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希望はのんびりスローライフ
トゥルニエとエミリア
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「それで、どうなさるおつもりなのです、おじ様?やたらと武具の修繕を気にしていたようだけど?」
クロードと少女達が立ち去って静かになった家屋の中に、涼やかな声が響く。
椅子に深々と腰を掛けて、腕を組んでは何事か考えていたトゥルニエへと声を掛けてきたエミリアは、部屋の隅の壁へと体重を預けていた。
「エミリアか、お前はついて行かなくていいのか?」
「私はっ・・・!私は、戦況の方が気になりますからっ」
トゥルニエが彼女に返した言葉に、他意はなかっただろう。
彼女がそれに過剰に反応して声を荒げかけたのは、内心それが気になっていたからに他ならない。
「そうか・・・戦況が気になるんだったな?」
「えぇ、必要ならば私も戦います!」
「では、頼む。彼のおかげで、減る一方だった戦力が回復する見込みが立った。ここで一つ反撃に出てみようと思う。それにはエミリア、お前達の力も必要だ」
エミリアの参戦の申し出は、断れることを前提とした言葉だった。
そのためあっさりと了承された申し出に、彼女は反応することは出来ない。
トゥルニエそんな彼女の様子を気にする素振りを見せずに、淡々とまとめた考えを口にしていた。
「あれ?お父様、クロード様は?」
「戻ってきたか、アンナ。悪いが、レオンを呼んできてくれないか?」
「レオン君を?いいけど・・・」
「頼んだぞ」
クロードによって直された器に、なみなみと薬草茶を注いで戻ってきたアンナは、消えてしまった彼の姿に疑問の声を上げる。
彼女は部屋の隅にいるエミリアの姿を見つけると、彼女の方へ向けてお盆から机へと器を移す。
父親からレオンと呼ばれた存在をつれて来るように頼まれた彼女は、疑問を覚えながらも彼に従って何処かへと向かっていく。
「レオン・・・?おじ様!!なんで、あいつなんかをっ!!?」
「彼は若いが腕は立つ、知っているだろう?」
「それはっ・・・!!でも、でもあいつは裏切り者ですっ!!」
急な展開に思考を停止させていたエミリアは、レオンの名前を聞くと声を荒げる。
彼女の反応はトゥルニエには予想通りなのか、特に動揺することもなく淡々と言葉を返していた。
彼女はそれに一瞬だけ言葉を詰まらせるが、より強い口調で言葉を吐き出してみせる。
「正確には・・・裏切り者の息子だが、な」
「同じ事です!あいつの、あいつの父親やった事は、許される事じゃない!!そんな奴を使ってまで、おじ様・・・あなたは一体なにをっ!?」
エミリアの激しい口調にも、トゥルニエの冷静な態度は揺るがない。
彼はどこか遠くを見るようの瞳で、溜め息を吐くようにして言葉を紡いでいた。
そんな彼の様子を、激昂したエミリアが気付くはずもない。
彼女はつかつかと彼へと詰め寄ると、机を叩いて不満をアピールしていた。
「なに、向こうの指揮官、ボスを倒そうと思ってな・・・ファロ、ギャロワ!!主だった隊長を集めさせろ!!!作戦を説明するっ!!」
軽い口調で、こちらを睨みつけるエミリアへと作戦を語ったトゥルニエは、そのまま立ち上がると大声を張り上げる。
彼は半壊した家屋から外へと歩み出ると、駆け寄ってきた隊長らしい男達へと指示を下す。
にわかに騒がしくなっていく物音に、戦いの再開の予感が高まっていった。
「・・・あちちっ」
トゥルニエの迫力押されて、思わず椅子へと腰を下ろしてしまったエミリアは、まだ湯気の上っている薬草茶を口につける。
熱い液体に火傷した舌は、それを僅かな量だけ啜って通す。
淹れたての薬草茶は苦く、エミリアは白い息を吐いていた。
クロードと少女達が立ち去って静かになった家屋の中に、涼やかな声が響く。
椅子に深々と腰を掛けて、腕を組んでは何事か考えていたトゥルニエへと声を掛けてきたエミリアは、部屋の隅の壁へと体重を預けていた。
「エミリアか、お前はついて行かなくていいのか?」
「私はっ・・・!私は、戦況の方が気になりますからっ」
トゥルニエが彼女に返した言葉に、他意はなかっただろう。
彼女がそれに過剰に反応して声を荒げかけたのは、内心それが気になっていたからに他ならない。
「そうか・・・戦況が気になるんだったな?」
「えぇ、必要ならば私も戦います!」
「では、頼む。彼のおかげで、減る一方だった戦力が回復する見込みが立った。ここで一つ反撃に出てみようと思う。それにはエミリア、お前達の力も必要だ」
エミリアの参戦の申し出は、断れることを前提とした言葉だった。
そのためあっさりと了承された申し出に、彼女は反応することは出来ない。
トゥルニエそんな彼女の様子を気にする素振りを見せずに、淡々とまとめた考えを口にしていた。
「あれ?お父様、クロード様は?」
「戻ってきたか、アンナ。悪いが、レオンを呼んできてくれないか?」
「レオン君を?いいけど・・・」
「頼んだぞ」
クロードによって直された器に、なみなみと薬草茶を注いで戻ってきたアンナは、消えてしまった彼の姿に疑問の声を上げる。
彼女は部屋の隅にいるエミリアの姿を見つけると、彼女の方へ向けてお盆から机へと器を移す。
父親からレオンと呼ばれた存在をつれて来るように頼まれた彼女は、疑問を覚えながらも彼に従って何処かへと向かっていく。
「レオン・・・?おじ様!!なんで、あいつなんかをっ!!?」
「彼は若いが腕は立つ、知っているだろう?」
「それはっ・・・!!でも、でもあいつは裏切り者ですっ!!」
急な展開に思考を停止させていたエミリアは、レオンの名前を聞くと声を荒げる。
彼女の反応はトゥルニエには予想通りなのか、特に動揺することもなく淡々と言葉を返していた。
彼女はそれに一瞬だけ言葉を詰まらせるが、より強い口調で言葉を吐き出してみせる。
「正確には・・・裏切り者の息子だが、な」
「同じ事です!あいつの、あいつの父親やった事は、許される事じゃない!!そんな奴を使ってまで、おじ様・・・あなたは一体なにをっ!?」
エミリアの激しい口調にも、トゥルニエの冷静な態度は揺るがない。
彼はどこか遠くを見るようの瞳で、溜め息を吐くようにして言葉を紡いでいた。
そんな彼の様子を、激昂したエミリアが気付くはずもない。
彼女はつかつかと彼へと詰め寄ると、机を叩いて不満をアピールしていた。
「なに、向こうの指揮官、ボスを倒そうと思ってな・・・ファロ、ギャロワ!!主だった隊長を集めさせろ!!!作戦を説明するっ!!」
軽い口調で、こちらを睨みつけるエミリアへと作戦を語ったトゥルニエは、そのまま立ち上がると大声を張り上げる。
彼は半壊した家屋から外へと歩み出ると、駆け寄ってきた隊長らしい男達へと指示を下す。
にわかに騒がしくなっていく物音に、戦いの再開の予感が高まっていった。
「・・・あちちっ」
トゥルニエの迫力押されて、思わず椅子へと腰を下ろしてしまったエミリアは、まだ湯気の上っている薬草茶を口につける。
熱い液体に火傷した舌は、それを僅かな量だけ啜って通す。
淹れたての薬草茶は苦く、エミリアは白い息を吐いていた。
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