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3章
俺、点検される *R18
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「ジュンヤ様、お寂しいですよね」
揺れる馬車の中、エルビスが気遣ってくれる。その顔が俺より辛そうに見えるから、精一杯の笑顔を見せる。
「すぐに追いついてくるって。こっちは途中で浄化もあるから、早く追いつくかも。それまで追いつかない時も山に一番近い村で合流するって言ってたし大丈夫」
そう、あの後出発したメンバーの中にマテリオはいない。正直言えば寂しいけど、言っていい我儘とダメな我儘が有る。もっと子供なら、純粋に嫌だと言えたのかな。
ただ、あのままの神殿は正直安心して離れられないと思った。彼らの事より、祈祷や治癒を受ける民の事が一番の心配だった。胎珠を授ける役目は司教以上らしいし。妊娠の確認は高位の神官だという。そんな風に神殿を必要としている人々を放置出来なかった。あいつらはどうでも良いけどな。
「でも、神官がソレスだけになってしまいました。そちらも心配です」
「うん。負担にならないといいけど」
そう、ソレスがほとんどの魔石を預かる事になり、最大級の魔石を初めて預かる事になったソレスの顔は青白かった。
そんな不安そうなソレスの為に護衛をつけている。一人は神兵のトマスさんなので、神殿関係者がいるのは安心すると思う。
「ええと、ジュンヤ様。今は恋人として質問をしても良いですか?」
「うん、いいよ」
「先程の、こうかんとはなんの話ですか?」
それ、今頃聞く~!?
「交歓ってのはさ。俺達はその、エッチするとお互いに力が増幅するだろう? 普通はそうならないって聞いた」
「はい。そうですね」
「治癒同士って言うのは、相性が良いと増幅だけじゃなくて、その……ずっと出来ちゃったりするんだって。滅多にないらしいけど…。だから、エッチが修行の一環であるそうなんだ。」
「なるほど。……っ!? と、いう事は? まさかあの男、ジュンヤ様を裏切って神官たちと事に及んでいたのですか?!」
「裏切りじゃなくて! 上司命令は断れないし、そういう決まりで神官になるんだって!!」
寒ーい!! エルビス! 俺が寒いよぉ~! すぐに正気に返ったから黙ってたけど~。まぁ、俺もムカついたから気持ちはわかるよ。命令されると聞いたエルビスは驚いているし。
「それは……自分の意思に関係なくですか?」
「そう。それが魔力を高め合うんだって。相性が完璧に合う相手は珍しいらしいけど。少しでも相性の良い相手を探してするんだってさ」
「なるほど。マテリオと完璧に合うのがジュンヤ様という事ですか」
「うっ! まぁ、そうなる、かなぁ?」
なんだか恥ずかしい話ばかり続いてるぞ!
「無理に行為を行うという点では、貴族の結婚と同じなのですね」
「だから、襲われた時に使われたあの媚薬が存在するんだって。それはそれで辛いよな。せめて自分で決められれば良いけど、力の相性優先らしいから。あのさ、エルビス。ティアやダリウスもだけど……認めてくれてありがとう」
俺の言葉に優しく微笑むエルビス。でも、本心は?
「本当は嫌だったんじゃないか?」
「時折嫉妬をするのは誰であっても同じです。でも、マテリオについては殿下達も時間の問題と思っていたようですし、ダリウスに至っては、かなり前から何かを感じていたと思います」
「ダリウスが?」
「ええ。カルマド領を出発する前に、マテリオが付いてくる事になったでしょう? あの時に嫌そうな顔をしていたんですよね。ライバルになると思っていたのかも」
「へぇ、初耳だ」
俺は向かい合っていた席をエルビスの隣に移動する。
「ジュンヤ様?」
「侍従タイムじゃないから隣で良いだろ? いっつも我慢したり、エッチも回復の為とかで、エルビスとイチャイチャしてないし。我慢してる分、何かして欲しい事あるか?」
「良いんですか?」
「いつものお返しに、甘えてみるか?」
見上げれば、それはもう嬉しそうな素の笑顔で。
「本当に? エッチな事でもお願いを聞いてくれるんですか?」
「い、良いよ……?」
なになに? もしかして、エッチなお願いするのか?
