったぞ?」
「わ、私だって知らないわよこんな力!」
「へっ、そうかい。でもよ、とにかく今は協力して戦うしかねぇみたいだぞ?」
レジーの命令によって、自らの得物で自らの頭を強打して倒れ伏した騎士の身体を跨いで、オーソンは彼女へと近づいていく。
そして彼女へと背中を任せた彼は、先ほどよりもずっと真剣な表情でこちらを睨みつけてくるマルコムと対峙する。
「はぁ、嘘でしょ?もーーー、どうなっても知らないわよ!!」
マルコムと、その仲間達は先ほどよりも鋭い動きでこちらへと躍りかかってくる。
その様子を目にしながら、レジーは頭を抱え叫ぶ。
その言葉もまた、彼らを見えない力で殴りつけているのだった。
自らを狙って迫りくる敵の騎士の姿に、ヘイニーは両手で顔を覆い悲鳴を上げる。
「あ、あれ・・・どこも痛くない?ど、どうしてだ?」
恐怖の余り目をきつく瞑り、蹲ってしまっていたヘイニーはしかし、いつまで待ってもやって来ることのない痛みに、恐る恐るその目を開ける。
「えっ?」
そこには敵の騎士を打ち倒し、呆けたようにその場に立ち尽くしている聖剣騎士団の騎士の姿があった。
「まさか、返り討ちにしたのか?そんな馬鹿な・・・お、おい大丈夫なのか!?何があったのだ!?」
幾ら押しに押しているとはいえ、前線を一人で突破し敵の総大将にまで迫る騎士というのは、相当な腕利きであっただろう。
それをエクスに鍛えられたとはいえ、弱小で鳴らした自らの騎士が打ち倒せる訳がない。
そう考え、ヘイニーは何があったのかと呆けている騎士に尋ねていた。
「そ、それが・・・自分にもよく分からないのです。ただ突然、力が湧いてきて・・・」
「突然力が湧いてきただと?そんなお伽噺のような事が、実際に起きる訳が―――」
ヘイニーにその肩を揺すられ、ようやく放心状態から立ち直った騎士はしかし、要領の得ない言葉を返すだけ。
彼が口にしたのは突然力が湧いて来たという、今時物語の中でも使われないような出来事であった。
「な、何だ力が勝手に・・・うおおおぉぉぉ!!!」
その時響き渡ったその声は、ヘイニーが救援に兵を向かわせた左翼の方からであった。
そしてその声を上げたのは、先ほど兵と共にそこに向かわせたあの騎士である。
彼は何やら呟くと雄叫びを上げ、周囲の敵兵を蹴散らしていく。
その凄まじい勢いに、左翼の戦況は瞬く間に立て直されていくようだった。
「力が、力が湧いてくるぞ!」
「お、俺もだ!これはきっと・・・」
「あぁ、エクス様の御加護に違いない!!」
「「聖剣騎士団、万歳ー!!!」」
次に上がったその声は、予め分散させて各前線で指揮を取るように申しつけてあった聖剣騎士団の騎士達からであった。
そしてそれは壊滅寸前であった右翼から上がり、彼らは団長であるエクスへの感謝の言葉を叫ぶと、正面の敵を薙ぎ払っていく。
その余りの勢いは、すっかり逃げ出してしまおうとしていた右翼の貴族達が、今度は勝ち馬に乗ろうと引き返してくるほどであった。
「え、えぇ・・・まさか、本当なのか?」
目の前の騎士の話を到底信じられないと否定したヘイニーも、その行動を目にすれば信じざるを得ない。
理由は分からないが、確かに彼の配下である聖剣騎士団の騎士達が覚醒を遂げている事は確かなようだった。
「本当です、本当なんです!とにかく不思議な力が湧いてきて・・・とにかく凄いんですって!!」
「あ、あぁ・・・分かったから、お前も戦いに戻り・・・お、おい!前、前!」
ヘイニーの目の前の騎士は、彼がその現象を信じざるを得なくなっても変わらず、自らの身に起きた不思議な現象について熱弁を振るっている。
それにうんざりといった様子のヘイニーが、彼を前線へと戻そうとしている。
しかし彼はその最中、自分とそして目の前の騎士へと迫る投げ槍の姿を捉えていたのだった。
「おっと、危ないじゃないですか!!それでですね、いいですかヘイニー様!貴方は全然分かっていないのです!私の身に起きた出来事が如何に凄いかを!!そもそも・・・」
その投げ槍を騎士は軽々と受け止めると、子供にでも投げ返すような手つきで軽く投げ返していた。
その投げ槍の威力は凄まじく、まるで敵軍の中に一本の線でも引いたかのように彼らを薙ぎ倒していく。
しかし彼はそんな事などお構いなしといった様子で、再び自らの身に起きた現象について熱弁を振るい始めていた。
「は、ははは・・・一体何が起こっているんだ、これは?」
その余りの光景に、もはや訳が分からないとヘイニーは乾いた笑いを漏らす。
そんな彼の様子を気にも留めず、騎士は彼に熱弁を振るい続けていた。
◆◇◆◇◆◇
「何、だと・・・!?」
勝利を確信し、残酷に細められていたマルコムの目が驚愕に見開かれる。
その先には、確かに突き刺した筈の剣先がオーソンの皮一枚抉るだけで止まってしまっていたのだった。
「貴様、何をした!?」
その理解出来ない状況に警戒の声を上げるマルコムは、素早く飛び退くと一旦オーソンと距離を取る。
彼らの様子に、この場から脱出しようとしていたマルコムの仲間の騎士も、その足を止め様子を窺っているようだ。
