上 下
173 / 208
4章

絆の夜 2 *R18

しおりを挟む
「ジュンヤ様、とうとうこの日を迎えて、私は感無量です」

 優しい優しいエルビス。

「俺もうれしい……エルビス、だいすきだよ」

 ちゅっちゅっと、何度も優しいキスを繰り返す。

「全く、あの男はもっと優しくすれば良いのに。そう、こんな風に……」
「あんっ!」

 チェーンの隙間から覗く乳首をきゅっと摘み、優しく擦りながらキスを続けるエルビス。もうどこもかしこも敏感で、たったそれだけの刺激で俺はピクピク震える。

「ふふ。可愛いです。ああ、今夜からは夫婦です。私の愛しい方」
「あぁん……もっと、いっぱい触って……?」
「私に触られるのが好きですか?」
「すきだ。エルビスの手、だいすき」
「嬉しいです。こんなエッチな物を身につけて待っていてくれて、本当に嬉しい」

 首筋に舌を這わせ、ゆっくりと下に降りていき右に乳首をパクリと口に含まれる。さっきまでダリウスに責められていたアナルはうずうずと疼くけど、エルビスの優しい愛撫も楽しみたいなんて俺は欲張りだ。

「勝負って何をしたんだ?」
「内緒です」

 パチンと悪戯っぽくウインクするエルビス。ああ、こんなに砕けた顔見せるようになってたんだ……どうしよう、凄く嬉しい。

「旦那様……早くエッチな事、いっぱいして?」
「っ? だっ?! 旦那様っ?! ジュンヤ様っ!」
「結婚したら、夫は旦那様って呼ぶだろう? 違う?」
「ちがっ、違いませんがっ! 身分がっ!」

 また身分? そんなのどうでも良いし。

「そんなの関係ないから、今、俺を抱くんだろう?」
「ーーっ! そう、ですね。ああ……ジュンヤ様。あなたはどこまで私を夢中にさせるんでしょう」
「俺も毎日エルビスが好きなるよ? 三日も会えなくて寂しかったんだ。」

 そう。一番近くにいたエルビスが三日もいないこの時間は、もっともっと長く感じていた。想像以上にエルビスの存在が大きく、喪失感が大きかった。
 ゆっくりと大きく温かい手が体を優しく、しかし確実に快感を与えながら撫でていくと、心地よさに大きくため息が溢れた。
 
「私も寂しかったです。三日もお側にいられないなんて、長かった……」
「うん、俺もだ。ぎゅっとして?」
「では、そうして愛し合いましょう」

 エルビスは俺をひょいっと起こし、抱き上げて足の間に俺を入れて対面に座らせた。

「ん。これすき……」

 ぴったり体をくっつけあって、すごく安心する。

「キスする……んむっ……んん……」
「はぁ……可愛いですね、ジュンヤ様」
「エルビスも可愛いよ?」

 むしろ、エルビスの方が健気で可愛いと思う。優しくしてくれるのは嬉しいけど、もうナカに来て欲しいなぁ。

「エルビス、そのまま動かないでな?」
「えっ?」
「よいしょっ。」

 エルビスの肩に左手で捕まり腰を浮かす。さっきからゴツゴツ当たってるのに、本当に我慢ばっかりするんだから。先走りで滑るぺ○スに手を添えて、俺のナカにゆっくりと導く。

「ジュ、ジュンヤ様……してくださるんですか?」
「うん……はしたない?」
「いいえっ! 大歓迎です!」
「ふふっ。かーわいい」

 唇に軽くキスをして、もう一度手を添えてゆっくりと腰を落としていく。

「んんっ、ふぅ、はぁぁ……!」

 あぁ、エルビスの太いのが、来る……もっと奥まで、もう少し……!!

「くっ……うぅ、ジュンヤ様の中……すごく、熱くて、気持ち良い、です……」

 エルビスの色っぽい吐息が愛おしい。もっと、気持ち良くしてあげたい。

「はぁ、もう、少しぃ……!」

 息を吐きながらようやく全てを受け入れた。

「ジュンヤ様ぁ……」
「んっ……エルビス、俺、きもちい?」
「いいです、すごくイイ……」

 本当に可愛い。見上げると愛しそうに見つめるエメラルドの瞳がうるうるとしている。

「はぅ、あ、あん、んんっ!」

 ゆっくりと二人で息を合わせて体を揺らすと、太い幹にナカが擦られジンジンと熱く燃え上がる。

「んっ、ああっ、エルビスッ! いい……ぎゅっとして、揺らして……」
「ええ、こうですか?」

 しっかりと抱きしめてくれた背中にしがみつき、腰を擦り付けて快感を貪る。

「はぁぁん……!」

 きもちいい……抱きしめられて全身優しく撫でられて、エルビスの香りに全身包まれて体が蕩けそう……。

「くっ、俺ん時と違う! めちゃめちゃ甘えてるじゃねーかっ!」
「可愛いな……なにが違うのだ? 被虐趣味があるのかと思っていたのに」
「私の時はもっと暴れん坊なのに……」
「ふぁ?」

 あ、そうだった。見られてるんだっけ……。いつも通りに甘えちゃってた。

「ーー少し黙ってて貰えませんか? ジュンヤ様の気が散ります」
「エルビス、俺、甘えてて恥ずかしい……?」
「何の問題もありません。私はジュンヤ様を甘やかして、大事に大事にする為に存在するのです。もっと甘やかしていいですか? お願いします。私がそうしたいのです」

 そっか。全部任せて甘えちゃっても良いんだった。エルビスはどんな俺も受け止めてくれるから……
 エルビスにしか見せない顔を見られちゃうけど、エルビスにとってそれは自分だけの俺って見せつけたいのかな?