「ジュンヤ様。確かめても良いですか?」
「何を?」
「何をされたのか、です」
「うっ?! それって……!?」
「どんな風に愛されたのか、確認をしたいんです」
嘘だろ? エルビスがこんなこと言うなんて
「本気?」
「もちろんですよ。毎日私がお手入れしているお体に何をされたのか見せてください」
そう言うと、エルビスは素早くカーテンを閉めた。振り向いた顔は、激情を抑えられずに瞳が爛々と輝いていた。怒鳴ったり声を荒げているもいないのに、絶対に抗えない圧を感じる。
足元に跪いて見上げる男臭い表情に、思わずゴクリと生唾を飲み込むと音が聞こえてしまうような気がした。
「ああ、大丈夫です。怖がらないで下さい。さぁ、見せてくださいね」
いや、なんか怖いよ、エルビス! この目は初めてダリウスにエッチな事されて点検された時の目に似ている。でも、今はそこに確実に嫉妬が滲んでいる。
シャツに指がかかり、リボンを解いてボタンが外されて行く。シャツのボタンが全て外されて肌がエルビスに前に晒されている。ふと、エルビスの指が首筋に触れた。
「っ?! な、に?」
「痕がありますね」
「痕? あっ!」
あちこち舐めまわされ吸い付かれた記憶がございますね。俺はプルプルしながらエルビスのチェックに耐える。
「それに、ここにも、おや、こちらにも……」
指先で、鎖骨や胸にあるらしいキスマークを軽く指で突かれる。
「それに、乳首は随分と愛されたのですね。ぷっくりして、まだ色づいていますよ……?」
「うう、エルビス~。ごめんって」
「怒っているのではありませんよ? ただ、私が毎日毎日大事にお手入れしているお体に傷がないか確認です」
治癒があるからエッチの痕跡以外は治ってしまうって知っている癖に、珍しく意地悪だった。でも、気持ちは分かるから大人しく体を預ける。
「下も、ご自分で脱いでくれますか?」
「ふぁっ?! し、下もっ?」
「ええ。特に念入りに調べなければ」
くぅっ! でも! エルビスが望むなら……やってやらぁぁ!!
思い切ってスパッとブリーチズを脱ぐ。こんな時は迷ったら出来ないから、一気にやるのが一番だ。
「では、おみ足を広げてくださいね?」
「ううっ」
また……明るい所でご開帳プレイですか? 今日は恥ずかしすぎるだろうっ?!
「蕾が少し赤いですね。痛くはないですか?」
「大丈……っ! エルビス! 触っちゃ、だめ……」
指先で周囲をくるくると撫でられ、さっきまでハメられて喘ぎまくっていたそこが疼いて、指に反応してしまう。
「パクパクしていますね。ここに、たくさん子種を貰ったのですか?」
「子だっ!?」
溢れんばかりに中出しされました。この世界の人間はみんな絶倫なのでしょうか?
「どうなのですか?」
「いっぱい、出された……」
「なるほど。あのむっつりスケベ神官め」
はい? 今のは素ですね。滅多に見せない素のエルビスは言葉が乱暴になったりする。そう言うところも胸キュン……とか、おっぴろげたまま思う俺っておかしいですか?
「エルビス——シたい?」
エルビスとラブラブエッチしてないよなぁ。前回とかも倒れたのを助けて貰う方で、二人きりでイチャイチャしてないんだ。
それに、俺の体——おかしい。これだけで感じてて、もう勃ってしまっているんだ。
「良いよ? 俺、なんかすごく、エッチな身体になったみたいだ」
「ああ、ジュンヤ様。怖がらせてしまいましたか?」
ガバッと抱きつき、ぎゅっと抱きしめてくれて、俺もしっかり抱き返す。ああ、これ、落ち着く。好き。
「もしも愛し合うのなら、きちんとジュンヤ様を愛したいのです。こんな馬車の中ではなく、隅々まで確かめて奥深くまで繋がって、想いをお伝えしたい」
「俺、エルビスの事も愛してる。ただ、こんなに同時に何人も愛してしまう自分が、正直言って怖い。こんな話、エルビスにしか出来ないから聞いてくれるか?」
「もちろんです! ふふふ。お悩みを聞けるのは私だけの特権ですね。さぁ、整えましょ……」
ピタッと動きが止まる。はい。そうなんです。勃ってます!!
「こちらを頂いてもよろしいですよね?」
「えっ? あっ!」
ぱくんと温かい口腔に包まれ、それだけで抵抗の力はなくなってしまう。真昼間にフェラとかっ!!
「ん、んくっ……はぁ……ジュンヤ様、美味しい……」
う~わぁ~~っ!! エロっ! エロいよ~! エルビスのフェラ顔が色っぽくて目が離せない。しかも、めちゃくちゃ嬉しそうにしゃぶってて、暴発しそう!
ちゅっぽ……ちゅぽっ……ちゅっちゅっ、じゅるっ……
茎の部分を唇で挟んで扱きながら何度も舐め上げられると、たまらず動きに合わせて腰が揺れる。あんなにシた筈なのに、俺の体はどうなっているんだ? ああ、でも、めちゃくちゃ気持ちいい!!
「はっ、はぁ、はぁっ! エル、ビス、きもちいっ!」
「可愛いですね。んぐっ、ん……はぁ、はぁ……素晴らしい舌触りと味です。ここも、問題なさそうですね」
「そんな事、言うなよぉ。あの、エルビス、もう少し、なんだけど……」
「これ、頂いても良いですか?」
「えっ?」
先っちょペロペロで焦らされてるけど、言わなきゃダメって事か。
「良い、よ。あげるぅ、ん!」
言い終わる前にスポッと温かい口腔に包まれて、危うくそれだけでイきかけた。エルビスは喉奥まで飲み込んで、吸い上げながら何度も俺を扱き、俺は限界だった。
「くっ、うぅ……はっはっ……! エルビス、も、イくぅ!」
びゅっとエルビスの口の中に放ってしまう。
「あ、や、吸っちゃだめっ!」
イッたばかりのペ○スを吸われ、全てを吸い上げられ髪を握りしめてしまった。ようやく解放されたが、唾液で濡れた口元に白い雫が一筋溢れていた。エルビスは目を閉じて蕩然としていて、ゴクリとその喉が動いて、俺の精液を飲み込んだ。
「はぁ……昨夜はいっぱいイかれたのですね。いつもより少し薄いですが、美味です。ありがとうございます」
「ありがとうって、それ、俺が言う事じゃないの?」
「ふふふ。いいえ。ありがとう、ですよ。だって、こんなにも愛しくて、力も溢れて来ます。幸せです」
いそいそと俺の服を整えるエルビスは、嘘偽りなく幸せそうだった。
「エルビス——」
「お話、お聞きしますよ?」
「うん。ありがとう」
エルビスはいつも穏やかに流れる幸せな時間をくれる。全てを包み込んで愛してくれるこの人を、改めて大切な存在だと思った。全部整えて、今度はちゃんと向かい合って座る。
「つまり、複数人を同時に愛してしまう事に不安を感じているのですね?」
エメラルドの瞳が、真剣に俺を見据えている。
「うん。前にも話した通り、俺の国は重婚はないし。でもな、みんなを好きな事は止められないし、恋人になったのを後悔してる訳じゃないよ? それは言っておく」
それだけは誤解されたくない大切な事だった。
「ええ、分かっていますよ。いくらこちらが複数人との関係に問題がなくても、これまでに培った倫理観が過ぎってしまうのですね?」
「そう言う事。グスタフ司教曰く、庇護者が少ないらしいし。それに、なんか、前より俺、エッチになってる!! 絶対!」
昨日あんなにしたのに、ちょっと触られただけでこんなになってさ。仕事もあったけど、こんなにも連日エッチなんてしなかった。
「殿下が以前、アユム様に聞いた話なのですが、お話しても良いですか? どこまで本当か分かりませんが」
歩夢君情報なら、きっと本当の事だろうと頷く。
「浄化が進むと更にジュンヤ様を求める者が増え、ジュンヤ様も快楽に弱くなるらしいと仰っていました」
