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第一章 最果ての街キッパゲルラ
彼女達は出会う
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「・・・街を出ようかな」
ユーリ礼賛で溢れるこの街で、アンチユーリのレッテルを張られて生きるのは辛い。
家の前にまで辿り着いたレジーは、思わずそう呟いてしまっていた。
「馬鹿ね、私にはこの街しか・・・何かしら、あれ?」
自らの頭を過った考えを振り払うように頭を振ったレジーは、そのまま家へと足を向ける。
しかしその途中で、彼女は足を止めていた。
それはその建物と外部を隔てる門に寄り掛かるように倒れている、薄汚れた何かを目にしたからであった。
「ははっ、ついにここまで来たか・・・」
門の前に捨てられている薄汚れた何か、彼女はそれを動物の死骸だと考えていた。
そして度々あった嫌がらせが、ついにここまで来たのかと彼女は薄く笑う。
「こんな事で負けてやるもんですか、舐めないでよね!全く、こんな事のために生き物を・・・ちょっと待って、これって!?」
そんな嫌がらせをした誰かを威嚇するように吠えたレジーは、その死体を片付けようと近づいていく。
しかし彼女はそこでそれが生き物の、少なくとも死体ではない事に気が付いていた。
「ちょっと貴方!?大丈夫なの!?」
「・・・ぁ・・・ぅ」
レジーがその薄汚れた身体を揺すってみれば、そこには弱り切った少女の姿があった。
「はぁ、何だ・・・ただの行き倒れか。なら、私には関係ないわね」
動物の死体か何かだと思われたそれは、ただの行き倒れであった。
それに安堵したレジーは立ち上がると、そのまま家の中へと向かっていく。
「・・・あぁ、もう!!」
しかしその途中で立ち止まり心底面倒くさそうに頭を掻き毟った彼女は、肩を怒らせながら行き倒れた少女の下へと帰ってくる。
「行き倒れるなら、別の所で行き倒れなさいよね!!こんな所で死なれたら、私の目覚めが悪くなるでしょう!?」
少女の身体を抱きかかえたレジーは、文句を口にしながら家の中へと急ぐ。
その足取りは心なしか、先ほどのものよりも軽いものであった。
「こ、こ・・・は?」
薄く目を開いた少女には、深い疲労の色が窺えた。
彼女の目に映ったのは年季の入った、しかしよく手入れをされているのが窺える家屋の姿であった。
「あ、起きたの?」
ゆっくりと身体を起こし慎重に辺りを窺う少女に、部屋の向こうから声が掛かる。
何かを調理中なのかフライパンを片手に身体を傾けているレジーは、台所と思われるその場所から顔を出していた。
「っ!!?」
その声に飛び起きた少女は慌てて部屋の隅へと逃げ込むと、今度は出口に繋がっているであろう扉へと駆け寄っていた。
「あー、出ていくならどうぞご自由に。ただし、あんたのために用意したこの料理。これまで食べる事になった私が太っちゃったら、あんたのせいだからね」
「・・・料理?俺の分も、あるのか?」
逃げ出そうとする少女を、レジーは止めようとはしない。
しかし彼女が口にした料理という言葉と、そこから漂ってくる美味しそうな匂いに、彼女は思わず足を止めてしまっていた。
「あんた以外、誰がいるって言うのよ?出ていくにしても、せめてそれぐらい食べて行ったら?それぐらいの時間はあるんでしょう?」
「俺は・・・」
レジーの言葉にもそれを断ろうと口を開きかけた少女のお腹から、久しぶりに鳴き声が響く。
「あはははっ、あんたのお腹はもう決めちゃってるみたいだけどね!それで、どうする?」
「・・・ん」
「はいよ、じゃあちょっと待ってな」
顔を真っ赤に染め俯いた少女は短くそう呟くと、近くのテーブルの前の席へと腰を下ろす。
その姿を目にして薄く微笑んだレジーは、調理へと戻ると仕上げへと入る。
「ほら、お待ち。どうせしばらく何も食ってなかったんだろう?だから消化に優しいように粥に・・・って、もう聞いちゃいないか」
レジーが器に乱雑に盛り付け持ってきたのは、麦をたっぷりと煮込んで粥にしたものと、そこに混ぜ溶かした卵であった。
「はふっ、はむっはむっ!!」
よほど空腹であったのか、まるで噛り付くようにしてそれを掻っ込んでいる少女の耳には、もはやどんな言葉は届きはしないかとレジーは肩を竦めている。
「誰も取りゃしないんだ、ゆっくり食いな。じゃなきゃ、喉を詰まらしちまうからね」
少女の向かいの席については片肘をつき、彼女の様子を優しげな表情で眺めているレジーは、余り急いで食べてはいけないと注意している。
「っ!!?んー、んー!!?」
そして案の定、少女は喉を詰まらせてしまっていた。
「あぁもう!言わんこっちゃない!!ほら、これ飲みな!!」
「っ!!ごくっごくっごくっ・・・!!」
レジーは少女のその様子に文句を言いながらも、事前に用意しておいたタンブラーから手早くコップに水を注ぐと、彼女に差し出してやっている。
それを受け取った少女は、一口にそれを飲み干してしまっていた。
「・・・あ、あの!その・・・ありがと、っ!!?」
水を飲み干し一呼吸ついた少女は、顔を逸らしながらレジーにお礼を口にしようとしていた。
しかしそのお腹からは、先ほどのものより大きな鳴き声が響き、彼女は再び顔を真っ赤にしてしまっていた。
「ぷっ!あはははっ!何だい、まだ足りないって言うのかい?いいよ、私の分も食べな食べな!」
少女のそんな振る舞いにお腹を抱えて笑い転げているレジーは、溢れてしまった涙を拭うと自分のために用意していた食事も彼女に差し出していた。
それに戸惑っていた少女も、彼女の優しい表情にやがておずおずとそれへと手を伸ばし始める。
「へー・・・あんた瞳、右と左で色が違うんだね。まるで、お伽噺に出てきた宝石みたい」
少女のぼさぼさの髪が料理と一緒に口に入らないように分けてやっていたレジーは、その瞳の色が左右で違うことに気付いていた。
その色は青緑と赤。
それはまるでお伽噺で聞いた伝説の宝石、アレキサンドライトのようだった。
ユーリ礼賛で溢れるこの街で、アンチユーリのレッテルを張られて生きるのは辛い。
家の前にまで辿り着いたレジーは、思わずそう呟いてしまっていた。
「馬鹿ね、私にはこの街しか・・・何かしら、あれ?」
自らの頭を過った考えを振り払うように頭を振ったレジーは、そのまま家へと足を向ける。
しかしその途中で、彼女は足を止めていた。
それはその建物と外部を隔てる門に寄り掛かるように倒れている、薄汚れた何かを目にしたからであった。
「ははっ、ついにここまで来たか・・・」
門の前に捨てられている薄汚れた何か、彼女はそれを動物の死骸だと考えていた。
そして度々あった嫌がらせが、ついにここまで来たのかと彼女は薄く笑う。
「こんな事で負けてやるもんですか、舐めないでよね!全く、こんな事のために生き物を・・・ちょっと待って、これって!?」
そんな嫌がらせをした誰かを威嚇するように吠えたレジーは、その死体を片付けようと近づいていく。
しかし彼女はそこでそれが生き物の、少なくとも死体ではない事に気が付いていた。
「ちょっと貴方!?大丈夫なの!?」
「・・・ぁ・・・ぅ」
レジーがその薄汚れた身体を揺すってみれば、そこには弱り切った少女の姿があった。
「はぁ、何だ・・・ただの行き倒れか。なら、私には関係ないわね」
動物の死体か何かだと思われたそれは、ただの行き倒れであった。
それに安堵したレジーは立ち上がると、そのまま家の中へと向かっていく。
「・・・あぁ、もう!!」
しかしその途中で立ち止まり心底面倒くさそうに頭を掻き毟った彼女は、肩を怒らせながら行き倒れた少女の下へと帰ってくる。
「行き倒れるなら、別の所で行き倒れなさいよね!!こんな所で死なれたら、私の目覚めが悪くなるでしょう!?」
少女の身体を抱きかかえたレジーは、文句を口にしながら家の中へと急ぐ。
