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トージロー
必勝法
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「闇の翼!!狼達の饗宴!!蝙蝠の嵐!!」
広がる漆黒の翼は昼間の太陽を覆い、周囲をまるで夜かのように暗闇へと閉ざす。
それはその周囲を丸ごと、影にしてしまう事を意味していた。
その影を操り、そこから無数の腕を生み出したドラクロワは、それで目の前のトージローへと襲い掛かる。
そして彼の本当の腕は二対の狼へと変わり、これも巨大な顎を剝き出してトージローへと襲い掛かっていた。
さらにドラクロワの下半身は無数の蝙蝠へと変化し、それは竜巻のような姿となってトージローの身体を切り裂こうとする。
「ふははははっ!!どうだ、流石の貴様もこれほどの同時攻撃の前には為す術がなかろう!!!」
それは絶対に回避不可能な、同時攻撃であった。
それを繰り出しては勝利を確信した笑いを響かせるドラクロワは、それを避ける術などないと断言する。
そしてそれは、間違いではなかった。
「ほぁ?もう夜かいのぅ?最近は日が落ちるのが早いのぉ・・・」
回避不可能な同時攻撃に、トージローはそれを為す術なく食らっていた。
そしてそれを全て食らっている真っ最中の彼は、そんな事を気にも留めず、突然暗くなった辺りの様子を訝しんでは、のんびりと首を捻っていた。
「何故だぁぁぁ!!?何故効かない!!?どうしてそう平気な顔していられるのだぁぁぁ!!!?」
激しい攻撃の嵐に晒されながらも、まるで穏やかな日だまりに佇んでいるようにのんびりとしているトージローの姿に、ドラクロワは頭を抱え叫んでいる。
その目は血走り、頭を掻き毟った彼の指先からは抉れ取られた頭皮がぽろぽろと零れてしまっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ふふ、ふふふ、はははははっ!!流石はあの男が召喚した、異なる世界の勇者といった所か!!この程度の攻撃にやられてしまっては、逆にこっちが困ってしまうところだったぞ!!」
激しい気の動転に呼吸を乱しているドラクロワは、それを整えると今度は顔を押さえて笑い出してしまっていた。
そして彼は相手の実力を褒める事によって、自らの攻撃が失敗ではなかったと宣言していた。
「しかし!その態度は何なのだ!!碌に得物すら抜かないとは、それで本当に私に戦う気があるといえるのか!?失礼ではないか!!」
そして顔を覆っていた手をトージローへと伸ばしたドラクロワは、彼がその腰に下げた得物すら抜いていない事を失礼だと憤る。
それは確かに尤もな指摘であったが、彼は知らなかったのだ、それが彼にとってどんなに危険な事を意味するのかを。
「おぉ、これか?何じゃ、これが見たかったのか。ええぞええぞ、どれ・・・ちっと、わしの恰好いいところでも見せてやるかのぅ」
ドラクロワの言葉に、自らの腰に差した剣を手に取ったトージローは、それを嬉しそうに振りかぶって見せている。
「ふんっ、ようやく戦う気になったか!いいだろう、これまでこちらが一方的に攻撃してきたのだ、一度そちらに譲って―――」
ようやく剣を取ったトージローに、ドラクロワはこれでようやくまともな戦いが出来ると鼻を鳴らしている。
そして彼はこれまで一方的にこちらが攻撃をしてきたのだからと、腕を伸ばしてはトージローにその機会を譲ろうとしていた。
その指先を、何かが掠めて通り過ぎていく。
「何だ?何が・・・ひっ!?」
余りの一瞬の事で何が起こったか分からないドラクロワに目に映ったのは、自らの欠けた指先だけ。
そしてそれがあった場所に出来た巨大な亀裂を辿った彼は、それがどこまでも続いているのを目にしては引き攣った悲鳴を上げていた。
「ふぉ、ふぉ、ふぉ!何だか楽しくなってきたのぅ!まだまだいくぞい!ほれほれ!!」
「ちょ、ちょっと待て!?何なのだ、その力は!!?そんな力、聞いたことも・・・まさか彼女の言っていたのは貴様の・・・うおおおぉぉぉ!!?」
身体を動かすことで少し楽しくなってきたのか、トージローはノリノリの様子で再び剣を振るう。