「え……? まだ、いるって事?」
そういえば、攻略対象が九人いるとか最初の頃に聞いたっけ。これまで会った誰かも攻略対象だったのかな。ま、関係ないか。絶対もういないわ。俺が無理。
「ジュンヤ様が愛する愛さないに限らず、多くの者が集まると仰っていましたね」
そういう事か。香りや力に群がるのかもしれない。変に気を持たせない様に気を付けて振る舞う必要があるな。
「でも、それとエッチなのはなんか違うと思う」
「いいえ! 関係ありますよ。御身を守る為だと私は思っています。それに、私達に触れられた時は反応して下さいますが、そうじゃない相手には何もお感じにならないでしょう? 誰にでも反応する訳ではないのでは?」
「確かに……好きな相手じゃなきゃ、おかしくならないね」
うん、そう言う事か。マテリオの事は、きっとずっと前から意識してたんだな……だから、あんなドエロになってしまったんだろう。
「ありがとう。ちょっと安心した」
「ギュッとしても良いですか?」
「良いよ」
むぎゅむぎゅとくっついて、簡易ベッドに転がる。エッチをする訳じゃないですよ。くっついてしあわせタイムを堪能中です。
「そういえば。ティアは許可してくれたけど、ご機嫌とりしてあげなくちゃな」
「そうですね。いっぱい優しくしてあげて下さい。とても大変だったので、精神的にお疲れになっていますから、癒して差し上げて下さいね」
「うん……エルビス……おれ、ねむくなって、来ちゃった……」
そういえば、仮眠しながらやりまくったっけ。瞼が重くて耐えられない。
「ええ。おやすみ下さい。こうしていますから」
エルビスはきゅっと優しく抱きしめてくれた。ティアとダリウスのご機嫌取りをどうしよう。お仕置きもあるかもなぁ。
そう考えながら、優しい腕に包まれ幸せな気持ちで眠りについた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちょっと短いのですが、お口もRなので……更なるイチャラブはまた今度です! エルビスとのラブラブは書きやすいです。
揺れる馬車の中、エルビスが気遣ってくれる。その顔が俺より辛そうに見えるから、精一杯の笑顔を見せる。
「すぐに追いついてくるって。こっちは途中で浄化もあるから、早く追いつくかも。それまで追いつかない時も山に一番近い村で合流するって言ってたし大丈夫」
そう、あの後出発したメンバーの中にマテリオはいない。正直言えば寂しいけど、言っていい我儘とダメな我儘が有る。もっと子供なら、純粋に嫌だと言えたのかな。
ただ、あのままの神殿は正直安心して離れられないと思った。彼らの事より、祈祷や治癒を受ける民の事が一番の心配だった。胎珠を授ける役目は司教以上らしいし。妊娠の確認は高位の神官だという。そんな風に神殿を必要としている人々を放置出来なかった。あいつらはどうでも良いけどな。
「でも、神官がソレスだけになってしまいました。そちらも心配です」
「うん。負担にならないといいけど」
そう、ソレスがほとんどの魔石を預かる事になり、最大級の魔石を初めて預かる事になったソレスの顔は青白かった。
そんな不安そうなソレスの為に護衛をつけている。一人は神兵のトマスさんなので、神殿関係者がいるのは安心すると思う。
「ええと、ジュンヤ様。今は恋人として質問をしても良いですか?」
「うん、いいよ」
「先程の、こうかんとはなんの話ですか?」
それ、今頃聞く~!?
「交歓ってのはさ。俺達はその、エッチするとお互いに力が増幅するだろう? 普通はそうならないって聞いた」
「はい。そうですね」
「治癒同士って言うのは、相性が良いと増幅だけじゃなくて、その……ずっと出来ちゃったりするんだって。滅多にないらしいけど…。だから、エッチが修行の一環であるそうなんだ。」
「なるほど。……っ!? と、いう事は? まさかあの男、ジュンヤ様を裏切って神官たちと事に及んでいたのですか?!」
「裏切りじゃなくて! 上司命令は断れないし、そういう決まりで神官になるんだって!!」
寒ーい!! エルビス! 俺が寒いよぉ~! すぐに正気に返ったから黙ってたけど~。まぁ、俺もムカついたから気持ちはわかるよ。命令されると聞いたエルビスは驚いているし。
「それは……自分の意思に関係なくですか?」
「そう。それが魔力を高め合うんだって。相性が完璧に合う相手は珍しいらしいけど。少しでも相性の良い相手を探してするんだってさ」
「なるほど。マテリオと完璧に合うのがジュンヤ様という事ですか」
「うっ! まぁ、そうなる、かなぁ?」
なんだか恥ずかしい話ばかり続いてるぞ!
「無理に行為を行うという点では、貴族の結婚と同じなのですね」
「だから、襲われた時に使われたあの媚薬が存在するんだって。それはそれで辛いよな。せめて自分で決められれば良いけど、力の相性優先らしいから。あのさ、エルビス。ティアやダリウスもだけど……認めてくれてありがとう」
俺の言葉に優しく微笑むエルビス。でも、本心は?
「本当は嫌だったんじゃないか?」
「時折嫉妬をするのは誰であっても同じです。でも、マテリオについては殿下達も時間の問題と思っていたようですし、ダリウスに至っては、かなり前から何かを感じていたと思います」
「ダリウスが?」
「ええ。カルマド領を出発する前に、マテリオが付いてくる事になったでしょう? あの時に嫌そうな顔をしていたんですよね。ライバルになると思っていたのかも」
「へぇ、初耳だ」
俺は向かい合っていた席をエルビスの隣に移動する。
「ジュンヤ様?」
「侍従タイムじゃないから隣で良いだろ? いっつも我慢したり、エッチも回復の為とかで、エルビスとイチャイチャしてないし。我慢してる分、何かして欲しい事あるか?」
「良いんですか?」
「いつものお返しに、甘えてみるか?」
見上げれば、それはもう嬉しそうな素の笑顔で。
「本当に? エッチな事でもお願いを聞いてくれるんですか?」
「い、良いよ……?」
なになに? もしかして、エッチなお願いするのか?
「ジュンヤ様。確かめても良いですか?」
「何を?」
「何をされたのか、です」
「うっ?! それって……!?」
「どんな風に愛されたのか、確認をしたいんです」
嘘だろ? エルビスがこんなこと言うなんて
「本気?」
「もちろんですよ。毎日私がお手入れしているお体に何をされたのか見せてください」
そう言うと、エルビスは素早くカーテンを閉めた。振り向いた顔は、激情を抑えられずに瞳が爛々と輝いていた。怒鳴ったり声を荒げているもいないのに、絶対に抗えない圧を感じる。
足元に跪いて見上げる男臭い表情に、思わずゴクリと生唾を飲み込むと音が聞こえてしまうような気がした。
「ああ、大丈夫です。怖がらないで下さい。さぁ、見せてくださいね」
いや、なんか怖いよ、エルビス! この目は初めてダリウスにエッチな事されて点検された時の目に似ている。でも、今はそこに確実に嫉妬が滲んでいる。
シャツに指がかかり、リボンを解いてボタンが外されて行く。シャツのボタンが全て外されて肌がエルビスに前に晒されている。ふと、エルビスの指が首筋に触れた。
「っ?! な、に?」
「痕がありますね」
「痕? あっ!」
あちこち舐めまわされ吸い付かれた記憶がございますね。俺はプルプルしながらエルビスのチェックに耐える。
「それに、ここにも、おや、こちらにも……」
指先で、鎖骨や胸にあるらしいキスマークを軽く指で突かれる。
「それに、乳首は随分と愛されたのですね。ぷっくりして、まだ色づいていますよ……?」
「うう、エルビス~。ごめんって」
「怒っているのではありませんよ? ただ、私が毎日毎日大事にお手入れしているお体に傷がないか確認です」
治癒があるからエッチの痕跡以外は治ってしまうって知っている癖に、珍しく意地悪だった。でも、気持ちは分かるから大人しく体を預ける。
「下も、ご自分で脱いでくれますか?」
「ふぁっ?! し、下もっ?」
「ええ。特に念入りに調べなければ」
くぅっ! でも! エルビスが望むなら……やってやらぁぁ!!
