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4章
sideダリウス *R18 エロ団長の溺愛
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マテリオにジュンヤを預けて隣室のソファーにどかりと座ると、突然体が重くなった様に感じた。
ーーヤベェ、疲れた……魔力をこれほど消費したのは、初めてラジートと戦った時以来だな。
ジュンヤをマテリオに預ける事は、冷え切った体を抱きしめた時に決めていた。今一番必要なのはマテリオの力だと判断した。間違ってはいねぇと……思う。
だが、これからマテリオに抱かれる声を聞かなきゃならんのか。後宮には遮音が設置されていない。陛下は、警備の俺達や周囲の者達に行為中の声を聞かせるのがお好きだった。クソな趣味だよなぁ。そう言えば、無理やり連れ込まれた哀れな愛人達は無事に逃げたんだろうか。
ぼんやりしていたが、不意に喉の渇きに気がつき戸棚を漁る。おいおい、酒しかないじゃねぇか。まだ油断出来ねぇから、酔いたくはねぇな。
それに、アユム相手にこんな強い酒を用意したのか? これらは果実の様に甘く飲み易いが、実は度数が強いものばかりだ。ニホンじゃまだ子供扱いで酒は飲めない年齢だと聞いた。知ってて用意したのなら、陛下は本当に酷えな。
舌打ちをして棚を更に漁ると、本当の果実水の瓶が出てきた。コルク抜きがないから剣で口をぶった斬ってグラスに注ぎ、一気に飲み干すと体に染み渡った。
『あ、あ、あぁん……!!』
その時、寝室から声が漏れ始め、思わず聞き耳を立ててしまう。
くそっ! 可愛い声出しやがって。俺はここにいてもしょうがねぇかもな。マテリオとは何度シてもジュンヤはフラフラにならねぇし、俺は必要ないのかも。
俺の事なんか忘れて……呼ばれねぇかも。
「くそっ! 一杯だけ。一杯だけだっ!!」
疲労のせいか、どうも思考がマイナスに動く。出来るだけ度数の低い酒を選んでグラスに注ぎ、煽り掛けて……やめた。
「俺が飲んじゃダメだろうが」
後宮内は陛下が自由に出入りする為に、最初の扉以外は結界すらない。だから外ではグラントかラドクルトか、とにかく誰かしら番をしている筈だ。
それでも、俺はあいつの盾だから酒に飲まれるのは許されない。気持ちを切り替え、別のグラスに果実水を注いで飲み干す。
こんなに惚れちまって、ジュンヤに振られたら生きていけねぇよ……なんなんだよ、このモヤモヤはよぉ!! かっこ悪ぃなぁ!!
それに、もう一つのモヤモヤはレイブン殿下の事だ。確かにとても反省をされていた。だがな、俺はずっとエリアスの隣で何を言われていたか聞いたし、見てきた。簡単に『はい、そうですか』なんて言えねぇが、エリアスが赦すっていうんなら受け入れるしかねぇよな。
殿下のお気持ちは分かるんだ。でも、それは陛下に向けるべきで、幼いエリアスに向けたのはおかしいだろうよ!!