それをドラクロワは慌てて止めようとするが、それが間に合う訳もなかった。
「お、おい・・・何か凄くないか、あれ?もしかして、ここに集まってきてるゾンビ共を狙ってんのか?ほら、今も!お前も見たろ!?」
「あ、あぁ凄ぇ・・・俺、あんなの見たことねぇぞ」
「そ、そうだよな?俺、デリックさんが戦ってるのを間近で見たことがあるけど・・・それと比べったって、次元が違うぞありゃ」
トージローが次々と繰り出す攻撃に、ドラクロワは悲鳴を上げながらただただ必死に避けることしか出来ない。
その情けない姿と、トージローのとんでもない力を目撃した野次馬達は、口々にそれへの驚きを口にしていた。
しかもその攻撃は狙ってかどうかは分からないが、この広場へと集まってきていたドラクロワに支配された住民達を蹴散らしており、それにより彼れらはそれらの脅威から解放されたようだった。
「ふふん、どうよ!これが私の勇者、トージローの実力よ!」
そんな野次馬達の反応に、カレンは胸を張っては誇らしそうにしている。
トージローは今まで何度もその圧倒的な力を見せていたが、それはあくまでもごく限られた人間の前だけであった。
それがこうして、初めて衆目に晒されたのだ。
その檜舞台の姿に、カレンは腰に手を当てては、嬉しそうに顔を傾かせていた。
「これはもう勝ったも同然ね!やっちゃいなさい、トージロー!!」
腕を組み、勝利を確信するカレンは、このまま止めを刺してしまえと号令を下す。
その余裕の表情は、もはやここから逆転することなど微塵も考えていない態度であった。
「や、止めてくれ!!もういい、もうたくさんだ!!」
その号令に従うように、トージローはドラクロワに猛攻を加えている。
それを何とか避け続けていたドラクロワもやがて限界を迎え、彼は地面へと蹲ると手を伸ばしては必死に止めてくれるように懇願していた。
「ふんっ、そんなのが通用するわけ―――」
「何じゃ、もうええのか?」
「ちょ!?嘘でしょ!?何やってんのよ!!?」
そんなドラクロワの言葉に、そんなものが通るわけがないと高を括るカレンはしかし、それにあっさりと手にした剣を捨てたトージローに驚きの声を上げている。
「トージロー、駄目だってば!ほら、すぐにそれを拾って!!そいつをやっつけるの!!」
「はぁ、腹が減ったのぅ。飯はまだかいのぅ・・・」
「あぁ、もう!!こんな時にぃぃぃ!!!」
トージローの突然の行動に、カレンは必死に剣を拾うように急かしている。
しかし彼はそんな声は聞こえもしないと明後日の方へと顔を向けると、お腹を押さえてはいつものセリフを呟いていた。
その言葉に、カレンは頭を抱えて叫んでいる。
「ふふふ、はははは、はーっはっはっは!!!そうか、そういう事だったのか!!」
そのトージローとカレンの姿に、地面に蹲っていたドラクロワは突然笑いだすと、何かに気がついた様子を見せていた。
「・・・やはりな」
そして彼は立ち上がり、ぼんやりと佇むトージローの横を慎重に通り過ぎていく。
少し腕を振るえば届く距離を通り過ぎるドラクロワにも、トージローは反応することなくそれを素通りさせてしまう。
そのトージローの反応に、ドラクロワは自らの考えが正しかったのだと、ニヤリと笑って見せていた。
「分かったぞ、この男の攻略法が!!」
そしてトージローを通り過ぎ、カレン達の前へと進み出たドラクロワは、彼らに指を突きつけるとトージローの倒し方を見つけたと叫んでいた。
「な、何よそれ!あんたなんかに、トージローが倒せる訳ないでしょ!!」
「そうですわ!トージロー様は、無敵です!!」
「そうだそうだ!!」
「・・・完全無敵」
その言葉に、カレンを筆頭としたトージローの支持者達が反論する。
彼らはトージローの圧倒的な力を知っており、それが倒されるなど想像することも出来ないと口にしていた。
「ちっちっちっ・・・誰がこの男を倒すといった?そんな事をする必要などないのだ!!何故なら、この男は私に敵意など抱いていないのだからな!!」
カレン達の反論に、ドラクロワは唇の前で指を振ってはそれは違うと指摘する。
そして両手を広げ、その背中のマント翻した彼は宣言していた。
そもそも、トージローと戦う必要などないのだと。
「・・・あ」
それを指摘されたカレンは言葉失い、その口をあんぐりと開けている。
