笑わない風紀委員長

馬酔木ビシア

文字の大きさ
上 下
21 / 70

4

しおりを挟む




 ああ、そうだ。
 


「乾、さっき言いかけたことは何だったんだ」




 問えば乾は少し恥ずかしそうにして俯く。もごもごと、どこか言いづらそうに口篭った。





「……お、俺は…………その、」





 唐突に乾が勢いよく顔を上げる。少しびっくりして視線を向けると、かちりと目が合った。





「っ、そ、の……」





 俺と目が合ったことでびっくりしたのか乾が言葉を詰まらせる。190センチ越えの巨体がみるみる縮こまり萎縮した。




 なんというか……傍から見れば俺が乾をいじめているみたいな構図だな。




 
「乾、無理して言わなくていい」





 何気なく質問したことでそんなに思いつめるとは思っていなかったので、内心少し動揺してしまう。そんな答えにくいことだったのか。なんだか悪いことをした。

 



 ところが、宥めるように言った俺の口調とは逆に乾は決意の篭もった顔で顔を上げてこちらを見据えた。






 がしっ。






 俺の両手を乾が掴んだ。ぎゅっと手を握られる。
































 ………………ん?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ずっと夢を

菜坂
BL
母に兄との関係を伝えようとした次の日兄が亡くなってしまった。 そんな失意の中兄の部屋を整理しているとある小説を見つける。 その小説を手に取り、少しだけ読んでみたが最後まで読む気にはならずそのまま本を閉じた。 その次の日、学校へ行く途中事故に遭い意識を失った。 という前世をふと思い出した。 あれ?もしかしてここあの小説の中じゃね? でもそんなことより転校生が気に入らない。俺にだけ当たりが強すぎない?! 確かに俺はヤリ◯ンって言われてるけどそれ、ただの噂だからね⁉︎

なんで俺の周りはイケメン高身長が多いんだ!!!!

柑橘
BL
王道詰め合わせ。 ジャンルをお確かめの上お進み下さい。 7/7以降、サブストーリー(土谷虹の隣は決まってる!!!!)を公開しました!!読んでいただけると嬉しいです! ※目線が度々変わります。 ※登場人物の紹介が途中から増えるかもです。 ※火曜日20:00  金曜日19:00  日曜日17:00更新

王道学園にブラコンが乗り込んでいくぅ!

玉兎
BL
弟と同じ学校になるべく王道学園に編入した男の子のお話。

室長サマの憂鬱なる日常と怠惰な日々

BL
SECRET OF THE WORLD シリーズ《僕の名前はクリフェイド・シュバルク。僕は今、憂鬱すぎて溜め息ついている。なぜ、こうなったのか…。 ※シリーズごとに章で分けています。 ※タイトル変えました。 トラブル体質の主人公が巻き込み巻き込まれ…の問題ばかりを起こし、周囲を振り回す物語です。シリアスとコメディと半々くらいです。 ファンタジー含みます。

不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う

らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。 唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。 そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。 いったいどうなる!? [強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。 ※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。 ※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~

無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。 自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

地味で冴えない俺の最高なポディション。

どらやき
BL
前髪は目までかかり、身長は160cm台。 オマケに丸い伊達メガネ。 高校2年生になった今でも俺は立派な陰キャとしてクラスの片隅にいる。 そして、今日も相変わらずクラスのイケメン男子達は尊い。 あぁ。やばい。イケメン×イケメンって最高。 俺のポディションは片隅に限るな。

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

処理中です...