ああ、くそっ!! 一人だと嫌なことばかり考えちまう。俺も扉番になるか。俺がいなくてもマテリオがあいつを助けてくれるだろう。
避けようもなく聞こえてくる甘い喘ぎに耐えきれそうにない。
もうすぐ、あいつまたイきそうだなぁ……
キツイなぁ……ああ、イッたな。可愛いなぁ。
「はぁ……」
二度イッたなら、マテリオにも中出しされてるよな。もう命の心配はない。外に行くか、と腰を上げると寝室の扉が薄く開き、ジュンヤの香りがこちらまで薫ってきた。
「ダリウス殿」
マテリオに呼ばれ振り向くと、扉の隙間から見えたマテリオは困り顔だった。
「どうしたっ!? まさかダメなのかっ?!」
ジュンヤに異常が?! と寝室に飛び込むと、蕩けた顔で横たわっているジュンヤと全裸で色んな液でドロドロのマテリオがいた。
「……?」
「い、いえ!! ダリウス様に変わって頂きたいのですが、着替えもなくタオルなどもどこか不明で困ってしまい……。その、申し訳ありません……。」
なんだ、無事か。そういえば、神官じゃ貴族の部屋の作りなんか知らねぇよな。それに、アユムの為の部屋なら服もサイズが合わんだろうな。
「待っていろ」
全裸で居心地の悪そうなマテリオは放置し、隠し扉になっている侍従控え室に入る。そこはリネン室にもなっていて、飲み物なども揃っているんだ。
「着替えはないからシーツでも巻け。あと、これな」
引っ張り出してきたタオルとシーツを渡す。果実水も取って来たので渡し、ジュンヤの分も持って来た。マテリオはジュンヤに近づいて処理を始めていた。
「ジュンヤ、ここをキレイにするからな?」
「あぁ……出しちゃうの、やだ……」
「ダリウス様がいるだろう?」
甘い声でぐずるジュンヤを宥めながらマテリオは中の処理をして、自分の体にシーツを適当に巻きつけた。
「ありがとうございます。ジュンヤがダリウス様を呼んでいますから、私は隣に行きます」
「へ? 呼んでる?」
お役御免じゃねぇのか?
「はい。では失礼します」
マテリオが出て行った扉を茫然と見つめる。
「ダリウス……こっち、きて……」
だが、ジュンヤに甘えた声で呼ばれれば、ホイホイ近寄ってしまうのは惚れた弱みだ。
「ん? どうした? マテリオのお陰で顔色も良くなったな。喉が乾いたろう? これを飲め」
体を起こしてやって果実水を飲ませると、ごくごくと飲み干した。あれだけ喘いたんだ、当然だな。顔色を確認すれば、薄暗い室内ではあるが明らかに血色が戻っている。手を握れば体温も戻っていてほっとした。
そして、汗ばんだ肌から情事の後の濃厚で官能的な香りが立ち上っていた。二杯目の果実水を一息に飲んだジュンヤは俺に微笑んでくれた。
「ありがと。なぁ、くっつきたい。ギュってして」
覆いかぶさって抱きしめると、命の炎を感じる体温に不意に泣きたくなった。
「ダリウス、ひとりぼっちに、してて、ごめん。さみしかったろ? 抱いて欲しい……あんたが欲しいよ」
寂しかった? そうか、俺は…………寂しかったのか。
「ジュンヤ。ジュンヤ、ジュンヤ……」
何かいうべき言葉があった筈なのに、ただ名前しか出てこない。口付けて、肌に手を滑らせこの腕の中にいる存在を確かめたかった。
「んうっ、ん、ん、はぁ、すき、だよ。愛してる。あんたが無事で良かった」
「俺は心配ない。」
「心配、するよ。俺の為に二度も死にかけたんだから」
「お前だって同じだろう?」
「ふふ、そうだな。俺達、無茶しすぎだな。ああ、んんっ……」
本当だなぁ。でも、絶対先に死なねーつもりだから安心しろ。死んだら愛せねぇからな。
あ、あの野郎! キスマーク残しやがって。俺への挑戦状か?
マテリオが残した痕に強く吸い付き、軽く噛み痕をつければ、俺の印に早変わりだ。舐めんなよマテリオ。お前は確かに特別な力を持っている。だが、絶対に引かねえからな。
ツンと尖った乳首も散々舐め回されたらしく、真っ赤に色づいている。
「ふぁ……! それ、あんっ! やぁ~!」
軽く歯を立てて甘噛みしながら舌で転がすと、背中を反らしながら身悶えた。エロ過ぎだろ……。大体、嫌じゃねぇ癖に。
「なぁ、もう乳首だけでイけるんじゃねぇ?」
左の乳首を指で捏ね回し、右側もたっぷりと舐る。
すげー美味い。時間があったら全身舐め回してぇな。
「あ、ひゃうっ! あ、や、もう、ナカ! きて、頼むからぁ~!!」
「なんだよ、もう我慢出来ねぇのか? 散々マテリオ咥え込んでイッてただろう? だから休ませてやってんのに」
「ううっ、そんな事言うなよ……」
「ん~?」
さっきまで甘えた声で喘ぎまくってたの、聞いてたぞ。
俺は服を脱ぎ捨て覆いかぶさり、ジュンヤの蕾に指を這わせた。まだ玉の効果は続き、トロトロと中から潤滑油が溢れているし、マテリオの残滓も僅かに残っている。入り口は俺の指に吸い付く様にくぱくぱと収縮している。
「あぁ……はやくぅ」
「やらしい穴、もっとよく見せろよ」
「ん……わかった……」
ジュンヤが足を開いて腰を持ち上げ、尻の肉を引っ張り俺に見せつけて来た。おいおい!! そこまで言ってねぇぞ! 最高かよ!!