思い切ってスパッとブリーチズを脱ぐ。こんな時は迷ったら出来ないから、一気にやるのが一番だ。
「では、おみ足を広げてくださいね?」
「ううっ」
また……明るい所でご開帳プレイですか? 今日は恥ずかしすぎるだろうっ?!
「蕾が少し赤いですね。痛くはないですか?」
「大丈……っ! エルビス! 触っちゃ、だめ……」
指先で周囲をくるくると撫でられ、さっきまでハメられて喘ぎまくっていたそこが疼いて、指に反応してしまう。
「パクパクしていますね。ここに、たくさん子種を貰ったのですか?」
「子だっ!?」
溢れんばかりに中出しされました。この世界の人間はみんな絶倫なのでしょうか?
「どうなのですか?」
「いっぱい、出された……」
「なるほど。あのむっつりスケベ神官め」
はい? 今のは素ですね。滅多に見せない素のエルビスは言葉が乱暴になったりする。そう言うところも胸キュン……とか、おっぴろげたまま思う俺っておかしいですか?
「エルビス——シたい?」
エルビスとラブラブエッチしてないよなぁ。前回とかも倒れたのを助けて貰う方で、二人きりでイチャイチャしてないんだ。
それに、俺の体——おかしい。これだけで感じてて、もう勃ってしまっているんだ。
「良いよ? 俺、なんかすごく、エッチな身体になったみたいだ」
「ああ、ジュンヤ様。怖がらせてしまいましたか?」
ガバッと抱きつき、ぎゅっと抱きしめてくれて、俺もしっかり抱き返す。ああ、これ、落ち着く。好き。
「もしも愛し合うのなら、きちんとジュンヤ様を愛したいのです。こんな馬車の中ではなく、隅々まで確かめて奥深くまで繋がって、想いをお伝えしたい」
「俺、エルビスの事も愛してる。ただ、こんなに同時に何人も愛してしまう自分が、正直言って怖い。こんな話、エルビスにしか出来ないから聞いてくれるか?」
「もちろんです! ふふふ。お悩みを聞けるのは私だけの特権ですね。さぁ、整えましょ……」
ピタッと動きが止まる。はい。そうなんです。勃ってます!!
「こちらを頂いてもよろしいですよね?」
「えっ? あっ!」
ぱくんと温かい口腔に包まれ、それだけで抵抗の力はなくなってしまう。真昼間にフェラとかっ!!
「ん、んくっ……はぁ……ジュンヤ様、美味しい……」
う~わぁ~~っ!! エロっ! エロいよ~! エルビスのフェラ顔が色っぽくて目が離せない。しかも、めちゃくちゃ嬉しそうにしゃぶってて、暴発しそう!
ちゅっぽ……ちゅぽっ……ちゅっちゅっ、じゅるっ……
茎の部分を唇で挟んで扱きながら何度も舐め上げられると、たまらず動きに合わせて腰が揺れる。あんなにシた筈なのに、俺の体はどうなっているんだ? ああ、でも、めちゃくちゃ気持ちいい!!
「はっ、はぁ、はぁっ! エル、ビス、きもちいっ!」
「可愛いですね。んぐっ、ん……はぁ、はぁ……素晴らしい舌触りと味です。ここも、問題なさそうですね」
「そんな事、言うなよぉ。あの、エルビス、もう少し、なんだけど……」
「これ、頂いても良いですか?」
「えっ?」
先っちょペロペロで焦らされてるけど、言わなきゃダメって事か。
「良い、よ。あげるぅ、ん!」
言い終わる前にスポッと温かい口腔に包まれて、危うくそれだけでイきかけた。エルビスは喉奥まで飲み込んで、吸い上げながら何度も俺を扱き、俺は限界だった。
「くっ、うぅ……はっはっ……! エルビス、も、イくぅ!」
びゅっとエルビスの口の中に放ってしまう。
「あ、や、吸っちゃだめっ!」
イッたばかりのペ○スを吸われ、全てを吸い上げられ髪を握りしめてしまった。ようやく解放されたが、唾液で濡れた口元に白い雫が一筋溢れていた。エルビスは目を閉じて蕩然としていて、ゴクリとその喉が動いて、俺の精液を飲み込んだ。
「はぁ……昨夜はいっぱいイかれたのですね。いつもより少し薄いですが、美味です。ありがとうございます」
「ありがとうって、それ、俺が言う事じゃないの?」
「ふふふ。いいえ。ありがとう、ですよ。だって、こんなにも愛しくて、力も溢れて来ます。幸せです」
いそいそと俺の服を整えるエルビスは、嘘偽りなく幸せそうだった。
「エルビス——」
「お話、お聞きしますよ?」
「うん。ありがとう」
エルビスはいつも穏やかに流れる幸せな時間をくれる。全てを包み込んで愛してくれるこの人を、改めて大切な存在だと思った。全部整えて、今度はちゃんと向かい合って座る。
「つまり、複数人を同時に愛してしまう事に不安を感じているのですね?」
エメラルドの瞳が、真剣に俺を見据えている。
「うん。前にも話した通り、俺の国は重婚はないし。でもな、みんなを好きな事は止められないし、恋人になったのを後悔してる訳じゃないよ? それは言っておく」
それだけは誤解されたくない大切な事だった。
「ええ、分かっていますよ。いくらこちらが複数人との関係に問題がなくても、これまでに培った倫理観が過ぎってしまうのですね?」
「そう言う事。グスタフ司教曰く、庇護者が少ないらしいし。それに、なんか、前より俺、エッチになってる!! 絶対!」
昨日あんなにしたのに、ちょっと触られただけでこんなになってさ。仕事もあったけど、こんなにも連日エッチなんてしなかった。
「殿下が以前、アユム様に聞いた話なのですが、お話しても良いですか? どこまで本当か分かりませんが」
歩夢君情報なら、きっと本当の事だろうと頷く。
「浄化が進むと更にジュンヤ様を求める者が増え、ジュンヤ様も快楽に弱くなるらしいと仰っていました」
「え……? まだ、いるって事?」
そういえば、攻略対象が九人いるとか最初の頃に聞いたっけ。これまで会った誰かも攻略対象だったのかな。ま、関係ないか。絶対もういないわ。俺が無理。
「ジュンヤ様が愛する愛さないに限らず、多くの者が集まると仰っていましたね」
そういう事か。香りや力に群がるのかもしれない。変に気を持たせない様に気を付けて振る舞う必要があるな。
「でも、それとエッチなのはなんか違うと思う」
「いいえ! 関係ありますよ。御身を守る為だと私は思っています。それに、私達に触れられた時は反応して下さいますが、そうじゃない相手には何もお感じにならないでしょう? 誰にでも反応する訳ではないのでは?」
「確かに……好きな相手じゃなきゃ、おかしくならないね」
うん、そう言う事か。マテリオの事は、きっとずっと前から意識してたんだな……だから、あんなドエロになってしまったんだろう。
「ありがとう。ちょっと安心した」
「ギュッとしても良いですか?」
「良いよ」
むぎゅむぎゅとくっついて、簡易ベッドに転がる。エッチをする訳じゃないですよ。くっついてしあわせタイムを堪能中です。
「そういえば。ティアは許可してくれたけど、ご機嫌とりしてあげなくちゃな」
「そうですね。いっぱい優しくしてあげて下さい。とても大変だったので、精神的にお疲れになっていますから、癒して差し上げて下さいね」
「うん……エルビス……おれ、ねむくなって、来ちゃった……」
そういえば、仮眠しながらやりまくったっけ。瞼が重くて耐えられない。
「ええ。おやすみ下さい。こうしていますから」
エルビスはきゅっと優しく抱きしめてくれた。ティアとダリウスのご機嫌取りをどうしよう。お仕置きもあるかもなぁ。
そう考えながら、優しい腕に包まれ幸せな気持ちで眠りについた。
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ちょっと短いのですが、お口もRなので……更なるイチャラブはまた今度です! エルビスとのラブラブは書きやすいです。
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