36 / 210
第一章 最果ての街キッパゲルラ
誘い
しおりを挟む
「はー・・・凄いですね、あの後にこれだけの商会を立ち上げるなんて」
ユーリの目の前には、淹れ立ての紅茶が湯気を立てている。
それを淹れてくれた執事の老人は、先ほどから身じろぎ一つせずにその場に立っており、二人の会話を邪魔しないように気配を消している。
ユーリは紅茶を一口啜ると、周囲を見渡していた。
そこには倒壊した建物とそれを片付けている人々、そしてそれを取り囲むように存在する様々な建造物の姿があった。
「はははっ!とんでもない、運に恵まれただけですよ!それにユーリさん、貴方も無関係ではないんですよ?」
それらを身一つでここにやってきてほんの数か月の間で打ち立てた男、マービン・コームズは運に恵まれただけだと朗らかに笑う。
「俺がですか?えっと、どういう事でしょう?」
「おや?ユーリさんがこの街で万霊草を集めているお方だとお聞きしましたが、違いましたかな?」
「あ、それなら確かに俺ですけど・・・それが何か?」
マービンが口にした意味深な言葉に、ユーリは心当たりがないと首を捻る。
そんな彼に対して、マービンは万霊草という言葉を口にしていた。
「おおっ、やはりそうでしたか!では、それで大儲けした商人がいたという話を聞いたことは?」
「あぁ~、何かそういう話もあったとは聞きましたけど。それが何か?」
まだ万霊草の高騰がギルドに知れ渡る前、ある商人がそれを買い占め大儲けした。
そういった話は確かに、ユーリも耳にした事があった。
しかし彼には直接関係ない話だと思い、今日まで特に気にした事はなかったのだ。
「いやね、それが実は私なんですよ」
「えぇ!!?」
そう、今日まで気にした事はなかったのだ。
その大儲けした商人が彼、マービン・コームズであると知るまでは。
「はー・・・そうだったんですね。それでこんな短期間にここまで大きく」
「えぇ、まぁ実はそういう訳なんですよ」
ほとんど身一つでこの街にやってきた商人が、こんな短期間でここまで成功した理由、それは万霊草にあった。
そう明かすマービンに、ユーリは現実感を失ったような気の抜けた声を漏らす。
「それでですね、ユーリさん。私はここで新しい事業を始めようと考えているんです」
「新しい事業ですか?あっ、分かりました!万霊草の栽培でしょう!!」
万霊草で大儲けした商人が何か新しい事業を始めると聞けば、当然そう答える。
身を乗り出して話を切り出したマービンに、ユーリも身を乗り出すと嬉しそうにそれを口にしていた。
「はははっ!確かにそうですな、そう思いますでしょうな!!しかしね、違うのですよこれが」
「はぁ、そうなんですか?」
「えぇ、実はそうなのです!えぇと、そうだな・・・実際に見てもらった方が早いか」
ユーリの当然の思い付きに、マービンは愉快そうに笑い声を上げている。
そしてそれとは別の事業を始めるのだと口にする彼は、何やらポケットを探り始めていた。
「あぁ、あったあった。ユーリさん、これ何か分かりますか?」
マービンがポケットから取り出したのは、星形の赤い実だった。
「えーっと・・・すみません、何かの植物の実だとしか分からないです」
「はははっ!何、謝る必要はありませんぞ!何故なら、私にも分からないのですから!」
それに首を捻り分からないと答えるユーリに、マービンは豪快に笑うと自分にも分からないのだと答えていた。
「ユーリさん、これはね私が昨日ここの周りを散歩した時に拾ったものなのです。たったそれだけの時間歩いただけで、ここではこうしたものが簡単に見つかる。それぐらいここには、未知のものがゴロゴロ転がっているんです。この最果ての街、キッパゲルラにはね」
名前も分からない未知の植物を手の平に乗せながら、マービンはもう片方の手で周りを大きく示している。
それが最後に向かった先には、世界の最果て「グレートウォール」の姿があった。
「私はねユーリさん、これを栽培したいと考えているんですよ。今は名前も分からないものばかりですが、この中にはきっと人々の生活を一変させるような凄いものもある筈なんです!それの栽培に成功すれば、それはきっとこの街の新しい産業になる・・・面白いと思いませんか!?」
キラキラとした瞳で熱く夢を語るマービンは、興奮の余り手にしていた星形の実を潰してしまいそうになって焦っている。
マービンがその手を開いて中身が無事な事にホッと一息ついたのは丁度、ユーリが彼の熱気に当てられた状態から復帰した頃だった。
「え、えぇ!マービンさん、面白いですよそれ!!」
「そう思いますか!いや、ユーリさんなら分かってくれると思っていたんですよ!つきましては一つ提案なのですが―――」
この街に新たな産業を興す、そのマービンのアイデアはユーリにとっても興味深いものだった。
何より、そこには彼の大好きな事務仕事も大量にありそうで、それも興味の要因だった。
「おとーさーーーん!!」
「うわぁ!?ネ、ネロ!?」
そんなユーリに対して、マービンはその手を擦り合わせると何か提案をしようとしていた。
しかしそれを掻き消すように、眩しいほどの笑顔を浮かべた黒い毛玉がユーリの下に飛び込んでくる。
「ねーねー、おとーさんおとーさん!ボク、お片付け手伝ってるんだよ!偉い?ねぇ、偉い?」
「あ、あぁ・・・偉いぞ、ネロ」
「へへへっ!」
押し倒したユーリの胸に頭を擦りつけていたネロは顔を上げると、今度は褒めて褒めてと上目遣いで要求してくる。
その圧力に負けたユーリがその髪を撫でてやると、彼女はさらに激しく頭を擦りつけてくる。
「だ、駄目だよネロ!お話の邪魔しちゃ!」
「ぶー!別にいいじゃーん!・・・あ、分かった。プティ、ボクだけが褒められてるから嫉妬してるんだろー?」
「ち、違うもん!!」
慌てた様子で小走りで駆けてきたプティが、ユーリの上に乗っかっているネロを何とか退かそうと引っ張っている。
それに不満の表情のネロは意地悪に笑うと、彼女に嫉妬しているんだろうと指摘する。
プティはそれに顔を真っ赤に染めると、必死に否定していた。
「ほら、プティもおいで」
「えっ!?うん!えへへへ・・・」
そんな彼女にユーリは手を伸ばすと、その懐へと誘う。
プティはそれに飛び込むと、はにかんではしばらくそこにくっついていた。
「ほら、もう行くよプティ!」
「えー・・・もうちょっとだけ」
「自分がお話の邪魔しちゃ駄目って言ったんだろー!」
「うぅ、分かったよぅ・・・じゃあ、またねおとーさん!」
蕩けた表情のままそこにいつまでも居続けようとするプティに、今度はネロが彼女の腕を引っ張っている。
ネロに引っ張られ立ち上がったプティは、そのまま二人で倒壊した建物の撤去作業へと戻っていく。
こちらに手を振りながら駆けていく二人に、ユーリは席へと戻りながら手を振り返していた。
「お、お帰りお二人さん!はははっ、お父さんに褒められてご機嫌だな!」
「なんだとー!!」
「そ、そんなんじゃないよ!」
撤去作業の現場へと戻る二人に、作業員達から冗談が飛ぶ。
それに二人が大声で返すと、現場からは笑い声が溢れていた。
それは二人が、すっかりこの場所に受け入れられたことを示していた。
「ふむ、これはどこに運べばいいのだ?こっちか?」
「あぁ!?それはそんなに乱暴に扱っちゃ・・・あああぁぁぁ!?」
「ん?崩れてしまったな。どうしてこんな簡単に崩れる作りになっているんだ?」
「それは後でまとめて運ぶためでしょーが!!あぁ・・・また一から集め直さないと」
ただ一人、その例外を除いては。
「す、すみません!うちのものがお騒がせして!!」
「はっはっは!元気でいいじゃないですか!子供はあれぐらい元気な方がいい・・・お子さんですか?」
「えぇ、まぁ。そのようなものです」
「ほぅ、なるほどなるほど・・・」
完全に話の腰を折ってしまった二人の振る舞いに、ユーリはマービンに平謝りしている。
それを笑って許してくれたマービンに、ユーリはホッと一息をつくと席へと戻っていた。
「それでですね、先ほどの話の続きなのですが・・・ユーリさん、うちで働く気はありませんか?」
「・・・えっ?」
席へと戻ったユーリは、安心ついでに紅茶を一口啜る。
その紅茶はいつの間にか淹れ直されていたのか、熱いくらいだった。
そして目の前のマービンが真剣な表情で口にした一言は、それ以上に熱かった。
少なくとも、ユーリにとっては。
ユーリの目の前には、淹れ立ての紅茶が湯気を立てている。
それを淹れてくれた執事の老人は、先ほどから身じろぎ一つせずにその場に立っており、二人の会話を邪魔しないように気配を消している。
ユーリは紅茶を一口啜ると、周囲を見渡していた。
そこには倒壊した建物とそれを片付けている人々、そしてそれを取り囲むように存在する様々な建造物の姿があった。
「はははっ!とんでもない、運に恵まれただけですよ!それにユーリさん、貴方も無関係ではないんですよ?」