「あんたが入るやらしぃ、穴だよ……見える?」
「っ!? お前はっ!」
一瞬で理性がブチ切れて、服を脱ぎ捨て細腰を掴んで突き入れた。とっくに柔らかく解れたそこは、俺を締め付けながら奥に誘導するように蠕動した。
「はぅううん~~! あ、あ、い、い……」
やべぇ、可愛い。可愛い可愛い!! こんなの、すぐ出ちまいそうだ!! しかも二度もイッたあとだからか、きゅんきゅんと締め付けながら絡んでくる。
「ジュンヤ……大歓迎ありがとよ……すげぇ気持ちいいぜ」
「あっ、あぅっ、おれ、きもちい? ほんと?」
「ああ、最高にイイ……我慢出来ねえ、動いて良いか?」
「イイ、早く、ごりごりされたい~!」
「くっそっ!」
「あうぅ!!」
初っ端からガツガツ突き上げてしまう。こんなの我慢出来っかよ! 無理に決まってんだろ!! 少し乱暴な自覚はある。あるが止めらんねぇよ!!
パン! パン! グチュ、ジュボッ!! パンッ!! パンッ!!
「ひう! あ、あう、イイ!あ、もっと、奥、来て!」
髪を振り乱し身を捩り、汗がブワリと体から滲みジュンヤの体を伝い落ちる。望み通りに最奥を開いて俺の全てを埋め込むと、それだけでジュンヤは達して、ビクンビクンと痙攣した。その顔は陶酔しきり、俺の腕に縋って暫く震えていた。
綺麗だなぁ。俺は今までこんなに綺麗な物を見た事がない。生き物も、どんな豪華なジュエリーでも、ジュンヤには敵わねぇ。
「あ、あぁ……ごめ、さき、イッちゃったぁ、ん……」
「最高の眺めだったぜ。休みたいか?」
俺の問いにふるふると首を横に振る。
「しってるくせにぃ。おれ、あんたにガンガンにイかされんのが、すきぃ……はやくぅ」
「飛ぶまでイかせてやる」
「ぁん! あ、あう、あ、あ~!!」
衝撃でずり上がる肩を押さえ、奥をグリグリと掻き回すと、ペ○スから透明な液がプシュッ! と吹き出した。
こいつをこんな体にしたのは俺だ。一番深くを抉ってイかせて、こんなに狂わせられるのは俺だけ。誰も届かない場所を俺だけが犯すことが出来て、ジュンヤもそれを求めてくれる。
悶える姿を目に焼きつけながら、突いて、掻き回し、引き抜いては淫らに悦ぶ声を堪能する。
「はやく、ナカ、ほしぃ……!」
「あぁ、俺も、もう限界だ! ほらよ!」
浅い所からズドン!と奥に突き立て、ピッチを上げてピストンすると、快感で真っ白になる。
「はっ、はっ……! ジュンヤ、愛してる! イクぞ、く、くうっ……!」
びゅるるっと、ジュンヤの奥に俺の子種を注ぐ。
「はぁう~……あぁあん……ダリウス……!」
ビクッビクッと、また達したジュンヤを確認し、繋がったまま背後に回り横向きで抱きしめる。俺達の体格差では、ジュンヤに大きな負担がかかるが、これなら楽だろう。
「ダリウス……、おれ、きもちよかった……?」
「いつでも最高に決まってんだろう」
抱きしめ髪にキスをすると柔らかく微笑んでくれた。
「もっと、スる……?」
「くくっ。無理はしねぇよ」
「飛ぶまで、シてくれるだろ?」
「お前に無理はしたくねえって。でも、全部終わったらシて良いか?」
「うん……いっぱいシよ」
「そうだな……外でとか、スケベな下着着てくれるとか、玩具使ったり。色々するからな?」
俺の言葉にびっくりして眠りかけていた目が見開いた。
「スケベ」
「ああ、エロ団長様だからな」
「ふふっ……なぁ、おれ、眠くなっちゃった……どうしよう」
「今は休んでいい。どっちみち今日は無理だろう? 俺達に任せろ」
「で、も。あんたも、疲れて……るだろう?」
「お前に力を貰ったから大丈夫だ」
実際に、さっきまで重苦しかった体が、今は羽の様に軽い。
「ほん、と?」
うとうとし始めたジュンヤの髪を撫でてやると、ゆっくりとまぶたが閉じていった。眠ったジュンヤの呼吸のリズムを確認し、ゆっくりと引き抜いてから中に出したモノを処理して体を拭いてやる。
上掛けを掛けて、もう一度呼吸と体温を確認して隣室に行く。
「ダリウス様、ジュンヤは?」
「おう。ジュンヤはもう大丈夫だ」
既に神官服に着替えたマテリオがいて、俺は果実水をマテリオにも出してやって向かい合って座った。
「お前も、随分と可愛がったな」
「……愛しておりますから」
「最初の泉の時から惚れてたろう?」
「えっ? いいえ。あの時は違います。……恐らく、ですが」
「少なくともお前に取ってジュンヤは特別になってた。でなけりゃ、神殿の言葉を隠してまで俺達にあんな嘘つかねぇよな。処女でなきゃ浄化は使えねぇ、なんてよ」
マテリオは懸命に考えているようだった。なんだ、無自覚で俺達に牽制してたのか。そのまま気がつかなきゃ良かったのによ。
「あの時は、ただ……神聖な光をジュンヤに見て、守らねばと思ったのです」
「そうか」
まぁ、今ではこいつもジュンヤの恋人だ。今更言っても何も変わらない。
「この後だが、ジュンヤは消耗が酷かったから今日は休ませたい」
「はい。私も同じです。殿下に報告に行って参りましょうか?」
「いや。俺達はここに控えて、万が一に備える。外に扉番がいる筈だ」
俺が扉を開ければ、案の定グラントがいた。
「おう、グラント。と、ルファか。ラドはどうした?」
「魔力の消耗が激しいから休ませてるぞ。それから、城門の外と連絡も取れて皆向かっている。ナトルは未だに気を失ったままだし、魔石を借りて封じた。アリアーシュ達が来たら確実に封じて貰う。ジュンヤ様はどうだ?」
「もう大丈夫だが、動かすのは酷だ。街の浄化は明日以降だな。エリアス殿下にそう伝えろ」
「ああ。ジュンヤ様も良くここまで保ったよな。外はファルボド様とエマーソンが動いてるから心配するな」
「そうだな、任せる」
「お前も休め。というつもりだったが、なんだよそれ?! ヘロヘロだった癖に、肌が艶々な上にドエロい香りしやがって!! ……ジュンヤ様か」
俺は思わずニヤついてしまった。
「エロい香りだろぉ? 俺の恋人はヤるとこういう香りがするんだよ」
「はいはい、幸せそうで何よりだ。じゃあな!」
グラントは『惚気はごめん』とばかりに扉を荒っぽく閉めた。
俺は戻ってマテリオの前に立った。
「さて、神官殿に色々聞きたい事がある。大丈夫だと思うが、念の為寝室に待機だ」
「ジュンヤが心配なので移動は賛成ですが、ご質問ですか?」
「ああ。まぁ、主にジュンヤについて、だな」
たっぷり聞かせて貰うぜ。俺の知らないジュンヤの事をな。
俺が笑うと、マテリオの冷静な仮面がヒクリと引き攣った。
ーーーーーー
長くなったクマー!カッコつけといて苦悩するクマを書きたかったのです。
まだ先ですが、完結したらリクエスト企画をしようと思います。みなさま、萌えを練り練りしておいて下さいね。スカとか特殊プレイ以外は頑張ります。リクエスト開始は改めて通知します!
それと、お気に入りがとうとう5000超えました。完結待ちかと思いますが、ありがとうございます!
ーーヤベェ、疲れた……魔力をこれほど消費したのは、初めてラジートと戦った時以来だな。
ジュンヤをマテリオに預ける事は、冷え切った体を抱きしめた時に決めていた。今一番必要なのはマテリオの力だと判断した。間違ってはいねぇと……思う。
だが、これからマテリオに抱かれる声を聞かなきゃならんのか。後宮には遮音が設置されていない。陛下は、警備の俺達や周囲の者達に行為中の声を聞かせるのがお好きだった。クソな趣味だよなぁ。そう言えば、無理やり連れ込まれた哀れな愛人達は無事に逃げたんだろうか。
ぼんやりしていたが、不意に喉の渇きに気がつき戸棚を漁る。おいおい、酒しかないじゃねぇか。まだ油断出来ねぇから、酔いたくはねぇな。
それに、アユム相手にこんな強い酒を用意したのか? これらは果実の様に甘く飲み易いが、実は度数が強いものばかりだ。ニホンじゃまだ子供扱いで酒は飲めない年齢だと聞いた。知ってて用意したのなら、陛下は本当に酷えな。
舌打ちをして棚を更に漁ると、本当の果実水の瓶が出てきた。コルク抜きがないから剣で口をぶった斬ってグラスに注ぎ、一気に飲み干すと体に染み渡った。
『あ、あ、あぁん……!!』
その時、寝室から声が漏れ始め、思わず聞き耳を立ててしまう。
くそっ! 可愛い声出しやがって。俺はここにいてもしょうがねぇかもな。マテリオとは何度シてもジュンヤはフラフラにならねぇし、俺は必要ないのかも。
俺の事なんか忘れて……呼ばれねぇかも。
「くそっ! 一杯だけ。一杯だけだっ!!」
疲労のせいか、どうも思考がマイナスに動く。出来るだけ度数の低い酒を選んでグラスに注ぎ、煽り掛けて……やめた。
「俺が飲んじゃダメだろうが」
後宮内は陛下が自由に出入りする為に、最初の扉以外は結界すらない。だから外ではグラントかラドクルトか、とにかく誰かしら番をしている筈だ。
それでも、俺はあいつの盾だから酒に飲まれるのは許されない。気持ちを切り替え、別のグラスに果実水を注いで飲み干す。
こんなに惚れちまって、ジュンヤに振られたら生きていけねぇよ……なんなんだよ、このモヤモヤはよぉ!! かっこ悪ぃなぁ!!
それに、もう一つのモヤモヤはレイブン殿下の事だ。確かにとても反省をされていた。だがな、俺はずっとエリアスの隣で何を言われていたか聞いたし、見てきた。簡単に『はい、そうですか』なんて言えねぇが、エリアスが赦すっていうんなら受け入れるしかねぇよな。
殿下のお気持ちは分かるんだ。でも、それは陛下に向けるべきで、幼いエリアスに向けたのはおかしいだろうよ!!
ああ、くそっ!! 一人だと嫌なことばかり考えちまう。俺も扉番になるか。俺がいなくてもマテリオがあいつを助けてくれるだろう。
避けようもなく聞こえてくる甘い喘ぎに耐えきれそうにない。
もうすぐ、あいつまたイきそうだなぁ……
キツイなぁ……ああ、イッたな。可愛いなぁ。
「はぁ……」
二度イッたなら、マテリオにも中出しされてるよな。もう命の心配はない。外に行くか、と腰を上げると寝室の扉が薄く開き、ジュンヤの香りがこちらまで薫ってきた。
「ダリウス殿」
マテリオに呼ばれ振り向くと、扉の隙間から見えたマテリオは困り顔だった。
「どうしたっ!? まさかダメなのかっ?!」
ジュンヤに異常が?! と寝室に飛び込むと、蕩けた顔で横たわっているジュンヤと全裸で色んな液でドロドロのマテリオがいた。
「……?」
「い、いえ!! ダリウス様に変わって頂きたいのですが、着替えもなくタオルなどもどこか不明で困ってしまい……。その、申し訳ありません……。」
なんだ、無事か。そういえば、神官じゃ貴族の部屋の作りなんか知らねぇよな。それに、アユムの為の部屋なら服もサイズが合わんだろうな。
「待っていろ」
全裸で居心地の悪そうなマテリオは放置し、隠し扉になっている侍従控え室に入る。そこはリネン室にもなっていて、飲み物なども揃っているんだ。
「着替えはないからシーツでも巻け。あと、これな」
引っ張り出してきたタオルとシーツを渡す。果実水も取って来たので渡し、ジュンヤの分も持って来た。マテリオはジュンヤに近づいて処理を始めていた。
「ジュンヤ、ここをキレイにするからな?」
「あぁ……出しちゃうの、やだ……」
「ダリウス様がいるだろう?」
甘い声でぐずるジュンヤを宥めながらマテリオは中の処理をして、自分の体にシーツを適当に巻きつけた。
「ありがとうございます。ジュンヤがダリウス様を呼んでいますから、私は隣に行きます」
「へ? 呼んでる?」
お役御免じゃねぇのか?
「はい。では失礼します」
マテリオが出て行った扉を茫然と見つめる。
「ダリウス……こっち、きて……」
だが、ジュンヤに甘えた声で呼ばれれば、ホイホイ近寄ってしまうのは惚れた弱みだ。
「ん? どうした? マテリオのお陰で顔色も良くなったな。喉が乾いたろう? これを飲め」
体を起こしてやって果実水を飲ませると、ごくごくと飲み干した。あれだけ喘いたんだ、当然だな。顔色を確認すれば、薄暗い室内ではあるが明らかに血色が戻っている。手を握れば体温も戻っていてほっとした。
そして、汗ばんだ肌から情事の後の濃厚で官能的な香りが立ち上っていた。二杯目の果実水を一息に飲んだジュンヤは俺に微笑んでくれた。
「ありがと。なぁ、くっつきたい。ギュってして」
覆いかぶさって抱きしめると、命の炎を感じる体温に不意に泣きたくなった。
「ダリウス、ひとりぼっちに、してて、ごめん。さみしかったろ? 抱いて欲しい……あんたが欲しいよ」
寂しかった? そうか、俺は…………寂しかったのか。
「ジュンヤ。ジュンヤ、ジュンヤ……」
何かいうべき言葉があった筈なのに、ただ名前しか出てこない。口付けて、肌に手を滑らせこの腕の中にいる存在を確かめたかった。
「んうっ、ん、ん、はぁ、すき、だよ。愛してる。あんたが無事で良かった」
「俺は心配ない。」
「心配、するよ。俺の為に二度も死にかけたんだから」
「お前だって同じだろう?」
「ふふ、そうだな。俺達、無茶しすぎだな。ああ、んんっ……」
本当だなぁ。でも、絶対先に死なねーつもりだから安心しろ。死んだら愛せねぇからな。
あ、あの野郎! キスマーク残しやがって。俺への挑戦状か?
マテリオが残した痕に強く吸い付き、軽く噛み痕をつければ、俺の印に早変わりだ。舐めんなよマテリオ。お前は確かに特別な力を持っている。だが、絶対に引かねえからな。
ツンと尖った乳首も散々舐め回されたらしく、真っ赤に色づいている。
「ふぁ……! それ、あんっ! やぁ~!」
軽く歯を立てて甘噛みしながら舌で転がすと、背中を反らしながら身悶えた。エロ過ぎだろ……。大体、嫌じゃねぇ癖に。
「なぁ、もう乳首だけでイけるんじゃねぇ?」
左の乳首を指で捏ね回し、右側もたっぷりと舐る。
すげー美味い。時間があったら全身舐め回してぇな。
「あ、ひゃうっ! あ、や、もう、ナカ! きて、頼むからぁ~!!」
「なんだよ、もう我慢出来ねぇのか? 散々マテリオ咥え込んでイッてただろう? だから休ませてやってんのに」
「ううっ、そんな事言うなよ……」
「ん~?」
さっきまで甘えた声で喘ぎまくってたの、聞いてたぞ。
俺は服を脱ぎ捨て覆いかぶさり、ジュンヤの蕾に指を這わせた。まだ玉の効果は続き、トロトロと中から潤滑油が溢れているし、マテリオの残滓も僅かに残っている。入り口は俺の指に吸い付く様にくぱくぱと収縮している。
「あぁ……はやくぅ」
「やらしい穴、もっとよく見せろよ」
「ん……わかった……」
ジュンヤが足を開いて腰を持ち上げ、尻の肉を引っ張り俺に見せつけて来た。おいおい!! そこまで言ってねぇぞ! 最高かよ!!
「あんたが入るやらしぃ、穴だよ……見える?」
「っ!? お前はっ!」
一瞬で理性がブチ切れて、服を脱ぎ捨て細腰を掴んで突き入れた。とっくに柔らかく解れたそこは、俺を締め付けながら奥に誘導するように蠕動した。
「はぅううん~~! あ、あ、い、い……」
やべぇ、可愛い。可愛い可愛い!! こんなの、すぐ出ちまいそうだ!! しかも二度もイッたあとだからか、きゅんきゅんと締め付けながら絡んでくる。
「ジュンヤ……大歓迎ありがとよ……すげぇ気持ちいいぜ」
「あっ、あぅっ、おれ、きもちい? ほんと?」
「ああ、最高にイイ……我慢出来ねえ、動いて良いか?」
「イイ、早く、ごりごりされたい~!」
「くっそっ!」
「あうぅ!!」
初っ端からガツガツ突き上げてしまう。こんなの我慢出来っかよ! 無理に決まってんだろ!! 少し乱暴な自覚はある。あるが止めらんねぇよ!!
パン! パン! グチュ、ジュボッ!! パンッ!! パンッ!!
「ひう! あ、あう、イイ!あ、もっと、奥、来て!」
髪を振り乱し身を捩り、汗がブワリと体から滲みジュンヤの体を伝い落ちる。望み通りに最奥を開いて俺の全てを埋め込むと、それだけでジュンヤは達して、ビクンビクンと痙攣した。その顔は陶酔しきり、俺の腕に縋って暫く震えていた。
綺麗だなぁ。俺は今までこんなに綺麗な物を見た事がない。生き物も、どんな豪華なジュエリーでも、ジュンヤには敵わねぇ。
「あ、あぁ……ごめ、さき、イッちゃったぁ、ん……」
「最高の眺めだったぜ。休みたいか?」
俺の問いにふるふると首を横に振る。
「しってるくせにぃ。おれ、あんたにガンガンにイかされんのが、すきぃ……はやくぅ」
「飛ぶまでイかせてやる」
「ぁん! あ、あう、あ、あ~!!」
衝撃でずり上がる肩を押さえ、奥をグリグリと掻き回すと、ペ○スから透明な液がプシュッ! と吹き出した。
こいつをこんな体にしたのは俺だ。一番深くを抉ってイかせて、こんなに狂わせられるのは俺だけ。誰も届かない場所を俺だけが犯すことが出来て、ジュンヤもそれを求めてくれる。
悶える姿を目に焼きつけながら、突いて、掻き回し、引き抜いては淫らに悦ぶ声を堪能する。
「はやく、ナカ、ほしぃ……!」
「あぁ、俺も、もう限界だ! ほらよ!」
浅い所からズドン!と奥に突き立て、ピッチを上げてピストンすると、快感で真っ白になる。
「はっ、はっ……! ジュンヤ、愛してる! イクぞ、く、くうっ……!」
びゅるるっと、ジュンヤの奥に俺の子種を注ぐ。
「はぁう~……あぁあん……ダリウス……!」
ビクッビクッと、また達したジュンヤを確認し、繋がったまま背後に回り横向きで抱きしめる。俺達の体格差では、ジュンヤに大きな負担がかかるが、これなら楽だろう。
「ダリウス……、おれ、きもちよかった……?」
「いつでも最高に決まってんだろう」
抱きしめ髪にキスをすると柔らかく微笑んでくれた。
「もっと、スる……?」
「くくっ。無理はしねぇよ」
「飛ぶまで、シてくれるだろ?」
「お前に無理はしたくねえって。でも、全部終わったらシて良いか?」
「うん……いっぱいシよ」
「そうだな……外でとか、スケベな下着着てくれるとか、玩具使ったり。色々するからな?」
俺の言葉にびっくりして眠りかけていた目が見開いた。
「スケベ」
「ああ、エロ団長様だからな」
「ふふっ……なぁ、おれ、眠くなっちゃった……どうしよう」
「今は休んでいい。どっちみち今日は無理だろう? 俺達に任せろ」