「いや、俺にも分からねぇんだが・・・お前が何かしたんじゃないのか?」
マルコムの疑問に、オーソンは自分にも分からないのだと首を捻っている。
彼はマルコムに刺し貫かれた筈の箇所を手で擦ると、そこに本当に血がついてない事に驚いていた。
「戯言を!!どうせ事前に強化ポーションでも飲んでいたのだろう!?あれの効果は短い、構う事はないぞ!」
「あ、あぁ!」
オーソンの態度をこちらを煙に巻くためのものだと解釈したマルコムは、それが強化ポーションの一種の効果だと考え、それならば大した問題ではないと言い放つ。
その声に彼の仲間は、いったん中断したこの場からの離脱を再開する。
「やらせるかよ!!」
「それは、こっちの台詞だ!」
当然、オーソンはそれを見逃さない。
しかしこの場から離脱しようとした騎士へと追いすがったオーソンに、マルコムが立ち塞がる。
今度は彼も、騙し討ちのためではなく本気で仲間をここから逃がす気のようだった。
「えーい、『止まりなさーい』!!」
睨み合う二人に、どこか場違いな間の抜けた声がその場に響く。
それはこの場から逃げ出そうとしている騎士を何とか阻止しようと、自分が履いていた靴を投げつけているレジーのものであった。
「くっ、外れたか・・・あ、あれ?どういう事?」
レジーが投げつけた靴は見当違いの方向に飛んでいき、路地の壁にぶつかってそこに転がり落ちる。
それに悔しそうに唇を噛んでいたレジーは、意外な光景を目にしていた。
「おい、どうした!?何故、そこで立ち止まる!?」
彼女が靴を投げつけて止めようとして騎士が、何故かその場に立ち止まっているのだ。
まるで、彼女が口にした命令に従うように。
「えっと、もしかして。『こっちに来なさい』なーんて・・・う、嘘でしょ!?」
自分の行動が齎した結果に驚くレジーは、冗談交じりにそれを口にする。
すると彼女が口にした通り、その騎士はこちらへとゆっくりと歩いてきていた。
彼の戸惑うような表情に、それが彼の意志ではない事は明白であった。
「何だ魅了の力か!?精神操作系の魔法か!?何故、ギルド職員がそんな力を持っている!?」
レジーが発揮する謎の力に、マルコムは理解出来ないと頭を抱えて叫ぶ。
彼の目の前では、彼女がその力を使って彼の仲間を気絶させてしまっていた。
「へへへ、おいレジー。あんたにそんな力があるなんて、俺でも知らなかったぞ?」
「わ、私だって知らないわよこんな力!」
「へっ、そうかい。でもよ、とにかく今は協力して戦うしかねぇみたいだぞ?」
レジーの命令によって、自らの得物で自らの頭を強打して倒れ伏した騎士の身体を跨いで、オーソンは彼女へと近づいていく。
そして彼女へと背中を任せた彼は、先ほどよりもずっと真剣な表情でこちらを睨みつけてくるマルコムと対峙する。
「はぁ、嘘でしょ?もーーー、どうなっても知らないわよ!!」
マルコムと、その仲間達は先ほどよりも鋭い動きでこちらへと躍りかかってくる。
その様子を目にしながら、レジーは頭を抱え叫ぶ。
その言葉もまた、彼らを見えない力で殴りつけているのだった。
6
お気に入りに追加
2,395
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
追放された最強剣士〜役立たずと追放された雑用係は最強の美少女達と一緒に再スタートします。奴隷としてならパーティに戻してやる?お断りです〜
妄想屋さん
ファンタジー
「出ていけ!お前はもうここにいる資格はない!」
有名パーティで奴隷のようにこき使われていた主人公(アーリス)は、ある日あらぬ誤解を受けてパーティを追放されてしまう。
寒空の中、途方に暮れていたアーリスだったかが、剣士育成学校に所属していた時の同級生であり、現在、騎士団で最強ランクの実力を持つ(エルミス)と再開する。
エルミスは自信を無くしてしまったアーリスをなんとか立ち直らせようと決闘を申し込み、わざと負けようとしていたのだが――
「早くなってるし、威力も上がってるけど、その動きはもう、初めて君と剣を混じえた時に学習済みだ!」
アーリスはエルミスの予想を遥かに超える天才だった。
✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿
4月3日
1章、2章のタイトルを変更致しました。
スキルハンター~ぼっち&ひきこもり生活を配信し続けたら、【開眼】してスキルの覚え方を習得しちゃった件~
名無し
ファンタジー
主人公の時田カケルは、いつも同じダンジョンに一人でこもっていたため、《ひきこうもりハンター》と呼ばれていた。そんなカケルが動画の配信をしても当たり前のように登録者はほとんど集まらなかったが、彼は現状が楽だからと引きこもり続けていた。そんなある日、唯一見に来てくれていた視聴者がいなくなり、とうとう無の境地に達したカケル。そこで【開眼】という、スキルの覚え方がわかるというスキルを習得し、人生を大きく変えていくことになるのだった……。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる