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決戦、エイルアン城
決着 1
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背中に掛かる重量に失っていたのは意識だろうか、それともこの命だろうか。
オーデンの巨大な足の踏み潰されているクロードは、ゆっくりとその意識を取り戻していた。
「くっ、こいつ!まだこれだけの力を・・・!!」
オーデンの足裏に縫いとめられているクロードは、その分厚い肉によって見える景色を限定されている。
それでも周りで戦っている仲間達が、苦戦している様子は見て取れた。
彼らは一度勝利したと確信した事で心が緩んでしまっている、それを再び引き締め全力を発揮するのは難しいだろう。
それに彼らはすでに全力を振り絞り死力を尽くしてしまっている、消耗した身体はその力を弱めてしまっているし、それにいつの間にか共闘していたゴブリン達の姿も見えなくなってしまっていた。
『はっはぁ!!わざわざ止血してくれて、どうもありがとう!!!』
腕を切り落とされ、腹から胸元を大きく切り裂かれたオーデンは、そのままならばどうやっても出血多量で死んでしまう運命だった。
しかしその身体を射抜いた雷撃が、彼の傷口を焼き尽くし、結果的に止血する事になってしまっていた。
すでに死体に変わらないように見えるその姿も、心臓を浅くはない程度に貫かれても動けてしまう彼の生命力を考えれば、時間を掛ければ回復してしまうかもしれない。
オーデンの周りを取り囲み、今度こそ止めを刺そうと奮闘するレオン達の表情には、一様に焦りの色が浮かんでいた。
「クラリッサ、魔力は!?」
「もう・・・!でも、いざとなれば私が!!」
焦りの色が濃い声でエミリアがクラリッサへと、その魔力の残量を尋ねる。
元々威力が高く、物理攻撃に耐性が高そうなオーデンには彼女の魔法が有効となるだろう。
しかし先ほど止めを刺すために放った魔法が、最後の魔力を振り絞ったものであったクラリッサは、エミリアの問い掛けに悔しそうに首を振っていた。
しかし彼女は、握り締めた杖をオーデンへと向けると、集中を高めて魔力を振り絞り始める。
その顔からは一気に血の気が引いていくが、彼女はたとえ命と引き換えにしてもそれを放つと覚悟を決めていた。
「駄目にゃ、クララ!!そんなことしたら死んじゃうにゃ!!!」
「私は・・・私はいいのティオ!クロード様を助けるためなら・・・!」
クラリッサの決死の覚悟を察したティオフィラは、彼女を止めようと涙ながらに訴えかける。
その訴えに僅かに揺らいだ表情を見せたクラリッサだが、彼女はオーデンに踏みつけられているクロードに視線を向けると、さらに食いしばって魔力を高め始めていた。
「・・・やらせない」
「いいぞ、イダ!そのまま押さえてろ、おっらぁぁぁ!!!」
彼女を止めるには言葉よりも行動だと考えたイダは、クロードを助けるために彼を踏みつけているオーデンの足裏へと盾を差し込んでいた。
イダの行動を目にしたレオンは、それに援護するようにオーデンの足へと切りかかっていく。
復活したように見えるオーデンも、その実負っているダメージは深く動きも鈍い、そのため切りかかってきたレオンに対応できずに、その足を切り裂かれてしまっていた。
「よし、いいぞイダ!持ち上げろ!!」
「・・・ん」
切り裂かれた痛みによって踏みつける圧力を弱めたオーデンの足裏に、イダは盾を深く差し込んでいく。
レオンの合図を待つ事なくそれを持ち上げ始めた彼女は、その小柄な体躯に見合わない力を見せ、クロードの身体に掛かる圧力を少しずつ軽くしていった。
「シラク、こっちだ!早く手を伸ばせ!!」
「あ、あぁ・・・」
イダがこじ開けた隙間に素早く身体を差し込んだレオンは、潰されかけているクロードへと手を伸ばす。
衝撃と圧力によって意識を朦朧とさせているクロードは、その声に反応してゆっくりと手を伸ばしていた。
『好き放題、やってんじゃねぇよ!!』
レオンの攻撃には対応できなかったオーデンも、いつまでも彼らの勝手を許すわけもない。
自らの足元に身体を差し込んでいるレオンを狙って斧を放つ彼に、今度はレオンが対応する術がなかった。
「危ない、レオン!!」
クロードへと手を伸ばし、無防備な身体を晒しているレオンの身体にオーデンの斧が迫る。
その切っ先が彼に届く前に、その軌道へと割り込んだのは、盾を構えたアンナだった。
「ぐっ!!レオン、早く・・・長くは、持たない」
「あぁ!分かってる!シラク、早く!!早く手を伸ばせ!!!」
何とかオーデンの攻撃を受け止めたアンナだったが、その重さに弾き飛ばされそうな身体を抑えるのに精一杯だった。
段々と増していくオーデンの圧力に、それは長くは持たないだろう。
アンナのその悲痛な叫びに頷いたレオンは、さらに身体をオーデンの足裏へと潜り込ませてクロードへと手を伸ばす。
クロードのそれに向かって、必死に指を伸ばしていた。
『舐っめるなぁぁぁっ!!!』
いくら片手になったといえど、小柄なアンナ一人に攻撃を抑えられるほど弱ってはいない。
自らが犯そうとしていた少女一人に見事に攻撃を受け止められて、プライドを傷つけられたオーデンはその怒りを残った片腕に乗せて、力を振り絞る。
その力は人間に抑えられるようなレベルではない、必死に盾を構えていたアンナは、その圧倒的な力に弾き飛ばされていた。
「きゃああぁぁっ!!?」
「アンナ!?ぐっ!!?」
オーデンの圧倒的な力に堪えきれず弾き飛ばされてしまったアンナは、その方向にレオンも巻き込んでしまう。
後もう少しでクロードの指を掴める所までいっていたレオンは、弾き飛ばされたアンナに気づいて声を上げるが、どちらを優先すべきか迷った一瞬に、どちらにも対応できずに巻き込まれてしまっていた。
オーデンの巨大な足の踏み潰されているクロードは、ゆっくりとその意識を取り戻していた。
「くっ、こいつ!まだこれだけの力を・・・!!」
オーデンの足裏に縫いとめられているクロードは、その分厚い肉によって見える景色を限定されている。
それでも周りで戦っている仲間達が、苦戦している様子は見て取れた。
彼らは一度勝利したと確信した事で心が緩んでしまっている、それを再び引き締め全力を発揮するのは難しいだろう。
それに彼らはすでに全力を振り絞り死力を尽くしてしまっている、消耗した身体はその力を弱めてしまっているし、それにいつの間にか共闘していたゴブリン達の姿も見えなくなってしまっていた。
『はっはぁ!!わざわざ止血してくれて、どうもありがとう!!!』
腕を切り落とされ、腹から胸元を大きく切り裂かれたオーデンは、そのままならばどうやっても出血多量で死んでしまう運命だった。
しかしその身体を射抜いた雷撃が、彼の傷口を焼き尽くし、結果的に止血する事になってしまっていた。
すでに死体に変わらないように見えるその姿も、心臓を浅くはない程度に貫かれても動けてしまう彼の生命力を考えれば、時間を掛ければ回復してしまうかもしれない。
オーデンの周りを取り囲み、今度こそ止めを刺そうと奮闘するレオン達の表情には、一様に焦りの色が浮かんでいた。
「クラリッサ、魔力は!?」
「もう・・・!でも、いざとなれば私が!!」
焦りの色が濃い声でエミリアがクラリッサへと、その魔力の残量を尋ねる。
元々威力が高く、物理攻撃に耐性が高そうなオーデンには彼女の魔法が有効となるだろう。
しかし先ほど止めを刺すために放った魔法が、最後の魔力を振り絞ったものであったクラリッサは、エミリアの問い掛けに悔しそうに首を振っていた。
しかし彼女は、握り締めた杖をオーデンへと向けると、集中を高めて魔力を振り絞り始める。
その顔からは一気に血の気が引いていくが、彼女はたとえ命と引き換えにしてもそれを放つと覚悟を決めていた。
「駄目にゃ、クララ!!そんなことしたら死んじゃうにゃ!!!」
「私は・・・私はいいのティオ!クロード様を助けるためなら・・・!」
クラリッサの決死の覚悟を察したティオフィラは、彼女を止めようと涙ながらに訴えかける。
その訴えに僅かに揺らいだ表情を見せたクラリッサだが、彼女はオーデンに踏みつけられているクロードに視線を向けると、さらに食いしばって魔力を高め始めていた。
「・・・やらせない」
「いいぞ、イダ!そのまま押さえてろ、おっらぁぁぁ!!!」
彼女を止めるには言葉よりも行動だと考えたイダは、クロードを助けるために彼を踏みつけているオーデンの足裏へと盾を差し込んでいた。
イダの行動を目にしたレオンは、それに援護するようにオーデンの足へと切りかかっていく。
復活したように見えるオーデンも、その実負っているダメージは深く動きも鈍い、そのため切りかかってきたレオンに対応できずに、その足を切り裂かれてしまっていた。
「よし、いいぞイダ!持ち上げろ!!」
「・・・ん」
切り裂かれた痛みによって踏みつける圧力を弱めたオーデンの足裏に、イダは盾を深く差し込んでいく。
レオンの合図を待つ事なくそれを持ち上げ始めた彼女は、その小柄な体躯に見合わない力を見せ、クロードの身体に掛かる圧力を少しずつ軽くしていった。
「シラク、こっちだ!早く手を伸ばせ!!」
「あ、あぁ・・・」
イダがこじ開けた隙間に素早く身体を差し込んだレオンは、潰されかけているクロードへと手を伸ばす。
衝撃と圧力によって意識を朦朧とさせているクロードは、その声に反応してゆっくりと手を伸ばしていた。
『好き放題、やってんじゃねぇよ!!』
レオンの攻撃には対応できなかったオーデンも、いつまでも彼らの勝手を許すわけもない。
自らの足元に身体を差し込んでいるレオンを狙って斧を放つ彼に、今度はレオンが対応する術がなかった。
「危ない、レオン!!」
クロードへと手を伸ばし、無防備な身体を晒しているレオンの身体にオーデンの斧が迫る。
その切っ先が彼に届く前に、その軌道へと割り込んだのは、盾を構えたアンナだった。
「ぐっ!!レオン、早く・・・長くは、持たない」
「あぁ!分かってる!シラク、早く!!早く手を伸ばせ!!!」
何とかオーデンの攻撃を受け止めたアンナだったが、その重さに弾き飛ばされそうな身体を抑えるのに精一杯だった。
段々と増していくオーデンの圧力に、それは長くは持たないだろう。
アンナのその悲痛な叫びに頷いたレオンは、さらに身体をオーデンの足裏へと潜り込ませてクロードへと手を伸ばす。
クロードのそれに向かって、必死に指を伸ばしていた。
『舐っめるなぁぁぁっ!!!』
いくら片手になったといえど、小柄なアンナ一人に攻撃を抑えられるほど弱ってはいない。
自らが犯そうとしていた少女一人に見事に攻撃を受け止められて、プライドを傷つけられたオーデンはその怒りを残った片腕に乗せて、力を振り絞る。
その力は人間に抑えられるようなレベルではない、必死に盾を構えていたアンナは、その圧倒的な力に弾き飛ばされていた。
「きゃああぁぁっ!!?」
「アンナ!?ぐっ!!?」
オーデンの圧倒的な力に堪えきれず弾き飛ばされてしまったアンナは、その方向にレオンも巻き込んでしまう。
後もう少しでクロードの指を掴める所までいっていたレオンは、弾き飛ばされたアンナに気づいて声を上げるが、どちらを優先すべきか迷った一瞬に、どちらにも対応できずに巻き込まれてしまっていた。
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