「で、も。あんたも、疲れて……るだろう?」
「お前に力を貰ったから大丈夫だ」
実際に、さっきまで重苦しかった体が、今は羽の様に軽い。
「ほん、と?」
うとうとし始めたジュンヤの髪を撫でてやると、ゆっくりとまぶたが閉じていった。眠ったジュンヤの呼吸のリズムを確認し、ゆっくりと引き抜いてから中に出したモノを処理して体を拭いてやる。
上掛けを掛けて、もう一度呼吸と体温を確認して隣室に行く。
「ダリウス様、ジュンヤは?」
「おう。ジュンヤはもう大丈夫だ」
既に神官服に着替えたマテリオがいて、俺は果実水をマテリオにも出してやって向かい合って座った。
「お前も、随分と可愛がったな」
「……愛しておりますから」
「最初の泉の時から惚れてたろう?」
「えっ? いいえ。あの時は違います。……恐らく、ですが」
「少なくともお前に取ってジュンヤは特別になってた。でなけりゃ、神殿の言葉を隠してまで俺達にあんな嘘つかねぇよな。処女でなきゃ浄化は使えねぇ、なんてよ」
マテリオは懸命に考えているようだった。なんだ、無自覚で俺達に牽制してたのか。そのまま気がつかなきゃ良かったのによ。
「あの時は、ただ……神聖な光をジュンヤに見て、守らねばと思ったのです」
「そうか」
まぁ、今ではこいつもジュンヤの恋人だ。今更言っても何も変わらない。
「この後だが、ジュンヤは消耗が酷かったから今日は休ませたい」
「はい。私も同じです。殿下に報告に行って参りましょうか?」
「いや。俺達はここに控えて、万が一に備える。外に扉番がいる筈だ」
俺が扉を開ければ、案の定グラントがいた。
「おう、グラント。と、ルファか。ラドはどうした?」
「魔力の消耗が激しいから休ませてるぞ。それから、城門の外と連絡も取れて皆向かっている。ナトルは未だに気を失ったままだし、魔石を借りて封じた。アリアーシュ達が来たら確実に封じて貰う。ジュンヤ様はどうだ?」
「もう大丈夫だが、動かすのは酷だ。街の浄化は明日以降だな。エリアス殿下にそう伝えろ」
「ああ。ジュンヤ様も良くここまで保ったよな。外はファルボド様とエマーソンが動いてるから心配するな」
「そうだな、任せる」
「お前も休め。というつもりだったが、なんだよそれ?! ヘロヘロだった癖に、肌が艶々な上にドエロい香りしやがって!! ……ジュンヤ様か」
俺は思わずニヤついてしまった。
「エロい香りだろぉ? 俺の恋人はヤるとこういう香りがするんだよ」
「はいはい、幸せそうで何よりだ。じゃあな!」
グラントは『惚気はごめん』とばかりに扉を荒っぽく閉めた。
俺は戻ってマテリオの前に立った。
「さて、神官殿に色々聞きたい事がある。大丈夫だと思うが、念の為寝室に待機だ」
「ジュンヤが心配なので移動は賛成ですが、ご質問ですか?」
「ああ。まぁ、主にジュンヤについて、だな」
たっぷり聞かせて貰うぜ。俺の知らないジュンヤの事をな。
俺が笑うと、マテリオの冷静な仮面がヒクリと引き攣った。
ーーーーーー
長くなったクマー!カッコつけといて苦悩するクマを書きたかったのです。
まだ先ですが、完結したらリクエスト企画をしようと思います。みなさま、萌えを練り練りしておいて下さいね。スカとか特殊プレイ以外は頑張ります。リクエスト開始は改めて通知します!
それと、お気に入りがとうとう5000超えました。完結待ちかと思いますが、ありがとうございます!
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