それはそれが彼女にも、全く反論出来ない事実であったからだ。
広がる漆黒の翼は昼間の太陽を覆い、周囲をまるで夜かのように暗闇へと閉ざす。
それはその周囲を丸ごと、影にしてしまう事を意味していた。
その影を操り、そこから無数の腕を生み出したドラクロワは、それで目の前のトージローへと襲い掛かる。
そして彼の本当の腕は二対の狼へと変わり、これも巨大な顎を剝き出してトージローへと襲い掛かっていた。
さらにドラクロワの下半身は無数の蝙蝠へと変化し、それは竜巻のような姿となってトージローの身体を切り裂こうとする。
「ふははははっ!!どうだ、流石の貴様もこれほどの同時攻撃の前には為す術がなかろう!!!」
それは絶対に回避不可能な、同時攻撃であった。
それを繰り出しては勝利を確信した笑いを響かせるドラクロワは、それを避ける術などないと断言する。
そしてそれは、間違いではなかった。
「ほぁ?もう夜かいのぅ?最近は日が落ちるのが早いのぉ・・・」
回避不可能な同時攻撃に、トージローはそれを為す術なく食らっていた。
そしてそれを全て食らっている真っ最中の彼は、そんな事を気にも留めず、突然暗くなった辺りの様子を訝しんでは、のんびりと首を捻っていた。
「何故だぁぁぁ!!?何故効かない!!?どうしてそう平気な顔していられるのだぁぁぁ!!!?」
激しい攻撃の嵐に晒されながらも、まるで穏やかな日だまりに佇んでいるようにのんびりとしているトージローの姿に、ドラクロワは頭を抱え叫んでいる。
その目は血走り、頭を掻き毟った彼の指先からは抉れ取られた頭皮がぽろぽろと零れてしまっていた。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・ふふ、ふふふ、はははははっ!!流石はあの男が召喚した、異なる世界の勇者といった所か!!この程度の攻撃にやられてしまっては、逆にこっちが困ってしまうところだったぞ!!」
激しい気の動転に呼吸を乱しているドラクロワは、それを整えると今度は顔を押さえて笑い出してしまっていた。
そして彼は相手の実力を褒める事によって、自らの攻撃が失敗ではなかったと宣言していた。
「しかし!その態度は何なのだ!!碌に得物すら抜かないとは、それで本当に私に戦う気があるといえるのか!?失礼ではないか!!」
そして顔を覆っていた手をトージローへと伸ばしたドラクロワは、彼がその腰に下げた得物すら抜いていない事を失礼だと憤る。
それは確かに尤もな指摘であったが、彼は知らなかったのだ、それが彼にとってどんなに危険な事を意味するのかを。
「おぉ、これか?何じゃ、これが見たかったのか。ええぞええぞ、どれ・・・ちっと、わしの恰好いいところでも見せてやるかのぅ」
ドラクロワの言葉に、自らの腰に差した剣を手に取ったトージローは、それを嬉しそうに振りかぶって見せている。
「ふんっ、ようやく戦う気になったか!いいだろう、これまでこちらが一方的に攻撃してきたのだ、一度そちらに譲って―――」
ようやく剣を取ったトージローに、ドラクロワはこれでようやくまともな戦いが出来ると鼻を鳴らしている。
そして彼はこれまで一方的にこちらが攻撃をしてきたのだからと、腕を伸ばしてはトージローにその機会を譲ろうとしていた。
その指先を、何かが掠めて通り過ぎていく。
「何だ?何が・・・ひっ!?」
余りの一瞬の事で何が起こったか分からないドラクロワに目に映ったのは、自らの欠けた指先だけ。
そしてそれがあった場所に出来た巨大な亀裂を辿った彼は、それがどこまでも続いているのを目にしては引き攣った悲鳴を上げていた。
「ふぉ、ふぉ、ふぉ!何だか楽しくなってきたのぅ!まだまだいくぞい!ほれほれ!!」
「ちょ、ちょっと待て!?何なのだ、その力は!!?そんな力、聞いたことも・・・まさか彼女の言っていたのは貴様の・・・うおおおぉぉぉ!!?」
身体を動かすことで少し楽しくなってきたのか、トージローはノリノリの様子で再び剣を振るう。
それをドラクロワは慌てて止めようとするが、それが間に合う訳もなかった。
「お、おい・・・何か凄くないか、あれ?もしかして、ここに集まってきてるゾンビ共を狙ってんのか?ほら、今も!お前も見たろ!?」