それらを身一つでここにやってきてほんの数か月の間で打ち立てた男、マービン・コームズは運に恵まれただけだと朗らかに笑う。
「俺がですか?えっと、どういう事でしょう?」
「おや?ユーリさんがこの街で万霊草を集めているお方だとお聞きしましたが、違いましたかな?」
「あ、それなら確かに俺ですけど・・・それが何か?」
マービンが口にした意味深な言葉に、ユーリは心当たりがないと首を捻る。
そんな彼に対して、マービンは万霊草という言葉を口にしていた。
「おおっ、やはりそうでしたか!では、それで大儲けした商人がいたという話を聞いたことは?」
「あぁ~、何かそういう話もあったとは聞きましたけど。それが何か?」
まだ万霊草の高騰がギルドに知れ渡る前、ある商人がそれを買い占め大儲けした。
そういった話は確かに、ユーリも耳にした事があった。
しかし彼には直接関係ない話だと思い、今日まで特に気にした事はなかったのだ。
「いやね、それが実は私なんですよ」
「えぇ!!?」
そう、今日まで気にした事はなかったのだ。
その大儲けした商人が彼、マービン・コームズであると知るまでは。
「はー・・・そうだったんですね。それでこんな短期間にここまで大きく」
「えぇ、まぁ実はそういう訳なんですよ」
ほとんど身一つでこの街にやってきた商人が、こんな短期間でここまで成功した理由、それは万霊草にあった。
そう明かすマービンに、ユーリは現実感を失ったような気の抜けた声を漏らす。
「それでですね、ユーリさん。私はここで新しい事業を始めようと考えているんです」
「新しい事業ですか?あっ、分かりました!万霊草の栽培でしょう!!」
万霊草で大儲けした商人が何か新しい事業を始めると聞けば、当然そう答える。
身を乗り出して話を切り出したマービンに、ユーリも身を乗り出すと嬉しそうにそれを口にしていた。
「はははっ!確かにそうですな、そう思いますでしょうな!!しかしね、違うのですよこれが」
「はぁ、そうなんですか?」
「えぇ、実はそうなのです!えぇと、そうだな・・・実際に見てもらった方が早いか」
ユーリの当然の思い付きに、マービンは愉快そうに笑い声を上げている。
そしてそれとは別の事業を始めるのだと口にする彼は、何やらポケットを探り始めていた。
「あぁ、あったあった。ユーリさん、これ何か分かりますか?」
マービンがポケットから取り出したのは、星形の赤い実だった。
「えーっと・・・すみません、何かの植物の実だとしか分からないです」
「はははっ!何、謝る必要はありませんぞ!何故なら、私にも分からないのですから!」
それに首を捻り分からないと答えるユーリに、マービンは豪快に笑うと自分にも分からないのだと答えていた。
「ユーリさん、これはね私が昨日ここの周りを散歩した時に拾ったものなのです。たったそれだけの時間歩いただけで、ここではこうしたものが簡単に見つかる。それぐらいここには、未知のものがゴロゴロ転がっているんです。この最果ての街、キッパゲルラにはね」
名前も分からない未知の植物を手の平に乗せながら、マービンはもう片方の手で周りを大きく示している。
それが最後に向かった先には、世界の最果て「グレートウォール」の姿があった。
「私はねユーリさん、これを栽培したいと考えているんですよ。今は名前も分からないものばかりですが、この中にはきっと人々の生活を一変させるような凄いものもある筈なんです!それの栽培に成功すれば、それはきっとこの街の新しい産業になる・・・面白いと思いませんか!?」
キラキラとした瞳で熱く夢を語るマービンは、興奮の余り手にしていた星形の実を潰してしまいそうになって焦っている。
マービンがその手を開いて中身が無事な事にホッと一息ついたのは丁度、ユーリが彼の熱気に当てられた状態から復帰した頃だった。
「え、えぇ!マービンさん、面白いですよそれ!!」
「そう思いますか!いや、ユーリさんなら分かってくれると思っていたんですよ!つきましては一つ提案なのですが―――」
この街に新たな産業を興す、そのマービンのアイデアはユーリにとっても興味深いものだった。
何より、そこには彼の大好きな事務仕事も大量にありそうで、それも興味の要因だった。
「おとーさーーーん!!」
「うわぁ!?ネ、ネロ!?」
そんなユーリに対して、マービンはその手を擦り合わせると何か提案をしようとしていた。
