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元よりすべての生徒から指示をを得られているとうぬぼれてはいなかったが、まさにそういった一部の不支持者を焚きつけることになり、肩身の狭い想いをしている。
また、時を同じくして私の交友関係にも異変が生じており、最初はあれほど嫌悪感を露わにしていたフィーリアが妹と仲睦まじく会話をしている光景をよく見かけるようになった。
学年が違うというのに暇を見つけては足しげく彼女の元を訪れ、放課後にサロンに誘っては話に花を咲かせているらしい。
その際に私の悪口をあることないこと吹聴しているようで、そんなデマを信じたフィーリアからここのところ距離を置かれているのが困り草だ。
やがて妹が生徒会に入りたいとも言い出した。
書記であるフィーリアからの推薦という形で、書記補佐という(明らかに必要ではない)新たな役職を妹のためだけに設立する運びとなった。
それだけならばまだいい。
少々強引であれど、自ら責任ある仕事を買って出たのは本人なりに熱意あってのことだと思っていたから。
しかし実際はというとどうやら私に対する当てつけらしく、生徒会の業務内容に興味もなければやる気もないのが実情だった。
その上、私が生徒会長なのが妹にとっては気に入らないらしく、即時除名処分を求めたのだ。
さすがにそれは受理されなかったものの、上記の噂の件も考慮されて私は副会長に降格となり、代わりにアルフレッドが臨時の生徒会長を務めることになったのがつい三日前の話。
次第に変化していく環境に、恐怖にも似た感情にとらわれていった。
自分自身がなにかしたという覚えはない。
けれども、少しずつズレが生じているのだ。
それは時に私のあずかり知らぬところで軋轢を産み、やがて牙を剥く。
裏でそうなるように手を引いている者がいる。
明確な悪意をもって私に害を為そうとしている者が。
……分かっている、妹だ。
なぜか妹は私を、私だけを目の敵にし、あの子のやることなすことそのすべてがよからぬ結果をもたらせる。
その度に妹は顔をほころばせ、私の不幸がさも愉快とばかりに笑うのだ。
お父様とお母様に学園でこんなことがあったと逐一私の動向を語る妹の姿に、たまらないほどの悪寒を覚えた。
ここまであからさまに妹から敵意を向けられ、私の心と体は疲弊していた。
これまで順風満帆だった日々の生活が少しずつ崩れていく。
他ならぬ実の妹の手によって。
そして――とうとうその日が訪れた。
また、時を同じくして私の交友関係にも異変が生じており、最初はあれほど嫌悪感を露わにしていたフィーリアが妹と仲睦まじく会話をしている光景をよく見かけるようになった。
学年が違うというのに暇を見つけては足しげく彼女の元を訪れ、放課後にサロンに誘っては話に花を咲かせているらしい。
その際に私の悪口をあることないこと吹聴しているようで、そんなデマを信じたフィーリアからここのところ距離を置かれているのが困り草だ。
やがて妹が生徒会に入りたいとも言い出した。
書記であるフィーリアからの推薦という形で、書記補佐という(明らかに必要ではない)新たな役職を妹のためだけに設立する運びとなった。
それだけならばまだいい。
少々強引であれど、自ら責任ある仕事を買って出たのは本人なりに熱意あってのことだと思っていたから。
しかし実際はというとどうやら私に対する当てつけらしく、生徒会の業務内容に興味もなければやる気もないのが実情だった。
その上、私が生徒会長なのが妹にとっては気に入らないらしく、即時除名処分を求めたのだ。
さすがにそれは受理されなかったものの、上記の噂の件も考慮されて私は副会長に降格となり、代わりにアルフレッドが臨時の生徒会長を務めることになったのがつい三日前の話。
次第に変化していく環境に、恐怖にも似た感情にとらわれていった。
自分自身がなにかしたという覚えはない。
けれども、少しずつズレが生じているのだ。
それは時に私のあずかり知らぬところで軋轢を産み、やがて牙を剥く。
裏でそうなるように手を引いている者がいる。
明確な悪意をもって私に害を為そうとしている者が。
……分かっている、妹だ。
なぜか妹は私を、私だけを目の敵にし、あの子のやることなすことそのすべてがよからぬ結果をもたらせる。
その度に妹は顔をほころばせ、私の不幸がさも愉快とばかりに笑うのだ。
お父様とお母様に学園でこんなことがあったと逐一私の動向を語る妹の姿に、たまらないほどの悪寒を覚えた。
ここまであからさまに妹から敵意を向けられ、私の心と体は疲弊していた。
これまで順風満帆だった日々の生活が少しずつ崩れていく。
他ならぬ実の妹の手によって。
そして――とうとうその日が訪れた。
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