「あ、あぁ凄ぇ・・・俺、あんなの見たことねぇぞ」
「そ、そうだよな?俺、デリックさんが戦ってるのを間近で見たことがあるけど・・・それと比べったって、次元が違うぞありゃ」
トージローが次々と繰り出す攻撃に、ドラクロワは悲鳴を上げながらただただ必死に避けることしか出来ない。
その情けない姿と、トージローのとんでもない力を目撃した野次馬達は、口々にそれへの驚きを口にしていた。
しかもその攻撃は狙ってかどうかは分からないが、この広場へと集まってきていたドラクロワに支配された住民達を蹴散らしており、それにより彼れらはそれらの脅威から解放されたようだった。
「ふふん、どうよ!これが私の勇者、トージローの実力よ!」
そんな野次馬達の反応に、カレンは胸を張っては誇らしそうにしている。
トージローは今まで何度もその圧倒的な力を見せていたが、それはあくまでもごく限られた人間の前だけであった。
それがこうして、初めて衆目に晒されたのだ。
その檜舞台の姿に、カレンは腰に手を当てては、嬉しそうに顔を傾かせていた。
「これはもう勝ったも同然ね!やっちゃいなさい、トージロー!!」
腕を組み、勝利を確信するカレンは、このまま止めを刺してしまえと号令を下す。
その余裕の表情は、もはやここから逆転することなど微塵も考えていない態度であった。
「や、止めてくれ!!もういい、もうたくさんだ!!」
その号令に従うように、トージローはドラクロワに猛攻を加えている。
それを何とか避け続けていたドラクロワもやがて限界を迎え、彼は地面へと蹲ると手を伸ばしては必死に止めてくれるように懇願していた。
「ふんっ、そんなのが通用するわけ―――」
「何じゃ、もうええのか?」
「ちょ!?嘘でしょ!?何やってんのよ!!?」
そんなドラクロワの言葉に、そんなものが通るわけがないと高を括るカレンはしかし、それにあっさりと手にした剣を捨てたトージローに驚きの声を上げている。
「トージロー、駄目だってば!ほら、すぐにそれを拾って!!そいつをやっつけるの!!」
「はぁ、腹が減ったのぅ。飯はまだかいのぅ・・・」
「あぁ、もう!!こんな時にぃぃぃ!!!」
トージローの突然の行動に、カレンは必死に剣を拾うように急かしている。
しかし彼はそんな声は聞こえもしないと明後日の方へと顔を向けると、お腹を押さえてはいつものセリフを呟いていた。
その言葉に、カレンは頭を抱えて叫んでいる。
「ふふふ、はははは、はーっはっはっは!!!そうか、そういう事だったのか!!」
そのトージローとカレンの姿に、地面に蹲っていたドラクロワは突然笑いだすと、何かに気がついた様子を見せていた。
「・・・やはりな」
そして彼は立ち上がり、ぼんやりと佇むトージローの横を慎重に通り過ぎていく。
少し腕を振るえば届く距離を通り過ぎるドラクロワにも、トージローは反応することなくそれを素通りさせてしまう。
そのトージローの反応に、ドラクロワは自らの考えが正しかったのだと、ニヤリと笑って見せていた。
「分かったぞ、この男の攻略法が!!」
そしてトージローを通り過ぎ、カレン達の前へと進み出たドラクロワは、彼らに指を突きつけるとトージローの倒し方を見つけたと叫んでいた。
「な、何よそれ!あんたなんかに、トージローが倒せる訳ないでしょ!!」
「そうですわ!トージロー様は、無敵です!!」
「そうだそうだ!!」
「・・・完全無敵」
その言葉に、カレンを筆頭としたトージローの支持者達が反論する。
彼らはトージローの圧倒的な力を知っており、それが倒されるなど想像することも出来ないと口にしていた。
「ちっちっちっ・・・誰がこの男を倒すといった?そんな事をする必要などないのだ!!何故なら、この男は私に敵意など抱いていないのだからな!!」
カレン達の反論に、ドラクロワは唇の前で指を振ってはそれは違うと指摘する。
そして両手を広げ、その背中のマント翻した彼は宣言していた。
そもそも、トージローと戦う必要などないのだと。
「・・・あ」
それを指摘されたカレンは言葉失い、その口をあんぐりと開けている。
それはそれが彼女にも、全く反論出来ない事実であったからだ。
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