しかしそれを掻き消すように、眩しいほどの笑顔を浮かべた黒い毛玉がユーリの下に飛び込んでくる。
「ねーねー、おとーさんおとーさん!ボク、お片付け手伝ってるんだよ!偉い?ねぇ、偉い?」
「あ、あぁ・・・偉いぞ、ネロ」
「へへへっ!」
押し倒したユーリの胸に頭を擦りつけていたネロは顔を上げると、今度は褒めて褒めてと上目遣いで要求してくる。
その圧力に負けたユーリがその髪を撫でてやると、彼女はさらに激しく頭を擦りつけてくる。
「だ、駄目だよネロ!お話の邪魔しちゃ!」
「ぶー!別にいいじゃーん!・・・あ、分かった。プティ、ボクだけが褒められてるから嫉妬してるんだろー?」
「ち、違うもん!!」
慌てた様子で小走りで駆けてきたプティが、ユーリの上に乗っかっているネロを何とか退かそうと引っ張っている。
それに不満の表情のネロは意地悪に笑うと、彼女に嫉妬しているんだろうと指摘する。
プティはそれに顔を真っ赤に染めると、必死に否定していた。
「ほら、プティもおいで」
「えっ!?うん!えへへへ・・・」
そんな彼女にユーリは手を伸ばすと、その懐へと誘う。
プティはそれに飛び込むと、はにかんではしばらくそこにくっついていた。
「ほら、もう行くよプティ!」
「えー・・・もうちょっとだけ」
「自分がお話の邪魔しちゃ駄目って言ったんだろー!」
「うぅ、分かったよぅ・・・じゃあ、またねおとーさん!」
蕩けた表情のままそこにいつまでも居続けようとするプティに、今度はネロが彼女の腕を引っ張っている。
ネロに引っ張られ立ち上がったプティは、そのまま二人で倒壊した建物の撤去作業へと戻っていく。
こちらに手を振りながら駆けていく二人に、ユーリは席へと戻りながら手を振り返していた。
「お、お帰りお二人さん!はははっ、お父さんに褒められてご機嫌だな!」
「なんだとー!!」
「そ、そんなんじゃないよ!」
撤去作業の現場へと戻る二人に、作業員達から冗談が飛ぶ。
それに二人が大声で返すと、現場からは笑い声が溢れていた。
それは二人が、すっかりこの場所に受け入れられたことを示していた。
「ふむ、これはどこに運べばいいのだ?こっちか?」
「あぁ!?それはそんなに乱暴に扱っちゃ・・・あああぁぁぁ!?」
「ん?崩れてしまったな。どうしてこんな簡単に崩れる作りになっているんだ?」
「それは後でまとめて運ぶためでしょーが!!あぁ・・・また一から集め直さないと」
ただ一人、その例外を除いては。
「す、すみません!うちのものがお騒がせして!!」
「はっはっは!元気でいいじゃないですか!子供はあれぐらい元気な方がいい・・・お子さんですか?」
「えぇ、まぁ。そのようなものです」
「ほぅ、なるほどなるほど・・・」
完全に話の腰を折ってしまった二人の振る舞いに、ユーリはマービンに平謝りしている。
それを笑って許してくれたマービンに、ユーリはホッと一息をつくと席へと戻っていた。
「それでですね、先ほどの話の続きなのですが・・・ユーリさん、うちで働く気はありませんか?」
「・・・えっ?」
席へと戻ったユーリは、安心ついでに紅茶を一口啜る。
その紅茶はいつの間にか淹れ直されていたのか、熱いくらいだった。
そして目の前のマービンが真剣な表情で口にした一言は、それ以上に熱かった。
少なくとも、ユーリにとっては。
4
お気に入りに追加
2,395
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
外れスキル『レベル分配』が覚醒したら無限にレベルが上がるようになったんだが。〜俺を追放してからレベルが上がらなくなったって?知らん〜
純真
ファンタジー
「普通にレベル上げした方が早いじゃない。なんの意味があるのよ」
E級冒険者ヒスイのスキルは、パーティ間でレベルを移動させる『レベル分配』だ。
毎日必死に最弱モンスター【スライム】を倒し続け、自分のレベルをパーティメンバーに分け与えていた。
そんなある日、ヒスイはパーティメンバーに「役立たず」「足でまとい」と罵られ、パーティを追放されてしまう。
しかし、その晩にスキルが覚醒。新たに手に入れたそのスキルは、『元パーティメンバーのレベルが一生上がらなくなる』かわりに『ヒスイは息をするだけでレベルが上がり続ける』というものだった。
そのレベルを新しいパーティメンバーに分け与え、最強のパーティを作ることにしたヒスイ。