その足取りは心なしか、先ほどのものよりも軽いものであった。
「こ、こ・・・は?」
薄く目を開いた少女には、深い疲労の色が窺えた。
彼女の目に映ったのは年季の入った、しかしよく手入れをされているのが窺える家屋の姿であった。
「あ、起きたの?」
ゆっくりと身体を起こし慎重に辺りを窺う少女に、部屋の向こうから声が掛かる。
何かを調理中なのかフライパンを片手に身体を傾けているレジーは、台所と思われるその場所から顔を出していた。
「っ!!?」
その声に飛び起きた少女は慌てて部屋の隅へと逃げ込むと、今度は出口に繋がっているであろう扉へと駆け寄っていた。
「あー、出ていくならどうぞご自由に。ただし、あんたのために用意したこの料理。これまで食べる事になった私が太っちゃったら、あんたのせいだからね」
「・・・料理?俺の分も、あるのか?」
逃げ出そうとする少女を、レジーは止めようとはしない。
しかし彼女が口にした料理という言葉と、そこから漂ってくる美味しそうな匂いに、彼女は思わず足を止めてしまっていた。
「あんた以外、誰がいるって言うのよ?出ていくにしても、せめてそれぐらい食べて行ったら?それぐらいの時間はあるんでしょう?」
「俺は・・・」
レジーの言葉にもそれを断ろうと口を開きかけた少女のお腹から、久しぶりに鳴き声が響く。
「あはははっ、あんたのお腹はもう決めちゃってるみたいだけどね!それで、どうする?」
「・・・ん」
「はいよ、じゃあちょっと待ってな」
顔を真っ赤に染め俯いた少女は短くそう呟くと、近くのテーブルの前の席へと腰を下ろす。
その姿を目にして薄く微笑んだレジーは、調理へと戻ると仕上げへと入る。
「ほら、お待ち。どうせしばらく何も食ってなかったんだろう?だから消化に優しいように粥に・・・って、もう聞いちゃいないか」
レジーが器に乱雑に盛り付け持ってきたのは、麦をたっぷりと煮込んで粥にしたものと、そこに混ぜ溶かした卵であった。
「はふっ、はむっはむっ!!」
よほど空腹であったのか、まるで噛り付くようにしてそれを掻っ込んでいる少女の耳には、もはやどんな言葉は届きはしないかとレジーは肩を竦めている。
「誰も取りゃしないんだ、ゆっくり食いな。じゃなきゃ、喉を詰まらしちまうからね」
少女の向かいの席については片肘をつき、彼女の様子を優しげな表情で眺めているレジーは、余り急いで食べてはいけないと注意している。
「っ!!?んー、んー!!?」
そして案の定、少女は喉を詰まらせてしまっていた。
「あぁもう!言わんこっちゃない!!ほら、これ飲みな!!」
「っ!!ごくっごくっごくっ・・・!!」
レジーは少女のその様子に文句を言いながらも、事前に用意しておいたタンブラーから手早くコップに水を注ぐと、彼女に差し出してやっている。
それを受け取った少女は、一口にそれを飲み干してしまっていた。
「・・・あ、あの!その・・・ありがと、っ!!?」
水を飲み干し一呼吸ついた少女は、顔を逸らしながらレジーにお礼を口にしようとしていた。
しかしそのお腹からは、先ほどのものより大きな鳴き声が響き、彼女は再び顔を真っ赤にしてしまっていた。
「ぷっ!あはははっ!何だい、まだ足りないって言うのかい?いいよ、私の分も食べな食べな!」
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それに戸惑っていた少女も、彼女の優しい表情にやがておずおずとそれへと手を伸ばし始める。
「へー・・・あんた瞳、右と左で色が違うんだね。まるで、お伽噺に出てきた宝石みたい」
少女のぼさぼさの髪が料理と一緒に口に入らないように分けてやっていたレジーは、その瞳の色が左右で違うことに気付いていた。
その色は青緑と赤。
それはまるでお伽噺で聞いた伝説の宝石、アレキサンドライトのようだった。
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