「エルビス、エルビス! 大好きっ! もっと、いっぱいぐりぐりして?」

 エルビスも他の人に見せない顔を俺に見せてくれるから、俺もエルビスにしか見せない顔を晒して、他の誰にも変わることは出来ないと示すんだ。
 今夜は、きっとそういう夜なんだってやっと分かった。それぞれとの全く違うセックスは、愛し方の違いでもある。

「はぁっ! もう、突いても良いですか?」
「良いっ! 早くぅ~!」
「っ! ふっ、ふっ!」
「あっ、あっ、あっ!! んっ、ん、はぁっ!」

 エルビスに腹に自分のぺ○スを擦り付け、汗ばんだ胸にキスをする。エルビスの体臭が薫ってめちゃくちゃ興奮する。

 美味しい……

 息が乱れるが、それでもエルビスの浅黒い肌に吸い付き舌を這わせ味わうのをやめられない。ふと強い衝動にかられ、胸元に強く吸い付き軽く歯を立てる。

「っ!? ジュンヤ様?」
「はぁ、はぁ、見て。俺のって、印……」

 くっきりと浮かんだ鬱血痕に満足して微笑む。

「俺にもつけて?」
「お望みとあらば喜んで」
「んっ」

 首筋に口付けて、痛いほど吸い上げられる。ああ、俺はエルビスの物だ……

「これでお揃いです。私の可愛い花嫁さん」

 嬉しい。すべてが甘くて幸せだ。優しくて、穏やかで、でもそれだけではない強い心を持った男は俺の夫になった。

「旦那様、めちゃくちゃにして?」
「こ、ここでそれは反則ですっ!」
「うあっ?!」

 コロンと倒されて正常位でズンズンと激しく突き入れられると、もう堪らなかった。

「あっ、イイ! あっ!」
「優しく、しようとっ! したっ、のに!!」
「し、なくて、いい、か、あうっ!あんっ!」

 ゆさゆさと揺さぶられるままに体を全て預けて、我を忘れて貪られる喜びに心が震える。

 その熱い熱情は俺だけに向けて欲しい。
 はにかむ可愛い笑顔も俺だけのもの。
 
 エルビスは、俺が自分の意思で初めて男の精を飲んだ、特別な男……

 ケローガで初めてその腕の中で目を覚ました時から……いや、きっとそのずっと前から、決して手放せない男になっていた。

「あっ! そこっ! イッちゃう! イッちゃ……!」
「うっ、くぅ! ジュンヤ様、もう少し、我慢ですよ。一緒に、イきましょう?」
「んっ、あっ、そこは我慢できなっ! あっ!」

 我慢して、という癖にコツコツと前立腺を責め立ててくるエルビス。気持ち良すぎてぎゅうぎゅう締め付けてしまい、その太さを改めて思い知る。

「ここも、可愛がってあげますね?」

 ぬるぬるの俺のぺ○スを上下に擦り、ナカと同時に責められればあっという間に限界が来てしまう。

「イッちゃ、も、イッちゃうっ、むりむりっ! ーーっ! ぅあ~~っ!!」

 がくがくと絶え間ない絶頂にエルビスの腕にしがみつく。

「私もっ! ジュンヤ様っ!!」

 どくどくとナカに熱い滴が注がれて、エルビスの優しい力が全身に染み渡っていく。

 ああ……しあわせ……きもちぃ、ちから……

「えるびしゅぅ……きもちぃよぉ……。」
「ああ……ジュンヤ様……愛しています。この命尽きるまで、あなたと共にいます」
「うん……あいしてるぅ……」

 繋がったまま、ぎゅっと抱きしめ合って息を整える。

「ジュンヤ様、お体は辛くないですか?」
「だいじょうぶ……あっ……まだ、はなれちゃヤだ……」
「私も離れたくないですよ……」

 ちゅっと軽くキスしてから苦笑する。

「離れたくありませんが、殿下の視線が痛いので……今はお譲りしなくては」
「ティア?」

 左を見れば、ティアが拗ねた顔で座っている。こんな顔初めて見た。

「おこってる?」
「違う! ーー見ているだけなのが、辛かっただけだ。ジュンヤはいやらしく乱れて可愛いし、早く触れたかった」
「つぎがティア?」
「そうだ」

 我慢してるのが辛かったんだ。いっぱい愛してやらなきゃ。

「では、名残惜しいですが……」
「んんっ、はぁん……」

 ああ、抜けちゃった。寂しい。

「ティア、俺、ナカがさみしい……」
「っ!! よし、すぐに寂しくなくなるからな?」
 
 素早く入れ替わった俺の王子様は、やっと美しいほほ笑みを見せてくれた。


ーーーー

はい!次は殿下です。4連続Rはジュンヤの体力だけでなく作者の体力も奪います! でも楽しいです。
しおりを挟む
感想 950

あなたにおすすめの小説

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

弟が生まれて両親に売られたけど、売られた先で溺愛されました

にがり
BL
貴族の家に生まれたが、弟が生まれたことによって両親に売られた少年が、自分を溺愛している人と出会う話です

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが吃驚して憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! 本編完結しました! 時々おまけを更新しています。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺

福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。 目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。 でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい… ……あれ…? …やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ… 前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。 1万2000字前後です。 攻めのキャラがブレるし若干変態です。 無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形) おまけ完結済み

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。