『剣聖』や『白夜』と呼ばれるS級冒険者と共に、ヒスイの名は世界中に轟いていく――。
「戯言を。貴様らがいくら成長したところで、私に! ましてや! 魔王様に届くはずがない! 生まれながらの劣等種! それが貴様ら人間だ!」
「――本当にそうか、確かめてやるよ。この俺出来たてホヤホヤの成長をもってな」
これは、『弱き者』が『強き者』になる――ついでに、可愛い女の子と旅をする物語。
※この作品は『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しております。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
異世界転移「スキル無!」~授かったユニークスキルは「なし」ではなく触れたモノを「無」に帰す最強スキルだったようです~
夢・風魔
ファンタジー
林間学校の最中に召喚(誘拐?)された鈴村翔は「スキルが無い役立たずはいらない」と金髪縦ロール女に言われ、その場に取り残された。
しかしそのスキル鑑定は間違っていた。スキルが無いのではなく、転移特典で授かったのは『無』というスキルだったのだ。
とにかく生き残るために行動を起こした翔は、モンスターに襲われていた双子のエルフ姉妹を助ける。
エルフの里へと案内された翔は、林間学校で用意したキャンプ用品一式を使って彼らの食生活を改革することに。
スキル『無』で時々無双。双子の美少女エルフや木に宿る幼女精霊に囲まれ、翔の異世界生活冒険譚は始まった。
*小説家になろう・カクヨムでも投稿しております(完結済み
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
スキル【海】ってなんですか?
陰陽@2作品コミカライズと書籍化準備中
ファンタジー
スキル【海】ってなんですか?〜使えないユニークスキルを貰った筈が、海どころか他人のアイテムボックスにまでつながってたので、商人として成り上がるつもりが、勇者と聖女の鍵を握るスキルとして追われています〜
※書籍化準備中。
※情報の海が解禁してからがある意味本番です。
我が家は代々優秀な魔法使いを排出していた侯爵家。僕はそこの長男で、期待されて挑んだ鑑定。
だけど僕が貰ったスキルは、謎のユニークスキル──〈海〉だった。
期待ハズレとして、婚約も破棄され、弟が家を継ぐことになった。
家を継げる子ども以外は平民として放逐という、貴族の取り決めにより、僕は父さまの弟である、元冒険者の叔父さんの家で、平民として暮らすことになった。
……まあ、そもそも貴族なんて向いてないと思っていたし、僕が好きだったのは、幼なじみで我が家のメイドの娘のミーニャだったから、むしろ有り難いかも。
それに〈海〉があれば、食べるのには困らないよね!僕のところは近くに海がない国だから、魚を売って暮らすのもいいな。
スキルで手に入れたものは、ちゃんと説明もしてくれるから、なんの魚だとか毒があるとか、そういうことも分かるしね!
だけどこのスキル、単純に海につながってたわけじゃなかった。
生命の海は思った通りの効果だったけど。
──時空の海、って、なんだろう?
階段を降りると、光る扉と灰色の扉。
灰色の扉を開いたら、そこは最近亡くなったばかりの、僕のお祖父さまのアイテムボックスの中だった。
アイテムボックスは持ち主が死ぬと、中に入れたものが取り出せなくなると聞いていたけれど……。ここにつながってたなんて!?
灰色の扉はすべて死んだ人のアイテムボックスにつながっている。階段を降りれば降りるほど、大昔に死んだ人のアイテムボックスにつながる扉に通じる。
そうだ!この力を使って、僕は古物商を始めよう!だけど、えっと……、伝説の武器だとか、ドラゴンの素材って……。
おまけに精霊の宿るアイテムって……。
なんでこんなものまで入ってるの!?
失われし伝説の武器を手にした者が次世代の勇者って……。ムリムリムリ!
そっとしておこう……。
仲間と協力しながら、商人として成り上がってみせる!
そう思っていたんだけど……。
どうやら僕のスキルが、勇者と聖女が現れる鍵を握っているらしくて?
そんな時、スキルが新たに進化する。
──情報の海って、なんなの!?
元婚約者も追いかけてきて、いったい僕、どうなっちゃうの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる